名作「杜と日本」で知られる村下春樹の短編集「女のいらない男たち」所収の、
「ドライブ マイ バイシクル(Drive My Bicycle)」
が、ついに映画化！

夫が全財産を持って女と逃避行。残された松子と２人の子供たち。
松子は生活を守るために必死に働くが、やがて家賃滞納、光熱費滞納と、
生活は日に日に追い詰められていく。車も手放し、週７日休みなく働き詰め。
慣れない満員電車。満員の路線バス。ストレスは溜まり、
やがて子供にも当たり散らすようになる日々。
今さらながら自分の無力さを自覚し、いつのまにかぶくぶくと太った自分の体を鏡で見ながら、
甘ったれた生き方をしていた自分に嫌気がさす松子。
たくさん不満もあったが今は夫が戻ってくることを心から願う松子。

そんなある日ひとりの派遣アルバイトの青年が新しく職場にやってくる。
青年は派遣アルバイトにしては決して若くはなかったが、
猛暑の中、極寒の中、あるいは雨の日も、台風の日も、
毎日片道３０分の道程を自転車で通勤し、必死にハングリーに働いた。
昔はある仕事でそこそこ成功していたらしいが、新興宗教による嫌がらせですべてを失ったという。
そして、青年を貶めたその新興宗教は、夫と松子が長年信仰し続けている宗教だった。

全米が泣いた村下春樹の短編をベネチア映画祭でグランプリを獲った
世界の北野武志が満を持しての映画化！
2度目のベネチア映画祭グランプリ、そしてカンヌ映画祭、
米アカデミー賞での栄冠をめざす！