http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015032302000236.html
http://archive.today/JzRN7
ボウリング聖地惜別 田町ハイレーン 老朽化29日閉館
2015年3月23日 夕刊

東京都心に残る老舗ボウリング場「田町ハイレーン」(港区芝浦)が二十九日、四十三年の歴史に幕を下ろす。
老朽化が進み、耐震性の確保が困難になったためだ。
一九七〇年代初めのボウリングブームが去った後もテレビの競技番組の中継会場となり、
業界団体も入居するなど「聖地」と目された場所だけに、名残を惜しむ声が上がっている。 
(矢島智子)

「小さなボウリング場が次々消えていく中で、知名度も愛着もある場所がなくなるのは寂しい」。
田町ハイレーンに一週間に三回は訪れるという女性(54)が残念がる。

田町ハイレーンはボウリングブーム終盤の七二年十二月にオープン。
五つのフロアに百十レーンを擁して人気を呼んだ。

テレビ東京で二十年続いた長寿番組「ザ・スターボウリング」や、
BS日テレなどで放映中の「ボウリング革命P★League(リーグ)」、
日本プロボウリング協会公認のシニア大会の会場となった。
館内に日本ボウリング史料館が入居するなど業界の顔の役割も担ってきた。

しかし、開業の翌年起きた第一次石油危機で、ブームに陰りが差した。
ピーク時には全国で三千五百カ所以上あったボウリング場も、昨年には九百カ所を割り込んだ。

そんな中、田町ハイレーンは二十三区内では品川プリンスホテルの
八十レーンに次ぐ六十八レーンの規模を維持。
年間利用者も約三十万人(館内レストランなどを含む)という。

三十年間以上通う男性(67)は「プロの指導も受けられたので、閉館は非常に残念」。
所属する日本のプロ一期生、矢島純一さん(69)も
「お客さんと従業員が温かく、とても仕事がしやすかったので、
ここでプロ人生を終えようと考えていただけにショックだった」と漏らした。