つづき。俺は配られたカードの1枚目を絞った。9だった。俺はここで勝利を確信した。
もちろん次に1や2が出たら勝てない。だが10が出る確率は13/4だ。10じゃなくても、
9でもナチュラル、8でも7で悪くねえ。俺は9のカードをオープンしたまま指示した。
バンカーオープン!ディーラーがバンカーの札を2枚一気に裏返す。7と1の8だった。
これはキツイ。確かにまだ勝ち目は十分ある。10だったらいいんだ10だったら。9でもいい。
俺は渾身の力で2枚目を絞った。おばちゃんディーラーはゴン!と言ってくれた。
マカオサンズにもこんなディーラーがいたんだな。ありがとよおばちゃん。だが窓は見えない。
足が見えた。俺はカードを横向きにして捲りなおす。せめてセイピン!だがサンピンだった。
この時点で俺は負けを悟った。7対8で負け。所持金10万6千ドル。俺の戦いは終わった。
そして昨日帰国した。今日5万6千ドル両替した。東京のレートのいい店で77万8400円になった。
まだ5万ドル残ってる。何故両替しないのかって?
そりゃ俺が無職で俺の戦いはまだ終わってないからさ。仕事探してないわけじゃないんだけどな。完