俺がこのスレでルセラ好きだと言ったら謎のポエムを投稿
https://mao.5ch.net/test/read.cgi/fortune/1428798996/l50
元LE SSERAFIM キム・ガラム、脱退から3年でSNSを開設
https://news.yahoo.co.jp/articles/c85682e5c3dc8f8fb59b7d9db6a6a9c7e5366860
↑これ見て思いついたらしい。ルセラのことは名前と人数しか知らない模様
占い板のO型、変なポエムを投稿する
1マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:21:35.86ID:6uYJDBg+2マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:23:07.43ID:gE4gTMan ↡以下ポエム
羽をなくした者たち
教室の隅に、羽の生えた少女がいた。
それは比喩でも幻想でもなかった。誰も彼女に話しかけない。
いや、気づいていないのかもしれない。
彼女は黒板の前に立つ先生をじっと見つめながら、まったく瞬きをしない。
私は転校してきたばかりで、彼女の存在に違和感を覚えなかった。
だけど、その日の放課後、私は奇妙なことに気づいた。
机の上に羽が落ちていた。
黒くて細い、小鳥のような羽。それが、私の名前が書かれた教科書の上に、
まるで「お前も気づいたか」とでも言うように。
その夜、夢を見た。
赤く光る空の下、無数の人影が羽をむしり取られ、
一人の少女が「私は恐れない」と囁いていた。
そして目が覚めたとき、枕元にノートが置かれていた。
表紙には一言。
「ようこそ、ルセラフィムへ」
羽をなくした者たち
教室の隅に、羽の生えた少女がいた。
それは比喩でも幻想でもなかった。誰も彼女に話しかけない。
いや、気づいていないのかもしれない。
彼女は黒板の前に立つ先生をじっと見つめながら、まったく瞬きをしない。
私は転校してきたばかりで、彼女の存在に違和感を覚えなかった。
だけど、その日の放課後、私は奇妙なことに気づいた。
机の上に羽が落ちていた。
黒くて細い、小鳥のような羽。それが、私の名前が書かれた教科書の上に、
まるで「お前も気づいたか」とでも言うように。
その夜、夢を見た。
赤く光る空の下、無数の人影が羽をむしり取られ、
一人の少女が「私は恐れない」と囁いていた。
そして目が覚めたとき、枕元にノートが置かれていた。
表紙には一言。
「ようこそ、ルセラフィムへ」
3マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:23:43.14ID:gE4gTMan ノートの中には、奇妙なルールが記されていた。
【ルセラフィムの規則】
・羽が見える者は、既に選ばれている。
・夢で「空が赤く染まった」者は、過去を返される。
・このノートを閉じるとき、名前を一つ忘れる。
・羽を持たない者は、観測者であり、鍵である。
【ルセラフィムの規則】
・羽が見える者は、既に選ばれている。
・夢で「空が赤く染まった」者は、過去を返される。
・このノートを閉じるとき、名前を一つ忘れる。
・羽を持たない者は、観測者であり、鍵である。
4マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:24:28.88ID:gE4gTMan ページをめくるたびに、紙の隙間から黒い羽がこぼれ落ちていく。
触れるとひんやりしていて、少しだけ、血の匂いがした。
私はそっとページを閉じた。
…そのときだった。
頭の奥で、何かが「スッ」と抜け落ちたような感覚が走った。
「…あれ? 昨日、話しかけてくれた子……なんて名前だったっけ?」
記憶が、削がれていた。
翌朝、学校に行くと教室の空気が微妙に違っていた。
黒板の前にいた羽の少女が、今日は窓際に座っていた。
誰かの席だったはずなのに、周囲は自然に受け入れている。
「ねえ、あの子……誰だっけ?」
そう聞いても、みんな曖昧に笑って、「転校生だよ」とだけ答える。
私が昨日転校してきたばかりなのに。
昼休み、少女が私にだけ話しかけてきた。
「……ノート、読んだんだね」
その声はやけに澄んでいて、でも、どこか壊れそうだった。
「あなたの名前、まだ忘れてない。だから――お願い。全部思い出して」
彼女が立ち上がったとき、背中から黒い羽がゆっくりと広がった。
そして彼女は、囁いた。
「世界が落ちる前に、扉を閉じて」
触れるとひんやりしていて、少しだけ、血の匂いがした。
私はそっとページを閉じた。
…そのときだった。
頭の奥で、何かが「スッ」と抜け落ちたような感覚が走った。
「…あれ? 昨日、話しかけてくれた子……なんて名前だったっけ?」
記憶が、削がれていた。
翌朝、学校に行くと教室の空気が微妙に違っていた。
黒板の前にいた羽の少女が、今日は窓際に座っていた。
誰かの席だったはずなのに、周囲は自然に受け入れている。
「ねえ、あの子……誰だっけ?」
そう聞いても、みんな曖昧に笑って、「転校生だよ」とだけ答える。
私が昨日転校してきたばかりなのに。
昼休み、少女が私にだけ話しかけてきた。
「……ノート、読んだんだね」
その声はやけに澄んでいて、でも、どこか壊れそうだった。
「あなたの名前、まだ忘れてない。だから――お願い。全部思い出して」
彼女が立ち上がったとき、背中から黒い羽がゆっくりと広がった。
そして彼女は、囁いた。
「世界が落ちる前に、扉を閉じて」
5マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:25:14.22ID:gE4gTMan 教室の出席番号が、ひとつ飛ばされていた。
朝のホームルーム。先生は平然と名簿を読み上げるが、6番を読み飛ばしていた。
私は気づいてしまった。昨日、そこには確かにガラムという名前の子がいた。
くせ毛の女の子。笑うときに口元を隠す癖があった。昼休みにお菓子を分けてくれた。
でも、誰も覚えていない。
「ガラムって誰? そんな子いたっけ?」
先生に聞いても、クラスメイトに聞いても、首をかしげられる。
机はそのまま残っているのに。椅子も、ランドセルも、黒い羽が一枚だけ残されていた。
放課後、私は例のノートを開いた。ページが増えていた。
新しい筆跡で、こう書かれていた。
【記録 No.6:ガラム】
喪失日時:5月18日 午前2時
最終記憶:体育館裏で「セラフィム=0」に接触
忘却率:100%(除く観測者)
羽の種類:灰黒
備考:喪失時、何かを叫んだ。「〇〇〇〇逃げて」
朝のホームルーム。先生は平然と名簿を読み上げるが、6番を読み飛ばしていた。
私は気づいてしまった。昨日、そこには確かにガラムという名前の子がいた。
くせ毛の女の子。笑うときに口元を隠す癖があった。昼休みにお菓子を分けてくれた。
でも、誰も覚えていない。
「ガラムって誰? そんな子いたっけ?」
先生に聞いても、クラスメイトに聞いても、首をかしげられる。
机はそのまま残っているのに。椅子も、ランドセルも、黒い羽が一枚だけ残されていた。
放課後、私は例のノートを開いた。ページが増えていた。
新しい筆跡で、こう書かれていた。
【記録 No.6:ガラム】
喪失日時:5月18日 午前2時
最終記憶:体育館裏で「セラフィム=0」に接触
忘却率:100%(除く観測者)
羽の種類:灰黒
備考:喪失時、何かを叫んだ。「〇〇〇〇逃げて」
6マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:25:34.36ID:gE4gTMan その夜、ノートのページがひとりでにめくれた。
そこに現れたのは、黒インクで描かれた人物画。
少女のようで、顔は塗りつぶされていた。
その下に、文字が書かれている。
【セラフィム=0】
初期羽所有者
・現在は「名前」を持たない
・すべての“喪失”を監視し、記憶の回収を行う
・接触を禁ず。接触者は記録抹消対象となる
そのとき、窓の外に、誰かがいた。
校舎の4階なのに、窓の向こうに“誰か”が、こっちをのぞいていた。
顔は影に覆われて見えない。けれど、確かに、私の名前を――
「アカリ」
――呼んだ。
ノートが突然真っ赤に染まり、ページに一行が浮かび上がる。
「次は、あなたの番」
そこに現れたのは、黒インクで描かれた人物画。
少女のようで、顔は塗りつぶされていた。
その下に、文字が書かれている。
【セラフィム=0】
初期羽所有者
・現在は「名前」を持たない
・すべての“喪失”を監視し、記憶の回収を行う
・接触を禁ず。接触者は記録抹消対象となる
そのとき、窓の外に、誰かがいた。
校舎の4階なのに、窓の向こうに“誰か”が、こっちをのぞいていた。
顔は影に覆われて見えない。けれど、確かに、私の名前を――
「アカリ」
――呼んだ。
ノートが突然真っ赤に染まり、ページに一行が浮かび上がる。
「次は、あなたの番」
7マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:26:50.30ID:/6zWtfM7 夢の中で、私は図書館にいた。
すべての棚に、分厚い黒革の本がぎっしりと並んでいる。どれも、背表紙には人の名前。
けれど、その多くは、文字がかすれて読めない。
唯一、はっきりと読める本がひとつだけあった。
それは、「アカリ・カミシロ」と刻まれていた。
私の名前――のはず、だった。
でも手に取った瞬間、眩暈が走った。
ページを開くと、白紙の中に一行だけ、赤い文字で書かれていた。
すべての棚に、分厚い黒革の本がぎっしりと並んでいる。どれも、背表紙には人の名前。
けれど、その多くは、文字がかすれて読めない。
唯一、はっきりと読める本がひとつだけあった。
それは、「アカリ・カミシロ」と刻まれていた。
私の名前――のはず、だった。
でも手に取った瞬間、眩暈が走った。
ページを開くと、白紙の中に一行だけ、赤い文字で書かれていた。
8マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:27:16.42ID:/6zWtfM7 「あなたの本当の名前は、まだ返されていない」
突然、ページの間から、誰かの手が飛び出した。
手は黒く、細く、節くれだった指で、私の腕を掴む。
「やっと来たね。観測者のくせに、遅かったじゃないか」
声の主は、影だった。
いや違う――その“影”の中に、人の形をしたものが立っていた。
顔がない。目も鼻も口もない。ただ、羽だけが背中にある。
左右で色が違う。片方は白、もう片方は焼け焦げた黒。
彼女(あるいはそれ)は言った。
「私はセラフィム=0。
おまえたちが“忘れる”ことで生き永らえる、最初の記録者。
この世界の記憶の重さを、全て引き受ける者」
私は震えながら問いかけた。
「どうして私だけが、覚えていられるの?」
セラフィム=0は、無表情のまま、私の胸に指を当てた。
「おまえもかつて、“羽を持っていた”。
だが、おまえはそれを――自分で捨てたんだ」
そして、図書館の奥の扉が、ゆっくりと開く。
その先には、無数の“喪失者たち”が並ぶ列。
みんな顔がない。名前を奪われた者たち。
列の最後尾に、私は見覚えのある姿を見た。
――ガラムだった。
突然、ページの間から、誰かの手が飛び出した。
手は黒く、細く、節くれだった指で、私の腕を掴む。
「やっと来たね。観測者のくせに、遅かったじゃないか」
声の主は、影だった。
いや違う――その“影”の中に、人の形をしたものが立っていた。
顔がない。目も鼻も口もない。ただ、羽だけが背中にある。
左右で色が違う。片方は白、もう片方は焼け焦げた黒。
彼女(あるいはそれ)は言った。
「私はセラフィム=0。
おまえたちが“忘れる”ことで生き永らえる、最初の記録者。
この世界の記憶の重さを、全て引き受ける者」
私は震えながら問いかけた。
「どうして私だけが、覚えていられるの?」
セラフィム=0は、無表情のまま、私の胸に指を当てた。
「おまえもかつて、“羽を持っていた”。
だが、おまえはそれを――自分で捨てたんだ」
そして、図書館の奥の扉が、ゆっくりと開く。
その先には、無数の“喪失者たち”が並ぶ列。
みんな顔がない。名前を奪われた者たち。
列の最後尾に、私は見覚えのある姿を見た。
――ガラムだった。
9マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:27:52.97ID:/6zWtfM7 でも、彼女は私に気づかない。ただ、手のひらで何かを隠すように握っていた。
セラフィム=0が囁いた。
「彼女はおまえの“名前”をまだ握っている。
だから、完全には消えていない。
だがその時間は、もう――」
ガシャン!
目を覚ますと、部屋の窓が割れていた。
風にあおられてノートが開き、最後のページが現れる。
そこには赤いインクでこう書かれていた。
「羽を返すか、名前を返すか、選べ」
セラフィム=0が囁いた。
「彼女はおまえの“名前”をまだ握っている。
だから、完全には消えていない。
だがその時間は、もう――」
ガシャン!
目を覚ますと、部屋の窓が割れていた。
風にあおられてノートが開き、最後のページが現れる。
そこには赤いインクでこう書かれていた。
「羽を返すか、名前を返すか、選べ」
10マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:29:06.11ID:/6zWtfM7 ノートの文字が、ゆっくりと滲んでいく。
「羽を返すか、名前を返すか、選べ」
まるで、ノートそのものが“意思”を持っているかのようだった。
私はページを見つめながら、何も答えられなかった。
羽を返せば、私はかつての記憶を取り戻す。
けれどそれは、私が“何か”を捨てた過去と直面することを意味する。
名前を返せば、ガラムが戻ってくるかもしれない。
でも、代わりに私は、「アカリ」という存在を手放すことになる。
つまり、私は“誰でもないもの”になる――。
その夜、私は再び夢に落ちた。
そして夢の中で、あの図書館の裏側へと足を踏み入れた。
そこには、一冊だけ鉄でできた重い本が鎖に繋がれていた。
表紙には、赤い文字で名前が刻まれていた。
「ミン=ヒジン」
それは、私の本当の名前だった。
「羽を返すか、名前を返すか、選べ」
まるで、ノートそのものが“意思”を持っているかのようだった。
私はページを見つめながら、何も答えられなかった。
羽を返せば、私はかつての記憶を取り戻す。
けれどそれは、私が“何か”を捨てた過去と直面することを意味する。
名前を返せば、ガラムが戻ってくるかもしれない。
でも、代わりに私は、「アカリ」という存在を手放すことになる。
つまり、私は“誰でもないもの”になる――。
その夜、私は再び夢に落ちた。
そして夢の中で、あの図書館の裏側へと足を踏み入れた。
そこには、一冊だけ鉄でできた重い本が鎖に繋がれていた。
表紙には、赤い文字で名前が刻まれていた。
「ミン=ヒジン」
それは、私の本当の名前だった。
11マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:29:31.12ID:/6zWtfM7 かつて“羽を持ち”、セラフィム=0と契約を交わした名前。
だが、ある日、私は“誰か”を守るために、その羽を捨てた。
誰か――その人の名前は、どうしても思い出せない。
でも、代わりに、誰かの声が響いた。
「……まだ、私のことを忘れていないのね」
振り返ると、そこにいたのはガラムだった。
彼女は自分の胸を押さえ、そこから光の粒のようなものを取り出した。
それは、まるで小さな心臓のように脈打っている。
「これは、あなたの“名前”。でも、もう返せない」
彼女は微笑む。
その笑みは悲しくて、でもどこか誇らしげだった。
「私はもう、“あの日”に決めたの。
あなたを忘れても、あなたに“忘れられたまま”でも、
それでも私は、あなたの羽を持ってここにいたいって」
ガラムの背中から、ぼろぼろに崩れた黒い羽が広がる。
「だから――あなたは、前に進んで。
名前を持たずとも、私は忘れない。
私は、あなたを記憶する“牢”になる」
私は泣いていた。
自分の意思で捨てたはずの名前。
でも、彼女がずっと、握っていてくれた。
私はノートに向かって、ゆっくりと書いた。
「私は、羽を返す」
だが、ある日、私は“誰か”を守るために、その羽を捨てた。
誰か――その人の名前は、どうしても思い出せない。
でも、代わりに、誰かの声が響いた。
「……まだ、私のことを忘れていないのね」
振り返ると、そこにいたのはガラムだった。
彼女は自分の胸を押さえ、そこから光の粒のようなものを取り出した。
それは、まるで小さな心臓のように脈打っている。
「これは、あなたの“名前”。でも、もう返せない」
彼女は微笑む。
その笑みは悲しくて、でもどこか誇らしげだった。
「私はもう、“あの日”に決めたの。
あなたを忘れても、あなたに“忘れられたまま”でも、
それでも私は、あなたの羽を持ってここにいたいって」
ガラムの背中から、ぼろぼろに崩れた黒い羽が広がる。
「だから――あなたは、前に進んで。
名前を持たずとも、私は忘れない。
私は、あなたを記憶する“牢”になる」
私は泣いていた。
自分の意思で捨てたはずの名前。
でも、彼女がずっと、握っていてくれた。
私はノートに向かって、ゆっくりと書いた。
「私は、羽を返す」
12マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:30:23.41ID:/6zWtfM7 羽が、背中に戻った。
私は再び「ミン=ヒジン」として、目を覚ました。
けれどそのとき、世界は音を立てて崩れ始めた。
壁がひび割れ、空が赤く染まり、無数の名前のない影たちが、
空中をさまよい始める。
この世界は、“名前”で保たれていた。
名前とは、存在の境界線。
それを忘れるということは、世界から一歩ずつ“消える”ということだった。
私はノートを開き、最後のページに現れた一文を読む。
「羽を返した者は、すべての記録に入る資格を得る」
図書館の最深部。
そこにあったのは、巨大な鏡だった。
鏡には、ひとりの少女の姿が映っていた。
それは――
セラフィム=0。
だけどその顔は、私とまったく同じだった。
鏡の中の彼女は笑う。
優しく、そして、哀しげに。
「やっと、戻ってきたね。ミン」
私は震えながら問いかけた。
「あなたは、私……なの?」
「違うよ。私は“あなたがなれなかったあなた”。
名前を捨てなかった、もうひとつの選択。
記憶を失わずに、羽を守った“可能性”の私」
彼女――“もう一人の私”が、手を差し出してくる。
「世界を壊したのは、あなたじゃない。
でも、止められるのは“あなた”だけ」
私は答えた。
「どうすれば……?」
彼女は微笑み、こう言った。
私は再び「ミン=ヒジン」として、目を覚ました。
けれどそのとき、世界は音を立てて崩れ始めた。
壁がひび割れ、空が赤く染まり、無数の名前のない影たちが、
空中をさまよい始める。
この世界は、“名前”で保たれていた。
名前とは、存在の境界線。
それを忘れるということは、世界から一歩ずつ“消える”ということだった。
私はノートを開き、最後のページに現れた一文を読む。
「羽を返した者は、すべての記録に入る資格を得る」
図書館の最深部。
そこにあったのは、巨大な鏡だった。
鏡には、ひとりの少女の姿が映っていた。
それは――
セラフィム=0。
だけどその顔は、私とまったく同じだった。
鏡の中の彼女は笑う。
優しく、そして、哀しげに。
「やっと、戻ってきたね。ミン」
私は震えながら問いかけた。
「あなたは、私……なの?」
「違うよ。私は“あなたがなれなかったあなた”。
名前を捨てなかった、もうひとつの選択。
記憶を失わずに、羽を守った“可能性”の私」
彼女――“もう一人の私”が、手を差し出してくる。
「世界を壊したのは、あなたじゃない。
でも、止められるのは“あなた”だけ」
私は答えた。
「どうすれば……?」
彼女は微笑み、こう言った。
13マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:31:10.49ID:H4yo5uYu 「全員の“名前”を、もう一度、呼んであげて」
その瞬間、図書館の天井が崩れ、光が差し込む。
私は空へと舞い上がる。背中の羽が、黒と白に輝きながら広がっていく。
名前を呼ぶたびに、世界に色が戻っていく。
影に埋もれたクラスメイトの顔が、ひとつひとつ蘇る。
「さくら」
「チェウォン」
「ウンチェ」
「カズハ」
「ユンジン」
記憶が、音になって世界を繋ぎ直していく。
それはまるで、“羽化”のようだった。
そして最後に、私は呟く。
「ミン=ヒジン」
その瞬間、図書館の天井が崩れ、光が差し込む。
私は空へと舞い上がる。背中の羽が、黒と白に輝きながら広がっていく。
名前を呼ぶたびに、世界に色が戻っていく。
影に埋もれたクラスメイトの顔が、ひとつひとつ蘇る。
「さくら」
「チェウォン」
「ウンチェ」
「カズハ」
「ユンジン」
記憶が、音になって世界を繋ぎ直していく。
それはまるで、“羽化”のようだった。
そして最後に、私は呟く。
「ミン=ヒジン」
14マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:31:46.68ID:H4yo5uYu 世界は音もなく、再び形を取り戻していった。
ミンヒジンの羽は、かつてない光を放ち、
その光が触れた場所から、人々の「名前」が芽吹くように戻っていった。
ガラムの姿も、列の最後尾から消えていた。
代わりに現れたのは――あの日、
アカリが“名前を返す”と選んだことで生まれた、小さな檻(おり)。
その中に、光の粒がひとつだけ浮かんでいた。
ノートがひとりでに開き、そこに新たな記録が刻まれる。
【記録 No.???:ガラム・K】
・状態:封鎖型記憶結晶
・保存者:ミン・ヒジン
・解放条件:契約の破棄、または自己喪失
・備考:記憶保持者の最終鍵
ミンヒジンの羽は、かつてない光を放ち、
その光が触れた場所から、人々の「名前」が芽吹くように戻っていった。
ガラムの姿も、列の最後尾から消えていた。
代わりに現れたのは――あの日、
アカリが“名前を返す”と選んだことで生まれた、小さな檻(おり)。
その中に、光の粒がひとつだけ浮かんでいた。
ノートがひとりでに開き、そこに新たな記録が刻まれる。
【記録 No.???:ガラム・K】
・状態:封鎖型記憶結晶
・保存者:ミン・ヒジン
・解放条件:契約の破棄、または自己喪失
・備考:記憶保持者の最終鍵
15マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:32:37.94ID:H4yo5uYu アカリは檻の前に立ち尽くした。
解放すれば、ガラムは戻ってくる。
だがその代わりに、今の“自分”は存在を終える。
それは、選択だった。
この世界が求めた、最初で最後の問い。
「誰かを“忘れない”ために、あなたは“自分”を捨てられるか?」
ふと、背後に気配を感じて振り向く。
そこにいたのは――セラフィム=0。
いや、もう“彼女”ではなかった。
今やその姿は、名も持たない白い光になっていた。
「私はあなたの恐れだった。
存在を保つために、忘却を許し続けた。
でも、あなたが“記憶する”ことを選んだ。
ならば、私はもういらない」
そう言って、光は溶けるように、空に消えた。
アカリはそっと、檻の鍵を握りしめた。
迷いは、なかった。
それは恐怖ではなく、
選び取った愛情の形だった。
彼女は鍵を差し込み、静かに言った。
「私は、恐れない」
檻が開く。
光の粒が羽を広げる。
ガラムが、静かに、優しく戻ってくる。
解放すれば、ガラムは戻ってくる。
だがその代わりに、今の“自分”は存在を終える。
それは、選択だった。
この世界が求めた、最初で最後の問い。
「誰かを“忘れない”ために、あなたは“自分”を捨てられるか?」
ふと、背後に気配を感じて振り向く。
そこにいたのは――セラフィム=0。
いや、もう“彼女”ではなかった。
今やその姿は、名も持たない白い光になっていた。
「私はあなたの恐れだった。
存在を保つために、忘却を許し続けた。
でも、あなたが“記憶する”ことを選んだ。
ならば、私はもういらない」
そう言って、光は溶けるように、空に消えた。
アカリはそっと、檻の鍵を握りしめた。
迷いは、なかった。
それは恐怖ではなく、
選び取った愛情の形だった。
彼女は鍵を差し込み、静かに言った。
「私は、恐れない」
檻が開く。
光の粒が羽を広げる。
ガラムが、静かに、優しく戻ってくる。
16マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:33:42.65ID:H4yo5uYu 教室の窓から、春の風が吹き抜ける。
出席番号6番。
ガラムが、笑って座っていた。
誰も不思議に思わない。
それが“ずっとそうだった”みたいに、自然だった。
アカリは、ノートをそっと閉じて、鞄の奥にしまう。
もう記録はいらない。
今は、ただ“名前を呼び合える”日々があるだけ。
授業が始まる。
誰かが笑う。
呼ばれた名前に、誰かが返事をする。
アカリは、窓の外に目をやる。
遠くの空に、白と黒の羽が一枚ずつ、交差するように舞っていた。
エンディング
「愛が灯る」
https://youtu.be/_XeE2aEiPHk?si=W9Jxv3LiO9uQG1Zy
出席番号6番。
ガラムが、笑って座っていた。
誰も不思議に思わない。
それが“ずっとそうだった”みたいに、自然だった。
アカリは、ノートをそっと閉じて、鞄の奥にしまう。
もう記録はいらない。
今は、ただ“名前を呼び合える”日々があるだけ。
授業が始まる。
誰かが笑う。
呼ばれた名前に、誰かが返事をする。
アカリは、窓の外に目をやる。
遠くの空に、白と黒の羽が一枚ずつ、交差するように舞っていた。
エンディング
「愛が灯る」
https://youtu.be/_XeE2aEiPHk?si=W9Jxv3LiO9uQG1Zy
17A♂
2025/05/22(木) 01:34:33.72ID:uC/uwY9g 童貞の妄想力ワロタ
18マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:35:53.63ID:fOBT3WH2 >>16
完結してて草
完結してて草
19マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:37:32.24ID:v7q+hLpX >>3
複雑すぎてよくわからんけどこれ辻褄合ってんの?
複雑すぎてよくわからんけどこれ辻褄合ってんの?
20マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:38:28.48ID:3M/pz4gw21マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:40:49.10ID:eEVJlt0i 元LE SSERAFIM キム・ガラム、脱退から3年でSNSを開設
https://news.yahoo.co.jp/articles/c85682e5c3dc8f8fb59b7d9db6a6a9c7e5366860
これ見た瞬間に「6人目のメンバー…出席番号6番…ルセラってことは天使か…この人は世間から忘れられるのが嫌だったんだろうな…」
みたいな妄想を瞬時にしてこれを考えたってこと?
普通に化け物じゃね?
https://news.yahoo.co.jp/articles/c85682e5c3dc8f8fb59b7d9db6a6a9c7e5366860
これ見た瞬間に「6人目のメンバー…出席番号6番…ルセラってことは天使か…この人は世間から忘れられるのが嫌だったんだろうな…」
みたいな妄想を瞬時にしてこれを考えたってこと?
普通に化け物じゃね?
22マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:42:54.44ID:TV/10IyC >>16
なんで勝手にEDつけてんの?
なんで勝手にEDつけてんの?
23A♂
2025/05/22(木) 01:47:16.43ID:eEVJlt0i 新海気取りの馬鹿wwwwwww
24マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 01:53:34.15ID:UAbSWZ3g 記事出てから考えるまでが高速すぎるだろ
何かの作家じゃねえのかこいつ
何かの作家じゃねえのかこいつ
25マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 02:09:06.73ID:KpV88NKg ( ;∀;)イイハナシダナー
26マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 02:39:06.39ID:KFuc2p6C あとがき「名もなき観測者」
最初の観測者は、名前を持たなかった。
世界がまだ“記憶”を知らなかった頃、
存在とはただ、そこにあるだけだった。
だが、人々が「名前」を持ち始めたとき、
この世界に“影”が落ちた。
名前は境界を作り、記憶を縛った。
存在を「記録」しようとする意思が、
ひとつの形となって具現化した――
それが、「セラフィム=0」。
彼女はもともと、ただの人だった。
名前はもう、誰も覚えていない。
彼女は観測者の役目を負い、世界の“忘れられた記憶”を一つずつ背負った。
忘れられた名前、捨てられた記録、壊された存在の輪郭。
彼女の羽は、記憶を背負うごとに黒く焼け焦げていった。
やがて、あらゆる「記録」の重さに耐えきれず、
彼女は言った。
「私が“名前の墓”になろう」
最初の観測者は、名前を持たなかった。
世界がまだ“記憶”を知らなかった頃、
存在とはただ、そこにあるだけだった。
だが、人々が「名前」を持ち始めたとき、
この世界に“影”が落ちた。
名前は境界を作り、記憶を縛った。
存在を「記録」しようとする意思が、
ひとつの形となって具現化した――
それが、「セラフィム=0」。
彼女はもともと、ただの人だった。
名前はもう、誰も覚えていない。
彼女は観測者の役目を負い、世界の“忘れられた記憶”を一つずつ背負った。
忘れられた名前、捨てられた記録、壊された存在の輪郭。
彼女の羽は、記憶を背負うごとに黒く焼け焦げていった。
やがて、あらゆる「記録」の重さに耐えきれず、
彼女は言った。
「私が“名前の墓”になろう」
27マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 02:42:40.78ID:KFuc2p6C そうして、彼女は「セラフィム=0」となった。
世界に名前を返さず、ただ記録し続ける“牢”として存在した。
だから彼女は、自らを「最初の失敗」と呼んだ。
アカリが羽を失い、再び名を持とうとしたとき、
セラフィム=0はその存在を“未来の可能性”として見出した。
彼女は希望ではない。
彼女は恐れだった。
世界が記憶することを拒み続けたときに生まれた“残響”。
それでも彼女は、最後に微笑んで消えた。
なぜなら――
「誰かが思い出してくれるなら、私は“影”であっていい」
世界に名前を返さず、ただ記録し続ける“牢”として存在した。
だから彼女は、自らを「最初の失敗」と呼んだ。
アカリが羽を失い、再び名を持とうとしたとき、
セラフィム=0はその存在を“未来の可能性”として見出した。
彼女は希望ではない。
彼女は恐れだった。
世界が記憶することを拒み続けたときに生まれた“残響”。
それでも彼女は、最後に微笑んで消えた。
なぜなら――
「誰かが思い出してくれるなら、私は“影”であっていい」
28A♂
2025/05/22(木) 02:43:05.73ID:/6zWtfM7 何を言うとんねん
29マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 03:05:30.23ID:OAyrcXqS >>21
元ネタがただの記事なの笑う
元ネタがただの記事なの笑う
30マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 03:42:47.58ID:N4IhB5Fl >>16
やるじゃん
やるじゃん
31マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 04:03:57.90ID:rRXw4qap 伏瀬先生さすがっす
33マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 04:23:47.16ID:bxfIT4iP >>32
伏瀬は5000万部なので格上はほとんどいませんが
伏瀬は5000万部なので格上はほとんどいませんが
34マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 04:25:44.08ID:RTgAS+Dh 伏瀬はこの人? 5000万部だからトップのはず
https://ncode.syosetu.com/n6316bn/2/
https://ncode.syosetu.com/n6316bn/2/
35マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 04:30:09.94ID:HJW3yq4m どっちかというと蜘蛛の人っぽい
スライムの人とはちょっと違う
スライムの人とはちょっと違う
36マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 04:38:58.15ID:HJW3yq4m38マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 05:01:12.35ID:Lb4VGvmu39マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 05:02:59.01ID:OAyrcXqS >>36
薬屋の人は性別女だし福岡だし何もかも違うけどね
薬屋の人は性別女だし福岡だし何もかも違うけどね
40マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 05:04:57.50ID:uC/uwY9g でも王OK好きな作家って薬屋の人だけでしょ
41マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 05:08:28.01ID:sJeRbWFo42マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 05:16:42.18ID:Oh5c1Yvd 普通に化け物じゃない?
最新記事が元ネタってことは即興だよ
複雑な伏線はって後半で回収してる
最新記事が元ネタってことは即興だよ
複雑な伏線はって後半で回収してる
43マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 05:23:08.76ID:3M/pz4gw いちいちエンディングまで考えてるのは売れてるプロだけ
44マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 05:25:14.73ID:yXGvs2Pm45マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 05:28:23.89ID:J0q2wrA1 商業とは別に理想のEDはあるでしょうよ
売り上げとか人気とか契約考えたら売れっ子の新作ソングしかありえないけど
売り上げとか人気とか契約考えたら売れっ子の新作ソングしかありえないけど
46マドモアゼル名無しさん
2025/05/22(木) 06:58:43.97ID:3owfgaEb ここに来ない理由がわからない
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