「(宿の)部屋のテレビが朝からつけっぱなしだったので、聞き流しておりましたが、
すごいですね。もう1時間近くピエール瀧の話だけしかしてません。この国のメディア
もう気が狂っているみたいです」

 14日朝、そうツイートしたのは思想家で神戸女学院大名誉教授の内田樹氏だ。
朝だけでなく、お昼も午後も民放の情報番組は、瀧のコカイン逮捕の話題一色。
必ず1時間ほど引っ張り、続いて元モー娘。のゴマキの不倫の話題が延々と続く。
他に伝えるニュースがないのかと錯覚しそうなほどだ。

 瀧の肩を持つわけではないが、薬物犯罪は被害者なき犯罪という側面もある。
ゴマキの不倫に至っては家族内で片づけるべき問題だろう。ちょうど昨年の今ごろ、
財務省が森友文書の改ざんを認めたが、その顛末はどうなった。告発された財務省
幹部ら38人は全員、不起訴。責任者の麻生財務相は今も辞めず、デカイ面だ。
安倍首相夫妻の関与疑惑も晴れないまま、ウヤムヤである。

行政府の信用を根底から揺るがす前代未聞の大事件のはずが、こんなモヤモヤ
決着でいいのか。それを司法は許すのか。芸能スキャンダル報道に血道をあげる前に、
メディアはやるべきことがあるはずだ。改めて内田樹氏に聞いてみた。

「普段はテレビを見ない生活で、旅先で相部屋の友人がつけたから、たまたま知り
ましたが、異様ですよ。ワイドショー的関心事としてピエール瀧の事件を15分程度、
伝えるならまだしも、あそこまで報道資材を集中して1時間も伝えるのは、明らかにおかしい。