ネットで話題「血液型と性格にはやはり相関性がある」の論文を徹底検証
「血液型による性格診断を信じるバカ」
http://healthpress.jp/2016/01/post-2198_3.html

難波紘二
日本の医師・医学者・評論家。広島大学名誉教授。
広島市生まれ。1967年広島大学医学部卒、1974年同大学院博士課程修了、「松果体の実験形態学的研究」で医学博士。呉共済病院で臨床病理科初代科長として勤務。
アメリカ国立衛生研究所国際奨学生に選ばれ同がんセンターの病理部に2年間留学し、血液病理学を研鑽。広島大学総合科学部教授、2004年定年退官。名誉教授。自宅に「鹿鳴荘病理研究所」を設立




>ところが彼女は2014年から突然分野変えをして、ホルモンや血液型(ABO式)といった精神科とはまるで関係のない分野の研究を始めた。
>普通、分野変えをしたら、最低でもその分野の基礎的文献を読み、新技術を習得する必要があるので、他の研究室に席を置くか、あるいは留学などをするものだが、彼女にはその形跡がない。

> 「PLOS one」は電子雑誌であり、紙雑誌と異なり投稿から掲載までの時間が短いこと、査読者が1名なので審査が厳しくないという特徴がある。問題の論文が不審なのは、
投稿日が2014年9月29日なのに、受理されたのが2015年4月9日、電子版で掲載されたのが5月15日と、7カ月以上かかっていることだ。「ネイチャー」「ランセット」「ニューイングランド医学雑誌」のような紙の週刊誌でも、問題のない論文ならこれほど時間を要することはない。

> 以上見てきたように、土嶺特別研究員の過去の研究は、すべて欧米の論文を見て、
>それを「健常日本人」に適応した「本邦初演」型の研究だ。
>これを医学界では「カッパのへそ」と呼ぶ。カッパのへそは、まだ誰も見たことがない。だから珍しい。

> 「幽霊の正体見たり枯れ尾花」、これも「研究者の思い込み」が作り出した幻にすぎない。

彼女が発表した論文はたった3篇で、すべて「仮説論文」であり共著者がいない。これで彼女の研究環境がわかるだろう。
その「仮説論文」のCIは1。つまりこの論文を引用ないし「本気にした」論文は「PubMed」を調べた限り世界で1本だけ。それがこの土嶺論文である。

次回は「血液型・気質相関論」がなぜ蔓延るにいたったかを見ていく。