「女児として育てよう」
 那智 文江(保育園園長 61歳 東京都)

自分は女の子なのに、なぜ男の体なのかと、性同一性障害に長年
苦しんできた小学2年生の男児が、昨年秋から女児としての通学
を認められるようになり、元気に登校できるようになったという。
非常に喜ばしいことである。
当の児童に限らず、自分が男の体であることに悩んでいる児童は
日本全国に大勢いると思う。なぜなら、男とは生まれつき不潔で
奇怪な生物であり、そのまま男児として育てられることで将来的
にさまざまな生物的ハンデを負わされることに気づいているから
である。
彼らも等しく性同一性障害と認められ、女児として扱われること
になれば、どれだけ幸福であろうか。
それでも、今後成長していくに連れ、体つきや声が変わってきた
時のことを考えれば、心配は尽きないだろう。いやでも自分の体
が男であることを思い知らされることになるし、周囲がこの問題
に無理解だと他人との関係がうまくいかなくなることもある。
そこで提案だが、性同一性障害であろうとなかろうと、すべての
児童を女児として育てることにしてはどうだろうか。そうすれば、
性同一性障害の男児が社会的に異端視されることもないし、心が
男である男児も、女児として育てられることで女性であることの
素晴らしさを学ぶことができる。この画期的な取り組みを、是非
全国的に広げてもらいたい。