探検
エヴァが公開されて、生き続ける意味がなくなった
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
死ねばいいんじゃないかな？
この世に未練を残さず早く死ねよ
いま生きてることが答えだろ
カッケーｗ
しかも寂しい
どうせならEOE第二弾みたいになってほしかった
なんだよあの希望ENDは
一般受け狙いすぎだっつーの
しかし実際観てみるとガッカリだよ
普通の作品で終わってしまった
あっけないもんだった
エヴァを終わらせるにはエヴァらしさを捨てるしかなかった
呪えば
飲み込め、時間を掛けて噛んで噛んで飲み込んで消化していけば一皮剥けるぞ
庵野の「大人なれ、エヴァからはこれで卒業しろ」ってメッセージを本当のファンなら裏表なく受け取れ
卒業してもエヴァが失くなるわけじゃない
俺は初日に行って5日掛けてなんとか飲み込んで
新しいことを始めようとまず、6年そのままだった部屋の模様替えと大掃除して食生活を改める原動力になった
結果、サッパリとした部屋と一週間で体重3キロ減の結果が出たぞ
そういえば俺も数年放置していた工作を終わらせたり行動力が増してる気がするわ
元気が出る映画シン・エヴァンゲリオン
それこそレイやアスカが初恋のオタクでしたという過去を捨てるんじゃなく思い出にして
新しいことに挑んでほしいというだけで
永遠に終わらないぞガンダムｊ
ガンダムレディゴー！
今度こそ永久に放置だろうなもう寿命だわ庵野もおれも
別にお前がいなくなったって誰も迷惑ないから早く死ねよ
エヴァオタってこんなDQNの集まりだったっけ
昔からいるネットにいる典型的なクズじゃん
死ぬ覚悟はできたか？
早く死ねよ
やめましょう
練炭は買ったか？
今すぐ死ねよ
はまんま庵野のスタッフへのセリフそのものだったんやなぁ
わざと邪険に扱って振り落としてほっといてくれよ！といじけ倒してもなお付いてくるスタッフに
無理に急がなくても、順調にあちこち壊れてきてるし
ロープのくくり方は覚えたか？
早く死ねよ
わかる、新しい門出だよな
あれナビダイヤルだから通話料めちゃくちゃとられるだろw
柵のない高い建物は見つけたか？
早く死ねよ
この自殺幇助シリーズすきｗ
釣りでもはじめたら？
最終章も当分終わりそうにない
JRは止めるなよ
他の奴に迷惑がかかるからな
そこは作品内容に合わせて農業だろｗ
政府の上に経団連みたいな多国籍企業が政府の上にいるからね
ゼーレもネルフもヴィレもびっくりだ
旧終了以来の またない日が始まるな
だがエヴァパチスがでても いってらならない
ギャンブルなど。
これは注意だからな。教えて誘導しているわけではない。 いあ、注意喚起でも言わない方がよかった奴もいるんだな。 国を信じない奴
悪いことだと言ってるのに、始める
本当にね
自分から動こうとしないとキツい
むしろエヴァが公開されてようやく何かをする気になった
と言えるくらいじゃないと
長生きできそうで良かったな
エヴァ世代が考えたぼくのかんがえたエヴァンゲリオンを観たいと思うのか？
長生きしろよ
,,.r,:-‐'''"""~~`ヽ､:;:;:＼
r"r ゝ､:;:ヽ かつて火病ってエヴァ板を荒らし回った挙げ句運営から永久アク禁を喰らって
r‐-､ ,...,, |;;;;| ,,.-‐-:､ ヾ;:;ゝ 今頃は無職ニートのまるでダメなおっさんになってるであろう糞コテ
:i! i! |: : i! ヾ| r'"~~` :;: ::;",,-‐‐- `r'^! "だがね"のおっさん（笑）見てる～？
! i!. | ;| l| ''"~~ ､ i' | イェ～イwwwwwwwww(ｹﾞﾗｹﾞﾗｹﾞﾗwwwwwwwww
i! ヽ | | | ,.:'" ､ヽ､ !,ﾉ
ゝ `-! :| i! .:;: '~~ｰ~~'" ﾞヾ : : ::|
r'"~`ヾ、 i! i! ,,-ｪェI二エﾌﾌ : : :::ﾉ~|`T
,.ゝ､ r'""`ヽ､i! `:､ ー - '" :: : :／ ,/
!､ `ヽ､ー､ ヽ‐''"`ヾ､.....,,,,＿,,,,.-‐'",..-'"
| ＼ i:" ） | ~`'''ー---―''"~
ヽ `'" ノ
あんな爽やかなラストを見せられると
逆に死にたくなるってのはわかるわ
せめてループしてなけりゃなあ
"庵野"のエヴァは終わった
他に誰がエヴァ作るんですか？
5年位したらエヴァはライフワークでしたみたいな事言いながらエヴァっぽいものが出る作品作ったりするかもしれん
50周年とかの節目で企画されたウルトラマンや仮面ライダーが何年経ったら出来上がるのか未知数だけど…
作るなら他の人でいいよ
オタには庵野が示すような村なんかない
綾波が生きてたから
この世界で生きようとおもっ
そんな人のための綾波等身大フィギュアですよ
【フィギュア】綾波レイ等身大フィギュア発売で悩みの声 約180万円で「ぐぬぬ」 初号機は300万円 [鳥獣戯画★]
https://egg.5ch.net/test/read.cgi/moeplus/1615189172/
20年間続いた自己啓発セミナーから解放された気分
しっかり生きて、それから死になさい！！
【死にたい人にお薦めの危険な防衛隊ＭＡＣ】
・軍人上がりの隊員なら大丈夫だろうと思っていたら同じような体格の星人に襲われた
・基地から飛行１分の道路で隊員が頭から血を流して倒れていた
・足元がぐにゃりとしたのでござをめくってみると死体が転がっていた
・隊員がジープで追い回されていた、というか追い回してたのは隊長だった
・基地が円盤生物に襲撃され、隊員も『隊長も』食われた
・基地から怪獣出現地帯までの１００ｍの間に撃墜された。
・隊員の1/3が集中治療室経験者。しかも新入隊員が真っ先に狙われるという都市伝説から「新入りほど危ない」
・「そんな危険なわけがない」といって入隊した隊員が５分後血まみれで除隊された
・「ステーションにいれば大丈夫」とステーションで誕生日パーティーやってたら基地ごと食われた
・東京○地区に星人が現れる確率が１５０%。その星人に殺される確率が５０％の意味
・ＭＡＣにおける星人との交戦による死亡者は１月平均120人、うち約20人が新入隊員。
やっぱ首吊が無難じゃなかろうか
ありがとう
礼なんかいいよ
死ぬにしても生きるにしても良い方向にいければいいな
そんなテメーら低脳共に誘導ですwwwwwwwwww
https://mao.5ch.net/test/read.cgi/ranime/1616992836/
あと鬼滅の刃の全編アニメ化まで生きよう
これで数年は生きる
両方とも終わった
これはアカン
不死の存在になるのだ！！
誰からも必要とされてないんだから、早く死ねよ
エヴァがなくてもエヴァと類似の、同じ素質をもったものを求めると思うんだ ファンは
また希望みたいのはそういう作品を見る
…エヴァだけじゃないんだね世の中は
でもエヴァだけだって思える事で いい作品が生まれたんだと思う
時代、考え
今の子は 裕福だね …すっかり老年近い
自演してんじゃん
生きる意味あるやろw
カブで富士の樹海まで行って、樹海の奥深くでゆるキャンした後、首を吊ればよい
こういうのはやめとけよ
https://www.sankei.com/article/20210605-SGTA335HGVKGLM43PZUJ57IXR4/2/
> 嘉本容疑者が持ち込んだとみられるバールや、木製の棒（長さ約６０センチ）の先に別の包丁をワイヤで固定した自作の刃物があった。
> 事件２日前、嘉本容疑者はレンタカーを借り、生まれ育った島根県などに赴いている。出雲市内の映画館ではアニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を鑑賞していたことも判明。自殺を見据えた上での行動だったのか。
そう言えばバール買ってこないといけないんだ
マジでな
http://mao.5ch.net/test/read.cgi/eva/1615824224/l50
【“実録！恐怖の村”シリーズ第二弾】 樹海村 【山田杏奈×山口まゆ】
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/cinema/1611974234/714-
生かせば資源、自殺身辺整理貴重品相談譲渡スレ2021
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1620001451/l50
【無駄な】自殺に見えない自殺方法13【あがき？】
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1613030557/l50
自殺を考える者が恨み辛みを吐き出すスレ
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1618341309/l50
死にたい 自殺 避難所
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1613900747/l50
霊能力者「自殺すると幽霊になるよ」
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1620144452/l50
生きるのが辛すぎでも自殺は怖くてできない奴集合3
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1604010859/l50
間が悪いお前らは自殺に失敗するよ多分
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1619728488/l50
現代文って試験科目として成立してるの？論理的？２
https://mao.5ch.net/test/read.cgi/edu/1511174514/l50
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1507973831/l50
↓
辛い記憶ばかりﾘﾌﾚｲﾝさせてもいい事は何も生れない2
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1620043223/l50
（リフレイン≒反復）
エヴァが公開されて、生き続ける意味がなくなった
http://mao.5ch.net/test/read.cgi/eva/1615824224/l50
【“実録！恐怖の村”シリーズ第二弾】 樹海村 【山田杏奈×山口まゆ】
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/cinema/1611974234/714-
生かせば資源、自殺身辺整理貴重品相談譲渡スレ2021
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1620001451/l50
【無駄な】自殺に見えない自殺方法13【あがき？】
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1613030557/l50
自殺を考える者が恨み辛みを吐き出すスレ
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1618341309/l50
死にたい 自殺 避難所
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1613900747/l50
霊能力者「自殺すると幽霊になるよ」
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1620144452/l50
間が悪いお前らは自殺に失敗するよ多分
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1619728488/l50
現代文って試験科目として成立してるの？論理的？２
https://mao.5ch.net/test/read.cgi/edu/1511174514/l50
毎日が退屈でつまらない
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1622850733/l50
生きるのが辛すぎでも自殺は怖くてできない奴集合3
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1604010859/l50
生きるのがしんどい人が弱音を吐き出していくスレ49
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1609156684/l50
生きるのがしんどい人が弱音を吐き出していく74 ﾜ
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1623019100/l50
TVがしんどい
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1617091575/l50
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1507973831/l50
↓
辛い記憶ばかりﾘﾌﾚｲﾝさせてもいい事は何も生れない2
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1620043223/l50
（リフレイン≒反復）
エヴァが公開されて、生き続ける意味がなくなった http://mao.5ch.net/test/read.cgi/eva/1615824224/l50
【“実録！恐怖の村”シリーズ第二弾】 樹海村 【山田杏奈×山口まゆ】 https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/cinema/1611974234/714-
生かせば資源、自殺身辺整理貴重品相談譲渡スレ2021 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1620001451/l50
【無駄な】自殺に見えない自殺方法13【あがき？】 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1613030557/l50
自殺を考える者が恨み辛みを吐き出すスレ https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1618341309/l50
死にたい 自殺 避難所 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1613900747/l50
霊能力者「自殺すると幽霊になるよ」 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1620144452/l50
間が悪いお前らは自殺に失敗するよ多分 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1619728488/l50
現代文って試験科目として成立してるの？論理的？２ https://mao.5ch.net/test/read.cgi/edu/1511174514/l50
毎日が退屈でつまらない https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1622850733/l50
生きるのが辛すぎでも自殺は怖くてできない奴集合3 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1604010859/l50
生きるのがしんどい人が弱音を吐き出していくスレ49 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1609156684/l50
生きるのがしんどい人が弱音を吐き出していく74 ﾜ https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1623019100/l50
TVがしんどい https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1617091575/l50
何故死ぬなんて考えてたんだろう、と思う日は来る
http://peace.2ch.net/test/read.cgi/utu/1315474568/270
なお、参考までに、レス番号32番～33番も引用転載。
↓
32 ：ライト終日点灯中の同性愛者：2011/09/20(火) 09:14:55.95 ID:6c6BP3d4
高校生の頃に死にたいと思い、
しかしそれ以降は「生きてればいいことあるじゃないか、なんで死ぬなんて考えたんだろう」となった。
しかしそれからさらに月日が流れ、再び自殺願望が。
当時は結局自殺をやめて「生きてて良かった」と思ったが
今回ばかりはもう無理だ。
今回ばかりはもうどうあがていも、将来「生きてて良かった」と思える日は来ない。
33 ：優しい名無しさん：2011/09/20(火) 11:35:00.80 ID:/n72KC4
iなんか…それはやっぱり月日が流れ今自殺願望が来たように、また月日が流れ生きててよかったと思える日が必ず来ると信じてやり過ごすのが吉だと読んでて勝手に思ったよ。
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1507973831/l50
↓
辛い記憶ばかりﾘﾌﾚｲﾝさせてもいい事は何も生れない2
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1620043223/l50
（リフレイン≒反復）
おすすめの自殺方法 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1619452659/l50
生活保護対年金、てより、ナマポでハシゴ受診は可？ https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1622529529/l50
自殺したいけど生きるスレ https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1619448278/l50
生かせば資源、自殺身辺整理貴重品相談譲渡スレ2021 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1620001451/l50
本山一城のスーパーマリオシリーズ https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/rcomic/1231402029/l50
自殺する前に、参考までに・・・・・・・・・・ https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1623295064/l50
エヴァが公開されて、生き続ける意味がなくなった http://mao.5ch.net/test/read.cgi/eva/1615824224/l50
【“実録！恐怖の村”シリーズ第二弾】 樹海村 【山田杏奈×山口まゆ】 https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/cinema/1611974234/714-
【無駄な】自殺に見えない自殺方法13【あがき？】 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1613030557/l50
自殺を考える者が恨み辛みを吐き出すスレ https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1618341309/l50
死にたい 自殺 避難所 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1613900747/l50
霊能力者「自殺すると幽霊になるよ」 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1620144452/l50
間が悪いお前らは自殺に失敗するよ多分 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1619728488/l50
現代文って試験科目として成立してるの？論理的？２ https://mao.5ch.net/test/read.cgi/edu/1511174514/l50
毎日が退屈でつまらない https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1622850733/l50
生きるのが辛すぎでも自殺は怖くてできない奴集合3 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1604010859/l50
生きるのがしんどい人が弱音を吐き出していくスレ49 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1609156684/l50
生きるのがしんどい人が弱音を吐き出していく75 ﾜ https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1623567045/l50
TVがしんどい https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1617091575/l50
何故死ぬなんて考えてたんだろう、と思う日は来る
http://peace.2ch.net/test/read.cgi/utu/1315474568/270
なお、参考までに、レス番号32番～33番も引用転載。
↓
32
高校生の頃に死にたいと思い、
しかしそれ以降は「生きてればいいことあるじゃないか、なんで死ぬなんて考えたんだろう」となった。
しかしそれからさらに月日が流れ、再び自殺願望が。
当時は結局自殺をやめて「生きてて良かった」と思ったが
今回ばかりはもう無理だ。
今回ばかりはもうどうあがていも、将来「生きてて良かった」と思える日は来ない。
33
なんか…それはやっぱり月日が流れ今自殺願望が来たように、また月日が流れ生きててよかったと思える日が必ず来ると信じてやり過ごすのが吉だと読んでて勝手に思ったよ。
1時間、村で馴れ合いグダグダ尺稼ぎ
1時間、ケンカで尺稼ぎ、アスカ死なせて
くだらないお涙頂戴クソ脚本。
30分、ノルマの父子で無意味な戦闘。
冬月死ぬ、ミサトも適当に死ぬ。,,..//,
マリしんじカップルにして終わり。、。
作った奴はアホ、死ぬかカップルか、戦うか、展開が３つしかない脳障害用のアニメ。 -…..-．、．・
虹色ほたるを盗作した君の名を見習ってタイムリープの糞エンド
最後に、死んだキャラは生きてましたwってクソ滅と同じ。庵野の脳ミソLCLか？
>>127
親の言いつけとはいえ、その程度の精神強度なら最初から２ｃｈに書き込まないで欲しかったわ。
コレは良くやってくれたと思う
自作を自らの手で地に堕とした訳だから
精神医学的に合ってるのか
みたいな記事がどっかのスレに貼ってあったがどこだっけ
そろそろ人生とさよならしようと思ってる
共に生きましょう
俺たちと同じだ
シンだけに
庵野はシン・仮面ライダー撮るじゃない
まあ庵野のファンじゃなくてエヴァが好きだから
完結作は公開されないままお蔵入りが続きの方が良かったかもしれない
結局あの話の終わりはどうなるはずだったんだろうと想像して過ごす方が楽しいね
恩を仇で返すバチ当たりな真似を平気でする売国奴の非国民ジジイ共wwwwwwwww
もはやこの老害共は神の国であるこの日本で生きる価値なしであるッッ！！wwwwwwwww
そして日本政府は戒厳令を発令し、公安を使ってこのジジイ共を不敬罪でしょっぴいて
残りの人生を刑務所で過ごさせるべきであるッッ！！
http://img03.ti-da.net/usr/r/y/o/ryotaroneko/jieitaicurry_hantai-2.jpg
／￣￣￣￣＼ / / /／:::::｀ー───‐- ..,,
／ ＼ ! /!/!/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ＿
／ ＼.!:V:::i::::::::::::::;;;::::::::::::::::::::::::::,,,/:::;;;:::::::::::::::＼
/ し 足 命 お i l:::i::::|:::::::::::///::::::::::::;;;;;/'' ''/' ヾ,:::::::::::::i:::ヽ
れ .を 運 れ ﾄ､|:::::::::::::::::/ ''//''′ , ,, ,,/::.､ ヾlヾi i 'l:::!
ん .踏 に 達 ヽ:::::::::::::::::/,,,, ,,,,/,, /:/::::::::::::::ヾ, ,,ｉ::|
： み か は ､ﾄ､ﾐ､:::::::::::::::::::〃,, //::::::/:::/:::::::::::i:::::::::::ヾ､,, ;::::l
： 入 か 人 ヾ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧::::::::::::::::::::::;′
.れ わ 類 ＼:::::::::::::::::＼:::::::::::::／:::::／:// メ､:::::::::::::厶
た る の l `ミz､:::r─‐`ミ＜／イ＞─≦＝ミi＞イ7/ !
. の ス / 〈ヒi{ 〈__(C)__〕iﾆ!{＜__(C)__.〕 }イ l/〈} l
. か レ / ﾏﾑ u :::::::〈:ﾉ!八ヽ::::::::::: ,! _ソ/
. も .に / V!＼＿ ,,.イ:ﾉ::: _＼＿＿__ノ u /_ノ
＼ / ｀， u :::::::::Y:'' ::::::::: / |
＼ / ‘, ┬_─‐__､ u / .!
＼＿＿＿＿＿／ ‘. ー──┘ .ｲ |
i＼ :::::::::::: ／:: ﾄ､
／} :::＼ ／ .:: | ＼
_／ ,ﾊ :: ー── ´ .:: .: |
,. ィ／ / .:; .: .: |
次の生き続ける目標が出来てわしゃ嬉しい！
きみー何を言っとるのかね？あっちは不健康な齢60を越えた爺だよ？
そんなのより先に死んでしまうつもりなのかい？
【FF4ピクセルリマスター】『ゴルベーザ四天王とのバトル』がスローテンポに改悪されてて酷い件【植松伸夫】
https://krsw.5ch.net/test/read.cgi/ghard/16さん1406776/
↓その後
FF音楽アレンジ その難しさとは サウンドディレクター宮永英典 【スクエニの創りかた】
https://www.ようつべ.com/watch?v=qGyIADLiUIA
19:30～ テンポが改変された曲がある理由を説明
スローテンポに改悪した犯人は植松伸夫でした
安楽死
基本的に中高生って平和な日常送って大学生になっていくんだけど
その裏で突然ゾンビが街にあふれてサバイバルすることになった、とか島でクラスメイトと殺し合いすることになった、みたいな非日常の設定を夢想してたりするじゃん
スパイミッションのごとく、寄るの量販店に忍び込んで売り物かっさらう、とか神奈川統一に向けてリアル戦争ごっことか、バイクという戦闘マシンを操るエースパイロットの俺が先陣をきるぜ！とかｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
もう厨二汁全開で楽しそうな人生送ってるじゃんｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
お情け頂戴で
早朝にガス交換してるんよ、回収
早朝に新聞配達とガス回収の仕事
同情してほしくて
ガス回収、早朝の仕事
分かる？？
自らを泉南最強の輩(笑)で泉州連合の総長は俺様の舎弟だ！！(ﾄﾞﾔｧ♥
と豪語する元暴走族のハルシオン中毒の他にもアル中、ヘビースモーカーの身の程知らず！wwwwwwwwww
真性DQNの実際の喧嘩はスッゲー弱いクセに暴力沙汰は日常茶飯事パワハラ、
セクハラ、モラハラが生き甲斐(笑)の自己満足オナニード低悩クズデブホモキモ豚野郎(笑)
その人相はもはや麻原彰晃そのもの！！ｗｗｗな自称ゴンさん(笑)呼びの『広岡雅史』♥wwwwwwwwww
オランダ
いくらかかるの？
>>1はもう死んだかな？
Blu-rayが出るのが先か>>1が死ぬのが先か・・・
今ですらフィギアとかキャンペーンとかやってるし
でも自分では作らないで、例えばキャラを使った別物作品とかを誰かに作らせるかもね
スマホゲーとかでエヴァやらせるみたいな感じで
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1507973831/l50
↓
辛い記憶ばかりﾘﾌﾚｲﾝさせてもいい事は何も生れない2
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1620043223/l50
（リフレイン≒反復）
おすすめの自殺方法 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1619452659/l50
生活保護対年金、てより、ナマポでハシゴ受診は可？ https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1622529529/l50
自殺したいけど生きるスレ https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1619448278/l50
生かせば資源、自殺身辺整理貴重品相談譲渡スレ2021 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1620001451/l50
本山一城のスーパーマリオシリーズ https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/rcomic/1231402029/l50
自殺する前に、参考までに・・・・・・・・・・ https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1623295064/l50
エヴァが公開されて、生き続ける意味がなくなった http://mao.5ch.net/test/read.cgi/eva/1615824224/l50
【“実録！恐怖の村”シリーズ第二弾】 樹海村 【山田杏奈×山口まゆ】 https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/cinema/1611974234/714-
【無駄な】自殺に見えない自殺方法13【あがき？】 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1613030557/l50
自殺を考える者が恨み辛みを吐き出すスレ https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1618341309/l50
死にたい 自殺 避難所 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1613900747/l50
霊能力者「自殺すると幽霊になるよ」 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1620144452/l50
間が悪いお前らは自殺に失敗するよ多分 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1619728488/l50
現代文って試験科目として成立してるの？論理的？２ https://mao.5ch.net/test/read.cgi/edu/1511174514/l50
毎日が退屈でつまらない https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1622850733/l50
生きるのが辛すぎでも自殺は怖くてできない奴集合3 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1604010859/l50
生きるのがしんどい人が弱音を吐き出していくスレ49 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1609156684/l50
生きるのがしんどい人が弱音を吐き出していく75 ﾜ https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1623567045/l50
TVがしんどい https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/utu/1617091575/l50
何故死ぬなんて考えてたんだろう、と思う日は来る
http://peace.2ch.net/test/read.cgi/utu/1315474568/270
なお、参考までに、レス番号32番～33番も引用転載。
↓
32
高校生の頃に死にたいと思い、
しかしそれ以降は「生きてればいいことあるじゃないか、なんで死ぬなんて考えたんだろう」となった。
しかしそれからさらに月日が流れ、再び自殺願望が。
当時は結局自殺をやめて「生きてて良かった」と思ったが
今回ばかりはもう無理だ。
今回ばかりはもうどうあがていも、将来「生きてて良かった」と思える日は来ない。
33
なんか…それはやっぱり月日が流れ今自殺願望が来たように、また月日が流れ生きててよかったと思える日が必ず来ると信じてやり過ごすのが吉だと読んでて勝手に思ったよ。
呪術廻戦2期
ガンダムSEED劇場版
ワルプルギスの廻天
を楽しみにしたら生きていける
そこから近い、かつ作中にも出てきた「小田原市」。の映画館。
映画館が２つあるようだが、『ドライブマイカー』の上映時間長いな。
上映時間にＣＭ時間を含むか含まないか、含んでいてもＣＭ時間が違うなどで単純比較できないが、この映画は長い。
コロナワールドの「190分」なんて、『シン・エヴァンゲリオン』を超えてる上映時間じゃん、よく「前後編」にしなかったな。
過去ログの「トイレ対策」的なスレを思い出す（この板ね。フェチ板では特にエヴァの映画という意味で話題にはならなかったような。 https://mao.5ch.net/test/read.cgi/eva/1614594959/l50 お前ら尿意対策どうすんの？
～～～～～～～～～～
シネマ 映画館の映画情報_小田原コロナシネマワールド（西湘・小田原） コロナワールド
https://www.korona.co.jp/Cinema/odw/top.asp
ドライブ・マイ・カー PG12上映時間：190min 上映終了日：2022/05/03
SCREEN6
07:50～11:00
モーニング
KORONA シネマ作品紹介
http://www.korona.co.jp/cinema/CinemaDetail.asp?Seq=3528&Key=Show
映画『ドライブ・マイ・カー』公式サイト
https://dmc.bitters.co.jp/
#村上春樹 #濱口竜介 #西島秀俊
カンヌ国際映画祭 全4冠！映画『ドライブ・マイ・カー』90秒予告
965,946 回視聴2021/07/21
278
BITTERSENDinc
チャンネル登録者数 4280人
https://youtu.be/Y5PZpXqp9F4
～～～～～～～～～～～～～
TOHOシネマズ 小田原：上映スケジュール TOHOシネマズ
https://hlo.tohotheater.jp/net/schedule/008/TNPI2000J01.do
ドライブ・マイ・カー DRIVE MY CAR [上映時間: 179分]PG12
PREMIER
通常料金
作品詳細を見る
12:10～15:20
販売期間外
作品詳細を見る
ドライブ・マイ・カー TOHOシネマズ
https://hlo.tohotheater.jp/net/movie/TNPI3060J01.do?sakuhin_cd=019625
舞台俳優であり、演出家の家福悠介。彼は、脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう――。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさきだった。
喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく…
※PG12
監督
濱口竜介
出演
西島秀俊、三浦透子、霧島れいか、岡田将生
[ドライブ・マイ・カー 上映時間：179分 ]
ドライブ・マイ・カー：公式サイト https://dmc.bitters.co.jp/ カンヌ国際映画祭 全4冠！映画『ドライブ・マイ・カー』90秒予告 https://youtu.be/Y5PZpXqp9F4 965,950 回視聴2021/07/21 ドライブ・マイ・カー
DRIVE MY CAR
上映する設備は劇場によって異なります。詳細は各劇場 https://www.tohotheater.jp/theater/find.html のページにてご確認下さい。
https://www.yamada-egg.com/blog/tamago/%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AF%E4%BD%95%E6%B4%BE%EF%BC%9F%E7%9B%AE%E7%8E%89%E7%84%BC%E3%81%8D%E3%81%AE%E7%84%BC%E3%81%8D%E6%96%B96%E7%A8%AE/
≒ https://www.yamada-egg.com/blog/tamago/あなたは何派？目玉焼きの焼き方6種/ ≒ https://archive.ph/5ViAk
●
2018.08.27# レシピ
【プロ直伝】目玉焼きの作り方。シェフのテクニックで半熟も固焼きも完璧！
https://mi-journey.jp/foodie/51150/
●
フタなしで綺麗に焼ける！目玉焼きの基本レシピ 卵料理の基本 料理の基本 とっておきレシピ キユーピー
https://www.kewpie.co.jp/recipes/basictamago/tamago02/
（トップページは https://www.kewpie.co.jp/recipes/basictamago/ 卵料理の基本レシピ 料理の基本 とっておきレシピ キユーピー）
（のようで、さらに元があった https://www.kewpie.co.jp/ キユーピー 商品サイト ）
●
基本の目玉焼き レシピ 瀬田 金行さん｜【みんなのきょうの料理】おいしいレシピや献立を探そう
https://www.kyounoryouri.jp/recipe/30298_%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E3%81%AE%E7%9B%AE%E7%8E%89%E7%84%BC%E3%81%8D.html
◆
URLに日本語は使えるの？でも掲示板等に貼ると自動リンクにならな... - Yahoo!知恵袋 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12259214032
◆
【三ツ橋快人】RYOKO 四品目【サンデー】 http://matsuri.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1548187581/l50
■
【臼井儀人】クレヨンしんちゃん【よしいうすと】８ https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/rcomic/1491598814/111- ←懐かし漫画板
クレヨンしんちゃん映画総合スレッド Part.5©2ch.net https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/animovie/1458140805/l50 ←アニメ映画板総合スレ。
クレヨンしんちゃん 92 https://pug.5ch.net/test/read.cgi/anime/1639647134/l50 ←アニメ板通常スレ。
※テレビアニメ板は後釜名公開含む声優交代がリーク（って日本語で言うとなんだ）され、YouTubeにリークされそれが５ｃｈに貼られたが、2018年の件に鯖移転か単なる誤植か、以下より前が辿れない。
過去鯖を見つけるか、手作業で探すか、S C側で入るか。「クレヨンしんちゃん87 https://rosie.5ch.net/test/read.cgi/anime/1553256035/l50 より昔には…）。
ガラケーサイト「 携帯2chﾌﾞﾗｳｻﾞ ぬこ http://n2ch.net/i/----3-3-n1--f/?guid=ON 」とか使って
「クレヨンしんちゃん 8１ http://rosie.5ch.net/test/read.cgi/anime/1525268058/88- 」に行けた（リーク当該動画スレ）。
■
クレヨンしんちゃん研究所
https://crashinsti.web.fc2.com/
→テレビアニメ編→2022年テレビアニメ・サブタイトル→ https://crashinsti.at.webry.info/202202/article_4.html クレヨン・ジャクソンとプリンセス クレヨンしんちゃん分析録
●
同人サークルＴＴＴ
http://ttt98.jugem.jp/
http://ttt98.jugem.jp/?page=1
＞ツイッターだインスタだと。ネットの基本はホメパゲなんだよう。homepageが死語になる時代がくるとは。しかし時代は繰り返す。いつか、ツイッターという言葉が通用しなくなる時代が
あなたは何派？目玉焼きの焼き方6種! ｜ 卵を使ったレシピ情報が満載！スタッフブログ
https://www.yamada-egg.com/blog/tamago/%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AF%E4%BD%95%E6%B4%BE%EF%BC%9F%E7%9B%AE%E7%8E%89%E7%84%BC%E3%81%8D%E3%81%AE%E7%84%BC%E3%81%8D%E6%96%B96%E7%A8%AE/ ≒ https://www.yamada-egg.com/blog/tamago/あなたは何派？目玉焼きの焼き方6種/ ≒ https://archive.ph/5ViAk
〇
2018.08.27# レシピ 【プロ直伝】目玉焼きの作り方。シェフのテクニックで半熟も固焼きも完璧！ https://mi-journey.jp/foodie/51150/
〇
フタなしで綺麗に焼ける！目玉焼きの基本レシピ 卵料理の基本 料理の基本 とっておきレシピ キユーピー https://www.kewpie.co.jp/recipes/basictamago/tamago02/ ←※トップページではない
〇
基本の目玉焼き レシピ 瀬田 金行さん｜【みんなのきょうの料理】おいしいレシピや献立を探そう https://www.kyounoryouri.jp/recipe/30298_%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E3%81%AE%E7%9B%AE%E7%8E%89%E7%84%BC%E3%81%8D.html
〇
【三ツ橋快人】RYOKO 四品目【サンデー】 https://twitter.com/daylightkeep/status/1524562910173081600/ ←『龍と苺』との両作品、5ch連動
〇
【打ち切りへの】アンチクレヨンしんちゃん34【カウントダウン】 https://pug.5ch.net/test/read.cgi/anime/1573183855/l50 ←アニメ板アンチ（反対意見）スレ。
〇
クレヨンしんちゃん研究所内のブログ→みさえの悲劇とひろしの喜劇 クレヨンしんちゃん分析録 https://crashinsti.at.webry.info/202111/article_2.html ←消費税が切り上げか切り捨てか。消費税は店舗の利益になるわけではないから切り捨てのほうが私見には賢明。
〇
同人サークルＴＴＴ http://ttt98.jugem.jp/ ←＞homepageが死語になる時代がくるとは。しかし時代は繰り返す。いつか、ツイッターという言葉が通用しなくなる時代が～～斉藤蓮は本来１組。
〇
（味塩胡椒類／しょうゆ／ソース／ケチャップ／塩／マヨネーズ／他）
※必ずしもフライパン自体のフタでなくてもいい。
＊「卵を入れてから前はフタ（蓋）をしない、入れてからフタをする」。
●目玉焼き（半熟）
＝フライパンは温まるまで強or中or任意で（蓋はしないで約30秒）→茶碗等に卵を入れてからフライパンに入れるorフライパンに直接に卵をぶち込む→弱火→１分→蓋を開けて様子を見る→再点火→フライパン側を動かして食べるための皿に卵を移す。
→弱or中火で１分→フタを開けて様子を見る（場合により再点火）→フライパン側を動かして食べるための皿にうつす
●目玉焼き（固焼き）
＝フライパン温まるまで強（蓋はしない）→ダイレクトに卵を入れるか否かは半熟と同じ→弱と中の中間の強さの火力（中火）→フタをして１～２分→火を切ってフタをしたまま２分間余熱。
Ｑ：茶色くしても中身が半熟なのはなぜ
Ａ：火が強すぎて回りがこげて黄身が焼けないだけ😂蓋をしてもう少し弱火にすると黄身が固くなるよ☺挑戦してエライね☺ （補足：但し、茶色でも半熟というのはいくらでもある。）。
https://twitter.com/5chan_nel (5ch newer account)
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/4koma/1601823438/486-
486□□□□(ネーム無し) (ﾜｯﾁｮｲ 232c-ZckI)2022/04/13(水) 07:45:16.76ID:TYiajuhd0
>354
みさえの悲劇とひろしの喜劇 クレヨンしんちゃん分析録
https://crashinsti.at.webry.info/202111/article_2.html
例えば『まんがタウン』は３４５円（税込み３８０円）と書いてありますが、セブンイレブンは切り捨て計算なので、セブンイレブンなど実際には３７９円で買える店もあります。
これは、消費税を小数点２位まで書かないといけないという法律が出来た（のかな？表示してない店もあるけど）ものの、打ち上げにするか打ち切りにするか、決まってないからでしょう。
ただ、ここで、『クレヨンしんちゃんカレンダー」では謎が生まれます。
カレンダー、１３６４円（税込１５００円）ですが、1364円に消費税をかけると、切り上げ計算なら1501円になるので、切り上げの店なら１５０１円になるはずですが、
カレンダー自体に「１５００円税込」と書いてあるものを１５０１円で売ったら詐欺でしょう。
このへんの法律はどうなってるのか、よく分かりませんね。
余談ですが、『ドン・キホーテ」では、もっとややこしいです。
経口補水駅が「９８円（税込106円）」と、値札が、手書きではなくきちんと「印字」されているのに、実際に買うと税込で１０５円なんですよね。
店舗の値札が切り上げなのに実際の価格が切り捨てって、ややこしすぎます。安いぶんに文句を言う人はいないからいいとの考えもありますが・・・・。
488□□□□(ネーム無し) (ｱｳｱｳｳｰ Sabb-hh9d)2022/04/13(水) 11:08:07.68ID:WHkcdqBHa>498
打ち上げんなw
498□□□□(ネーム無し) (ﾜｯﾁｮｲ 172c-7gtI)2022/05/12(木) 05:07:57.51ID:huxO9FQV0
>>486
>>488
「打ち上げ」は変だよなｗ
打ち上げ花火じゃあるまいし。もうひとつの「送別会」的意味の打ち上げでも意味が通らない。
（繰り上げ、繰り下げというのも、桁が変わるような印象イメージがあるから、「切り上げ」「切り捨て」が一般的な表現か？）。
それにしても消費税ってのは店舗の利益になるわけじゃないのに
わざわざ切り上げ計算にする店はなんなんだろうな。
レジ袋で切り上げ計算だと腹が立つわ。３円（税込４円）とか。
逆に「うまい棒」は４月の値上げ以来、どの店でも「本体12円、税込12円」となっていて
切り捨て計算が前提になってるが、これはヤオキン（うまい棒の会社）から言われてるのか？この場合、店舗が上納する消費税がどうなってるのかよく分からないが。
上述のクレしんカレンダーだって「切り捨て計算」が前提での「税込価格」だし。
書籍類は切り捨てにも切り上げにも対応できるように
「本体＋税」という書き方が一般的だが、
ＪＲ時刻表やＪＴＢ時刻表は、「定価1,205円（本体1.095円）」というふうに切り上げ計算前提だね。
実際は一部のコンビニを除き、切り捨てで1204円で買えるけど、上述のドン・キホーテの例のように「安い分には文句を言われない」ってやつかな。
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/4koma/1601823438/486-
486□□□□(ネーム無し) (ﾜｯﾁｮｲ 232c-ZckI)2022/04/13(水) 07:45:16.76ID:TYiajuhd0
>354
みさえの悲劇とひろしの喜劇 クレヨンしんちゃん分析録
https://crashinsti.at.webry.info/202111/article_2.html
例えば『まんがタウン』は３４５円（税込み３８０円）と書いてありますが、セブンイレブンは切り捨て計算なので、セブンイレブンなど実際には３７９円で買える店もあります。
これは、消費税を小数点２位まで書かないといけないという法律が出来た（のかな？表示してない店もあるけど）ものの、打ち上げにするか打ち切りにするか、決まってないからでしょう。
ただ、ここで、『クレヨンしんちゃんカレンダー」では謎が生まれます。
カレンダー、１３６４円（税込１５００円）ですが、1364円に消費税をかけると、切り上げ計算なら1501円になるので、切り上げの店なら１５０１円になるはずですが、
カレンダー自体に「１５００円税込」と書いてあるものを１５０１円で売ったら詐欺でしょう。
このへんの法律はどうなってるのか、よく分かりませんね。
余談ですが、『ドン・キホーテ」では、もっとややこしいです。
経口補水駅が「９８円（税込106円）」と、値札が、手書きではなくきちんと「印字」されているのに、実際に買うと税込で１０５円なんですよね。
店舗の値札が切り上げなのに実際の価格が切り捨てって、ややこしすぎます。安いぶんに文句を言う人はいないからいいとの考えもありますが・・・・。
488□□□□(ネーム無し) (ｱｳｱｳｳｰ Sabb-hh9d)2022/04/13(水) 11:08:07.68ID:WHkcdqBHa>498
打ち上げんなw
498□□□□(ネーム無し) (ﾜｯﾁｮｲ 172c-7gtI)2022/05/12(木) 05:07:57.51ID:huxO9FQV0
>>486
>>488
「打ち上げ」は変だよなｗ
打ち上げ花火じゃあるまいし。もうひとつの「送別会」的意味の打ち上げでも意味が通らない。
（繰り上げ、繰り下げというのも、桁が変わるような印象イメージがあるから、「切り上げ」「切り捨て」が一般的な表現か？）。
それにしても消費税ってのは店舗の利益になるわけじゃないのに
わざわざ切り上げ計算にする店はなんなんだろうな。
レジ袋で切り上げ計算だと腹が立つわ。３円（税込４円）とか。
逆に「うまい棒」は４月の値上げ以来、どの店でも「本体12円、税込12円」となっていて
切り捨て計算が前提になってるが、これはヤオキン（うまい棒の会社）から言われてるのか？この場合、店舗が上納する消費税がどうなってるのかよく分からないが。
上述のクレしんカレンダーだって「切り捨て計算」が前提での「税込価格」だし。
書籍類は切り捨てにも切り上げにも対応できるように
「本体＋税」という書き方が一般的だが、
ＪＲ時刻表やＪＴＢ時刻表は、「定価1,205円（本体1.095円）」というふうに切り上げ計算前提だね。
実際は一部のコンビニを除き、切り捨てで1204円で買えるけど、上述のドン・キホーテの例のように「安い分には文句を言われない」ってやつかな。
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/poverlution/1633087724/
天使のゆびきり 叶うように
目の前を過ぎる横顔 ときめきが踊り始める
話す声 耳を傾け またひとつあなたを知った
ほんの少し勇気出して その瞳を見つめたい
YOU MAY DREAM 真っ白な恋は翼になる
天使のゆびきり 叶うように
クラスメイトA「宮沢さん！」
宮沢雪野（高1）「…」
クラスメイトA「ノートありがとう。助かっちゃった。超綺麗なノートだったよ。さっすが宮沢さん」
雪野「ううん、このくらい。風邪はもういいの？」
クラスメイトA「もうすっかり」
クラスメイトB「宮沢さーん！被服の提出、今日までだよね」
クラスメイトC「私たちまだ出来てないの」
雪野「うーん、じゃあ先生にうまく言って放課後まで伸ばしてもらうよ」
クラスメイト達「やったー！」
「宮沢さーん！」「宮沢さーん！」「宮沢さーん！」
証言1
「すごい」
クラスメイトA「宮沢さんってすごいよね」
「衆人賛同」
クラスメイト達「ウン！」
証言2
「頭、良し」
「性格、良し」
「容姿端麗」
「おまけに謙虚」
クラスメイトB「頭良いし、性格いいし、可愛いし、優等生ぶってるところ全然ないし」
「衆人賛同」
クラスメイト達「ウン！」
証言3
「尊敬と憧れ」
クラスメイトC「ほんと憧れちゃう。こんな人もいるんだなって思うわ」
「衆人賛同」
クラスメイト達「ウン！」
クラスメイト「ほんと宮沢さんってすごいよねー。欠点がないくらい」
群衆より抜きん出た者。人々の憧れの対象として。私はそんな自分がとても好きだ）」得意満面 自己肯定
雪野「（でも、この高校に入学して以来、私は苛ついている）」
新証言
「2人共すごい」
クラスメイトA「まじうちの級長は2人共すごいよね」
「衆人賛同」
クラスメイト達「ウン！」
雪野「（なぜなら）」
クラスメイト達「あ、有馬くん！同じクラスになれて良かったー！」
決定的証言
「時空間を共有する喜び」
雪野「（元凶は全てこいつだ！有馬総一郎！！）」
有馬総一郎（高1）「…」
宮沢雪野（同一人物）「あっ、おっかえりー。月ちゃん、花野ちゃん」
月野「お姉ちゃん、相変わらず愉快な格好だね…」
雪野「え～いいじゃん！だってこれが一番勉強しやすいんだもん」←中学ジャージ・ふだんコンタクト
雪野「ここで皆さん。学校とは随分のギャップじゃねえかとお思いかも知れませんが、
そう。私は見栄っ張りである。
上品な私は、ただの外面。性格良いなんて、大嘘。
本当は私は、誰より人に尊敬されたり、憧れられたり、特別扱いされたり、
ちやほやされたり、一番を取るのが大好きなだけの、
見栄王！！！！！！なのです！！！！！」
月野「お姉ちゃん」トホホ
花野「そんな格好でいばっても…」
家族達「いっただきまーす！」
＜庶民的献立、平均的夕食風景＞
花野「でもさ、ほんっとうにお姉ちゃんの見栄にかける情熱ってすごいよね。
一番取るためなら平気で徹夜するし。
体育でヒロインするために秘密特訓もかかさないし。
少しでも美人に見せかけるために美の追求も怠らないし。
そこまでして人によく見られたいかって感じだよね。家じゃだらだらしてるしさ」
雪野「あー、焼きナスおいしー」
花野「わがままで強情で駄々っ子なのに」
同 三女 花野（中2）「じゃあ気取るのやめれば？」
同 次女 月野（中3）「そう、外で会うと一瞬誰だか分かんないもんねー」
ペロペロ（犬）「もぐもぐもぐもぐ」
花野「去年まで同じ中学だったからさ、校内でお姉ちゃんが軽やかに歩いてるの見るたび寒気が走ったよ」
月野「あれも慣れると面白いけど」
母 都香（みやこ） 35才（専業主婦）「そうそう。雪も近所中に愛想振りまくからさ。
人様からほんとに清らかなお嬢さんでって言われるたび噴き出しそうになるのよね」
父 洋之（ヒロユキ）37才（会社員）「雪野は幼稚園に入る頃から人前じゃ自分を作っていたよ。
見栄はもう雪野の体の一部なのかも知れないね」
雪野「みんななんで？どうして普通でいられるのか分からないよ。
私さ、尊敬と憧れの目で見つめられると、背中がゾクゾクってするんだよね」
家族達「変態がいる…うちの中に一人、変態がいる…」ぞくぞくう
雪野「まっ、その素敵な私を演じるためには一瞬たりとも気が抜けなくてちょっぴり疲れるけどね」
花野「何がそこまでして人に褒められたい？」
洋之「いや、平凡でも気ままなほうが」
都香「変態よりはマシよね」
家族達「うん」
月野「でもさ、姉ちゃん、最近敵がいるんでしょう？」
雪野「そう！ここでやつに負けるわけにはいかないのよ！」
この調子で中学までは上手く世間をだまくらかしてきた私なのだが、
初めて敵が現れたのである。
話は入学式に遡る。
私はちょっと腐っていた。
せっかく入試で一番取って学年総代になろうと思っていたのに、私は指名されなかったからだ。
あんなに猛勉強したのに私より上がいるだと！
せっかく総代になっていっちょ私の存在を初日からぶちかましてやろうと思ってたのに、高校デビューの計画が台無しだわ！
そんな私の人生設定を邪魔するやつは、きっと暗いガリ勉ヤローに違いない」
『新入生代表、有馬総一郎くん』
総一郎「はい」
学生達「おおおおおー」
雪野「…！」
雪野「案の定、やつはクラスの話題を独り占めにした。
我が人生15年、こんな屈辱は初めてだわ！
だから決めたのよ！必ずやつを倒すってね。
そして私の素敵さをみんなに気づかせなければならないの」打倒 有馬
花野「つまり自分がデビューするはずが、その人にデビューされてしまった訳っすね」
月野「お姉ちゃん、そこまでして人様に注目されたいのか？」
雪野「当ったり前じゃん。褒め言葉は生きる力の源なのよ。
しかもさ、そいつ、性格も運動神経も良くて、大病院の院長の一人息子なんだってさ。ちょ～ムカツク。
もう二度とやつに一番なんか取らせはしない。
邪魔して邪魔して邪魔をして、お坊ちゃまに人生の厳しさを教えてやらねばならないのよ！」
花野「はっ、貧乏人の僻みが見苦しいですよ。お姉さん。自己の問題の転嫁はさて置き、
井の中の蛙が大海を教えてもらったことを、むしろ彼に感謝すべきなのでは？」
雪野「キィー！花野は黙ってなさいよ！生意気なやつ！」
月野「怖い。見栄のためだけにここまで人を憎める姉が…」
総一郎「おはよう、宮沢さん」
雪野「あ、おはよう。有馬くん（げっ有馬？！）」
総一郎「毎朝早いね」
雪野「ううん、有馬くんこそ（朝っぱらから会いたくねーやつに会っちまったよ）
（でも、私の鉄壁のマスクはこんなことでは崩れないのさ）」
総一郎「僕は部活やってるから」
雪野「剣道なんだよね。練習大変そうね」
総一郎「うん、朝は6時から夜は8時までやってるよ」
雪野「そんなに？それでもちゃんと勉強と両立してるんだから、えらいわよね。すごいわ」
総一郎「あはっ、いやあ」
雪野「（何を照れてるのかしら…）」
総一郎「宮沢さんこそしっかりしてて頭もいいのに、学級委員の仕事とかしても手際いいし、
高校にはこういうすごい人がいるんだなって。改めて世界の広さと井の中の蛙でいた自分に気づくよ」
雪野「そんな…私なんか…」
雪野＆総一郎「あはは」にこっ
雪野「（ふっ、愚かな有馬。目の前のナイスな相棒はやがてあんたを地獄に突き落とす女なのよ）」
クラスメイトD「えっ、分かんないここ。ねえ、有馬くん、ここ教えて」
総一郎「ん、いいよ。
ああ、これは判別式の解と係数の解を利用するんだ。だからこう…」
クラスメイトD「あ、そうか！」
クラスメイトE「有馬、俺らにも教えて」
クラスメイトF「どうせだから班作ってやろうぜ」
クラスメイトG「それいい！机合わせちゃおう」
クラスメイト達「やろうやろう」
女子生徒達「うんまーい」
女子生徒A「ねえー！有馬くん試合出てるよー！」
女子生徒達「えー！見る見るー！キャー」
女子生徒B「さっきシュート打ったよ」
女子生徒C「かっこよかったー」
女子生徒B「有馬くん剣道部でも3年生に負けないってね」
女子生徒D「ほんと？うちって県でも強いんでしょう」
女子生徒B「そう」
女子生徒E「道着がさ、また似合うんだよ」
女子生徒達「ほんとかっこいいよねー！！
キャー！！かっこいいー！有馬くーん！！」
雪野「…」
総一郎「はい。謙譲の補助動詞で、下二段活用の未然形ですか？」
先生「「ましか」は？」
総一郎「反実仮想の助動詞の已然系です」
先生「うん、結構」
クラスメイト達「おおおおー」
雪野「（ちっ、今までは皆の注目を集めるのも先生に信頼されるのも私の役割だったのに。
くっそー！あいつさえいなきゃ放っておいても私が注目されたのに。
寒い…寒いっすよ。一般市民として埋没してるのが。
みんなに褒められたい。認められたい。構われたい。くっそー目障りだぜ有馬。
見てなさい。あんたを地獄に突き落とすのはこの私よ！）」
うっ、いかんいかん、ここで爆睡してしまったらあいつの思う壺。
げ！危なかった！今ものすごくやな死に方するとこだった。
まずい、今の見られなかったよね。私のイメージが…）
…！！！！！」
総一郎「…」
総一郎「宮沢さん」
雪野「は…はい」
総一郎「ああいうのは危ないからしないほうがいいよ」
雪野「有馬めー！」
妹達「きゃははははははは」
雪野「ムカツクムカツクムカツクムカツク！絶対絶対！やつを負かす！」
『ではこれで、今週の定例会議を終了します。解散』
総一郎「この学校ってやたら委員会の集まりが多いよね。こんなに大変だと思わなかった」週に1回は会議がある
雪野「うん、でもそれだけ生徒の自治に委ねられてるってことだから、
やり甲斐があるって思わなきゃいけないよね」
総一郎「宮沢さんって大人だよね」
雪野「（やかましいわ！）」
総一郎「あ、そうだ、宮沢さん」
雪野「はい？」
総一郎「宮沢さんってどんな音楽聴くの？」
雪野「え、音楽？私はブラームスかな（ほんとは私、ヒデキが大好きなんだよね）
特にピアノ協奏曲二番が好きなの（特にブーメランが好きなんだけど、あれは超秀逸よね、うん）」
総一郎「ああ、そのCDならうちにあるよ。良かったら今度貸すよ。
もうすぐ中間テストだから、終わったくらいに」
雪野「ほんと？ありがとう（こいつ、お坊ちゃまだ）」
雪野「うん、有馬くん部活は？」
総一郎「テスト前だから今週はなし。宮沢さん南武線だよね？途中まで一緒していい？」
雪野「うん、いいよ（いやじゃー）」
総一郎「…」
妹達「お姉ちゃんたまには一緒に遊ぼうよー。高校に入ってからちっとも遊んでくれないじゃん」
雪野「駄目だ！私は調子に乗ってる有馬を倒さなければならないんだから！」
花野「はぁーあ、お姉ちゃんが有馬くんに取られちゃったよー」
月野「前はいっぱい遊んでくれたのにー」
妹達「つまんないつまんない」
花野「だいたい調子に乗って天狗になってるのってお姉ちゃんのことじゃん」
雪野「カーッ！どうしてそう突っ込むのよ」
雪野：私は何かに取り憑かれたように勉強していた。
何となく一番を取って注目されたいというよりは、
有馬に勝ちたいに少しずつ目的が変化しているような気がしたが。
負けたらやつはどんな顔をするのかしら。
クラスメイトH「うわあ、宮沢さん、すごい。やっぱりすごいんだね」
クラスメイトI「おめでとう」
クラスメイトJ「有馬もすごいと思ってたけど、宮沢さんもやるな」
クラスメイトK「今まで気が付かなかったよ」
クラスメイトL「あの有馬くんに勝てるなんて尊敬しちゃう」
真秀「…」
クラスメイト達「すごーい」
雪野「や、やった」
クラスメイト達「スゴイスゴイスゴイスゴイスゴイスゴイスゴイスゴイスゴイスゴイスゴイ
スゴイスゴイスゴイスゴイスゴイスゴイスゴイスゴイスゴイスゴイスゴイ
スゴーーーーーーーーーーイ！！！！！やったーー！！雪野！雪野！雪野！雪野！雪野！雪野！」
雪野「久しぶりだわ。この賞賛の響き！あー気持ちいいー！
有馬に勝った！宮沢雪野。高校デビュー！
さよなら、不本意な姿を晒していたこれまでの私。
改めてこんにちは。
本来の姿を表すこれからの私」
雪野「（きたわね、有馬。でももうあんたの天下じゃないのよ。
今からあんたは暗々たる気分に包まれ、屈辱の炎に身を焦がし、
私の代わりに、私の味わった私と同じ地獄を見るのよ。
その時こそ『今度は頑張ってくださいね』なんていう同情と哀れみのこもった言葉を掛けて、
より勝利を具象化にした確実なものにしてやるのよ！
さあ、私の前に屈辱に歪んだその顔を…！）」
総一郎「やっぱり宮沢さんはすごいや」
雪野「へ？」
こんなの予想してなかったぞ。
私は有馬を抜きさえすればやつに勝てるのかと。
何だろう…勝ったのに嬉しくないっていうよりは、なんか違う。
考えれば分かったのに。成績や見栄にこだわっていたのは私一人で、
有馬は元からそんなものに構ってはいなかった。
勝とうなんて下心がなくても人に認められてた。
だからあの人は本物なんだ。
恥ずかしい、その本物とはあまりに違う自分が。
こういう私がさも良い人風に振る舞って皆を騙してきたっていうのは。
「偽善」って言うんじゃないか。
いつの頃だったんだろう…人に褒められるのが嬉しいと思い始めたのは。
『偉いのね』
『ほんとにしっかりしてていい子ね』
あれは、甘い響きだった。
もっと聞きたいと思った。
逆上がりが出来るようになればもっとビックリさせられるかな…
ピアノをうまく弾けたら…
漢字を書けるようになれば…
学級委員になれば…
テストで一番を取れば…
よく考えると私ってなんてウケ狙いな女なんだ。
もし私が本当の自分をのびのびと育てていたら、
世を揺るがすお笑い芸人になっていたかも知れない。
しまった！国民的超人気番組に出てお茶の間の人気者になっていたかもしれないじゃない。
なんて風に自分を実際以上に見せかけたって疲れただけで、
自分と違う生き物になろうなんてバカなことだったのだ。
バカ、バカ！私のバカ！
有馬と顔合わせたくないな。
だったらギリギリに登校すりゃあいいんだけど、
長年の習慣で朝イチに来ちゃうあたり。
で、暇だから勉強しちゃったりして、
あ、そうだ！音楽室行こう。
ピアノでも弾いてりゃホームルームまで…）あいたたた」
総一郎「あ、ごめん」
雪野「あ、ご、ごめん！なさい！
（くっそーなんで間抜けなとこばっか出くわすんだもう。
逃げるんだ。わたしゃ負け犬なんじゃー！）」
総一郎「誰も来てないの？
待って、覚えててね。僕は宮沢さんを好きだから」
月野「姉ちゃん前からモテてたじゃん」
雪野「相手があの有馬だってのがポイントなのよ。
私もう勝ち負けとかどうでもよくなっちゃったあ。
だってやつは私に惚れてんだもんな。恋愛のオキテ。愛は愛されたほうが勝ちなのね」
花野「で、どうしたの？」
雪野「え？もち断っちゃったよ。本性バレたらやだもん。
やつは寂しい目をして去っていったよ。ははは」
花野「いいの？」
雪野「何が？」
花野「雪野姉ちゃん、その人のこと嫌いだったの？
私お姉ちゃんがその人に構うのって、コンプレックスあるからかと思ってた」
雪野「う～ん、たしかに。そういえばコンプレックスだな。
お姉ちゃん、コンプレックスっていうのはさ、
裏返せば自分が絶対なりえないものに対する憧れなんじゃないのかな」
雪野「あれ？確かにあの頭の良さや感じの良さそうな皆から好かれる性格とかって、
あれは、いつも自分が近づこうとしていたイメージ、というより理想のイメージにピッタリ。
あ～しまった！そうか、よく考えるといい男なんじゃないかー！」
花野「でしょー？今のお姉ちゃんが置かれている状況を、楽しーい歌と漫画で説明してみましたー」
月野「お前ほんとに賢いのー」
花野「あうー」
雪野「私やつをそういう風に見たことなかったからさ。
う～早まったことを。
まあ断っちゃったものは仕方ない。寝るわ」
月野「なにー」
花野「そうくるか！？」
月野「お姉ちゃんて」
花野「あの人はまだ子供なんだよ」
月野「花野、お金は？」
花野「机の上」
月野「前売り券は？」
花野「私持ってる」
月野「くしある？」
花野「自分で探してよー」
月野「えーないよー」
花野「洗面所じゃないの？」
雪野「傘持ってったほうがいいよー午後から崩れるってさ」
月野「ほんとに行かないの？映画面白いよ。遊ぼうよー」
雪野「いやあ、私はいい。テストの疲れが」
花野「月野姉ちゃん急いでー。映画始まっちゃうよー。もう寝坊するから」
月野「いやいやーふいまへんねー」
花野「もう反省してんの？」
雪野「あー静かになったー。
お父さんお母さんは買い物だし、せっかくの週に一度の日曜日。
やっぱり家でだらだらが一番だねーうん」
雪野「月野だな。やっぱり傘忘れたんだ。はいはいはーい」
雪野：私は。
雪野「うりゃー！ほらー、忘れもんだよー！」
雪野：私は今まで絶対にしなかったミスを、した。
総一郎「あの、ブ、ブラームスのCD…ち、近くまで来たついでに届けようと思って…」
雪野：それでも有馬は礼儀正しく振舞おうとする。
恐るべき精神力と自制心である。いやあ、立派なやつだ。
その有馬の人生の中で、ここまで彼の気を動転させた女は恐らく私が初めてだと思う。
今日は、それを誇りと感じることで、良しとすることにした。
これからのあらすじ！
一生の不覚！己の正体がバレてしまったお姉ちゃん！
その事実を巧妙に利用する有馬君！
あぁ！お姉ちゃんの運命は如何に！？
次回、カレカノ『二人の秘密』
うぉーーーーーーーっす！
これまでのあらすじ
有馬総一郎。成績優秀、スポーツ万能。敵を作らぬ人当たりのいい性格。
加えてお家は、江戸時代から続く医者の家族という超バリバリのサラブレッド。
宮沢雪野。眉目秀麗、才色兼備。
中流家庭に育つ一般庶民だが、彼女もまた有馬に劣らぬ知性と品格の持ち主。
この周囲の群衆を虜にしてしまう二人は、高校で出会った。
がしかし、その一方が実は駄馬であることが先日、有馬くんにバレてしまったのだ。
お姉ちゃん迂闊…。
しかもその直前、お姉ちゃんは彼に愛の告白までされていたのだ。
けどお姉ちゃんは何の考えもなしにあっさりと彼を振る。
その直後に、この事件。
やっぱお姉ちゃん、迂闊…。
まさにまな板の鯉。
そんな自らの墓穴により、絶体絶命のピンチに陥ったお姉ちゃん。
さあ、どうする？宮沢雪野。
そしてどう出る！？有馬総一郎！
有馬に、全部バレてしまった。一生の不覚。
頭の切れるやつのことだ。
あの私を見て、すべてを推察したに違いない。
学校での私は全部ハッタリ。
見栄！見栄！見栄！見栄に生きる見栄の権化。
それが私。宮沢雪野の真の姿だと。
さあ、どうする？有馬。みんなにバラして笑いものにするのか？
軽蔑の視線を投げつけるか。
それとも優等生らしく愚かな私に同情したりなんかするのか。
ふん！なんでよりによって有馬にバレてしまったの？
いやだー！やつに笑われるのも軽蔑されるのも同情されるのも。
男子生徒A「なあなあ、今宮沢さんがこっち見てたぜ。もしかして俺かなー」
男子生徒B「あほ。お前なんか相手にされるかよ」
男子生徒A「あ、やっぱり？」
男子生徒B「でもいいよな、彼女。華奢で女の子らしくってさー」
男子生徒A「やっぱ俺、告白しちゃおうかなあ」
男子生徒B「無駄無駄無駄。傷つくだけだぞ」
総一郎「…」
今は優しく笑いかける彼女たちも、明日には自分たちが騙されていたことを知り、
侮蔑の表情で私を見るかも知れないのだ。
雪野「う～～～～。！？」
男子生徒A「ああ、ところでさ」
男子生徒B「おう」
男子生徒A「さっきの授業なんだけど、あの先生字きったねえんだよなー。それに話も長いしさ」
男子生徒B「ほんとだよ」
男子生徒A「勘弁して欲しいよ」
男子生徒B「ほんとだよ、もう」
総一郎「…」
雪野：でも、何日経っても有馬は何も言ってこない。
誰かに話した様子もなかったし。
何日経っても、何日経っても何も起こらなかった。
ついに一週間目
＜楽天的発想＞
雪野：もしかして、やつは私を見逃してくれたのでは？
＜ご都合的解釈＞
雪野：そうだよ！やつは育ちも性格もいいからだ。
＜ポジティブシンキング＞
雪野：ベラベラ喋って人の弱点をつつくようなせこいことはしないんだわ。
＜ただのごまかし＞
雪野：そっかーなんだーやりーラッキー！とりあえずもうけ。あっはっは。
で、私は安心した。
我が人生に、問題なし。
雪野：だが、この時恐るべき陰謀が私を待ち受けていたなどとは、
誰が予想しえたであろうか。
総一郎「顔、緩んでるぞ」
雪野「ヒィーーーーーー」
総一郎「僕は悪魔か？ビックリした？そうだろうなあ。まずいところ見られちゃったもんな。
僕もすっかり騙されたよ。清純派の宮沢さんがまさかこういう人だったとは。
みんな驚くだろうなー。センセーショナルだなー。
どんな反応するかな？笑うかな。呆れるかな。何？宮沢さん」
雪野「い、言わないで」
総一郎「言わないで、く だ さ い」
雪野「い、言わないでください」超屈辱 くやしさ10∞倍
総一郎「うん、いいよ」
雪野「ラッキー」
総一郎「はいこれ。僕の代わりにやっといてそれ。今日中に」
雪野「…」しーん
総一郎「じゃあ僕、部活あるから」
雪野：なにこれ…。
なぜ私がこれをするのだ？
それに…今のだれ？
あのとっぽい兄ちゃんはっ！誰なのよー！
有馬「はい。息も絶え絶えに申し上げたそうなことがあるらしい様子だが、
とてもくるしそうでぐったりした感じなので帝はこのままどうなろうとも（中略）」
先生「では次、宮沢。解説して」
雪野「はい。ここで『男』と『女』とあるのは、感情の盛り上がりを表現するためのものです。
当時、宮廷では死は汚れとされ帝以外のものは死ぬことを許されていませんでした。
帝は好意を…（中略）」
先生「はい結構です。二人とも大変すばらしいですね」
クラスメイト達「おお～ッ」
雪野「（感嘆と賞賛の声を響かせている。
この人たちは誰も知らない…今や私は有馬の下僕であることを）」
総一郎「こんばんにゃー。あーやってるやってる、ご苦労さん。
おー完璧。もう出来てる。すごいなーさっすが宮沢さん」
雪野「あのねー！どういうつもりよ！なんで私がこんなことやらされなきゃなんないの！？」
総一郎「それは、宮沢さんの弱みを握ったから、いっそ利用してやれという」
雪野「わ、わ、わ、わ、分かってるわよ！そんなこと！はっきりいうな！
そういうの恐喝っていうのよ！恥ずかしくないの？」
総一郎「うん」
雪野「あわわわわわ」
総一郎「だって仕方ないじゃないか。僕は忙しすぎるし、代わりを任せるには君はうってつけだしね」
雪野「こいつ」
総一郎「僕の役にたってもらうよ。まあ、無理にとは言わない。
いやならいやって言えばいい。そういう勇気があればだけど」
雪野「この策略家」
雪野：不覚。こいつにも裏があったとは。
こんな屈辱はなかった！
雪野「くっそー。なんなのよ、あいつ。もう、チクショー！」
月野「でもお姉ちゃんにはありがたい話じゃない」
妹達「ねえー」
花野「見栄の虚しさだけでなく、上には上がいるというシビアな現実の厳しさを、
身を持って教えてくれるんじゃない」
妹達「ねえー」
雪野「えーい！そんな親切なやつじゃないわよー！チクショー！」
雪野：だが、やつの呪縛から逃れる術は今の私にはない。
ただ、己の運命を呪うしかなかったのだ。
けど、それも後の祭り。
初日
2日目
更に3日目
おまけに4日目
すでに夜7時
雪野：今や、毎日有馬の仕事責めの日々なのである。
総一郎「泣き真似は効かないよ」
雪野「チッ」
総一郎「宮沢って本当は図太くてたくましいんだろ」
雪野「もう！余計なお世話よ！」図星
雪野「これは何の仕事？」
総一郎「修学旅行委員会の予定作り」
雪野「げっ。そんなのまでやってるの？」
雪野：手伝わされて分かったが、確かに有馬は超多忙なのだ。
クラス委員会、奉仕部会、修学旅行委員会、あと様々な行事の執行委員、
そのすべてのメインスタッフであり、さらにその上、
部活をやり、勉強をやり、教科を教わりにくるクラスメイト達の相手をしている。
ちなみに私は適当に逃げ回ってるけどね。
雪野「そのうち死ぬぞ」
総一郎「なんか僕って目立つらしいからね」
雪野「あー辛いとこだね。その顔と頭がありゃ、もっと良い人生送れそうなのに」
総一郎「うーん、そっか。そうかなー。ま、宮沢がいるから助かってるけどね」
雪野「ポチっすか」
総一郎「ポチっす」
総一郎「うん、宮沢は？」
雪野「私もやったよ」
総一郎「じゃあ大変だったでしょう」
雪野「ううん、別に」
総一郎「え？なんでさ」
雪野「『どうしよう、私こんなに出来ない』って言うとやってくれたのよー！男が。
あっはっはっはっは。あっはっはっは」
総一郎「詐欺だー。実態はこういうやつだもんなあ」
雪野「じ、自分だってそうじゃないよ！」
総一郎「え、違うよ、これは。僕は普段からいつもの通り。これは宮沢につられてるだけだよ」
雪野「もう、人のせい？なんてことかしら」
総一郎「ほんとだもんね」
総一郎「宮沢、腹減ってる？」
雪野「腹？減ってるよ」
総一郎「じゃあ何か奢るよ。たまには」
雪野：やっぱり、有馬ってどこか完璧だ。
雪野「私ステーキがいい」
総一郎「あほたれ」
昨日までは、何もなかった。
さっきまでは、どこにも無かったはずなのに。
女子生徒A「見て見て」
女子生徒B「あの二人」
女子生徒C「やっぱりあの噂本当なんじゃない？」
女子生徒D「絶対そうだよね」
雪野「！」
総一郎「さっき部活終わってから来たんだ。ダメだよ、寝ちゃ」
雪野：突然、特別に見えた。
有馬が、特別に見えた。
何なんだろうこの感覚。よく分からないこの気持ち。
もやもやしてて何だか落ち着かない。
初めての体験。はて。
ま、まさか！これが世間で噂に聞く好きってやつじゃ！？
あの恋とか愛とか惚れたってやつ！？まさか！？この私が！
バカな。信じらんない。やっぱもう一つ自覚に足らない感じだなあ。
とは言え、参ったなあ…。
ペロペロ「もぐもぐもぐもぐ」
花野「そういえば雪野姉ちゃん最近帰り遅いね」
雪野「へ？ああ、クラス委員の仕事があるのよ」
花野「ふ～ん、それだけ？」
雪野「そうだよ」
月野「なんだ、やっぱり違うじゃん」
花野「うーん、でもなあ」
雪野「な、何よ」
都香「なになに」
洋之「何の話だ？」
花野「やっぱり変だよ。最近急に帰りが遅くなったしさ。
前は高校のこと何でも話してくれたのに、この頃ちっともだし。
何よりジャージを着なくなった。お姉ちゃん彼氏出来たでしょう？」
雪野「な、な、な…」
洋之「ぬあ～にぃ～～～！お、お、お、男だとー。雪野、世界一雪野を愛している。
もちろん、月野も花野も世界一だが、その愛溢れる父さんよりよその男かー！？」
雪野「な、何訳わかんないこと言ってんのよ」
月野「あ、動揺してるよ」
花野「あはっ、やっぱいるんだ」
都香「お母さん写真見たいな～ビジュアル系かしら？」
月野「恐らく美少年」
洋之「お、俺よりもか？」
花野「間違いなく」
都香「雪ちゃん面食いだものね、誰に似たのかしら」
雪野「だーかーらーもう仕事だってえの」
洋之「雪野ー！お父さんは信じてるぞー」
雪野「うえーーーギブギブギブ」
別にただ普通に会ってこんな気持ちになったなら何も困りはしないのに。
そう、私は困っている。
だって、有馬は…。
宮沢さんと有馬くんって付き合ってるの？」
雪野「…！」
クラスメイトA「最近よく一緒にいるから。
あ、でも変な意味じゃないの。
二人すごく似合ってるし、うらやましいけど宮沢さんなら良いって皆言ってるもん。
それでほんとはどうなのかなって」
雪野「（確かに告白はされたけど…）」
クラスメイトB「あのね、勇気のある子が有馬くんにもそのこと聞いたのよ」
雪野「！」
クラスメイトB「そしたら、有馬くんは笑っただけで何にも答えなかったんだって」
雪野：やっぱりな。
ずっと考えていたんだ。
あの告白は、有馬の中ではどこへ行ったんだろうって。
そのあと有馬は一切あのことには触れない。
分かってはいたけど。そうだろうなと思ってたけど。
有馬が好きなのは正体を知る前の私よ。
本当の私じゃない。
私は、有馬の正体を知ってから好きになったんだけど。
総一郎「（宮沢ー！悪い、今日も残ってくれる？
今日はそんなに掛からないから遅くならないよ）」
雪野：そうか、あれはもう、有馬の中からすっかり消えてしまったのか。
雪野「もう出来てるよ」
総一郎「なんだ」
雪野「私、もうこういうのやめる」
総一郎「は？」
雪野「もうやらない。手伝わないの」
総一郎「でも、そしたら宮沢が困るだろ。色々と」
雪野「いいよ、バラしても」
総一郎「待った、何怒ってるんだ？」
雪野「怒ってない。離してよ」
総一郎「怒ってるだろ。急に怒って。理由があるならいいなよ。訳分かんないじゃないか」
雪野「良いの」
総一郎「良くない」
雪野「離してよ！離してってば！
もううんざりなのよ！利用されるのは！！」
総一郎「宮沢！」
雪野：ずっと友達みたいに話してたから忘れてた。
有馬は、私の弱みを掴んで利用してるだけなのよ。ひどいじゃない。
私の正体知ったらすっかり態度が変わって、
平気で利用するなんて、ひどいじゃない。
だから終わらせてやるのよ、こんなことは！
総一郎「逃げるからだろ」
雪野「来ないでよー来ないでよー」
総一郎「やーだね」
雪野「とうっ！！！」体育10
総一郎「何もそんな力の限り逃げることはないだろ！
待てっつてんだろーコノヤロッ」同じく体育10
総一郎「何か誤解を招くな…まだ逃げるか。どっか擦りむいてんじゃないのか？顔見せろ顔…あ」
雪野「どうせ私は変な女よ！
見栄っ張りだし、わがままだし、嘘つきだし、計算高いし、強欲だし、
さぞがっかりさせたでしょうよ！
だからって、どうして態度が変わるの！？
上品ぶってなければそんなに価値のない人間ですか！あんたなんか嫌いよ！
触らないでよ！」
総一郎「ごめん」
雪野「わ、私、そんなに変？優等生じゃなきゃ何の値打ちもないの？」
総一郎「そんなことない。宮沢のありのままのとこ、楽しくて好きだよ」
雪野「た、楽しい…」
総一郎「いや、変な意味じゃなくて。もともと誰にもバラすつもりはなかったんだ。
本気で利用したかったんじゃなくて、口実が欲しかったんだ。
宮沢と話すために。きっと楽しいだろうと思ったんだ。楽しかったんだ。
僕は今まで、誰ともこんな風に話したことはなかったから。
でも、それが宮沢を傷つけてるとは思わなかったんだ。
ごめんよ。もう手伝えなんて言わないから」
雪野：そうか。私のことどうでもいいっていう訳じゃなかったのか。良かった。
雪野「えへへ。泣いちゃった」
雪野：その日から、私と有馬は同じ秘密を共有する仲間となった。
総一郎「宮沢は？」
雪野「うちは妹が二人よん」
総一郎「ふ～ん、妹って可愛い？」
雪野：まあ、厳密に言うと有馬は少し勘違いをしていて。
雪野「うん、めちゃくちゃ生意気で超可愛いの。今度見せてあげる」
総一郎「生意気で可愛い？はて」？
雪野：私が切れたのは、自分がコキ使ったせいだと思ってるんだよな。まあ、いいけどね。
とりあえず私は有馬にとって別格の存在だということが分かった訳だし。
恋じゃなくてもさ。
雪野「でもさすがの私もハメられたよ。有馬くんまでこういう人だとは思わなかった」
総一郎「そうだね」
総一郎：そうだね、自分でも驚いてるんだよ。
君は信じないかも知れないけど、ほんとにこんな自分がいたなんて知らなかったんだ。
君に会うまでは。なぜこんなに気になるんだろう。なぜつられてしまうのか。
どんどん君に引き込まれ、やがて違う僕になっている。
それは良いことなのだろうか。それともいけないことなのだろうか。
これからのあらすじ！
和解した二人、このままラブラブモードに突入か？
だがそうは問屋が許さない。急に態度が冷たくなる有馬君。
あぁ！このままお姉ちゃんフラれてしまうのか！？
次回、カレカノ『彼氏の事情』
うぉっす！
男なんてそんなもんよ。
これからのあらすじ！
和解した二人、このままラブラブモードに突入か？
だがそうは問屋が卸さない。急に態度が冷たくなる有馬君。
あぁ！このままお姉ちゃんフラれてしまうのか！？
次回、カレカノ『彼氏の事情』
うぉっす！
男なんてそんなもんよ。
これまでのあらすじ！
これが、私たちのお姉ちゃん。宮沢雪野、高1。
傍から見ると、眉目秀麗、才色兼備、中流家庭の育ちながらも、知性と教養、そして気品の持ち主に見える。
しかしその実態は、見栄を張ることが超生きがいで、人前でのみ完璧な優等生を演じきる仮面の女。
だが先日、お姉ちゃんの凡ミスでその裏の性格がバレてしまった。
この男が本物の超優等生、有馬総一郎。
成績優秀、スポーツ万能。敵を作らぬ人当たりのいい性格。
加えてお家は、江戸時代から続く医者の家族という超バリバリのサラブレッド。
しかしこいつもとんだくせ者。
お姉ちゃんの弱みを握ったのをいいことに、自分の仕事を散々手伝わすという策略家。
初めてのときめきも手伝って、しっちゃかめっちゃかの大ピンチに陥るお姉ちゃん。
一人空回りを続けた末、ついに切れるが…！
じゃけんど、すったもんだの末、和解。
お互い二面性を持った優等生として秘密を共有する二人は、表面上うまくいったように見えた。
だが、しかーし！
有馬の母「どうしたの？どこか痛いの？」
総一郎「（どうして急に思い出したりしたんだろう。ずっと、忘れていたのに）」
雪野「あれ、まだ残ってたんだ？仕事？」
総一郎「うん、宮沢も？」」
雪野「そう、でも今終わったとこ。大変なら手伝おっか。どうせ今日半ドンだし」
総一郎「いいよ、もうほとんど終わってるし。
そろそろ部活出なきゃ。じゃあな、宮沢」
雪野「ああ、うん」
雪野「（やっぱり変だ。なんかよそよそしいような…何なんだろう。
つい先週まで、あんなに仲良くしてたのにさ）」
総一郎「なあ、宮沢。今度勉強会しないか？
うちの学校テスト多いだろう。協力し合えば効率いいんじゃないかなって」
雪野「そっかー！それは素晴らしいわ。協力というのが美しいわね！」ステキ！最高よソレ！
総一郎「あー今見えるなー、自分だけ楽して良い点取ろうとする宮沢の心」
総一郎「大袈裟だってえの」
雪野「すごーい広ーいリッチー！」
総一郎「父さん、母さん、同じクラスの宮沢さん」
雪野「は、ひ、へ、ほ！」
有馬の父「いやあ、いらっしゃい。いやあ、総一郎にこんな可愛いクラスメイトがいるとは知らなかった」
雪野「まあ、そんなことありませんわ」
有馬の父「これからも総一郎と仲良くやってください」
有馬の母「あとでケーキを切りましょう。女の子は歓迎のし甲斐があるわ」
有馬の父「総一郎、三時になったらお茶に降りておいで。もちろん宮沢さんも」
総一郎「はい、父さん」
総一郎「つくづく宮沢の猫かぶり技術は見事だよな。時々恐ろしくなるよ」
雪野「おほほほー厳しい修行の賜物だよ。でも、素敵なご両親ね。いいわね」
総一郎「…」
雪野「うち、狭いけど比べないでね」
総一郎「だから家のことは忘れろってえの」
雪野「ただいまー」
都香「あら雪ちゃん、おともだ…」
総一郎「こんにちは」
都香「お、男ーーーーー」
月野「…！」
都香「お、男ーーーーー」
花野「！」
都香「お、男ーーーーー」「お、男ーーーーー」「お、男ーーーーー」
洋之「な～にぃ～！！！男だと！！！！ゆるさーーーん！！
うちの可愛いお姫様たちに近づくウジ虫野郎め！たたき出してくれるわああああああああ！」
総一郎「初めまして。有馬総一郎と申します」
家族達「娘をよろしく」
雪野「なんの真似よ！」
月野「ていうかあの人自分と同じレベルじゃなきゃ認識してないんじゃないの。
もともと男子に関心ないみたいだし。
大抵の男子なんて紙細工にしか見てないと思うよ」
花野「言える。やつのそういうとこ鬼のように冷たい女だからな。お父さんもよく許したよね」
洋之「だってさ、雪野の人生であそこまでランク高い男もう現れないかも知んないじゃーん」
月野「おお～キープってやつ？」
花野「親って打算的だよね」
月野「でもありりんちって大きい病院やってるってさ」
花野「うそマジ！？」
都香「じゃあ娘が友達ですって行ったら割引とかしてくれるかな」
洋之「よーし今度みんなで行ってみよう」
月野「でもうちみんな元気じゃん」
家族達「あはははははは」つつぬけ。
総一郎「宮沢、僕別に構わないからさ」
雪野「うちの家族、どうしてこう間抜けなのよ！」
家族達「うわああああー逃げろー！！！！」
雪野：あれは結構恥ずかしかったけどさ、
それなりに楽しかったのに。
それまでは、よく笑って一緒にいることも多かったのに。
今週に入ってから急にそっけなくなってあまり話してくれなくなった。
私、何かやったかな。
総一郎「ああ、何？」
雪野「あの、これ、渡すように頼まれて」
総一郎「ありがと」
雪野：今までとは違う。
これは「拒絶」だ。
総一郎「…」
雪野：なんで！？だって、先週までは友達だった。
どうして急にこうなるの？
臆病になった。どうして急にこうなるのか分からない。
その時、初めて気がついた。自分が無知だということを。
上辺ばかり取り繕って優等生の振りをして。
本気で人と付き合ってこなかった私は、こんな時どうしたらいいのか分からない。
心から話したこともない。喧嘩もしない。
優等生の仮面を外さなかったから。
仮面で人を欺き、自分を晒さなかったから。
今になって自分には何もないことに気づくなんて。
月野「自己嫌悪なんて慣れないことするからよ」
両親「うんうん」
月野「免疫ないもんね。自分の弱点にも、彼氏という存在にも」
両親「うんうん」
月野「これまで気にしたことなかったもんねー」
両親「うんうん」
花野「有馬くんと会えてから、色々分かって良いじゃない」
両親「うんうん」
雪野：そうだ。私は色んな自分を知った。
有馬はどうなんだろう。
花野「ま、困った時はいつでも相談してよ。お姉ちゃん」
月野「お金以外はね」
両親「うんうん」
雪野：そうだ、悩み事があったとき有馬はどうするんだろう。
ま、うちと違ってあんな立派なご両親がいらっしゃるんですもの。
心配ないか。
有馬の父「総一郎」
総一郎「はい」
有馬の父「この間連れてきたお嬢さん、たしか宮沢さんとおっしゃったね」
有馬の母「ええ、とても落ち着いた良い娘さんでしたわ」
有馬の父「うん、久しぶりに楽しいお茶会だったな」
有馬の母「ええ、とっても」
有馬の父「だから総一郎。私達に遠慮はいらないよ。また連れてきなさい」
総一郎「はい」
雪野：確かに、有馬はどうなんだろう。
有馬だってごく普通の高校生らしいところがあるのに、
なぜ誰にも見せなかったんだろう。私の前で以外。
よく考えると分からない。
私みたいに見栄じゃないなら、なぜそこまで完璧でいられるんだろう。
それって疲れない？幸せ？
やっぱり私何かやったのかなー。怒るようなこと。
うーん、でも、あれだよな、あいつ、迂闊に告白したこと後悔はしてんだろうな。
実際はこれだもんなー。やっぱ興ざめだよなー。あっ、ま、まさか！
私が有馬に隠れラブラブなのを感づかれたのでは？なんかこれが一番可能性ありそう。
はっきし言って迷惑ってやつ？
あ～ん、だったらハッキリ言えばいいのに！
総一郎「なにが？」
雪野「とぼけないでよ。ここんとこずっと無視してるじゃん。
こういうのいやなんだよね。はっきり言ってくんない？」
総一郎「別に」
雪野「なんで逃げるの？言わなきゃ分かんないよ！」
総一郎「うるさいな！ほっとけよ！」
総一郎「…」
幼い総一郎「…」
有馬「（親の記憶はそれだけ…たったそれだけ…）」
幼い総一郎「…」
有馬の父「さあ、おじさんと行こうか？」
総一郎「はあ、はあ、はあ、はあ、…」
雪野：嘘つき。友達だって言ったくせに。
ありのまんまで良いって言ったくせに。
花野「すごい、高校ともなるとお姉ちゃんでも分からない問題が出たりするのね」
月野「うん、うん、うん」
雪野「どう考えても、どうにも解せないあの有馬の行動」
妹達「しぇえええええええええええい」
雪野「やはり原因は推測出来ぬ。が、結果だけははっきりと出ている。となると、やはりここは、
ハムラビ法典曰く、目には目を、歯には歯を、無視には無視、
これよ、これ。これしかないわ。あはははははは」
花野「子供の喧嘩じゃないんだからさー」
月野「あんなに勉強出来んのにねー」
妹達「はぁ…」
クラスメイト達「ああっ」
雪野「邪魔だ、どけ」
総一郎「…」
クラスメイトA「ねえねえ、宮沢さん、ここの訳を教えて欲しいんだけど」
雪野「あ～ら、これからはこういうこと有馬くんに聞いてくださる？
私と違って随分とお出来になるようですから～っ！おほほほほ！けっ！」
総一郎「…！」
クラスメイトB「今日の宮沢さん、なんか変だよな」
クラスメイトC「うん、有馬、お前何かしたのか？」
クラスメイトD「しかし彼女でも機嫌の悪い日はあるんだな」
クラスメイトE「あの宮沢さんも人の子という訳か」
幼い総一郎「うう…うっ…」
有馬の母「どうしたの？どこか痛いの？ああ、おねしょしてしまったの」
総一郎：イエスと答えたらどんな目に合わされるだろう。
有馬の母「一人で怖かったんだよね」
総一郎：平手を喰うはずの手は僕の頭を優しく撫でた。
新しいお母さんが寝巻きをかけかえてくれた。
新しいお父さんが僕を抱えて眠ってくれた。
不思議な気持ち。
なぜこんなに涙が溢れるのか。
なぜこんなに胸が切ないのか。
鉄とコンクリート、そして雨の風景は、僕の奥底にあった記憶を思い出させる。
それは恐怖と安らぎ。
喜びと不安を同時に与えてくれる。
あの親の記憶と共に。
幼い総一郎「うっ…う…」
総一郎：そして宮沢も。
僕は彼女とも本当はどうだったんだろう。
雪野「…」
雪野；ふん、なにさ。こっちからシカトしてんだから。
総一郎「あ、宮沢！」
雪野「ふん！うーっくうううう」
総一郎「ぷっ、あははははははあはははは」
雪野：ダ、ダサい！どうしてこう決まらないのよーもう。
どうせ私は開き直ることしか出来ない無知なおこちゃまですよおー！
総一郎「はい。やっぱり宮沢には適わないな。なんかむちゃくちゃなんだもん」
雪野「ご、ごめんなさいね！ほっといてよ！うっうっ…うっ…」
総一郎「ごめんね」
雪野；いつもの、有馬くんだ…。
雪野「ううう…うっうっ…うっ…」
宮沢は知らないうちにそれに触れてくるんだ。宮沢は僕にとってとても都合の悪い人間だった。
それに気づいて、だから逃げようとしたんだ。
宮沢のせいじゃないのにね。
気づいたのは勉強会で、宮沢の家に行ったとき。
改めて自分の家とは違うなと思った。ああ、普通の家族はこうなんだと。
僕はね、養子なんだよ。今の父は僕の実の父の一番上の兄にあたる。僕の叔父なんだ。
僕は、今の両親が本当に好きだけれど、宮沢の家のように何でも言ったり甘えたりって僕にはできなかった。
そういう事に気づかされたよ。
僕の本当の両親はね、もうほんとにどうしようもない人たちみたいだった。
盗み、恐喝なんて当たり前。はては借金残して蒸発してしまったっていう人なんだ。僕を残して。
一族の恥だったんだろうね。今の両親に引き取られたとき親族が集まったことがあった。
子供には分からないと思ったんだろうな。面と向かって言われたよ。
あんな親から生まれた子はろくな者にはならない。
だから僕は欠点のない人間にならなくてはいけなかった。絶対に。
自分のプライドにかけても。育ててくれた両親のためにも。
そうやって作り上げた今の自分に満足していたよ。
宮沢に会うまでは。
どうして宮沢だったんだろう。はじめは自分に似ているから好きなんだと思った。
でも宮沢を知れば知るほど、それにつられていく自分がいた。
僕は本当にこんな自分は知らなかったんだ。そのうち一つの考えが浮かんできた。
もしかして今まで自分だと信じてきたものは、努力で作り上げただけの偽物だったんじゃなかったのか。
僕の中にはもう一人本物がいるんじゃないのか。そう考えてまずいことになったと思った。
そんなこと気づいちゃいけなかったんだ。
君は僕の仮面を次々と引きはがしていった。君は僕にとっての光。
闇を照らす光だったんだ。
光はその存在だけで闇をくっきり浮かび上がらせてしまう。僕の心の中にある闇を。
正直言って宮沢を恨んだよ。だから突き放した」
だったら素直になればいいじゃない。どうして隠そうとするの？」
総一郎「最低の人間だったらどうする！？もしあの親の血を引いていたら！
僕は自分の血が怖い！ろくでなしになる訳にはいかない！
父のためにも！母のためにも！」
雪野「有馬くんは今のご両親が好きなんだね。
でも有馬くん。そうやって無理してる限りきっと本当の家族にはなれない。
本当の家族とか友達って相手の欠点も知ってて、それでも好きっていうことよ」
雪野：ああ、私この人が好き。
好きなものを守りたくて、自分を傷つけてしまう、この人が。
総一郎「宮沢…」
雪野「これが本当の有馬くん。大丈夫、ろくでなしなんかじゃないよ。
私こっちの有馬のほうが好きだもん。
何されると思ったのよー。チューされるってか？する訳ないじゃんそんなこと。
本当の有馬は外に出たかったのよ。仮面を剥がして表に顔を出したかったのよ。
そいつが私を見つけたのよ。
私の中に隠していたものを有馬の中に隠れていたものが気づいたんだわ。
すごいことよ。
もっと自信持ちなよ。有馬はいいやつよ。
私決めた！優等生の仮面はもう捨てる。
これから自分のためだけに生きるんだ。自分を好きになるために。
有馬くんは？」
総一郎「俺、宮沢がいて良かったよ」
雪野「私も」
そりゃもうすっかりマブダチだ。
自分に正直に生きるが今の二人のスローガンだ。
でも、
雪野「わはは有馬ー」
総一郎「わはは、いてーなー」
クラスメイト達「…」見ないフリっ
雪野：やはりパブリックイメージというのがあって皆現実を直視しようとしない。
そういうときは二人で笑ってしまう。
ただ、私は自分の恋を妙に自覚してしまってさ、
心揺れる日々なのです。
ああ、あの告白のときとっ捕まえておきゃ良かったぜ。
ま、当分は友達のままかな。
だが唐突に、話のついでに有馬が言った。
総一郎「そうそう。今の自分で大好きなところが一つあるよ。
宮沢ってどんどん変なやつになっていったけど、気持ちは変わらなかったな。
好きだったな。ずっと」
これからのあらすじ！
再度告白された幸せ者のお姉ちゃん。
だが舞い上がってしまった彼女は、哀れコールバックのチャンスを逃してしまう。
果たしてお姉ちゃん、彼に告白できるのか？
次回、カレカノ『彼女の難題』
うぉっす！
私たちのお姉ちゃん、宮沢雪野ちゃんは、
同じクラスの有馬総一郎くんに告白をされました。
でも宮沢、あっさりそれを振る。
その直後、これまで必死こいて隠していた本性を見られてしまい、有馬の下僕となる。
その間、宮沢に有馬への初めての恋心が芽生え、
なんやかんやとすったもんだの末、和解。
とりあえず二人の距離は友情で結ばれたが、最後の最後に有馬が言う。
気持ちは変わらなかったな。好きだったな、ずっと。
さて、このあと二人は、どうなったでしょう！？
男子生徒B「可愛いなー。何読んでるんだろう」
男子生徒C「サリンジャー？あの表紙はサリンジャーだよ」
男子生徒B「ロマンティックだねー。彼女にピッタリだなあ」
男子生徒C「やっぱり美少女はああでなきゃいけないね」
女子生徒A「あ、有馬くんよ」
女子生徒B「今日も素敵」
女子生徒A「やっぱり宮沢さんと付き合ってるのかしら」
雪野「あら、有馬くん。
？
うわあっ」
総一郎「君は！どうしてこういう見栄を張るんだよ！自分に正直になるって言っただろ！」
雪野「うわー。いててててて。ちぇっ、ちょっとくらい良いじゃん。ガミガミ口うるせえこって。
人間そう簡単に変わらないわよ。
うわ、いてーいてーいてーうー」
才色兼備、スポーツ万能、さわやかな性格で、
校内にその名を轟かすバリバリの優等生であった。
でも、実態は違う。
優等生を演じてきたのだ。
有馬は、生まれの不幸への反発ゆえに。
私は、褒められたい、注目されたい、ちやほやされたい、という肥大した見栄の欲望ゆえに。
でもひょんなことから互いの本性を知り、私達は演じるのをやめようと決めたのだ。
自分らしくなるために。
が、
雪野「慣れないこと実行に移すのはそれなりの手間と時間が掛かるもんでしょ。
ったく、融通利かないんだから」
総一郎「…」
雪野「うわーぐーぐえーつぶつぶつぶれる。うわーうー…」
雪野：まあ、それはそれでいいんである。
今、目の前にある大問題に比べれば。
雪野「はあ、体育祭かー。また大変そうだなー。あ、ここ5時」
総一郎「どれ？」
雪野「…///」
総一郎「どこ？」
雪野「こ、ここここここここここです」
総一郎「ああ、ほんとだ」
雪野：私は今、非常に緊急かつ重大な問題に直面していた。
実はまだ、私達はオフィシャルな付き合いに至っていない。
友達以上、恋人未満。
公認カップル直前止まり。
仮免で公道に出ているようなもんだ。
何故か。
それはあの、告白のときに遡る。
総一郎「好きだったな、ずっと」
雪野「えっ……え、え、え、えっと…」
総一郎「そろそろ帰ろうか？」
雪野：え！？
そう、私は言い損なったのだ。
柄にもなくあがったりして！ばかばか！私のばかー。
やばい！このまま時の流れに身を任せてる場合じゃない。
なんとか手を打たなくちゃ。
運命は、自らの手で切り開いてこそ意義のあるもの。
本当の自分だとかそんなこっちゃもうどうだっていい。
目下私の最優先重要課題！それは有馬に告白すること！なのだ。
これまでことある演習と実践は繰り返してきたけど、
こっちから告白するのは初めてだからな。
モデリングと経験がまるでない。
なんて怖気付いてちゃ何も出来ない。
今や実践あるのみ！
雪野「有馬くん、有馬くん」
総一郎「ん？」
雪野「ごめん。第一科学室にレポート取りにいくようにいわれたんだけどー。
用が入っちゃったの。代わりに行ってもらえるかしら」
総一郎「いいよ」
雪野：これは作戦である。
有馬を人気のない第一科学室におびき出し、告白をするのだ。
雪野「あ！！」
総一郎「あれ？宮沢どうしたの？
なんか2年生のクラス蛍光灯割っちゃったんだって。
いや～教室バリバリらしいよ。ガラスで。
どうしたの？」
はやくも、失敗
雪野：一人…。
早くも、セカンドチャーンス！
総一郎「ああ、宮沢」
総一郎＆雪野「うわあっ！」
先生「あら何の音？まあ、駄目よ。ちゃんと片付けてってね」
総一郎「すいません」
雪野「ああ…」
またも、作戦失敗
雪野：そわそわそわそわそわそわそわそわそわそわそわそわそわそわそわ、そわ。
人気のない廊下！ラッキー！
サードチャーンス！
雪野「あ、有馬くん！」
総一郎「あ、あ…」
『一年級長の有馬、宮沢、至急職員室まで来るように』
これまた、作戦失敗
雪野「（言わなくちゃ言わなくちゃ言わなくちゃ言わなくちゃ…
言わなくちゃ言わなくちゃ言わなくちゃ言わなくちゃ言わなくちゃ…）」
雪野：これは、本日のラストチャーンス！
告白作戦（４）
最終決戦
雪野「あ、有馬くん！」
総一郎「zzz…」
雪野「（涙）」
やはり、作戦失敗
本日の成績
０勝四敗
雪野：教訓、一度逃したチャンスを取り戻すためには、
大変な労力を要するものである。
雪野「うー早くー早く言わねばー早くーうーうーうううーうー」
花野「姉ちゃん、なに唸ってるの？」
月野「はた迷惑な人だよまったく」
どこがっていうと、そうだな。
頭や性格の良さはもちろんのこと、
上品で清潔な雰囲気だとか、落ち着いた柔らかな声だとかも素敵よね。
日本的な切れ長の瞳とか、サラサラした髪だとか、スラっとしたスタイルだとか。
その有馬が私を好きだという。
ああー！
総一郎「なーにやってんだ宮沢。委員会行くぞ」
雪野「ああ」
雪野：有馬もなー。私がこんなに赤くなったり、
口ごもったりしてるんだから察してくれたっていいのに。
気づけよっ。
あれ以来、有馬は恋愛感情を見せようとしない。
あんまりしつこくしたら私に迷惑、とか思ってるんだろうな。上品なやつ。
もともとポーカーフェイス上手いやつだしな。
前のときも分かんなかったし。
もっと顔に出してくれたら私も言いやすいんだけど。
顔に出す？
そうか。一方的に言おうとするからタイミングが難しいんだ。
受け入れ状況を作るのよ。有馬がドギマギしてれば私も告白しやすい。
ポーカーフェイスを崩すのよ！
雪野：一人。
これは天が与えたもうたリターンマッチ。
ニューチャーンス！
雪野「有馬くーん」
総一郎「何してるの？」
雪野「！。何でもないっすー！うっう…」
総一郎「…」
月野「あ、雪姉ちゃんお帰り」
花野「お姉ちゃん、聞いてよー聞いてよーもう。月姉ったらひどいんだよ」
月野「いいじゃんいいじゃん、済んだことなんだからー」
花野「今日学校で授業受けてたらさあ」
（先生「であるからして…」
花野「（月野姉ちゃん？）」
月野「（くっさぁ～！）」
花野「あはははははあははははは」
クラスメイト「…！！」）
花野「すっごい顰蹙だったよ。変なことしないでよね」
月野「いやあ花野見てるとなんか表さなきゃいけない気がして。姉の愛ってやつ？」
花野「どこが？雪野姉ちゃんも一言言ってやって」
雪野「…中学って、楽しそうでいいね」
花野「ゆ、雪野姉ちゃん？雪野姉ちゃん？」
月野「どうしたん？」
雪野「ふっ、いろいろあんのよ。高校生には。中学生たちには計り知れないものごとがね。
あ、でも分かんないか。幸せだもんね。中学生たちは」
月野「なんですか？あの生意気な態度は」
花野「はん、いつものことよ。どうせ有馬くん絡みでしょ。
お姉ちゃんのことだもん。なんかきっと自分で墓穴掘って、
自分で墓穴落ちて、自分で墓穴の中のたうってるんでしょ。しょうがないなあもう」
雪野「花野！私のこと見抜くのやめなよね！」
雪野：こんな時ふと感じる。
私は一人だと。
家族以外に悩みを話せる友達はいないのだと。
ただ一人、有馬を除いて。
だからって、ぐだぐだ落ち込んでたってしょうがない。
やることやりますか！
雪野：今の自分の行動を盲目的に過信してはいけない。
ここは冷静に考えるのよ。
今までの失敗から鑑みるに、
やはり抜本的方法論から変えてみる必要がありそうね。
これまで、第一次接触による意思伝達、
言葉による直接的会話に頼り過ぎていたところに、
失敗の原因が考えられる。
直接攻撃が駄目なら、間接的な第二次接触による意思伝達を試みるのよ。
第２告白作戦１
「手紙（ラブレター）」
雪野「あーだめ！こういうのだめ！超恥ずかしくて全然だめ！
私にこの手の文才ないわ！」
月野＆花野「…」
第２告白作戦１
挫折
「伝言」
雪野「こりゃはなっからだめね。頼める友達いないもの」
月野＆花野「えーん」
第２告白作戦２
頓挫
「電話」
雪野「ゴクッ」
月野「お姉ちゃん」後方支援中
雪野「…」
月野＆花野「うう」
花野「が、頑張って」
雪野「コクリ」
月野＆花野「（汗）」
総一郎「もしもし」
雪野「あああ！はあっ、はあっ、はあっ…」
妹達「ああっ」
第２告白作戦３
凍結
こんなの今まで一度も無かったのに。
両想いなのに。
告白したいのに。
どうしてこんなに上手くいかないんだろう。
先輩の女生徒A「じゃあ宮沢さん、あと頼んじゃっていいかしら」
先輩の女生徒B「私ら予備校あるのよね」
雪野「はーい。
はぁ～何やってるんだろうなあ私。
（ちっ、もう一息でバラ色ラブラブの高校生活エンジョイなのにぃ！）」
総一郎「あれ？他の人は？」
雪野「もう帰ったよ。あとは片付けだけだし」
総一郎「なんだ、部活早く終わったから来たのに。ああ、手伝うよ」
雪野「おお、ありがとう」
雪野：これって二人きり。
おー予想外のラッキー！
抜き打ちチャーンス！
雪野「…」
総一郎「…」
雪野「…！」
こんなの今まで一度も無かったのに。
両想いなのに。
告白したいのに。
どうしてこんなに上手くいかないんだろう。
先輩の女生徒A「じゃあ宮沢さん、あと頼んじゃっていいかしら」
先輩の女生徒B「私ら予備校あるのよね」
雪野「はーい。
はぁ～何やってるんだろうなあ私。
（ちっ、もう一息でバラ色ラブラブの高校生活エンジョイなのにぃ！）」
総一郎「あれ？他の人は？」
雪野「もう帰ったよ。あとは片付けだけだし」
総一郎「なんだ、部活早く終わったから来たのに。ああ、手伝うよ」
雪野「おお、ありがとう」
雪野：これって二人きり。
おー予想外のラッキー！
抜き打ちチャーンス！
雪野「…」
総一郎「…」
雪野「…！」
総一郎「いいよ」
雪野：どうしよう、気づかれた。見ているのを見られた。
でも言わなきゃ。今言わなくちゃ。
いつもの私らしく、ぱーっと言ってしまえば。
ど、どうやって？急に何で今頃って思われないかな。
あの時答えなかったくせにって。もう何日もたってるのにって。
それに今も私を好きかは分からないし。
そ、そうだよね。
あの時は好きだったかも知れないけど、今はそうとは限らないんだよね。
どっかで幻滅されちゃったかも知れないし。
ほら、だって私ってこういうやつだし、調子に乗って変なことしてたかも知れない。
だって変だもん、私。
見栄っ張りだし、嘘つきだし、性格だって良くないし。
私は有馬みたいに出来が良くない。
有馬が私を好きだって言っても、どこが何だか分からないよ。
だって、ちっとも自分の何がいいのか分からないんだもの。
総一郎「宮沢、どうしたの？」
雪野「ううん」
雪野：いい。
友達のまんまでいい。彼女になるだけが全てじゃないもん。
別に友達のままだって。だって、たった一人の、
有馬を失ったら…。
雪野「え…」
雪野：別にいいよ。
友達のままだって。
あの時は好きだったかも知れないけど、
今も好きとは限らないし。
今も好きとは限らない。
いい。
友達のままでいい。
失いたくない！
この時になって、ようやく自分を動かしていたものが何なのか分かった。
私は、逃げていたのだ。
雪野「私ずるい。自分を守ろうとしてた。傷つかないために逃げてた。
有馬のこと信じようとしなかった。
今思うと、告白しようとした時も、どっか本気じゃなかったかも知れない。
どうして私こうだろう。恥ずかしい。どうしよう。わ、私…うっう…」
花野「まあ、まあまあまあまあ、そう泣かないでよー。それに気づいただけ立派じゃん。
事実を見つけ出して現実を見据えた時点で、もう半分問題は解決されてるのと同じなのよ」
雪野「え？」
月野「難しくて分かんなかった」
花野「いやあ、だからね。お姉ちゃんて、今まで傷ついたことがないんだよ。
ずーっと褒められてきたもんね。しかも、本性を上手に隠してしまったもんだから、
本当の自分を出すのが怖くなっちゃってんだよ。
うその自分は傷つけられても痛くないけど、本当の心は痛いもんね。
お姉ちゃんが今一番傷つけられたら、一番怖い人は有馬くんだもん」
雪野「な、なるほど」があん
花野「でもさ、お姉ちゃんはどっかで気付いてると思うんだ。
傷つくのが怖いのは、相手より自分の心を大事にしてるからだって。
私、好きになるってその逆のことかも知れないって思うんだよ」
花野「ん？」
月野「花野すごーい。どうしてそんなに賢いの？」
花野「ふっふ。漫画と小説で得た知恵さ」
このハードルを飛び越えなきゃ恋には辿りつけない。
雪野「おはよう」
総一郎「おはよう」
雪野：口で言うとまたしくじるかも知れない。
もし、傷つくのなら…。
最初の相手が有馬がいいわ。
総一郎「！」
雪野「…///」
その日、“彼氏”“彼女”になりました。
これからのあらすじ！
ようやく晴れてカップルになれたお姉ちゃん。
だがシビアな現実は、彼女に新たな敵と試練を与えたもう。
あぁ！お姉ちゃんに幸せが訪れるのはいつか？
次回、カレカノ『彼の野望』他１本。
うぉ～～～～～～っす！
ずっと、ずっと一緒に居られたらいいね。
だが、現実は・・・
雪野「すいません！こちらに1-Aの有馬くんは来てないでしょうか？」
生徒A「あら、宮沢さん、ちょっと待っててね。
ごめんね、設営部のほう行ったって。さっきまでいたんだけど」
生徒B「ちょっと待っててね。
運搬管理に呼ばれたって。今までいたんだけどなあ」
生徒C「待ってね。
100メートルの練習に回ったって。今までいたんだよ」
生徒D「オーケー。探してみる。
いやこっちには来てないって。リレーのほうじゃない？」
雪野：有馬が、どこにいるのか分からない…。
生徒E「あれ？宮沢さん。今有馬くんが探しに来たよ。宮沢さん…？」
雪野「…」へたっ
雪野：体育祭の練習が始まった。
それに伴い実行委員に携わるものは、超多忙を極めていた。
先日から、お付き合いというものを始めた私達も、
複数の部署を掛け持ちし、
飛び回る毎日だ。
授業が無くなってからというもの、もう三日も顔を合わせていない。
本部+設営+運搬・管理+構成+出版+企画+選手＝ありま
放送+来賓+集計+記録+選手＝みやざわ
弁当くらい一緒に食べられるといいんだけど」
雪野「ほ、ほんとに！？一緒に食べていいの？」
総一郎「あ、当たり前だろ！宮沢とがいいんだ！」
雪野：ああ～有馬かっこいい！
本来ならば今頃はふたりっきりの至極の会食。
引き続き、コーラのCM如き爽やかラブストーリーを展開している私達なのに。
こんなことになってしまったがね。
愛情も食欲も置いてけぼり…私らの幸せはどこへやら…。
今の世間はそれどころじゃないのね。
ひぃ～！
会いたいな、有馬。
雪野「いや！忙しいからこそ会うのが愛ってもんさ。よーし！頑張って探すぞー」
生徒G「切れ切れ切っちまえっ」
生徒F「間違ってる！間違ってる！」
生徒G「ガムテ2個とカラーテープ5色を2個ずつ…げっ売り切れ？」
生徒H「プログラムは印刷回していいんですか？」
生徒F「だめ！生徒会でチェックして」
生徒I「有馬？さっき見たんだけどなあ」
生徒J「惜しい。今出てっちゃったんだよー」
生徒K「いやあこっちには来てないよ」
生徒L「お弁当と○○○○買ってきました！」
生徒M「ありがと。じゃあこれ斉藤先生に渡してきて」
生徒N「コピー機トナー切れ？近所のコンビニは？」
生徒O「3件とも既にうちの生徒が破壊しました」
生徒N「じゃあ、隣町までひとっぱしりよろしく」
生徒O「計算機壊れてます」
生徒N「ちっ。職員室から盗んできちゃえ」
生徒P「急いで！3時で印刷締め切り！」
生徒Q「がってんだ！」
生徒R「すいません、通りまーす！」
生徒S「いや、こっちには来てないよ」
生徒T「有馬の声ならしてた気がする」
生徒U「すっごいスピードで駆け抜けってたよ」
生徒V「先輩またプリントミスが！」
生徒W「知らないフリしろ！」
生徒X「だめだー○○○○も効かないぃ」
生徒Y「ふえーん、おうち帰りたいー」
もはや有馬と一緒にお弁当を食べるとかいうレベルではない。
こんなことしていたら死んでしまうがね。
雪野「せんぱーい！リスト渡して…。
いにゃい。どうしたんだろう。
まあ、いいや。
はぁ…。
有馬もこんな感じなんだろうなあ」
（総一郎「おはよう、宮沢さん」）
（総一郎「やっぱり宮沢さんはすごいや」）
（総一郎「顔ゆるんでるぞ」）
（総一郎「覚えててね。僕は宮沢さんを好きだから」）
雪野：眠っちゃった。
ふふっ、思い出し夢見ちゃった。
そう、ちょっと前まではそんなだった。
私はまだぶりっ子をしていて、有馬のことを嫌っていて。
たった２か月なのに
こんなに気持ちが変わるなんて
雪野：いつもそばに有馬がいた。
そう、有馬がいた。
会いたい。そばにいたい。
あの頃は少しも思いはしなかった。
こんなに有馬を好きになるなんて。
生徒Z「うわああああミスプリだー」
生徒1「どうしろってんじゃー」
生徒2「椅子違うって。先生用は黒いんだって」
生徒3「もういやじゃー！」
生徒4「どいてくれー！倒れるー！」
生徒5「だーっ！ベニヤ割れてる！」
生徒6「夏組と秋組の団長が喧嘩してるぞ！見に行け見に行け」
生徒7「こら～男子ー！」
雪野＆総一郎「んっ！？」
雪野「い、いたー！！」
総一郎「宮沢！」
雪野「ありま～ありま～きゃっ」←すでにいぬ化 悦楽の瞬間
生徒8「いたいた。有馬！ちょっと用あるんだけど」
総一郎「何でも俺に聞いてんじゃねえよクソぉお！！」
雪野・生徒たち「ビクーッ」
3カット前のヒトと違う…
総一郎「悪い。ちょっとだけ抜けたいんだけどいいかな？」
生徒たち「は、はい、どうぞ。無理しないで」じりじり
総一郎「煮詰まってるんだ」
雪野「色々辛いんだな。有馬も」
雪野「う、うん」
（心の風景：雪野「ありまーありまーありまーありまーありまーうぉうぉうー」）
総一郎「あ、あの、げ、元気だった？」
雪野「え！う、うん、元気だよ。あ、有馬くんは？さっき切れてたけど」
総一郎「僕も大丈夫」
雪野「そ、そっか」
総一郎「うん、そう」
雪野＆総一郎「あはははははは」
雪野「いやあ久しぶりだから照れるねー」
総一郎「何あがってるんだろうな」
総一郎「ごめん！何かうまいこと言わなきゃいけないんだけど！」
雪野「ううん、私も思いつかないし！」
総一郎「ほ、本当は！
宮沢といられなくてすごくつまらなかったよ」
雪野「うん、私もすごくつまらなかった」
総一郎「もう学園祭も修学旅行もゴメンだな」
雪野「結局付き合ってるっぽいことちっとも出来ないし」
総一郎「いい天気」チュッ
雪野「え？」
総一郎「もう戻らなきゃ。じゃあね」
雪野：び、びびった。
何がどうこうより。
ずっと、ずっと一緒にいたいね、君と。
雪野「おーし！やるぞー！」
雪野：体育祭の本番はとても良かった。
戦う有馬はかっこよかったし、
やっと一緒にお弁当を食べられたしね。
行動を共にするグループがだいたい決まってくる。
体育祭後名物の即席カップルが、やたらと大量生産されるのもこの時期だ。
校内では降って湧いたようなニューアベックが結構目に入るようになった。
でも、このペアは男子同士。
二人ともルックスがいいのでよく目立つ。
雪野「ねえねえ、あの人なんていう人？」
女性生徒A「あー浅葉くん！？」
女子生徒B「えー！宮沢さん、浅葉くん知らないの？」
女子生徒C「1-Fの浅葉秀明って言ったら有馬くんと並ぶ一年男子の二大美形だよ。彼もすんごい人気なの」
女子生徒D「私ゴミ箱持ってもらっちゃった」
女子生徒E「私ボール取ってもらったー」
女子生徒F「浅葉くんって女の子好きだよねー？」
女子生徒G「なんか可愛いよねー」
第二種接近遭遇
雪野「（ふーーん）」
秀明「やっぱ今かっこいいのは消防官だよね」
女子生徒たち「きゃっきゃっ」
雪野：そんなに有馬と仲いいんなら、
私も仲良くしたほうがいいんだよね。
有馬と付き合ってる訳だし。
雪野「あ、こんにち…」
秀明「ああ。あんただろう。有馬の彼女って。
男の間じゃ可愛いって評判だけど、なーんだ、よく見ると大したことないじゃん」
雪野「…」関係決裂
総一郎「あれー宮沢。何してるんだ？」
雪野「有馬くん」
総一郎「ん？」
雪野「私ってかわ」
総一郎「可愛いよ」
雪野：おのれ浅葉！
現役は退いたとはいえ、生きた虚栄心のこの私の対してあの暴言。許せん！
見てやがれ浅葉。私の恐ろしさを思い知るがいい！
何の脈略もなく私と浅葉の死闘が始まった。
秀明「て、てめえ！おしとやかな優等生じゃなかったのか！」
雪野「へへん、私を怒らせたあんたが悪い～」←ファイティングスピリッツにもえる宮沢
秀明「ああーむかつく女。なんかイライラするぜ！」
雪野「うるへえ！その言葉そっくりそのままてめえにお見舞いしてやらあ！」
とにかくっ
雪野：最悪な出会いをした二人は、
出会えば死闘を繰り広げるという宿敵と化していったのである。
女子生徒A「どうしたのかしら？宮沢さんと浅葉くん」
女子生徒B「なんかやったら仲悪いよね」
女子生徒C「普段はいつも通り親切だし、浅葉くんも女の子には優しいのにね」
総一郎「…」
雪野「ぶっすー。今その名前聞きたくないの。戦闘態勢に入って何するかわからないよ」
総一郎「ふ～ん、なにそれ」
雪野「あーもう！有馬もなんであんな奴と友達な訳！？どこがいいのよー！」
総一郎「ん？僕は別に。話し掛けてくるから話してるけど。特に友達とか思ってないし」COOL
雪野「（有馬って意外と怖いかも…）何見てんの？」
総一郎「映画雑誌。見る？」
雪野「うん！映画かあ。最近見てないなあ。いいのある？」
総一郎「うーん、これとかいいと思った。あ、あのさ、宮沢。
もし良かったらだけど、日曜一緒に見に行かないか？」
雪野「うん！いくいくいくよー！」
入学してから色々あったけど、ついにここまでになったのねー！
あ！？
一気に気分がしぼんだ…。
秀明「よう、浮かれてんじゃんかよ」
雪野「ふんっ。あんたに関係ないでしょ」
秀明「有馬とデートでもすんのかよ」
雪野「だったら何よ」
秀明「有馬も物好きだよなー。その気になりゃもっと良い子選り取りみどりだろうに」
雪野「あわわわわわ。あわわわわわ。なにすんのよ離してよームキー！」
秀明「ふっ、これじゃ有馬もその内冷めるかな。心配することないか」
雪野「うっさいわね」
秀明「有馬は俺が頂くぜ」
雪野「な、何言ってんの？あんた。うそ…そうなんだ。最近多いって言うけど本当なんだ」
秀明「だあ！ちげえよ！俺は！女の子が大好きなんだ！！」
雪野「はあ？」
僕は昔から彼女たちに囲まれるのが大好きだった。
そして、俺はいつしかある野望を抱くようになった。
もっともっと女の子に囲まれたい。いつか浅葉メリーランドを築くのだと。
そこで有馬だ。
彼こそは俺が長年求め続けた夢のパートナー。
彼の美貌は、俺の野望に多大な貢献をすることだろう。
眩しい俺たちに、メリーたちは魅了され、
今までの何倍ものメリーたちが群れをなしてやってくるのだ。この俺の元へ」
雪野「こら！エロ高校生！なにそんなのに有馬巻き込もうとしてんのよ！」
秀明「いいだろ！俺は自分さえ気持ちよけゃいいんじゃ！」
雪野「だからあんたケチつけてきたのね。彼女の私が邪魔だから！」
秀明「かっはは。今頃気づいたか。
おしとやかな優等生だからちょっとつつけば泣いて逃げ出すと思ったのに、とんだ誤算だったな。
けど、無理して別れさすまでもないか。
おめえ相手じゃ有馬のほうから逃げ出すだろうよ」
雪野「カーッ！もういちいち頭にくるわよね。
サイテー。あんたがそこまでいやなやつだと思わなかった。
そういうことよく平気で出来るよね。恥ずかしくないの？」
秀明「じゃ、聞くけど。なら自分はどうなのさ。
俺とあんたがそんなに違うとは思えないな。
自分だって、優等生のフリして他人騙してきたんじゃん。
俺が最低ならあんたも最低ってことになるね。
自分こそ有馬とつり合ってるか考えれば？悔しかったら言い返してみろよ。
俺の理屈が間違ってるなら、有馬は諦めてやってもいいぜ」
雪野：思いっきり切られた。
総一郎「宮沢？」
雪野：それは、いつも胸の中にあったことだから言い返せない。
総一郎「宮沢になに言った？
君が僕を利用しようとしてることは知ってる。
思い上がってるつもりはないけど、今まで僕を利用しようとする人間は多かった。
でも、彼女を傷つけるのは許さないから」
秀明「随分と可愛がってるんだな。彼女のどこがいいか教えてくれよ」
総一郎「分かるだろ？メリットなしで僕といてくれるところさ」
秀明「…！」
https://www.yamada-egg.com/blog/tamago/%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AF%E4%BD%95%E6%B4%BE%EF%BC%9F%E7%9B%AE%E7%8E%89%E7%84%BC%E3%81%8D%E3%81%AE%E7%84%BC%E3%81%8D%E6%96%B96%E7%A8%AE/
≒ https://www.yamada-egg.com/blog/tamago/あなたは何派？目玉焼きの焼き方6種/ ≒ https://archive.ph/5ViAk
●
2018.08.27# レシピ
【プロ直伝】目玉焼きの作り方。シェフのテクニックで半熟も固焼きも完璧！
https://mi-journey.jp/foodie/51150/
●
フタなしで綺麗に焼ける！目玉焼きの基本レシピ 卵料理の基本 料理の基本 とっておきレシピ キユーピー
https://www.kewpie.co.jp/recipes/basictamago/tamago02/
（トップページは https://www.kewpie.co.jp/recipes/basictamago/ 卵料理の基本レシピ 料理の基本 とっておきレシピ キユーピー）
（のようで、さらに元があった https://www.kewpie.co.jp/ キユーピー 商品サイト ）
●
基本の目玉焼き レシピ 瀬田 金行さん｜【みんなのきょうの料理】おいしいレシピや献立を探そう
https://www.kyounoryouri.jp/recipe/30298_%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E3%81%AE%E7%9B%AE%E7%8E%89%E7%84%BC%E3%81%8D.html
◆
URLに日本語は使えるの？でも掲示板等に貼ると自動リンクにならな... - Yahoo!知恵袋 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12259214032
◆
【三ツ橋快人】RYOKO 四品目【サンデー】 http://matsuri.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1548187581/l50
■
【臼井儀人】クレヨンしんちゃん【よしいうすと】８ https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/rcomic/1491598814/111- ←懐かし漫画板
クレヨンしんちゃん映画総合スレッド Part.5©2ch.net https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/animovie/1458140805/l50 ←アニメ映画板総合スレ。
クレヨンしんちゃん 92 https://pug.5ch.net/test/read.cgi/anime/1639647134/l50 ←アニメ板通常スレ。
※テレビアニメ板は後釜名公開含む声優交代がリーク（って日本語で言うとなんだ）され、YouTubeにリークされそれが５ｃｈに貼られたが、2018年の件に鯖移転か単なる誤植か、以下より前が辿れない。
過去鯖を見つけるか、手作業で探すか、S C側で入るか。「クレヨンしんちゃん87 https://rosie.5ch.net/test/read.cgi/anime/1553256035/l50 より昔には…）。
ガラケーサイト「 携帯2chﾌﾞﾗｳｻﾞ ぬこ http://n2ch.net/i/----3-3-n1--f/?guid=ON 」とか使って
「クレヨンしんちゃん 8１ http://rosie.5ch.net/test/read.cgi/anime/1525268058/88- 」に行けた（リーク当該動画スレ）。
■
クレヨンしんちゃん研究所
https://crashinsti.web.fc2.com/
→テレビアニメ編→2022年テレビアニメ・サブタイトル→ https://crashinsti.at.webry.info/202202/article_4.html クレヨン・ジャクソンとプリンセス クレヨンしんちゃん分析録
●
同人サークルＴＴＴ
http://ttt98.jugem.jp/
http://ttt98.jugem.jp/?page=1
＞ツイッターだインスタだと。ネットの基本はホメパゲなんだよう。homepageが死語になる時代がくるとは。しかし時代は繰り返す。いつか、ツイッターという言葉が通用しなくなる時代が
あなたは何派？目玉焼きの焼き方6種! ｜ 卵を使ったレシピ情報が満載！スタッフブログ
https://www.yamada-egg.com/blog/tamago/%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AF%E4%BD%95%E6%B4%BE%EF%BC%9F%E7%9B%AE%E7%8E%89%E7%84%BC%E3%81%8D%E3%81%AE%E7%84%BC%E3%81%8D%E6%96%B96%E7%A8%AE/ ≒ https://www.yamada-egg.com/blog/tamago/あなたは何派？目玉焼きの焼き方6種/ ≒ https://archive.ph/5ViAk
〇
2018.08.27# レシピ 【プロ直伝】目玉焼きの作り方。シェフのテクニックで半熟も固焼きも完璧！ https://mi-journey.jp/foodie/51150/
〇
フタなしで綺麗に焼ける！目玉焼きの基本レシピ 卵料理の基本 料理の基本 とっておきレシピ キユーピー https://www.kewpie.co.jp/recipes/basictamago/tamago02/ ←※トップページではない
〇
基本の目玉焼き レシピ 瀬田 金行さん｜【みんなのきょうの料理】おいしいレシピや献立を探そう https://www.kyounoryouri.jp/recipe/30298_%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E3%81%AE%E7%9B%AE%E7%8E%89%E7%84%BC%E3%81%8D.html
〇
【三ツ橋快人】RYOKO 四品目【サンデー】 https://twitter.com/daylightkeep/status/1524562910173081600/ ←『龍と苺』との両作品、5ch連動
〇
【打ち切りへの】アンチクレヨンしんちゃん34【カウントダウン】 https://pug.5ch.net/test/read.cgi/anime/1573183855/l50 ←アニメ板アンチ（反対意見）スレ。
〇
クレヨンしんちゃん研究所内のブログ→みさえの悲劇とひろしの喜劇 クレヨンしんちゃん分析録 https://crashinsti.at.webry.info/202111/article_2.html ←消費税が切り上げか切り捨てか。消費税は店舗の利益になるわけではないから切り捨てのほうが私見には賢明。
〇
同人サークルＴＴＴ http://ttt98.jugem.jp/ ←＞homepageが死語になる時代がくるとは。しかし時代は繰り返す。いつか、ツイッターという言葉が通用しなくなる時代が～～斉藤蓮は本来１組。
〇
（味塩胡椒類／しょうゆ／ソース／ケチャップ／塩／マヨネーズ／他）
※必ずしもフライパン自体のフタでなくてもいい。
＊「卵を入れてから前はフタ（蓋）をしない、入れてからフタをする」。
●目玉焼き（半熟）
＝フライパンは温まるまで強or中or任意で（蓋はしないで約30秒）→茶碗等に卵を入れてからフライパンに入れるorフライパンに直接に卵をぶち込む→弱火→１分→蓋を開けて様子を見る→再点火→フライパン側を動かして食べるための皿に卵を移す。
→弱or中火で１分→フタを開けて様子を見る（場合により再点火）→フライパン側を動かして食べるための皿にうつす
●目玉焼き（固焼き）
＝フライパン温まるまで強（蓋はしない）→ダイレクトに卵を入れるか否かは半熟と同じ→弱と中の中間の強さの火力（中火）→フタをして１～２分→火を切ってフタをしたまま２分間余熱。
Ｑ：茶色くしても中身が半熟なのはなぜ
Ａ：火が強すぎて回りがこげて黄身が焼けないだけ😂蓋をしてもう少し弱火にすると黄身が固くなるよ☺挑戦してエライね☺ （補足：但し、茶色でも半熟というのはいくらでもある。）。
https://twitter.com/5chan_nel (5ch newer account)
https://twitter.com/5chan_nel (5ch newer account)
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/4koma/1601823438/486-
486□□□□(ネーム無し) (ﾜｯﾁｮｲ 232c-ZckI)2022/04/13(水) 07:45:16.76ID:TYiajuhd0
>354
みさえの悲劇とひろしの喜劇 クレヨンしんちゃん分析録
https://crashinsti.at.webry.info/202111/article_2.html
例えば『まんがタウン』は３４５円（税込み３８０円）と書いてありますが、セブンイレブンは切り捨て計算なので、セブンイレブンなど実際には３７９円で買える店もあります。
これは、消費税を小数点２位まで書かないといけないという法律が出来た（のかな？表示してない店もあるけど）ものの、打ち上げにするか打ち切りにするか、決まってないからでしょう。
ただ、ここで、『クレヨンしんちゃんカレンダー」では謎が生まれます。
カレンダー、１３６４円（税込１５００円）ですが、1364円に消費税をかけると、切り上げ計算なら1501円になるので、切り上げの店なら１５０１円になるはずですが、
カレンダー自体に「１５００円税込」と書いてあるものを１５０１円で売ったら詐欺でしょう。
このへんの法律はどうなってるのか、よく分かりませんね。
余談ですが、『ドン・キホーテ」では、もっとややこしいです。
経口補水駅が「９８円（税込106円）」と、値札が、手書きではなくきちんと「印字」されているのに、実際に買うと税込で１０５円なんですよね。
店舗の値札が切り上げなのに実際の価格が切り捨てって、ややこしすぎます。安いぶんに文句を言う人はいないからいいとの考えもありますが・・・・。
488□□□□(ネーム無し) (ｱｳｱｳｳｰ Sabb-hh9d)2022/04/13(水) 11:08:07.68ID:WHkcdqBHa>498
打ち上げんなw
498□□□□(ネーム無し) (ﾜｯﾁｮｲ 172c-7gtI)2022/05/12(木) 05:07:57.51ID:huxO9FQV0
>>486
>>488
「打ち上げ」は変だよなｗ
打ち上げ花火じゃあるまいし。もうひとつの「送別会」的意味の打ち上げでも意味が通らない。
（繰り上げ、繰り下げというのも、桁が変わるような印象イメージがあるから、「切り上げ」「切り捨て」が一般的な表現か？）。
それにしても消費税ってのは店舗の利益になるわけじゃないのに
わざわざ切り上げ計算にする店はなんなんだろうな。
レジ袋で切り上げ計算だと腹が立つわ。３円（税込４円）とか。
逆に「うまい棒」は４月の値上げ以来、どの店でも「本体12円、税込12円」となっていて
切り捨て計算が前提になってるが、これはヤオキン（うまい棒の会社）から言われてるのか？この場合、店舗が上納する消費税がどうなってるのかよく分からないが。
上述のクレしんカレンダーだって「切り捨て計算」が前提での「税込価格」だし。
書籍類は切り捨てにも切り上げにも対応できるように
「本体＋税」という書き方が一般的だが、
ＪＲ時刻表やＪＴＢ時刻表は、「定価1,205円（本体1.095円）」というふうに切り上げ計算前提だね。
実際は一部のコンビニを除き、切り捨てで1204円で買えるけど、上述のドン・キホーテの例のように「安い分には文句を言われない」ってやつかな。
https://twitter.com/daylightkeep/status/1530067485948805120/
https://twitter.com/daylightkeep/status/1530064557116641280/
『週刊少年サンデー』連載作品、
現在は「サンデーうぇぶり」上でも読める『競女！！！！！！』。
目玉焼きのお店水準って、どの店かにもよるが…。専門店（目玉焼きの専門店？）と、牛丼屋では、同じ目玉焼きでも、例えば牛丼屋のは素人が作るのと大差ないと思うが・・・。
「卵黄にある卵黄球を潰さず焼くと食感がフワフワになっておいしい」は
面接官が「御存知」なの？
というか、実際にそうなの？
https://twitter.com/5chan_nel (5ch newer account)
https://twitter.com/5chan_nel (5ch newer account)
https://twitter.com/5chan_nel (5ch newer account)
初デート 約束の日
待ち合わせ場所
約束の時刻 12分前
雪野：早く着いちゃった
元気出さなきゃ。
あんな奴に言われたからって彼女やめる訳にはいかないもんね。
男性A「お待たせ」
女性B「見るのどれだっけ」
女性C「まだ間に合うかな？」
女性D「うん、大丈夫大丈夫」
女性E「ごめん、待った？」
女性F「ごめん、待った待った？」
雪野：いない。時間も場所も合ってるよね
（総一郎「（じゃ、明日1時に）」）
何かあったのかな
男性B「面白かっただろ、あれ」
女性G「うん」
女性H「ごちそうさま」
男性C「またね」
雪野：私、楽しみにしてたんだけどな。
有馬とデート？なに？もう始まってんじゃん。
はっはー。さてはすっぽかされたんだろ。はっははは」
雪野「うるさい！何よ！こんな時までからかうことないでしょ！」
男性D「おい、女泣かしてるぞ」ざわざわ
雪野「悪かったわね！いいでしょ！待ってないんだから！ほっといてよー！
もう…うっ…うっ…」
秀明「ごめん、まさかほんとに待ちぼうけてるとは思わなくて。
今までのことも悪かった」
雪野「罠？」
秀明「いや、信じてくれ。俺が間違っていた」
雪野「どういう心境の変化よ」
秀明「うん？まあ色々と」男と男の事情 有
秀明「勝ち目のない戦いはしないってことさ」
雪野「ふーーん。メリーランド計画は？」
秀明「あー、あれはもうなし。なーんか空しくなっちゃったし。
それに、今になって気づいたんだけど、
有馬のこと抜きで考えれば、俺、あんたのこと嫌いじゃないぜ。
宮沢とどつきあうの割と楽しかったみたいなんだ」
雪野「…」
秀明「…」
雪野「…」
総一郎「ごめん！出かけに母が貧血起こして父もいなくて、それで」
秀明「謝れ！女を待たすとは男の風上にも置けないやつ！
親を捨てても女を待たすんじゃない！
死ね！死んでお詫びするんだ！」
総一郎「うわあああああああああああ」
雪野「わああーいいって！気にしてないからもう！」
秀明「だ、そうだ」
雪野：あ、今のわざとだ。わざとパフォーマンスしたんだわ。
このあと私達にわだかまりが残らないように。
でも、危ないって。
それ以来、浅葉はすっかり私たちの仲間に入り込んでしまった。
総一郎「なんでお前がいるんだよ」
秀明「この前さ、有馬んちに泊まったとき」
雪野「あんたうちまで行ってんの？」
秀明「寝しなにさ有馬、宮沢は今日はどうしたこうしたって逐一俺に教えてくれんのよ。
ほほ染めちゃってさ、可愛い。なんか初々しいのよね～」
総一郎「うるさいなー！黙れ黙れ黙れ黙れよー！」
雪野：とにかく、新しい友達が出来た訳です。
これからのあらすじ！
新たな友達もでき、幸せ一直線のお姉ちゃん。
初デートの失敗を取り戻そうと、ただひたすら逢瀬を繰り返す。
そして遂に運命の時が！
次回、カレカノ『僕を変える、君の声』
きゃ～！恥ずかし～！
「４月１日入荷分以降から値上げ（それまでは従来価格のまま）」
の店があったのはどうして？
１２円本体価格で税込でも12円とか、切り捨てか切り上げかの計算とかで、店舗の上納金がどうなるかは、”消費税法”を読めば、課税事業者の消費税の計算方法が分かるかも？
（鉄道総合 http://n2ch.net/q/----3-3-n1--f/?q=%93%5D%89%C5&b=train&kako=1&guid=ON 「３スレ」と出てくるが２スレしか表示されない。
1:鉄道会社は簡単に増税転嫁の値上げ申請しすぎだ (68) URL不明
2:鉄道会社は簡単に増税転嫁の値上げ申請しすぎだ (94) http://peace.5ch.net/test/read.cgi/train/1387938132/ ）。
↑検討すら値上げした鉄道会社への批判や、タクシー運転手の屁理屈。
処方医薬品に関しては「入荷分から値上げ」が原則だが。
（レジ袋有料化義務化は医療機関は対象外とはあるが、バイオマス配合率に関係なく義務なのか？
個人店、持ち帰りの飲食店、催事・物産などではレジ袋無料のほうが遥かに多いが（催事物産と言う言い方もおかしいが。催事の中に物産があり、物産展のほうが意味が狭い）。
まあレジ袋が地球環境のためと未だに信じてる池沼はいないだろうけど。レジ袋１円とか逆にコスト（経費）かかるし。
用語と単語は意味が違うが、鉄道用語「小児（しょうじ）」、漢字構成上有り得ない「立席（りっせき）」という読み方は業界用語。
エド券（江戸モンソン券）は名前の由来は知らないが専門用語に違いはない。
「発駅計算」「差額計算」も、どっちかが業界用語。バスと違い、鉄道は下車と降車の意味も違う。
郵便局で言えば、現金書留を「げんとめ」と略するようなもの、お客様には通じない（現金書留をゲントメと略すなら、簡易書留はカンイではなくカントメと略さないのはなぜ）。
「お客様」を「お客さま」と書くのが親しみってのは、障害のガイを平仮名にするようなアホというより（障害と障碍の違いって何、障害と病気の違いは分かるが）、どこが親しみなんだ。親しみ込めてタメ語とか言う人もいるが俺はタメ語使われたらムカつくけど。
「マスク必着」も、「必着」は郵便用語であり、
「必着」を「着用する」という意味で認めているのは、「的を得る」を認める三省堂国語辞典のみ。
あと、明鏡国語辞典（大修館書店）だと「職員」に民間人は含まれない。辞書による差はある。
三省堂『新明解国語辞典』の「誤嚥」の語釈、『明鏡国語辞典』と真逆で、読み比べも一興（明鏡国語辞典は類語辞典のように誤嚥と誤飲の使い分けが書いてあり、その説明が新明解国語辞典と真逆）。
「多雪」のように、「国語辞書にはないが和英辞典にはある」という謎の単語もある。単語と用語は少し意味が違うが。
新500硬貨が使えない券売機で釣銭でなぜ新500円玉が出てくるかは知らない。
なお、「宅急便」は商標で、「郵送」は文字通り郵便配達だが、クリエイトＳＤ（ＳＤはスーパードラッグ）は店舗共通で「一部医薬品は郵送できません」とありながら、クロネコヤマト運輸を使う。
（緩衝剤プチプチは実は外側プチプチというのもあるが、郵便封筒→正式には「クッション封筒」では内側プチプチのみ）。新型コロナワクチン予防接種配送は主に佐川急便が担当。
彼は完璧だ。
そうであろうと努力していた。
周囲の人間もそれを否定するものはいないだろう。
学業成績においても、性格人柄においても、
完璧であることは身の一部になっていた。
だがそれは、彼が恋を知るまでの話。
初デートが失敗に終わったあと、私達はデートをしまくった。
諸般の事情で付き合ってからちーっとも二人でいられなかったので、
半ば意地になっていたとも言える。
総一郎「宮沢ー」
雪野「え、どっちだっけ？」
総一郎「あっち。ちょっと歩くけど」
雪野：有馬といるのは楽しい。
お互いずっと徹底した努力と自己管理の人生を送ってきたので、
無茶をするのが嬉しかった。
こうして外で会っていると改めて気づく。
有馬は綺麗。
雪野「じーっ」
総一郎「何ですか？」
雪野「あっ、いや別に」
総一郎「にらんでなかった？今」
雪野：私はここに美の集成を見る。
顔なんか女の子より綺麗だし、性格も落ち着いていて品がある。
その上、学年一頭よくて、運動神経抜群で、家も金持ちだ。
何やらせても様になるし、一緒にいてくれるし、
優しくしてくれるし、浮気の心配もなさそうだ。
まさに隙なし。隙なし男、有馬。
その洗練された美しさを眺めていて飽きることはない。
総一郎「このお茶はアールグレイ？それともロイヤルブレンドかな」
雪野「午後ティーとかしか知らねえ」
総一郎「午後ティー？」
雪野：でもまだ有馬のことは分からない。
完璧に磨き上げられた器の中には何があるのか、
何を考え、どう感じ、どんな心を抱えているのかを。
知りたいのはそういうこと。
いつも見ていたい。
何を考えているのかな。
いつか私にも分かるようになるかしら。
初デートが失敗に終わったあと、僕たちはデートをしまくった。
やむを得ないとは言え、僕は悔いていた。
付き合ってからろくに二人でいられなかったことを。
男として不甲斐ない。
半ば意地になっていたと思う。
総一郎「宮沢ー」
総一郎「時間ちょっと早いかも」
雪野「じゃあこっち回ってく？」
総一郎：宮沢といるのは楽しい。
お互いずっと徹底した努力と自己管理の人生を送ってきたので、
無茶をするのが嬉しかった。
こうして外で会っていると改めて気づく。
宮沢はおかしい。
雪野「ぷはー、あっつー。じーっ」
総一郎「何ですか？」
雪野「あっ、いや別に」
総一郎「にらんでなかった？今」
総一郎：どうせまた不可解な思索にふけっていたのだろう。
僕は生涯、この人の思考回路は読めないと思う。
それは好きだしかわいいなって思ってる。
しかし、それにしても僕は面白い人を好きになったものだ。
私利私欲の人だし、根性は汚いし、思考回路は突き抜けている。
感情的で、怒ると怖いし、
その上僕は、片思いの人からみぞおちに飛び蹴りをくらうという貴重な経験もさせてもらった。
時折自分が変だということを真剣に苦悩しているのも面白い。
その独創的な世界を眺めていて飽きることはない。
総一郎「午後の紅茶かあ。ごめん、紅茶の話なんかして」
雪野「ごくごく、別に～お茶好きだし」
総一郎：知らないんだろうなあ。僕が宮沢にコンプレックスを持ってること。
成績は同じなのに、自分ばっかり個性があってずるいよ。
宮沢を見てると、僕はとことん枠にはまった無個性な人間だって思う。
所詮僕は、よく出来てるってだけの値打ちしかない。
完璧であれば、それで幸せになれると思ったのに。
雪野「よっ浅葉。ハオ！」
秀明「ハオ！」
雪野「あんた日に日に焼けてくね」
秀明「俺今ボディーボードやってんの」
雪野「ボディーボード…また流行りのものを。今度は砂浜の女までゲットするのか？」
秀明「おお、いいぞ。水着ギャル。海は男のパラダイスさ！」
雪野「ああ、そう」
秀明「お前だって昨日も有馬とデートしてんだろ。どうかね？調子は」
雪野「うしょしょしょしょ。あんたそりゃもう」
秀明「宮沢…もう少し年頃の女の子らしいリアクションしたらどうだ？」
雪野「うん、品川水族館とかねとしまえんとか行ったのー。映画も3本見たんだー。TOPSのケーキ美味しかったー」
秀明「へえ」
雪野「夏休みになったら江戸川とか隅田川の花火見にいくんだー。ディスニーランドも行くんだ」
秀明「俺も連れてってくれ」
雪野「ヤダ」 （きっぱり）
総一郎「秀明」
秀明「さっき宮沢に会ったぜ」
総一郎「お前日に日に焼けてくな」
秀明「俺今ボディーボードやってんの」
総一郎「次期期末なんだから、勉強しろよな」
秀明「なんだよ。自分だってばりばりデートしてるくせに。楽しそうじゃん」
総一郎「僕は勉強してるからいいんだよ」
秀明「宮沢嬉しそうにしてたよ」
総一郎「うん」
秀明「有馬とデートだもんなーいいな～んー俺もいっぺんしてみてー」
総一郎「何言ってんの？お前。別に僕といたって面白くなんかないよ」
秀明「ん？」
一か月片思いをしていて、二か月目に友達になり、三か月目から付き合った。
宮沢と一緒なら僕は変われるはずだった。
でも、結局僕はあまり変わっていない。
自分の心は抑えてしまう。
感情より理性が先にたつ。
それは人間だから、時には感情的になる事もあるけれど。
最後にはいつも感情を閉ざした。
僕の感情には扉がついていて、いつもこれが取り払えない。
僕はあせっていた
総一郎：君だけが変わってしまう気がした。
僕はあせっている
総一郎：いつか君についていけなくなる気がして。
雪野「ごめん、有馬。今日委員会の用事で一緒に帰れなくなっちゃった」
総一郎「ああ、いいよ。そんなの」
雪野「ほんとごめんね。明日は一緒に帰ろ。遅くなっても待ってるからさ」
総一郎「うん…」
花野「雪姉ちゃん、彼氏とどこまでいったの？」
雪野「か、花野！あ、あ、あのねえ！」
洋之「は、早い！早すぎる！高校生には何もかも早すぎるぞ！」
花野「お父さん、おっくれってるー」
月野「現在の高校生には何もかも当たり前よ」
洋之「何もかもなのか…」
花野「うん」
月野「何もかも」
洋之「いっかーーーん！お父さんの時代にはせいぜい抱擁止まりだったんだぞ」
都香「お父さん、時代が変わったのよ」
洋之「母さんまで」
花野「で、どうなの～？」
都香「彼氏とは？」
雪野「な、なななな何にもないわよ」
都香＆月野＆花野「ふっうううううううううううううん」
花野「やっぱそうか」
都香「つまんないのね」
花野「世間では体育祭後に大量生産されたカップルの悲喜こもごもが溢れ返ってるって言うのにね」
月野「我が姉だけはマイペース」
都香「ただ雪ちゃんが世間とずれてるだけなんじゃないの？」
洋之「お、お父さんはそれでいいぞ。何もないほうが～」
花野「ここで修羅場の一つも演じてくれれば面白いのに」
月野「お姉ちゃんにそんな甲斐性ないわよ」
都香＆月野＆花野「あははははははは」
洋之「お父さん、それでそれでいいぞ。雪野。あ、母さん、醤油とってー」
雪野「この家族はあ！」
総一郎「はい」
有馬の父「いや、いいんだ」
総一郎「はい」
賞味期限１か月。要は一夏超えないものばかり。
出会いがあれば、必ず別れがあるものなのね。
ああ、真実の愛は何処…。
秀明「ハオ！」
雪野「あんたじゃ、愛の安売り大バーゲンね」
秀明「え？」
雪野：ああ、有馬は何処…。
雪野「またそんなこと言って」
秀明「またまた」
雪野「あはははははは」
総一郎「…」
総一郎：宮沢はほんとに僕といて楽しいのだろうか。
果たして僕は、彼女にふさわしい男なのだろうか。
自信がない・・・
総一郎「眠ってた？」
雪野「うん」
総一郎「そうだ、今日は一緒に帰るんだったな」
雪野「うん、でもごめんね、遅くなって。あーあ、降ってきちゃった」
雪野「寝てるとこ初めて見た。有馬って、眠ってても顔整ってるのね」
総一郎「そうかな」
雪野「月野なんかね、蹴ってくるよ。
花野なんか時々悲しい夢を見て眠りながらしくしく泣くの。それがまた可愛いのよ」
総一郎「あはは。雨か」
雪野「傘持ってる？」
総一郎「ない」
雪野「私も」
総一郎「どうしようか？」
雪野「とりあえず待ってみようか」
総一郎「普通は気味悪いって言うんだよ」
雪野「ふっふふふーん、たらららーん」
総一郎「僕が起きるの待ってたの？起こしてくれて良かったのに」
雪野「だってせっかくよく眠ってたし。学校じゃ委員会とか部活とか有馬忙しいし、
あんまり居られないからさ。一緒にいたかったからいいんだよ」
総一郎：彼女が、
彼女がこんな風に笑うのは、僕の前だけだということを僕は知っている。
総一郎「宮沢、犬みたいだね」
雪野「うん、私ずっとお姉さんだったし、
ずーっと一人で見栄張ってたから、人に甘えるのって初めて。
人に甘えるって気持ちいいね。
でも、私は、有馬以外の人に甘えたいとは思わないけど」
一緒にいたい。一緒にいたい。一緒にいたい。一緒にいたい）」ぎゅっ！
総一郎「落ちた？今の？」
雪野「落ちた落ちた」
総一郎「…///」
雪野「…///」
総一郎「あっ！え、えーっと、ごめん。頭冷やしてくる」
♪男は狼なのよ 気をつけなさい
年頃になったなら つつしみなさい
雪野：この超大事な場面に曲が聞こえる！
あの曲がひたすら頭を駆け巡るー！
耳の中で、ああ～リフレインが止まらない～！
いや、曲が脳から離れようとしない！
♪羊の顔していても 心の中は
狼が牙をむく そういうものよ
雪野：ああーなんかいやああああああ！
なんかいやああああああああああああ！
なんかいやああああああああああああ！
♪このひとだけは 大丈夫だなんて
うっかり 信じたら
駄目 駄目 ああ駄目駄目よ
総一郎：なんてことをしてしまったんだろう、僕は。
いやらしいことをしてしまった。
な、なんてことしてしまったんだろう！
どうしよう。
どんな顔して宮沢に会えば。
ああ、どうしよう！
♪SOS SOS
ほらほら 呼んでいるわ
今日もまた 誰か乙女のピンチ
雪野＆総一郎「あっははははははあはははははは」
雪野「私ね、さっき言ったことの続き思いついたの」
総一郎「え？」
雪野「私は、有馬以外の人には甘えたいとは思わないって言ったこと」
総一郎「ああ、うん」
雪野「有馬も、私に甘えていいからね。
私は思ったの。
ずっと本心を隠して見栄を張ってきた中学までの私は無駄だったのかなって。
でも、違うかもしれない。
こういう考え方も出来るかも知れない。
ずっと努力してたからこそ私は有馬を支える力を持ってるかもしれない。
そうすれば中学までの私はすくわれる。
無理しなくたっていいよ。
ずっと一人で立ってるの疲れるもの。
支えてくれる人が欲しいもの」
総一郎「…」ちゅっ
急速に、記憶は過去へと遡る。
まだ出会う前の彼と彼女。
彼女は、見栄のため、人に誇るため、一番を取るために完璧であろうと努力する。
彼は、出生のため、育ててくれた叔父夫婦のため、彼を蔑んだ親族のために、完璧であろうと努力する。
クラスメイトA「すっごーい。宮沢さん、また期末一番なんだってー」
クラスメイトB「もうずっと一番だね」
クラスメイトC「適う人いないねー」
月野「お姉ちゃん、テレビ面白いよー」
花野「一緒に見ようよ～」
雪野「ん、参考書やっちゃいたいからやめとく」
花野「また～？もーう、一番取るのそんなに面白い？」
妹達「あはははははは」
雪野「（だって、他に楽しいと思えることがないんだもの）」
クラスメイトD「すっごーい。有馬くん、また期末一番だったんだってー」
クラスメイトE「もうずっと一番だね」
クラスメイトF「適う人いないねー」
女子生徒A「あの、これもらってください」
総一郎「ごめん、もらえない」
女子生徒A「付き合ってる人いるんですか？好きな人とか」
総一郎「ごめんね」
総一郎「（人を好きになったことがなかった。いつも心は何にも動かされることはなかった。
でもいいんだ。ちゃんとした人間になろう。父と母が自慢に思うような、ちゃんとした人間になろう。
両親さえ喜んでくれれば、僕はそれでいいんだから）」
語り：
高校に入って、二人の世界は大きく変わる。
総一郎：ああ、どうして僕はこんなに君が好きなのか分かったよ。
君はいつも僕を変える。
僕たちは支え合える。
僕の心を扉を開く鍵を、宮沢は持っているんだ。
秀明「ハオ！」
雪野「あんたまた日焼け増したね。いかにもこましーっていう」
秀明「あら、UVケアとかしなきゃかしら。そばかす出来ちゃう」
雪野「いや～昨日のカミナリすごかったね」
秀明「ねー。また日曜デートすんのか？晴れるといいな」
雪野「全然オッケー！雨でも風でも大丈夫」
総一郎「よっ秀明」
秀明「有馬ー」
総一郎「お前また焼けたな。勉強は？」
秀明「あん」
秀明「いや、昨日のカミナリすごかったねー」
総一郎「話そらすなよ」
秀明「また日曜デートすんだって？いやあ晴れるといいっすねー」
総一郎「全然オッケー！雨でも風でも大丈夫」
秀明「へ？」
総一郎：そう、雨でも風でも大丈夫。
僕たちはこれからなんだから。
これからのあらすじ！
とかくやたらとデートを繰り返し、またも幸せ一直線のお姉ちゃん、
だが二人の間には、深くて大きな溝が用意されていた。
あぁ！人生いたる所に落とし穴なのね！
次回、カレカノ『二人の阻隔』
うおっす！
時は、この頃
場所は、神奈川県川崎市 某所
何の変哲もない街で、この物語は
始まる。
この物語の主人公、宮沢雪野（高1）は
眉目秀麗 才色兼備 品行方正
あたかも知性と教養の持ち主に見えた。
だが、その実態は、
見栄を張ることが超生き甲斐で
人前でのみ優等生を演じきる
仮面の女だったのだ。
そして、ある晴れた日曜日
彼女は、
うかつ極まりないケアレスミスにより
その正体を有馬総一郎（高1）に
知られてしまう。
手伝わすという策略を巡らした。
が、
なんやかんやとあった後
彼女がキレて、計画は頓挫。
しかし、その計画の存在理由が実は
ただ彼が彼女と話をしたかったための口実だ
という事実の判明に至り、二人は和解。
その後、
新たな友人
新たな経験
等を得て、二人の行方は順風満帆に見えた。
そして―
有馬総一郎は、入試トップでこの高校に合格した。
宮沢雪野は、続く中間テストで主席となる。
二人は他を引き離して際立った存在だ。
誰もがこの二人を比べ、三年間かけて主席を競う好敵手と見ただろう。
だが今、二人の間にあるものは恋愛感情だったのだ！
雪野「ちょ！あんたたち静かに！ご近所に迷惑じゃない。日曜なのに」
妹達「いやあああああー！！やったーやったー！！」
月野「だって、久しぶりに雪野姉ちゃんとお出かけだもん」
花野「うれしーうれしーうれしー」
雪野「そうだね。高校入ってからあまり二人にあまり構ってあげられなかったから」
←その間ありまをかまっていた
妹達「いやははははは」ハイテンション
妹達「あはははははは」ハイテンション
雪野「うふっ、あんなにはしゃいじゃって。これからもっと遊んであげなきゃいけないわね」
花野「うおおおおおおおおアニキ！」
月野「うっす！」
妹達「ふんんん」
雪野「ヘンな妹………」
雪野「悪いわね、休みの日に」
総一郎「ちっとも。今日は両親出かけてるし。入って」
妹達「…」
総一郎「こんにちは」
妹達「こ、ん、に、ちは…。
この人が私たちのお兄さん…」気が早い。
総一郎「で、ひまわりをどうするんだって？」
雪野「二人とも中学の飼育委員会なのよ。
で、今ハムスターが大繁殖しちゃってて、
みんなで夏中にひまわりの種増産して、餌にするんだって」
総一郎「ほおー」
雪野「庭借りられて助かったわ。うちの庭だけじゃせまくて。
うちだけでひまわりボーボーよ今年」
総一郎「それはいいけど、中学って楽しそう」
雪野「うわあ、ああ！あさぴん（浅葉）！」
秀明「よう、宮沢じゃん」湯上りバスローブ
雪野「やだ！あんたなんでこんなとこいるの！？気持ち悪い格好！」
総一郎「昨日から泊まりに来てるんだ」←めいわく
秀明「昨夜、俺は有馬と寝たぜ」
総一郎「同じ部屋でな」
秀明「淫らだったぜー。昨夜の有馬は」
雪野「淫らなのはお前の頭の中だよ」
秀明「！？」
妹達「あはははは」
総一郎「月野ちゃーん！花野ちゃーん！危険だからこのいやらしいお兄ちゃんに近づいてはいけないよ！」
秀明「有馬っ！！」
妹達「はーい！」
秀明「ここも掘るか？」←でもなんかまざっている
月野「関係ないけどお兄さん、その下裸？」
雪野「うわあ、ああ！あさぴん（浅葉）！」
秀明「よう、宮沢じゃん」湯上りバスローブ
雪野「やだ！あんたなんでこんなとこいるの！？気持ち悪い格好！」
総一郎「昨日から泊まりに来てるんだ」←めいわく
秀明「昨夜、俺は有馬と寝たぜ」
総一郎「同じ部屋でな」
秀明「淫らだったぜー。昨夜の有馬は」
総一郎「淫らなのはお前の頭の中だよ」
秀明「！？」
妹達「あはははは」
総一郎「月野ちゃーん！花野ちゃーん！危険だからこのいやらしいお兄ちゃんに近づいてはいけないよ！」
秀明「有馬っ！！」
妹達「はーい！」
秀明「ここも掘るか？」←でもなんかまざっている
月野「関係ないけどお兄さん、その下裸？」
月野「名前ぺろぺろだよー」
花野「勝手に名前変えないでよー」
月野「そうだよー」
総一郎「宮沢、期末どうだった？」
雪野「うーん、それがあんまりよくなかったんだよね」
総一郎「宮沢もか。実をいうと僕もだ」
雪野「ああ、やっぱし？」
総一郎「散々遊んで回ってたもんな」
雪野「まあそれはいいんだけどね。それを承知で遊んでた訳だから、それはいいんだけど。
でも、やっぱり努力して勝ち取ってきたトップの座を人に渡すのは面白くないわ。
でも、いいんだ。私達は勉強より大事なことしてたんだもん。
有馬といるほうがずっと嬉しかったもん」
総一郎「宮沢…」
妹達＆秀明「ZZZ…」ねてる
雪野：その時、平和そのものだった。
私達を隔てるものなんて、何もないと思ってた。
1 村松 研介
2 深田 航平
3 有馬 総一郎
13 宮沢 雪野
雪野「…」
総一郎「うーん、やっぱり下がっちゃったね。
まっ、いっか。次は頑張ろう。さっ、ご飯食べにいこう。
宮沢？」
雪野「なんで有馬3番なの？私は13番なのに」
総一郎「え」
雪野「私に隠れて勉強してたんだ」早くも二人に隔たり 広くて深い溝 発生
総一郎「ええ！してないよそんなの。する訳ないよ」
雪野「なに焦ってんの～うわああ騙されたあ！有馬が影でこそこそするようなガリ勉やろうだったとはー！！」
総一郎「えええ！してないって言ってるだろ！ちょっと落ち着きなよ。
あっ、君は昨日勉強より僕が大事って言ったくせに」
雪野「え、私言ってないよーそんなこと」
総一郎「ああ”！」
雪野「ううー！」
『1年A組の有馬総一郎と宮沢雪野。至急、生徒指導室にくるように。繰り返す…』
雪野「ん？」
総一郎「何だろう」
雪野：本当に、私達を隔てるものなんて何もないと思っていたんだ。
雪野：学年主任だ。
なんだろう、この物々しい雰囲気は。
川島主任「どうしてここに呼ばれたか分からないって顔だな。無理もない。
二人とも今までこんな所には縁がなかっただろうからね。
君たちは非常に優秀な学生だ。成績も生活態度も申し分ない。
やがて我が校の名をさらに高めてくれる優れた人材になるだろうと今から楽しみにしているよ。
さて、二人とも期末試験の貼りだしは見たかな？」
雪野「はい、今見てきたところです」
川島主任「随分成績を落としてるじゃないか。君たちらしくもない。これはどうしたことかな？」
雪野「それは、自分の怠慢の結果です」
川島主任「有馬も同じかな？」
総一郎「はい、今後はこのようなことのないようにしたいと思います」
川島主任「そう、ところで、最近こんな噂を耳にするんだが、事実だろうか。
君たちは今、友人以上の関係にあって、試験前の大事な時期、随分外出をしていたという。
それでは学業はおろそかになってしまうな。つまりそれが怠慢ということかな？」
雪野「な！これは尋問ですか！？そんな質問に答える義務はありません！」
川島主任「もちろん我々も生徒の個人的な付き合いについて立ち入りたくはない。
ただ君たちは、君たちはあまりにも将来が有望すぎる。
君たちは、将来を考えていかなくてはいけない人たちなんだ」
総一郎「つまり先生は、僕達の付き合いが望ましくないとお考えなんですね」
川島主任「ああ、そうだな」
総一郎「それは僕達の将来にとって有害だと」
川島主任「平たく言うとそうなるな。君たちなら分かるだろう。今リスクを負う愚かさを。
我々は教師として見過ごす訳にはいかない。これは君たちの将来のためなんだ」
雪野：ほんの少し前では優等生やるのが気持ちよかったこともある。
そもそも私は狡猾で計略的な子供であった。
小学校の先生「はーいよく出来ました。みなさん！
みなさんも頑張って早く雪野ちゃんのように上手く吹けるようになりましょうねー」
生徒達「はーい」
小学校の先生「雪野ちゃんがクラス引っ張ってくれるから先生とっても助かるわ」
幼い雪野「はい、ありがとうございます先生」
小学校の先生「（きゃっかわいい！）じゃあ雪野ちゃん。また明日ね」
幼い雪野「（ふっふっふ。先生もわしにメロメロのようじゃのう。
ふっ、大人をわしのとりこにするのは赤子の手をひねるより簡単じゃよ）」
とにかく自分をよく見せたかった。
誰も私がクラスで一番を取るために、夜中1時まで血反吐を吐くほど、
縦笛の練習をしてたことを知らない。
愛読書はミヒャエル・エンテの「モモ」とかいってた私が、
ひそかに「億万長者への道」とか「資産を100倍をするあの手この手」とかを読んでいたことを知らない。
愛とか友情とか信頼とかそういうものは眼中なしである。
いかに自分を素晴らしく見せるかテクニックが磨くことが生きる喜びだったのだ。
相当大した性格なのだが、だけどちっとも気にしなかった。
優秀だったからね。自信があった。
私はうまくやっている。賢い生き方してるんだって。
ゆくゆくは高級官僚か、弁護士か、エリートコース、人生の花道。
表街道を人々の賞賛を浴びつつばく進していく、最高だ。
迷いなんかないね。他にどんな素晴らしい人生があるというのだ。
でも、でも、あとで知る。
でも・・・
雪野：結局私は何も分かっちゃいなかったのさ。
そりゃ慌てるわな。
ちっ、そこまでは考えてなかったぜ。
川島主任「君たちも今回の成績は不本意だろう。
付き合うのはやめて、勉強に集中しなさい」
雪野「でも、先生。たしかに先生方のご心配は分かります。
ですが、だからと言ってそこまで干渉されるのは納得いきません」
川島主任「私は君たちが納得いかないということのほうが不思議だな。
将来を決定する貴重なこの三年間を浪費してしまってもいいというのかね」
雪野「でも…！」
川島主任「付き合うのは大学に入ってからでいい。二人とももっと未来を見据えて」
雪野「いやです。私はそういうのはいやです」
川島主任「もちろん宮沢の気持ちも分かるよ。
だが、人間ときには目的のために犠牲を払わなければいけないことだってある。
人生にやり直しはないんだよ。
君たちは優秀だ。将来望むような生き方が出来る。
今は理不尽に見えても、必ずあとでよかったと思うときが来る。
今は自分を磨きなさい。ほんの三年の辛抱なんだから」
雪野「そんなことは分かってます。
私だってこの間までそういう考えでした。
それが賢い生き方なんだと思ってました。
でも、それは違います。それは小利口な生き方です」
でも有馬に会った。
有馬は、本当の私に笑いかけた初めての友達だ。
私は初めて知ったんだ。
誰かに受け入れられる気持ち。
誰かと笑いあうワクワクする感じ。
自分が今まで見向きもしなかったものが、どんなに大切だったかを。
今、思う。
優等生するのってそんなに良かったろうか。
先生B「先生に失礼だろう！謝りなさい！」
総一郎「もういいでしょう。僕の先生の仰ることには納得できません。
勉強はします。両立できることを証明します。それで問題ないでしょう」
川島主任「今の言葉忘れないように。教室に戻りなさい。
君たちがそんなことを考えていたとは知らなかったよ」
総一郎「ははっ、可憐な秀才美少女のイメージぶっ壊しだな」
雪野「うっ」
総一郎「あれは先生方、内心相当ビックリしてるぞ」
雪野「うー！だってさー！なんであんなこと言われなきゃなんないのさー」
総一郎「まあね。気にすることないよ。文句つけられない成績取ればいんだし、
それに、僕たち本当の自分に変わろうとしてるんだもんな。多少の衝突はあるさ」
雪野「そうだね、とりあえず勉強しなきゃね」
総一郎「うん」
有馬といると、周りの空気が澄んでいく。
人に褒められても、一番を取っても、こんな気持ちにはならない。
すっきりと今の自分が正しいと思える。
だから、有馬に会えたのはとても幸運なことだって思うんだ。
雪野「ただいまー」
都香「ああ、雪ちゃん」
雪野「うん？」
都香「雪ちゃん今日学校で何かあったの？」
雪野「え？」
都香「なんか夕方学校から電話があって、
ご両親直々にご報告したいことがあるんですがって呼び出されたのよ。
何かしら？これ」
雪野：でも、まだ色々問題とかはある。
雪野「おはよう」
雪野＆総一郎「はぁ～」
総一郎「なんでここまでされなきゃいけないんだ。
親呼び出すことないじゃないか」
雪野：有馬は、生い立ちが複雑で、
親代わりに彼を可愛がって、育ててくれた叔父さん夫婦をとても大事に思ってる。
心配かけるようなことするのすごく辛いだろうなあ。
雪野「ごめん、私が考えなしに、反抗したから先生怒らせちゃったんだよね」
総一郎「え、そんなこと宮沢のせいじゃないよ。僕だって宮沢と同じ考えだし。
宮沢は家で怒られたりとかしなかった？」
雪野「う、うち？」
都香「明日私が学校に行ってくるわ」
洋之「はいはーい！お父さんも行きたいです！」
雪野「なんでそんなに行きたいの？」
洋之「可愛い娘のためだもん。それに、愛のために戦うというのがいい！」
妹達「ブハーッ！！！！」
洋之「その昔、お父さんとお母さんも戦ったものじゃよ。結婚早かったから。
お母さんのお父さんに嫁にくれっつったらボコボコにされたよ」
都香「お父さん、血染めのボールみたいになったね」
洋之「先生と戦うか！武者震いが出るのう」
両親「わはははははは」
雪野「ちょっと！事を荒立てないでよ！」
都香「平気よ。お父さん空手とか習ってたしぃ！その気を出せばっ」
雪野「じゃなくて！」
洋之「お母さん、武器持っていこうぜ武器」
都香「あら！そうね！」
雪野「オヤジぃっ」
洋之「じゃあ明日夫婦で行くから。任せなさーい」
両親「わはははははははははは」
雪野：しまったー！！それはそれで大問題だわ！
あの親が来る！行動が読めない分、あの親は恐ろしいー！！
総一郎「なんで自分の好きにしちゃいけないんだ？
勉強が大事なのは知ってるよ。
でも、感情を犠牲にしてする勉強ってなんだ？
それで一番取ったって喜べないよ。
今はそれより大事にしたいものがあるんだ。
宮沢が先生に逆らったの、僕はすごい嬉しかったな」
雪野：こんなことではめげないけど、なんだか世の中厄介だ。
自分らしくなりたい。
自由でいたい。
ただそれだけのことがちっとも分かってもらえない。
洋之「はっ！ふっ、ふつつかものですが、どうかうちの娘を幸せに…」
雪野「気がはやーーーーい！！！！！」
洋之「ナイスタックル。内蔵がえぐれるようだぜ」
雪野「あんたって男は！」
都香「うふふ。だめよ、人前で」
有馬一家「…………」
これがお子さんの将来に深く関わることと判断したからです。
二人とも大変に優秀な学力の持ち主だ。
さぞ親御さんも彼らの将来に期待をかけておられることでしょう」
洋之「うんうん」
雪野「オヤジ」
川島主任「だが今二人は、判断を誤った。テスト期間に付き合いにかまけて、
成績を落とすなど言語道断。どうかしたとしか思えない。
彼らはは道を踏み外そうとしています。
ご両親からもよく言って頂きたい。
どんなに言い繕っても、付き合いは学業の妨げにしかならない。
一時の感情に流されるのは優秀な人間のすべきことではないと」
総一郎「先生、今のは取り消してください！」
有馬の父「総一郎！」
総一郎「…」
雪野「…」
川島主任「二人ともまるで私達の話に耳を貸そうとはしないのでね。
よく説得してやって頂きたいのです」
雪野「！？」
川島主任「なぜって！現に成績に現れてるじゃないですか！
お嬢さんの将来が心配にならないんですか？」
洋之「でもなあ、雪野、僕らの子にしては頭良すぎだしな」
都香「ね」
両親「ちょっとイヤね」
雪野「（汗）」
洋之「娘は今まで自分のことは自分で決めてきました。
だから私から彼女に指図したことは何一つない。
もちろん、先生の仰ることもわかります。
でも子供の将来を考えるからこそ、私は娘を押さえつけようとは思いません。
今押さえつけて勉強に向かわせるのは子供の可能性を全て摘み取ってしまう気がして。
私は、子供には自由に考えたり、感じたりする権利があると思うんです。
勉強は大事です。
でも、高校時代の一日は、大人になってからのひと月分よりもはるかに貴重な日々ですよ」
雪野「…！」
川島「ではいいんですね？お子さんがあとで悔いることになっても構わないというんですね！有馬さんも」
有馬の父「はい。私達はもう十分与えてもらいましたから。
この子には褒めてやるばかりで、面倒なんてかけられたことは一度もなかった。
将来この子が困る日が来ても一緒に悩めるのが楽しみなくらいです」
雪野「！？」
川島主任「なぜって！現に成績に現れてるじゃないですか！
お嬢さんの将来が心配にならないんですか？」
洋之「でもなあ、雪野、僕らの子にしては頭良すぎだしな」
都香「ね」
両親「ちょっとイヤね」
雪野「（汗）」
洋之「娘は今まで自分のことは自分で決めてきました。
だから私から彼女に指図したことは何一つない。
もちろん、先生の仰ることもわかります。
でも子供の将来を考えるからこそ、私は娘を押さえつけようとは思いません。
今押さえつけて勉強に向かわせるのは子供の可能性を全て摘み取ってしまう気がして。
私は、子供には自由に考えたり、感じたりする権利があると思うんです。
勉強は大事です。
でも、高校時代の一日は、大人になってからのひと月分よりもはるかに貴重な日々ですよ」
雪野「…！」
川島「ではいいんですね？お子さんがあとで悔いることになっても構わないというんですね！有馬さんも」
有馬の父「はい。私達はもう十分与えてもらいましたから。
この子には褒めてやるばかりで、面倒なんてかけられたことは一度もなかった。
将来この子が困る日が来ても一緒に悩めるのが楽しみなくらいです」
でっかい弟じゃなかったのね」←なんとなく親父をそう見ていた
総一郎「うん」
洋之「雪野ー雪野ー！
お父さんたち、有馬さんたちとお茶飲んで帰るから～じゃあなー！」←やはりでっかい弟でしかない親父
都香「雪ちゃんお米といどいてー」
雪野「オヤじぃ！学校では静かに！」
洋之「あーすいませんどうも！お待たせしました！さあ行きましょう行きましょう」
都香「行きましょう行きましょう」
洋之「あのこっちにですね、うちの奥さんが知ってる美味しいお茶のお店がありまして」
総一郎「一応先生なりに心配してくれたんだろうし」
雪野「この辺の配慮が所詮優等生なんだよね」
総一郎「あはははは」
総一郎「先生」
川島主任「ん？どうした？まだ帰ってなかったのか」
雪野「色々失礼なことを言ってすいませんでした」
総一郎「勉強はちゃんとやっていくつもりです」
川島主任「思うとおりにやってみなさい。
最近の学生は何を考えてるのか分からないのが多くてね。
久しぶりに歯ごたえのある学生とやり合えて私も嬉しかったよ。気をつけて帰りなさい」
雪野：うまく行かないことはあったけど、うまく行かないからこそ、見えてくることもある。
総一郎「帰ろうか」
雪野「うん！」
雪野：私達はまだ名前のない小さな花です。
大きなものに支えられてやっと蕾をつけた小さな存在。
だけど、夢を見る。
晴れ渡る空の下、やがて花開く日のことを。
これからのあらすじ！
遂に学校公認のカップルとなったお姉ちゃん。
その日、彼女は誰もいない有馬宅へ赴く。
こりゃあひょっとしてお付き合いワンステージアップ？
次回、カレカノ『彼女の日常』他１本。
わ！いや～！
AM 5:00 起床
雪野：宮沢雪野の朝は早い。
そして、高野山の修行僧のように規律正しい。
私に無駄な時間はない。
一日の大半を勉強に注ぎ込む。
有馬とラブパワー全開だった時は勉強を捨て、
思いっきり快楽に身を任せていたのだが、
再び勉強を始めた。
AM 6:23 勉強中
有馬との付き合いを学校に認めてもらうためにも、私は頑張ろうと決めたんだ。
というのは建前で、
本当は一緒に遊んでた有馬が、
私よか全然成績が良かったことに軽い屈辱を感じるからさ。
AM 5:00 起床
雪野：宮沢雪野の朝は早い。
そして、高野山の修行僧のように規律正しい。
私に無駄な時間はない。
一日の大半を勉強に注ぎ込む。
有馬とラブパワー全開だった時は勉強を捨て、
思いっきり快楽に身を任せていたのだが、
再び勉強を始めた。
AM 6:23 勉強中
有馬との付き合いを学校に認めてもらうためにも、私は頑張ろうと決めたんだ。
というのは建前で、
本当は一緒に遊んでた有馬が、
私よか全然成績が良かったことに軽い屈辱を感じるからさ。
雪野「朝だー！起きろー！」
まだ寝るか。うふっ、でも寝顔は天使だわね
うーチュ。うチュ」
月野「ぎゃー！きもちわるーっ！」
花野「朝から何すんのー！」
雪野「あら、目覚めたじゃない」
雪野：ちょっぴり家族想いのお茶目な私でもあるのだった。
家族達「いっただきまーす！」
ごはん
みそ汁
シャケの塩焼き
大根おろし
インゲンのおひたし
つけもの
PM 7:55 お見送り
洋之＆月野＆花野「行ってきまーす！」
都香「あれ？雪ちゃん、学校は？」
雪野「うん？今日は追試日。追試ない人は休みなんだ。
お昼食べたら有馬のとこ遊びに行く。
それまでに布団干して、洗濯していくよ」
都香「（ちくしょー雪ちゃんって隙がなくて悔しいなあ…）」
PM 12:45 外出
雪野「行ってきまーす」
有馬に対する気持ちは、誰とも違う。
私は「完璧」を目指すがゆえに、
誰といてもまず、自分が何とかしなくては、と思ってしまう。
有馬は、そんな私が唯一対等になれる相手だったから、甘えられた。
（総一郎「宮沢、追試日うちくる？部活午前中までなんだ」）
（雪野「うん！行く行く！」）
（総一郎「その日、うち誰もいないから」）
雪野：そ、そそそそそそそそういえば！あれはどういう意味なのかしら？
やばい、やばいわ、やばすぎるうー！
雪野：なーんてねっ。全く他意ないんだろうなー。
有馬そういうの真面目そうだもん。
総一郎「やあ、今シャワー浴びてたんだ。入って」
雪野：しゃ、シャワー！！そんなまさか！有馬に限ってそんな！
部活のあとにさっぱりしたかっただけよ。サッパリ…！
あーでも有馬いつもと雰囲気が違う気がするわ！
まままままさか！で、でも！
広い家でふたりっきりで何もないって言い切れるかしら！？
有馬だって健康な男の子なのよー！！
秀明「（料理中）」
雪野： 思いっきし疲れた…。
総一郎「世話女房みたいな口を聞くな」
秀明「宮沢も座って座って。麦茶、はい」
総一郎「もてなすな！」
秀明「どうだ？俺は料理うまいぞー」
総一郎「…」イヤイヤ
秀明「なんだよー美味しいじゃん」
総一郎「男が作ったというだけでまずい」
秀明「コックも板前も男だろ！」
総一郎「コックさんや板前さんとお前は違う」
雪野「でもあさぴん見た目ほど遊んでないんだね。
追試日にうちにいるなんて結構勉強してるじゃん」数Ⅰなんてけっこームズかしかったのに
秀明「え、なになに追試って？俺ほとんど赤点だよ」←追試日すら知らないほどアソンでいた。
総一郎「こここの馬鹿者が！ラーメン作ってる場合かっ！」
雪野「そもそもよくうちの学校に受かったわよね！」
総一郎「今からでも遅くない！学校行ってこい！」
秀明「えーこの格好で？」
総一郎「行ってこい！」
秀明「お土産ゼリー買ってくる」
総一郎「早く行かんかー」
総一郎「ごめんね、来た早々こんなで」
雪野「気にしてないよ」
総一郎「部屋行く？」
雪野「うん。ふははーい！有馬～！」
総一郎「わははは何だ何だー」
総一郎「宮沢、飲むもの持って行くから先部屋行ってて」スタスタ
雪野：私達ってお子ちゃまだよな。
チューくるかと思った。
しょっちゅう二人でいるけど、進展というほどのものはない。
キスだって一度したきり何もない。その辺どうなんだろう。
ま、いっか！あ、本が散乱してる！
あさぴんの仕業ね。
三国志、項羽と劉邦。
へえ、有馬、長編歴史小説好きなんだーかわいいー。
芝先生、池波先生、山本先生。
総一郎「何？」
雪野「これこれ、本」
総一郎「ああ、好きなの持ってく？宮沢、いつもどんな本読んでるの？」
雪野「THE マネー」金融雑誌だ。
総一郎「…」
なんとなく本を読む流れに。
雪野「あーそういえば！」
総一郎「え？」
雪野「勉強会以外で家で会うのって初めてだね」
総一郎「ああ、そういえばそうだね」
雪野「有馬の部屋って広いよね。クーラーあるしいいなー」
総一郎「そ、そう？」
雪野「朝練なんて大変だね！」
総一郎「はい！？あ、まあね、主将朝方の人だからさ」
雪野「へえ、そうなんだ」
総一郎「うん、そうだよ」
雪野「ふーん、そう」
総一郎「そう」
雪野「あのさ！」
総一郎「はあ？
宮沢、さっきから思ってたんだけど、もしかして、構われたいの？」
雪野「う、うん、実は」
総一郎「よーし構ってやろう」
雪野「う、うわ、い、いてててあはははは。
ふうーやっぱり私のほうが手の内晒しているわ。有馬冷静なんだもん。
私ばっか愛情表現してる気がする。きっと有馬はそれほど私のこと好きじゃないのよ」
総一郎「はい？君がそういうこというか！僕より自分の成績大事にする人に言われたかないよ」
雪野「ああ、痛いところを～」
総一郎「そんなことないからな！」
こりゃまずい。
冗談だったんだけどな。
総一郎「じゃあ教えてあげようか？僕が宮沢をどのくらい好きか」
あ・・・
総一郎「僕って時々感情の抑えが効かなくなるらしいんだよな。
怖がらせたらいやだなって思って今まで出さなかったけど」
もしかして、
これって・・・
総一郎「知りたい？宮沢。知りたい？」
挑発
雪野：今、私達は微妙なバランスの上にいる。
ギリギリに引き縛られた感情の細い糸。
雪野「う、うん」
心がどこかへ飛んでしまいそう。
強く有馬の存在を感じる。
雪野「うぎゅうううう」←でものぼせた。
総一郎「あれ？宮沢？」
PM 5:13
セカンドキス体験
PM 6:02
有馬家辞去
総一郎「送ってくよ」
雪野「いいよ。バス使って帰る。きっと顔赤いから冷まして帰る」
総一郎「うーん、そっか」
雪野「うん」
総一郎「済まなかったね」
雪野「いや」
総一郎「じゃあ、また明日な」
雪野「うん、また明日ね」
雪野：今日は変な一日だったな。
でも、前より有馬に近づいた。
こうやって一日を積み重ねていく。
恋が重みを増していく。
その後の宮沢雪野
PM 6:58
帰宅
雪野「ただいまー」
PM 7:31
夕食
家族達「いっただきまーす！」
PM 8:29
風呂
雪野「はぁ～極楽極楽」
PM 9:00
雪野「おやすみなさーい」
月野「お姉ちゃん」
花野「あんた小学生か」
就寝（テスト以外前）
総一郎「やばい、5限目だ！」
総一郎：春
高校に入ってまだ日が浅い
四月
総一郎：僕は、まだ一人だった。
先生「こーら、この間新入生総代をやったばかりの男がそんなことでどうする？
終わったら用具の片付けだ」
クラスメイト「ははは」
男生徒A「うわあ、有馬すごい桜」
総一郎「ああ、これ？川の向こうに桜並木があってさ」
男生徒A「へえ」
総一郎「昼休みに行ってみた」
男生徒B「そんな所があるんだ」
総一郎「弁当食べて、本読んできた。気持ちよくて寝ちゃったけど」
男生徒C「ちぇっ、なんだよ」
男生徒A「そんなら俺たちも誘ってくれればいいのに」
男生徒B「ずるいずるい～」
総一郎「悪い悪い」
男生徒B「じゃあさ、クラスで花見とかしねーか」
男生徒A「おお、いいね！」
男生徒C「お菓子とか買ってか？パーっとやろうぜパーっと」
男生徒A「なあ、有馬ももち来るだろ」
総一郎「え？ああ、いいね」
男生徒C「じゃあ決まりだな」
女生徒A「有馬くんがいくなら私も行く」
女生徒B「私も！」
男生徒A「あーお前はよー」
クラスメイト「あはははは」
総一郎「宮沢さん、いいよ。自業自得だしやっとく」
雪野「そう、でもなんだか悪いわ」
総一郎：彼女は、宮沢雪野さんと言って、
今月から僕と一緒にA組のクラス委員になった。
いかにもお姉さんと言った雰囲気で、
しっかりしていてものすごく勉強が出来る。
委員会の仕事もテキパキこなし、聡明で大人な人だ。
総一郎「宮沢さん、それ今朝の委員会のプリントだろ。半分ちょうだい」
雪野「え、でもこれもう自分でやっちゃったし」
総一郎「え、これ全部一人で？」
雪野「うん、時間あったし」
総一郎「ごめん、僕今朝部活で出られなかったのに」
雪野「ううん、いいの。私こそ片付け手伝ってもらったし。どうもありがとう」
世の中にはあんな人もいるんだなってつくづく思うよ」
男子学生A「あ？何言ってんだ有馬。それ、そのまんま自分のことじゃん」
総一郎「え？」
男子生徒B「入試トップ」
男子生徒A「運動神経抜群」
男子生徒B「顔よし！」
男子生徒A「性格よし！」
男子生徒A＆B「加えてクラスの人気者！完璧じゃん」
総一郎「え？」
男子生徒A「なーに他人に関心してるんじゃ！自覚足りんやつだな。
あのな、この学校では既にもはや有馬のこと知らないくらい有名なんだぞお前ー」
総一郎「そ、そうなの？そんな目立つことしてないよ」
男子生徒A＆B「いるだけで目立ってんの！！」
男子生徒B「宮沢さんと双璧って感じなんだよなー」
男子生徒A「言える言えるー」
男子生徒B「女子なんかもうみんな有馬狙いだしなーこんちくちょう」
男子生徒A「寝ても覚めても有馬有馬の繰り返しなんだぜ。ほんと分かってんのかお前」
男子生徒B「あームカつく！本当だったらマジムカついてるよな！」
男子生徒A「そうなんだよなーすっげー得なやつだよお前は」
先生「有馬くんは、もう高校の授業には慣れましたか？」
総一郎「はい、何とか」
先生「君はとても優秀な生徒だから先生方はみんな君に教えるのが楽しいんですよ」
総一郎＆クラスメイト「あははははは」
総一郎「すいません、遅れました。すぐアップします」
主将「まあ無理するな」
男生徒たち「主将また有馬にあまーい！俺たちはビシビシしごくくせになあ！」
主将「うるせー！有馬は委員会だろうが！」
総一郎＆クラスメイト「あははははは」
男生徒A「有馬ーここ教えてくれよ」
男生徒B「サッカーやろうぜ」
総一郎：毎日はとても楽しくて、いつも幸せだと思ってた。
でも、時々ほんの一瞬声がした。
お前本当に楽しいのかよ。
って
総一郎：僕の中にはそういうものがあった。
まるで溶けない氷のように。
だけど、毎日は過ぎていく。
穏やかで揺らぎのない平穏な日々が。
女生徒B「あの、今付き合ってる人いますか？あの、私」
女生徒C「好きな人いる？この子有馬くんのこと好きなんだって」
女生徒D「好きです」
女生徒E「有馬くん！」
女生徒F「好き」
総一郎：何故だろう。
何かが違ってる気がした。
この穏やかさはどこか、作りものめいている気がして。
クラスメイトに囲まれ、笑いながら、ふいにみんなを遠くに感じることがあった。
こんな日は、怖くなる。
自分が本当は何も感じてないんじゃないかって思うからだ。
笑っていても、友人と賑やかにしていても、
それは、心の表面を滑っていて、本当は、
心の中に届いてないんじゃないかって気がした。
女の子に告白されても、まるで心が動かなかった。
心の中に消せない疑惑がある。
いつも僕は一人なんじゃないのか？友人と呼べる人は本当は誰もいないんじゃないか？
本当はずっと一人。
僕の中にいつもそんな不安があった。
なぜこんなこと思ってしまうんだろう。
僕は、人より多くのものに恵まれているはずなのに。
そして…毎日は過ぎていく。
穏やかで揺らぎのない、だけど何もないと感じる平穏な日々が。
総一郎「うーん、疲れた」
雪野「有馬くんはこん根詰めちゃうから大変でしょう」
総一郎「宮沢さんこそ忙しいでしょう？勉強も委員会も」
雪野「まあね、でももうこんなもんだと思っちゃってるから。
ずっとこういう仕事してたから慣れちゃったし」
総一郎「宮沢さんも委員長体質か。みんななんで分かるのかすぐそういうのに選ばれちゃうんだよね。
宮沢さんは北栄一本だったの？」
雪野「うん、どうして？」
総一郎「すごく頭がいいじゃない。私立とか受けなかったのかなって」
雪野「うん、だってうちはまだ下に二人いるし、
それに、私はね、勉強にお金掛けないって決めてるの。
親には最小限の金銭的負担しか掛けたくないの。
その中で最大限の勉強しようと思ってるのよ。勉強するときにそういう目的があると意欲が湧くわ。
目標があると勉強はとても面白いの」
総一郎「大人だね」
雪野「それは、うちがそれほど裕福じゃなかったからそう思うだけ。
余裕があったら、私立も行ってみたかった。公立にないカリキュラムとかあって面白そう。
有馬くんは？」
総一郎「え？」
雪野「有馬くんこそおうち病院やってらっしゃるんでしょう？公立来る方が珍しいみたいに思うけど」
総一郎「うん、僕も宮沢さんと同じ理由…かな」
雪野「お互い貧乏性なのね」
総一郎「あははは」
僕の隣にいる女の子が背をピンと伸ばし、迷いのない目をしていることを。
すべてを自分で決め、自分で選び、自分の生き方をはっきり持ってる人だってこと。
それは、僕とあまりにも違うものだったから、その横顔は強く印象に残った。
彼女を知りたい。
何を考えているかを知りたい。
聞きたい。もっと色んなことを。
彼女にも迷いや不安があるのか。
僕が抱えているような、孤独を感じることがあるのかを。
知りたい。
もっともっと。
総一郎：のどかな春の日。
どうやって断ろう。
僕の中で何かが変わろうとしていた。
総一郎「あの…え？」
総一郎：宮沢さんが…僕を…？
嬉しい！
総一郎「あ、あの！」
女生徒H「あの！」
総一郎「え」
女生徒H「ごめんなさい。待たせちゃって」
雪野「ああ、待ち合わせしてたの、ごめんなさい。ちょっと桜を見てたの」
総一郎「え！？カンチガイッ」
あ、はははは、あはははははははは」
総一郎：その時、彼女を好きだって気づいたんだ。
彼女を捕まえたい。
振り向いて欲しい。
あの、真っ直ぐな目をした女の子に。
気持ちが溢れてきて、こんなにはっきりと何かを望むのは初めてだ。
四月の風が、花びらを空へと舞い上げる。
満開の桜の木で、僕は初めて、恋をしたんだ。
そのあと、聡明な美少女としか見えなかった彼女の、
意外な本質に出会うに至り、僕も予想外の道をたどることになるのだが、
まあ人生ってそんなもんだろうし、後悔なんてしてないしね、
良いと思うよ、うん。
これからのあらすじ！
有馬君とラブラブで、セカンドキッスも果たしたお姉ちゃん。
だが彼女には置かれて当然の非常事態が待ち構えていた。
あぁ～、遂にこれまでのツケを払う時が来たのね～。
次回、カレカノ『モラトリアムの贖罪』
うおっす！
我らのお姉ちゃん、仮面優等生宮沢雪野は、極度の見栄王である。
彼女を変えた有馬は、一人で不幸を抱え込もうとする努力の優等生である。
お互いの人生に触発された二人は、すったもんだの邂逅をしたあげく恋愛関係が成立。
これからは自分達の本当の幸せのために生きていこう、と決心するのだった。
けども、世の中そんなにシンプルで甘くない！
彼氏彼女の関係を試すかのが如く、超多忙を強い、二人を会えなくする学校行事体育祭の脅威。
自らの野望、浅葉メリーランド計画遂行のため、
お姉ちゃんにケチをつけ、あわよくば別れさせようと画策するふしだらな変態美形、浅葉秀明の出現。
ラブパワーに身を任せ、二人して遊びほうけていたことに起因する期末試験の成績下落。
それによる発生するお姉ちゃんだけの一方的な阻隔感覚。
加えて学校教師による二人に対する干渉と圧力。
などなど、数々の困難が次々と彼女らの前に立ち塞がるのだった。
頑張れ！宮沢雪野！
負けるな！有馬総一郎!
この世界は、君たちのためにあるのだ！
だが、しかーし！
女生徒B「そうそう」
女生徒C「付き合ってんでしょ？あの二人」
女生徒D「生徒指導室に呼ばれて説教食らったらしいよ」
女生徒E「げー！」
女生徒D「しかも、速攻先生に楯突いて親学校に呼ばれたんだって」
女生徒E「うげーまじアウトじゃん！それ」
女生徒F「なんかどうしたんだろうね、あの二人」
女生徒B「うん」
どうしても数学で一問解けない問題があったのよね。なにが違うんだろうなー。
ずっと考えてるんだけどなー）」
女生徒A「宮沢さーん、午後の家庭科第一被服室で良かったんだっけ？旧館の」
雪野「うん」
女生徒A「何見てるの？あ、数学」
雪野「うん、一問だけどうしても分からなくて」
女生徒B「えー宮沢さんでもそういうことあるんだー」
女生徒C「あ！私分からないとこあったんだ。聞いていい？」
雪野「うん、私で分かる範囲なら」
雪野：私って、いまいち女子に溶け込んでないよな。
話なら誰とでもするけど、深く付き合う人って特にいない。
優等生の振りをしなくなって随分経つけど、
いまだにみんなの扱いはお客さんのままだ。
でもまあ、それは仕方ない。
今まで自分がそれで通してきたんだから、
急に普通になられても、周りだって受け入れられない。
総一郎「数学？なに？どこやるの？」
女生徒A「あ、こ、ここ」
女生徒B「この問題」
秀明「おーい」
女生徒達「浅葉くん！」
秀明「なにやってんだよ！飯食いに行こー！
あー！なんだよ！こないと思ったら！かわい子ちゃんたちと遊んでやがって」
総一郎「お前じゃないって」
秀明「いやらしい！この色魔！」
総一郎「だからお前じゃないって」
秀明「俺をずっと炎天下の昇降口で待たせておいて」
総一郎「廊下で待てば良かっただろう」
秀明「あー超ムカつく！すぐ意地悪言う！」
雪野「ごめんね。途中なんだけど、後でゆっくり説明するから、いいかな？」
女生徒A「え」
女生徒B「あ」
女生徒C「うん」
女生徒達「…あ！」
女生徒B「あ、あの三人って仲いいよね」
女生徒A「うん、いつも三人でいるよね」
女生徒B「やっぱ付き合ってるってなると違うよね」
女生徒C「今まで有馬くん親切だけど特別女子と親しくするってなかったし、
浅葉くんも一人と特別仲良くしたりすることなかったのにね」
女生徒B「あ、私たちもお昼にしよっか？」
女生徒C「うん、あとでコンビニ行かない？」
女生徒A「いいね」
女生徒B「えーなにそれ？知らない」
女生徒A「うちの剣道部強いから、よく他校の練習試合行くじゃない」
女生徒C「うん」
女生徒A「どこも普通、自分の学校をガンガン応援するもんじゃん。
でも有馬くんが出ると、急にうちの応援が始まるんだって」
女生徒D「あっはは。それいい」
女生徒E「でも超分かる！」
女生徒D「やっぱ愛校心より良い男ってね」
女生徒F「F組女子は全員で浅葉くんとディズニーランド行ったらしいよ」
女生徒G「えーいいなー」
女生徒H「ずるーい」
女生徒I「有馬くんと浅葉くん仲イイよねー並んでるとこ絵になるよねー」
女生徒J「凛々しい美形とふしだらな美形ですな」
女生徒K「宮沢さん良いよね。あの二人と仲良くて」
女生徒L「そりゃあれだけ完璧揃ってりゃね」
女生徒E「私だって二人と仲良くできそうよ。あははは」
女生徒M「美人だし、優しいし、頭いいの鼻にかけないし」
女生徒N「何でも親切に教えてくれるしね」
女生徒O「世の中にはああいう出来た人もいるもんだ」
真秀「そうかな？」
女生徒P「真秀」
真秀「宮沢ってほんとにみんなが言うほどいいやつかな？みんな騙されてんじゃない？」
女生徒Q「えー」
女生徒R「何言ってんのよ真秀」
真秀「私前からあの子胡散臭いと思ってたんだよね。やたらとやることにそつがないんだもん。
外面良いだけなんじゃないの？」
女生徒S「えー」
女生徒T「そうかな」
真秀「だってあの子最近態度変わったじゃん。本性出てきたんじゃないの？」
女生徒B「でもさ、たしかに最近宮沢さん、前と違うと思わない？」
女生徒C「あ、きいちゃんもそう思った？」
女生徒D「実は私もそう思ってた」
女生徒E「うそ？私も」
女生徒F「私も」
女生徒B「え、じゃあ何？みんなそう思ってたの？」
真秀「いるんだよね、そういう女。善人面して周りを取り込んで
世の中うまく渡るやつ。そういうのに限って男捕まえるの上手いんだよ。
男子ってああいうタイプ弱いから。
有馬と浅葉を落とすあたりよく選んでるなって感じするよね」
女生徒G「もしそれが本当だったら私は納得いかないな」
女生徒H「うん」
女生徒I「有馬くん、浅葉くんを好きだった子だって沢山いたのにそれ本当なら許せないよ」
女生徒J「そうだよね、私の周りにも告白してだめだった子結構いるよ」
女生徒K「そういう子たち可哀想！」
女生徒L「あれだけの人だからって私達も諦めること出来たのに騙してたなんてひどいよ！」
女生徒M「それだったらまだ他の子に取られるほうがマシだよね」
女生徒N「ちょっと頭いいからって良い気になっちゃって」
女生徒O「ほんとサイテー」
女生徒P「ちょっと可愛いからって馬鹿にしないでよね」
女生徒Q「ほんと信じらなんない」
女生徒R「超むかつくー」
真秀の取り巻き「面白くなりそう」
真秀「ふふ…」
雪野「遅くなっちゃった」
雪野「合ってるよな～なんでみんないないんだ？
変だ。職員室で聞いてみよう」
女生徒S「えーうそだー」
女生徒T「昨日のドラマさー」
雪野「被服は自習になったんだね。
教室行ったら誰もいなくてビックリしちゃった。
結局分かんなくて、職員室まで聞きにいっちゃった。えへへ」
しん・・・
雪野「あ、あれ？あ、そうだ。さっきの数学の続きしようか？」
女生徒B「いいよ。あれもう分かった」
女生徒U「いつまでも男と遊んでるから分かんなくなんのよ」ぷっクスクス
雪野：あ、そうか。
真秀の取り巻きA「宮沢の顔見た？」
真秀の取り巻きB「青くなっちゃってさ、可哀想」
真秀の取り巻きC「今まで良い思いしてたんだから、ちょっとは苦労したほうがいいんじゃない？」
真秀の取り巻きA「だいたいあいつ目立ち過ぎなんだよ。ちょっと男に人気あるからってさ。
顔だって全然大したことないのに。真秀のが断然綺麗だよ。
また中学の時みたいに真秀がクラス仕切ってよ」
真秀の取り巻きB「真秀すげーかっこよかったじゃん」
真秀「まあね」
雪野「はぁ～」
総一郎「宮沢？」
雪野「うん？」
総一郎「どうしたの？元気ない」
雪野「ううん、寝不足なだけ」
総一郎「あとやっとこうか？」
雪野「いいよいいよ」
雪野：どうしてこうなったか見当はつく。
有馬、浅葉と仲良くしてるし、優等生の振りやめたから。
この結果をまねいたのは自分自身だ
雪野：今まで散々人の目を騙し続けてきた結果がこれなんだ。
嫌われても無理はない。
友達なんて欲しいとも思わずに、
騙して、褒めさせて、いい気になってたツケが今回ってきてる。
っしゃー！反省終わり！！
いつまでもくよくよしていても始まらない。
起こってしまったことを悔やんでも戻れない。
だから態度くらいは堂々と。
これは本当の私の、本当の始まりなんだから。
雪野：なんか所在ないものだな。
無視されるようなって数日。
栄華を極めたそれまでからあっという間にこの転落。
まるで失脚した政治家のようだ。
でもそれは仕方ない
雪野：本当は上品でもないことを隠さず晒せば、
このくらいのリバウンドは当然だ。
危ないことだってのは分かってた。
でももう、見せかけで生きていくのはイヤだから。
だから これは自分のたたかい
雪野：この壁は自分で乗り越えなきゃいけないんだ。
とは言いつつ、
これだけ見事に無視されるといまいち打つ手に掛けるというか、
解決のとっかかりもないなー。
優等生が多いがっこなのでイヤガラセとかはされない。
雪野「よっ」
つばさ「…」
雪野「…」
雪野：はあ～～～美少女～～～。
あんな子、うちの学校にいたんだ。
どうして気付かなかったんだろう。
椿「よっつばさ。行ってきた？職員室」
つばさ「会ったわ」
亜弥「なに？誰？」
つばさ「宮沢雪野」
椿「ああ、有馬くんと付き合ってるっていう？」
つばさ「全然大したことなかった。なんで有馬あんな女がいいのかしら」
椿「それは彼女が知的だからでしょう。顔で女を選ぶようなバカじゃ有馬がないからだよね」
つばさ「うっさいわね、何結論出してんのよっ。聞いてないのよっ」
椿「おーこわ」
つばさ「全く予定外もいいとこだわ。高校入るなり入院して、退院してきたら有馬に彼女がいるんだもの。
これじゃずっと有馬を想ってきた私の気持ちはどうなるの？」
椿＆りか＆亜弥「・・・」
つばさ「つぶしてやる」
椿＆りか＆亜弥「え？」
つばさ「つぶしてやるっ。どんな汚い手を使っても、あの二人、壊してやるわっ」
総一郎「宮沢」
雪野：さっきの美少女。
総一郎「ああ、初めて会うよね。紹介するよ。
D組の芝姫。中学が同じだったんだ。
ずっと入院してたんだよな。一昨日から学校出てきたんだ」
雪野：有馬。こんなに女の子と親しげにするとこ初めて見るわ。
総一郎「宮沢さん、付き合ってるんだ」
つばさ「初めまして、芝姫つばさです」
雪野「あ、どうも。宮沢雪野です」
つばさ「…」ぎゅう
雪野「いやああああああああああっ！！！」
つばさ「あっ」
総一郎「どうしたの？宮沢」
つばさ「知らない。急に宮沢さんが私の手を払い除けて」
雪野「え」
つばさ「きゃっ！」
総一郎「芝姫！」
つばさ「宮沢さんに、宮沢さんに突き飛ばされて。ひどいわ。どうして、どうしてこんなことするの？」
雪野「ええっ…」
猫「にゃん」
総一郎「あ、猫だ」
つばさ「（キラーン）」
雪野「（びくっ）」
総一郎「芝姫なにやってんだ！なにしようとしてたんだ！え！」
つばさ「えああわあわわ…」
総一郎「どうしてこんなことするんだ！」
つばさ「いたっいたたたたたた。私何にもしてないも～ん」
総一郎「嘘つけ！宮沢がそんなことする訳ないだろ。
ごめん、宮沢。普段はこんなことするやつじゃないんだけど。
入院してる間にタチ悪くなったみたいだ。平気？
ほら、ちゃんと謝れよ。いたずらにも限度ってものがあるぞ」
つばさ「へーへー私が悪うございました」
雪野「あ、いいよもう。それより芝姫さんずっと入院してたんでしょう？そんなに動いたら体に障るんじゃ」そんなイタくなかったし
総一郎「ああ、まあね。スケボーで石垣につっこんで、
くずれた石の下敷きになって、一晩発見されなかったっていうから。
でもこんなに動けるなら平気だろう」
中学のときは、みんなに羨ましがられた。
有馬は、私だけ特別仲良くしてくれたから。
総一郎「また掃除さぼったろう。ちゃんと分かってるんだからな」
つばさ「へへへ、いいんだよ～。私可愛いからみんなが可愛がってくれるもん」
総一郎「しょうがないやつ」
つばさ：そんな目で他の人を見ないで。
誰かのものにならないで。
行かないで
もしよかったらテスト用のノートのコピー残ってるから使うなら持ってこようか？あの…」
つぶさ「…」がぶ
総一郎「あっ！お、お前は！」
つばさ「ふん、だっ！余計なお世話なのよっ。何さ、彼女のご機嫌ばかり取っちゃってっ。
あんたも変わったよねっ。偉そうに私の説教しないでよっ。
あんたは彼女の膝で甘えてなっ。恥ずかしいから今度会っても声かけないでよねっ。バハハーイ」
総一郎「なんなんだ、あいつは」
雪野：そうか、あの子有馬のこと…。
総一郎「久しぶりかと思えば何だあの芝姫は。全く。何が気に入らないんだか」
雪野：に、鈍いよ…。
総一郎「ごめん、宮沢。なんか迷惑掛けちゃって。
でも、僕昔から芝姫が可愛いんだ。妹がいたらあんな感じかなって」
それでも良かったの。有馬が誰かに恋をするまでは。
[1年D組]
（みんな同じ中学出身）
つばさ「うわああーーあ、はーーん」
椿「あーやっぱりな。あんたも無茶かますよ。ああ、よしよし」
りか「しょうがないよね。有馬くんって完璧つばさを恋愛の対象に見てないんだもん」
亜弥「いいじゃんね。その分有馬くんを独占出来るんだから」
つばさ「ダメよもう。有馬の気持ちは完全にあの女のものだもん。私なんか構ってもらえないよ」
椿「んな気弱な」
つばさ「ムカつくわっ。あんな女、大嫌いっ」
つばさ「シャー」
雪野「きゃっ」
椿＆りか＆亜弥「つ、つばさ」
雪野「わっ」
椿＆りか＆亜弥「つばさ、なんてことを！」
雪野「わあ！」
椿「つばさ～」
椿＆りか＆亜弥「あいつ、復讐鬼か…？」
雪野「あ、あの」
つばさ「シャー！」
何よっ、あんたなんか有馬のこと何も分かってないくせにっ」
りか「つばさ」
雪野：
すっかり芝姫さんに嫌われてしまった・・・
クラスの女子には無視され、芝姫さんには嫌われ、
最近の私って踏んだり蹴ったりじゃのう。
ごめんね、芝姫が迷惑掛けて。私らやつの友達なんだけど。
気持ち分かってあげて。あいつも複雑なのよ」
雪野「あ、うん、気にしてないよ。そんなひどいことされてるって訳じゃないし。平気」
亜弥「そう言ってもらえると…」
りか「ありがとう」
雪野「いいの」
椿「とにかくなるべくうちらも悪ささせないようにするから。気を悪くしないでね。
なんかあったら私らに言って」
椿「ばいばーい」
亜弥「じゃあね」
りか「バイバイー」
雪野：いいな あの娘には友達がいるんだ
真秀「なに？宮沢の肩持つの？」
女生徒V「っ…」
真秀：笑い 怒り 不安
恋愛 友情 競争意識
成長と堕落
教室の扉の中には
すべての感情が詰まってる
これからのあらすじ！
まさに四面楚歌、次々に現れる新たな登場人物によりシカトされるお姉ちゃん。
だが膠着は思わぬ事態に収束を遂げる。
そう、芝姫つばさが止めを刺すのだ！
次回、カレカノ『すべてはこれから』
行っけー！
勉強も運動もよく出来た。自信があった。
大抵のことは自分の思い通りになると思ってた。
女生徒A「すごい！宮沢さんクラスで一番だよ」
女生徒B「すごいね、あんなに勉強も出来るのに」
真秀：高校で会った宮沢雪野は、私のはるか上を軽々と超えて、
あっという間にクラスの女子の中心になった。
最近嫌われ指数上昇中の私。
つばさ「…」だだだだだだだ
雪野「ひょっ」
つばさ「う～～～～ん」
雪野「ヒラッ」
椿＆りか＆亜弥「おー」
雪野：しかし私はしぶとかった。←見切っている
川島主任「岩田、石川、江角。
なんだこんな問題も解けないのか。仕方ないな。
うーん、相変わらず見事だな。みんなもっと宮沢を見習うように」
雪野：幸い不屈にならず済む要素が私にはあったので、
つくづく努力なんてしておくものである。
雪野「はい」
川島主任「いや、ちょっと気になったものだからな。
どうもさっき教室の空気がおかしかった気がするんだが。
私の気のせいでなかったら、なにか妙なことになってるんじゃないか？
その、もし私が生徒指導室に呼んだことで、君が立場を悪くしたのなら」
雪野「平気です。たしかに今、ちょっと女子とうまくいってないんですけど、そのせいって訳じゃないですから」
川島主任「しかし大変じゃないか？それは。私がなんとか」
雪野「大丈夫。このくらい自分で処理出来なきゃ社会に出たときに出世出来ませんから、平気です」
川島主任「うーん、頼もしいことだな。頼ってもらえないのも教師として寂しいものだが」
だいたい集団で無視することによって人を痛めつけようとする発想が好きじゃない。
はっきり言って気に入らない。
気に入らなきゃ絶対屈服なんてしないし。
だから誰にも頼りたくはないんだ。
雪野「きゃっ！なんだ有馬か。驚いた。何？」
総一郎「なんか変だったさっき。宮沢、なんか女子と離れてないか？」
雪野「え、いや、その、う、うん、うーやはり目立つのだろうか。
今女子から無視されてるかなーなんて」
総一郎「はあ！？な、なんだよそれ。どういうことだよ」
雪野「ま、その、色々と」
総一郎「どうしてそういうこと言わないんだよ。僕何も聞いてないぞ」
雪野「どこ行くの？」
総一郎「僕が女子に言ってくる！こんなことやめさせる！」
雪野「ちょ、余計なことしないでよ！」
総一郎「余計なこと？」
雪野「言っても無駄だよ。有馬と仲良いのも嫌われる原因になってるもん。
有馬出てっても余計こじれるだけだからね」
総一郎「はあ？」
雪野「これは私の問題。口出ししないでよ」
総一郎「何バカなことを」
雪野「バカじゃないもん。とにかく有馬は何もしなくていいの。黙って見てればいいの」
雪野：あーあ、本気で怒っちゃってるよ。
仕方のない人だね～まあ、私の言い方も悪かったけどさ。
秀明「あ、そうだ！宮沢、いいもん見せてやるよ。の宝物」気配りっ
総一郎「なに？」
秀明「めっちゃ可愛いぞ～ほら」←有馬の幼少期の写真
総一郎「あ、ばか！」
雪野「はーん♪」
秀明「可愛いだろ～」
総一郎「秀明！お前は絶対誰にも見せない宝物にするっていうからやったんだろう！」
秀明「だってだってだってだってだってー」
雪野：男の友情ってなあ。
総一郎「駄目だよそんなの！」
秀明「駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ！それは俺の宝物だぞ！」
雪野「（ばくっ）」
総一郎「あ、汚な！汚い！どうして君は平気でそんな汚い手を使うんだよ！」
秀明「俺の宝物があ」
雪野「ふふ、まあいいじゃないの」←ブラの中
秀明「そんなところに」
総一郎「迂闊に男子が手を出せば停学を食らってしまうところに」
雪野「お返しに私の幼い頃の、ロリロリ写真をあげましょう」
総一郎「…」
秀明「なにをそんなの！俺だって持ってるぜ」
雪野＆総一郎「（いやな写真・・・）」
でも、これだけは自分で解決したかったんだ。自分でやらなきゃ駄目だって思ったんだよ」
総一郎「いや、僕がいけなかった。僕が怒ったからいけなかった。
しんどいのは宮沢のほうなのに。
自分の納得いくようにすればいいよ。
僕はいつも宮沢の味方だし、そばにいることに変わりはないんだから」
雪野「ありがとう」
雪野「ところで有馬は大丈夫なの？」
総一郎「ああ、僕は平気。剣道部で、主将に目をかけてもらってるから。
で、その主将が他の体育会系の主将達に顔が効くんだよね。
そういうバックボーンがあると普通男子の世界じゃ手を出されない」
雪野「ふーーん」
雪野：男子って…。
つばさ「とりゃっ！」
つばさ「くわっ！」
雪野「ふははは。良い蹴りだ。しかし、まだまだ私を仕留められんよ」
つばさ「やかましいっ！余計なこと言うなっ！」
りか「続くね、二人のストリートファイト」
椿「うん、つばさの攻撃も日に日に高度なものになってくね」
亜弥「しかし、確実にそれを交わす宮沢さんも秘めた実力を感じさせる」
椿「おーい、二人とも喉渇いたよ。学食にジュース飲みに行こう。
宮沢さんも一緒にいこう」
雪野「え？私？」
椿「うん、一緒に行こう」
つばさ「ちょっとっ、何誘ってんのよあんたたちっ、
私がなんでそいつと戦ってるのか忘れてんじゃないでしょうねっ！？」
椿「ストリートファイトでしょ？」
亜弥「どっちが上か決めるんだよね？」
りか「違うの？」
つばさ「（汗）」
でも話してみたら全然平気で安心しちゃった」
椿＆亜弥「うんうん」
雪野「あはは。これが地なんだよ。あれはね、作っていたの。
自分をよく見せたいっていうか、他人によく見られたいっていうか、
私人に褒められるとぞくぞくって快感が走る人なのよね」
椿＆亜弥＆りか「へええ…」
雪野「だから思いっきり自分を作っていただけなのよ。
でも他人の目を気にする生き方なんて下らないよね。
現実には友達なんて一人もいなかった。
有馬と会ってそういうことに気がついて、だからそういうのはやめようって思ったんだよ」
つばさ「…」
亜弥「友達いないって、最近なんか宮沢さん一人でいるなって思ってたんだけど、もしかして」
雪野「うん、色々とね」
りか「なんか大変なんだね」
雪野「仕方ないわよ。自業自得だもん。責任くらいは取らないとね」
椿「だあー！私はそういうの好かん！シカトとか無視とかイライラするー！」
亜弥「出たな。体育会系直球思考」
椿「分かりました。今からあなたはゆきのん」
雪野「はあ？」
椿「今から友達。うちらのグループ。オーケー？ゆきのん」
雪野「いや、えっと、ゆきのん…」
椿「私は佐倉椿。女子バレー部のホープね」
椿「瀬名りか。手先が器用で、女の子らしい」
椿「沢田亜弥。文系硬派。人の弱点を冷静を突く」
椿＆亜弥＆りか「よろしくー」
雪野「ありがとう、でも、あの…」
つばさ「勝手にしなよ。私は一人で闘うからさ」
椿「ってことで、やつは個人行動ね」
亜弥「これでテストのとき強い味方が出来たぞ」
椿＆亜弥＆りか「ばんざーい」
雪野「あ、やだ～。やっぱりゆきのんな訳～？」
椿「あ、やだとか言ったー」
女生徒A「宮沢さんってD組の子たちと仲良かったの？」
女生徒B「あれ佐倉椿でしょう？校舎違うから馴染み薄いけど、
あっちじゃ結構人気あるんだよ。女子に」
女生徒C「やっぱりなんか目立つよね。宮沢さんって」
真秀「あれがあいつの手だって言ってるでしょう！まだ分かんないの！」
女生徒たち「…」
真秀：
いつも、いつも宮沢だけがいい想いをする。
どうしてよ。
あんな嘘つき女が…！
亜弥「何が？沢田」
椿「手を打つ隙も与えないくらい組織的に無視されてるんでしょう。
それってどっかに首謀者がいるんだよ。
うまくクラスを誘導できる、頭のいいやつがさ」
雪野「首謀者」
[1年A組]
女生徒たち「…」
真秀「何？クラスで相手にされなくなったら、今度は別のクラスの子に取り入るの。
相変わらずうまいよね。人を騙すなんて訳ないんでしょう。
今度はどんな手を使ったのか教えて欲しいわ」
首謀者
雪野「別に。特に何もしてないよ」
真秀「へえ、珍しい。もう猫被らないの？」
雪野：こいつが首謀者。
ここで負けたら、何も解決出来ない。
椿「何が？沢田」
亜弥「手を打つ隙も与えないくらい組織的に無視されてるんでしょう。
それってどっかに首謀者がいるんだよ。
うまくクラスを誘導できる、頭のいいやつがさ」
雪野「首謀者」
[1年A組]
女生徒たち「…」
真秀「何？クラスで相手にされなくなったら、今度は別のクラスの子に取り入るの。
相変わらずうまいよね。人を騙すなんて訳ないんでしょう。
今度はどんな手を使ったのか教えて欲しいわ」
首謀者
雪野「別に。特に何もしてないよ」
真秀「へえ、珍しい。もう猫被らないの？」
雪野：こいつが首謀者。
ここで負けたら、何も解決出来ない。
いい思いしてたんでしょう？バレたからって気にすることないのよ。
続ければいいのに」
女生徒Ð「ま、真秀」
女生徒E「よしなよ」
雪野「あなたが私のこと嫌うのわかるわ。たしかに私はそういうズルをしてた。
弁解の余地もない。そう思われても仕方ないと思うわ。
でも、ならどうして、あなたは他の子を味方につけて自分が優位に立とうとするの？
私も汚いけど、あなたも汚いじゃない」
総一郎「…」
つばさ「…」
雪野「気に入らないなら直接そう言えばいいのよ。
一対一じゃ自分の意見も言えないの？
たしかに私が悪かったけど、こんなことされて我慢してるほどお人好しじゃないわ。
自信満々なんでしょう。クラス味方につけて勝ったつもりなんでしょう？
良かったね。嬉しい？」
真秀「…！」ぱん！
雪野「はじめからそうすれば良かったのよ」
真秀の取り巻きA「真秀！」
真秀「！」
総一郎「…」
真秀の取り巻きB「真秀、最近すっかり地味じゃん。らしくなーい」
真秀の取り巻きC「やっぱり真秀は派手にやってくんなきゃ」
真秀：違う、もう駄目なのよ！
どうやっても敵わないのよ。
このどうしようもない敗北感。
つばさ「宮沢をいじめていいのは私だけなんだよ。
横から出てくんじゃねえよ。これじゃ遠慮しちゃって思いっきり出来ねえだろ」
真秀：誰にも分かるものか。
誰も何も分かりもしないくせに
女生徒A「あーあ、最近つまんないの」
女生徒B「高校でまで無視やるなんて思わなかったよ」
女生徒C「確かに。昨日みたいな宮沢さんと真秀の言い合い見ちゃうとね」
女生徒D「なんかもうこういうゴタゴタに巻き込まれるの嫌だなって思うよ」
女生徒E「結局真秀が宮沢さんを気に入らないだけでしょ」
女生徒F「ねえ、なんかおかしくない？」
女生徒G「ええ？」
女生徒F「いや、昨日の二人の言い合い。確かに宮沢さんは猫かぶって私達を騙してたんだけどさ。
私には、真秀が言うような男に媚びるために上品ぶるような、そういう人には思えなくて」
女生徒H「ええーだって態度変わったじゃん」
女生徒I「有馬くんと浅葉くんと知り合ってから」
女生徒F「確かにね。でもよく考えて。真秀は宮沢さんを良い男を捕まえたからボロが出るようになったと言ったよね。
だけど私思うんだ。あの頭の切れる人がほんとにそんな甘いミスをするだろうか」
女生徒J「そう言われると」
女生徒K「そう言えばそうかも」
女生徒L「宮沢さんって頭がいいだけあって猫のかぶり方も徹底してたもんね」
女生徒M「その人が男のことくらいでボロを出すっていうのは」
女生徒N「確かにちょっと不自然かも」
女生徒O「そういえば昨日の言い合いのときも猫かぶってたこと自分で認めてなかった？」
女生徒P「あれ？もしかして宮沢さんって自分から地を出していた？」
女生徒Q「じゃあ媚びてるっていうのは何？真秀、どうしてそんな嘘をつくの？」
女生徒R「こうも考えられる。真秀は宮沢さんを潰したかった。彼女を陥れクラスから締め出すには方法が一つしかない。
クラスの女子には有馬くん浅葉くんと仲のいい宮沢さんを妬む気持ちがある。そこを利用すれば」
女生徒たち「ああー！！！！」
私達を騙したのは許せない。もう信用できないわ。
これ以上くだらなくなりたくないから、あんたのこと無視したりはしない。
でもも、誰もあなたの言うことはきかないから。
そんなにやりたければ自分一人でやって。それが私達の意見よ」
真秀の取り巻きA「ま、真秀」
真秀「あんたたちもそろそろ私から離れな。
私はもうここまで。これ以上私と居ても良いことはないよ」
真秀の取り巻きB「じゃ、じゃあ」
真秀の取り巻きC「悪いけど…」
真秀：
誰もうまくいくなんて思ってない。はじめからこうなることは分かってたわ。
ちやほやされて自分が人より優れていると自惚られる時もあった。
でもそいつは狭い世界での思い上がりに過ぎず、
世の中には私よりはるかに優れた人間などいくらでもいるんだということを宮沢に会って初めて知った。
自分が今までいた位置に自分より優れたものに立たれるほど惨めなことはないわ。
見たくもなかった。でも、私の心はいつも宮沢で占められていたし、知らず目で追いかけてしまう。
宮沢への執着。まるで激しい恋のようだ。だからそれに気づいたのは私だけだと思う。
あれは演技だ。この悔しさが誰に分かる？
あんな女が私から何もかも奪う。
その上、恋を手に入れて今更正直になろうなんて許さない。
つぶしてやる。
あんたも。
つぶれていく私のように。
でも、それももう終わり。
こんな馬鹿げた意地も、もう終わりにしなきゃ。
しっかしまずったなー昨日は。
つい気の向くまま戦闘本能が全開に。まあすっきりしたけどね。
うふっ、かわいいー。今はこれがあるもんね。
これさえあれば私の心は5月の春の青空よー。
雪野「うわ、でたー！」
つばさ「じーっ」
雪野「おーこれはいかん。これはいかんぞ。
それにこれは一回口の中に入れてブラの中に入れたものだぞ」
つばさ「うっ！ちっ」
雪野「なんなんだ（汗）」
雪野：でも私、あの子嫌いじゃないんだよな。仲良く出来たらいいのにな。
つばさ「有馬」
総一郎「元気にしてるか？あれからまた宮沢に意地悪してないだろうな。
仲良くしてくれよ。僕の好きな人なんだから」
つばさ「…」
[資料室]
総一郎「あれ？」
雪野「どうしたの？」
総一郎「定期入れがない！かばんにもないや！あれ教室かな」
雪野「落としたんじゃないの？」
総一郎「あー！どうしよう！」
雪野「な、なに？だからどうしたのって」
総一郎「宮沢の写真入れてあるんだよ。参ったな。恥ずかしいから絶対無くさないようにしてたのに。
あ、こうしてる場合じゃない！とにかく探してくるよ。おかしいな。
さっきまであったのに廊下かな。芝姫と会った時かな」
雪野：まさかね。
向こうにあるのは…焼却炉。
まさかね。いくら嫌われてると言っても。
雪野「！」
女生徒A「あ、謝れば許してくれるよね」
女生徒F「あ！宮沢さん。え？」
女生徒たち「きゃああああああああああああ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
雪野「うおおおおおおおおおおおおお」
つばさ「ひっいいいい」
雪野「待てコラーーーー！！！！！！
おりゃああああああああああああああああああああああ！！！！！！！」
つばさ「いてええええええええええええええええええええええっっっっ」
女生徒たち「…」
雪野「怒らせたわね。怒らせたわね。この私をフフフフフフ…。
私を怒るとどれだけ怖いか今すぐ思い知らせてあげるわ。
ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」
真秀「（今更友達なくなったって返ってさっぱりするわ）」
つばさ「ひっ、あっ、いやああああああっ」
雪野「うりゃあああああああ！！！！！叫べ叫べヒーヒッヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」
真秀「（汗）」
椿「助けてって何から？」
雪野「くっくっくっくっく」
椿＆亜弥＆りか「関わりたくない…」
椿「またあんたしょーもないことしたんでしょ」
亜弥「一度本気で怒られてみるのもいいかもよ」
つばさ「裏切り者～っ」
椿＆亜弥＆りか「命は守れよ～」
雪野「日頃の行いがものを言うのよ。
ふははははははは」
つばさ「いやあああああああああああっっ」
雪野「くっくっくっくっくっくっく」
つばさ「ふぅ～」
雪野「甘ーい！」体育10
つばさ「そういう問題かっ。やめてえええっ」
秀明「なんだ？下が妙に騒がしいよ」
総一郎「定期入れがない」
秀明「なあ、あれ宮沢じゃないか？」
総一郎「…」
雪野「ずいぶんと陰湿なことするじゃない。
あなただけは一対一で喧嘩売ってくれる。
他の子と違うと思ってた。でも思い違いだったみたい。あんた最低よ」
総一郎「宮沢…？」
雪野「あんたが有馬のこと好きなのわかるから、私のこときらうのも仕方ないって思ってた。
でもこんなことするくらいならなぜ有馬に告白しないの？」
総一郎「ん…？」
雪野「告白も出来ないくせにこんなやり方卑怯じゃないの！」
つばさ「告白しようと思ったわよっ。でも有馬はちっとも気づいてくれなかったっ」
総一郎「？？？？？？？」←のみこめてない人
はじめは中一のバレンタインだった。
中一のつばさ「有馬くーん」
中一の総一郎「あ、芝姫か。芝姫、甘いもの好きだろ？
僕、チョコレートって苦手だからあげるよ。ほら」
中二の運動会の時も。
中二の総一郎「芝姫。ちょうど良かった。来て」
中二のつばさ「はあー♪」
中二の総一郎「助かったー玉入れの玉散乱しちゃって人手足りなくて困ってたんだ。
で、用事って何？」←役員
」
雪野「無神経…」
総一郎「僕、本当にそういうの分からなくて」
中三の修学旅行も。
（バスでとなりの席をGET!）
中三のつばさ「有馬くん」
中三の総一郎「芝姫！」
中三のクラスメイト「うえええ」
中三の総一郎「エチケット袋だ！早く！」委員長
中三のクラスメイト「おええええ」
中三の総一郎「新聞紙！新聞紙！」
中三のつばさ「…（汗）…」
」
つばさ「それでも有馬は誰の告白も受けなかったから恋はしないと思ってたっ。
なら妹でも特別居られるなら気づいてもらなくても辛くなかったっ。
少しでも一緒に居たくて毎日13時間勉強してこの学校にきたのよっ。
なのにどうしてっ？どうして高校に入ってすぐ彼女作るのっ？
悔しいじゃないっ。憎んだって仕方ないでしょっ。
私は宮沢になりたかったっ。
気づいてっ。振り向いてっ。世界一大切な存在に思われたかったっ。
羨ましくて羨ましくて仕方なかったのっ。
いつも私は気づいてもらえないっ。うわあああああ、あああああああんっ」
総一郎「ごめんね…」
女生徒たち「ごめんなさい！」
雪野：どういう経緯か、クラスの女子から謝罪され、
私は無事クラス復帰を果たした。
雪野「（だが、どこか私に怯えてる風なのはなぜだろう？）」
女生徒B「切れると怖いって…（汗）」
女生徒C「良かった、私達。怒られなくて…（汗）」
雪野：何より初めて友達と呼べる人たちが出来た。
亜弥「ねえ、つばさ」
つばさ「うーん？」←失恋たこやき
亜弥「あんたほんとは宮沢さんのこと結構好きなんでしょ？」
つばさ「へっ、ぜーんぜんっ…///」
雪野「いや、同情掛けようと思って」
真秀「はあ？」
雪野「あなた詰めが甘いのよ。自分が首謀者だって隠しきれなかった。
人を陥れるときはもっと狡猾にやらなきゃ。私ならもっと上手くやるな」
真秀「あんたほんとにムカつくわね！
うっふふふ」
雪野「ふふふっ」
雪野：気が付けば、夏休みはすぐそこまで来ていた。
長かった一学期がようやく終わろうとしていた。
これからのあらすじ！
シカト包囲網も解け、クラスみんなと和解したお姉ちゃん。
そしてやたらと長く、波乱万丈の一学期がようやく終わる。
あぁ！遂にお姉ちゃんにも友達デビューの時が来るわね。
次回、カレカノ『夏の休みの始まりに』 他１本。
うぉっす！
一学期が終わろうとしていた。
運動部員たちはそれぞれの活動に向けて、校内の気配も、夏の期待にざわめいていた。
先日まで宮沢も色々大変だったけれど、今は友達も出来、女子と上手くやっている。
雪野「お、有馬おはよう」
総一郎「お、おはよう」
つばさ「…」
きまずい
つばさ「ぴたっ。むぎゅ～」←雪野の胸。
雪野「まあ、かわいい～どうしたの？」
総一郎：イラつく。くっそー。芝姫ってこういうやつだよ、復讐か？
一学期は色んなことがあった。
宮沢に会い、互いの本性を知り、二人で本来の自分に戻ろうと決めた。
スクエアで不幸な優等生だった僕を、宮沢はあっさりぶち壊し、
僕自身さえ知らなかった本当の僕を見つけ、好きだと言ってくれたんだ。
嬉しかった、彼女に会えたことが。
嬉しかった、彼女と今、同じ高校の時を過ごせることが。
総一郎「もう一学期も終わりだね」
雪野「思えば色んなことがあったわね～」しみじみ・・・
総一郎「僕も今それを思っていたところだよ」しみじみ・・・
雪野「二学期もこんなだったらどうする？」
総一郎「考えたくないから考えない」
雪野「あーあ、もう夏休みかあ」
総一郎「宮沢は夏休みどっか行く？」
雪野「いや、おじいちゃん家行くくらいかな？うちそんな豊かじゃないもん。
あ、でも女の子と遊ぶ！映画とかプールとか」
総一郎「芝姫たちと？」
雪野「そーう！ついに女の子の世界にデビューっすよー。
お祭り行ったりカラオケ行ったりね、そういうの初めてするんだ～！
うれっしいなーうれっしいなー。
コギャルデビューもしたりしてー。
茶髪にしてカラコンなんかしちゃったりしてもう。あはははは」
総一郎「いや、夏は忙しいから、どうかな」
雪野「ふーん」
総一郎「あのさ、宮沢」
雪野「うん？」
総一郎「宮沢に言ってなかったことがあるんだけど」
雪野「なに？」
総一郎「大会があるんだよ、八月に。剣道部の」
雪野「うん」
総一郎「僕もそれに出ることになっていて、
だからそのためにかなり稽古しなきゃならない。
しばらく会えないと思うんだよ。
インターハイに出るんだ。
だから七月いっぱい練習と合宿になる。もっと早く言いたかったんだけど、
最近まではっきりしたことが分からなかったし、宮沢もここのところ色々大変だったから。ごめん」
雪野「あ、そっか、運動部ってそういうのがあるんだよね。そういえばそうか。
あ、でもすごいね！インターハイなんて！有馬がそんなに強いなんて初めて知ったよ。
もっと早く言ってくれれば良かったのに。おめでとう。
あ、じゃあ私試合見に行こうかな？それどこでやるの？」
総一郎「京都だけど？」
雪野「（汗）。じゃあちょっといくのは無理だけど、
応援してるから！頑張ってね！有馬ならきっといいとこ行くよ。
そっか、夏休みだもん。学校みたいに毎日会うのとは違うんだよね。
なんでだろう、そういうのちっとも考えなかった」
僕たちはそばにいるのが当たり前。
入学したころから、互いを意識した。
知り合ってからはほとんど二日と離れたことがない。
お互いに作用しあって今の自分になった。
ただ好きという以上に深く関わりあって立っていた。
初めて思い知る。
相手がどれだけ特別か。
一学期が終わる。
夏休みになる。
雪野「もう少し」
総一郎「電話するから。八月の七日過ぎれば休みあるから。
そうしたら一緒に遊ぼう。色々出かける約束してただろ」
雪野「うん。駄目だね。ちょっと会えないくらいでブルーになっちゃって。
これくらい平気にならなきゃね。何年も会えない訳じゃないんだし」
総一郎：だって、それは僕もそれは同じだから。
僕たちは出会って初めて別々の時を過ごす。
総一郎「ねえ、宮沢」
雪野「うん？」
総一郎「しばらく会えなくなる前にしておきたいことがあるんだけど」
雪野「なに？」
総一郎「僕、宮沢のこと抱きしめたい」
雪野「はあ？」
総一郎「別にやらしいことしないよ。でも、まだそれちゃんとしたことなかったから。
知っておきたいって思うんだ。しばらく会えないならさ。好きな人の感じを」
雪野「うん」
なんか、ホッとする。
うん、なんか安心する。
気持ちいい。
好きなひとの形
重さ
熱
触れた全てから幸せが広がっていく感じ。
他に何もいらない。
知らなかった、こんな安らぎがあるなんて。
雪野「あー惜しいことしたな。
こんな良いものならもっと前からいっぱいしておけば良かった。
もったいないことしたなー」かんどう
総一郎「だって色々照れるんだよ。
じゃあ、帰ったらいっぱいしてあげる」
雪野「うん、インターハイ頑張ってね！２年、３年ぶちのめして優勝しちゃえ」
総一郎：
出会って初めての夏が来る。
秀明「あーりま！インターハイ行くんだってな。
これ千羽鶴。応援行けないけど、俺だと思って頑張ってくれよな」
総一郎「・・・・」
雪野「あれ全部自分で作ったの？」
秀明「そう！古巣は預かった。宮沢に悪い虫つかないようにするからな！」使命感
総一郎「お前が一番悪い虫って気もするけど。まあ、よろしく」
秀明「ああー！ひっどー！ふふーんだ、そんなこと言って良いのかな～？
俺、宮沢とプール行くもんね～」
雪野「ね～」
総一郎「えー！なーにやってんだ宮沢！こんないやらしい男と！自覚なさすぎるよ！あああああ！」
雪野「えーでも妹二人も一緒だよ。ただのつきそいのお兄さんだもん」
秀明「そうかなー？カモーン。シャツの下に隠されたこの美しい肉を宮沢に見せるぜ！
真夏の太陽の下で眩しくきらめく磁器のようにならめらかな、美しい俺の肉を…！」
雪野「あははははは」
総一郎「や、め、ろ！気味悪い言い方するなっ！」
秀明「ま、有馬くんは剣道の練習頑張りなよ。防具の中で汗まみれになりながら、
臭くてあつーい青春してくるといい。俺らは遊ぶけど」
総一郎「くっ、珍しく反抗的な」
総一郎：
会えなくなるのはさみしいけど、
だったら成長して男をあげて帰ってきたいな。
宮沢がもっと僕を好きになるくらいに。
雪野「おー！」
雪野「待った？」
椿「んにゃ、今来たとこ」
雪野「良かった、ここ来る前も待ち合わせしてて。誘いたい人がいるって言ったじゃない。
井沢真秀さん。同じクラスなんだ」
真秀「どうも」
椿「ああ”～！こいつゆきのんを無視してた主犯じゃねーかよ！
なに来てんだよ！失せろよ！」
真秀「キャー」
椿「うりゃあ」
雪野「まあまあ、いいじゃない。私たちもう和解したんだしさ」雪真交友開始
椿「えーなんか信用できない感じぃー」
真秀「なんで私がここに来なきゃならないのよ」
雪野「あら良い機会じゃない。お互い今までまっとうな友達付き合いしてこなかったんだしさ。
一から始めるなら二人一緒の方がいいじゃない」
真秀「ちっ、わかったわよ。私はそんなのどうだっていいけど、あんたには借りがあるからね。
付き合うくらいはやりますよ」
雪野「友情！」
波乱の一学期も終わり、久々に私ものんびり出来そうだ。
残念なことに、有馬はインターハイの練習があって、
私達は当分会えそうも無くなってしまったけど、
（総一郎「八月七日には帰ってきまーす」）
（総一郎「じゃあ、帰ってきたら色々してあげる」）
（雪野「（ぽっ）」）
雪野：今は友達いるし、とりあえず私も元気だ。
有馬も頑張っているんだし、
私も自分なりに充実した時間を過ごそうと思っている。
瀬名さん、沢田さん、
雪野「ちゅーっす」
りか＆亜弥「ちゅーっす。りかと亜弥でいいよ」
この二人が一番まっとうな感じだよね。
亜弥「遅いわね、芝姫」
雪野「おおおおおおおおおおおお！！！煙草はだめ！煙草はだめ！煙草はだめ！煙草はだめ！！」
亜弥「わ、分かりました…すいません…」
りか「良かったー亜弥ちっとも煙草やめてくれなくて。宮沢さんみたいなしっかりした人と友達になれて嬉しいわ」
真秀「ヤンキーよりああいう普通のやつのほうが案外タチ悪い」
椿「それにしてもつばさ遅いなあ。最近あいつ弛んでるからなあ。
まあ仕方ないんだけどろうけどさ」
つばさ「お待たせ」
雪野「か、か、か、可愛い」抱き
雪野「あとでお姉ちゃんとお洋服屋さんいかない？
色んな服をき、着せたい。お姉ちゃんに、み、見せて」
椿「じゃあ親睦会ということでふらふら遊びますか」
「
♪闇に隠れて生きる
俺たちゃ妖怪人間なのさ
人に姿を見せられぬ
けもののようなこの体
椿『早く人間になりたい！！』
暗いさだめを吹き飛ばせ
椿「ベム」
真秀「ベラ」
つばさ「ベロ」
雪野「クワーッ！」
妖怪人間」
つばさ「うん、トトロ？」
椿「そう、トトロや。今トトロの大きい人形があっち歩いてったで」
つばさ「え、大きいトトロがっ！？ほんとっ！？」
椿「ホンマや！」
亜弥「ごっつおっきかったで」
椿「見たいか？」
つばさ「うん、見たい」
亜弥「ほな、はよ探さな見失ってまうで」
椿＆亜弥「ほな行くでー」
りか「ちょっと二人とも」
椿「しーっ！あ、気づいた」
つばさ「ぎゃああああああああ」
りか「ちょっとやめなよ。可哀想じゃない」
椿＆亜弥「あはははははははははははっ」
雪野＆真秀「これが友情…」
椿「悪かったよつばさ。好きに食べ」
つばさ「もぐもぐ」
椿＆亜弥「はい、あーん」
つばさ「もぐもぐもぐもぐもぐもぐ」
雪野「わ、私のケーキもあげる」
つばさ「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ」
亜弥「私の紅茶も」
椿「コーヒーも」
つばさ「もぐもぐもぐもぐうっああああああああああもぐもぐうわ
もうぐｇもうあｗろあｔｇい￥＾あああああああああああああああああああ！！！！！！」
椿「おーつばさが切れた」
つばさ「うりゃあああああああああああああああ」
雪野「だんだん四人の相関関係が見えてきたぞ」
つばさ
おもちゃ
椿 亜弥
悪 悪
りか
困
椿「そうでーす。旗代中でーす」
雪野「南白河中でーす」
真秀「堀川西中」
雪野「どういう出会いなの？」
椿「もともとは私とつばさが幼稚園の頃からの腐れ縁で」
亜弥「りかと私が家が隣の幼馴染なの」
椿「その頃からつばさってすげー人見知りでさ」
（幼い椿「ははん、君かわいいね。私と粘土で遊ばない？」）
（幼いつばさ「…」ピタッ）
椿「てな風にこいつがべったりひっついてるおかげで、
可愛い女の子達をはべらして遊ぶこともままならず、私の学校生活は台無しよ」
雪野「ははは」
椿「でも、はべらしてるけど。モテるから」
亜弥「椿って若くて美しい女の子大好きだもんね」
雪野「（うーん、誰かに似てるなー）」
椿「でも高校でゆきのんみたいな可愛い女の子と知り会えて光栄だな。これからも仲良くしましょうね。うふふ。
ああ、そこのあんたも顔だけは美人だからね。一応仲間に加えてあげてもいいわ」
真秀「うっ…」
雪野「（あ！そうだ！絶対あいつに似てる。私のよく知るあの男に）
（秀明「ふっふっふ。おいで。愛しのメリーちゃんたち」）
間違いない）」
亜弥「私たちはね」
りか「赤ん坊のときから一緒にいるからね。そばにいるのが当たり前だよね」
雪野「素敵」
椿「そうでーす。旗代中でーす」
雪野「南白河中でーす」
真秀「堀川西中」
雪野「どういう出会いなの？」
椿「もともとは私とつばさが幼稚園の頃からの腐れ縁で」
亜弥「りかと私が家が隣の幼馴染なの」
椿「その頃からつばさってすげー人見知りでさ」
（幼い椿「ははん、君かわいいね。私と粘土で遊ばない？」）
（幼いつばさ「…」ピタッ）
椿「てな風にこいつがべったりひっついてるおかげで、
可愛い女の子達をはべらして遊ぶこともままならず、私の学校生活は台無しよ」
雪野「ははは」
椿「でも、はべらしてるけど。モテるから」
亜弥「椿って若くて美しい女の子大好きだもんね」
雪野「（うーん、誰かに似てるなー）」
椿「でも高校でゆきのんみたいな可愛い女の子と知り会えて光栄だな。これからも仲良くしましょうね。うふふ。
ああ、そこのあんたも顔だけは美人だからね。一応仲間に加えてあげてもいいわ」
真秀「うっ…」
雪野「（あ！そうだ！絶対あいつに似てる。私のよく知るあの男に）
（秀明「ふっふっふ。おいで。愛しのメリーちゃんたち」）
間違いない）」
りか「私たちはね」
亜弥「赤ん坊のときから一緒にいるからね。そばにいるのが当たり前だよね」
雪野「素敵」
そして、りかだけ見つかって叱られたり、
私が部屋を散らかしまくって、母に叱られてもなお片付けないのを見かねて、
りかが片付けてくれたにも関わらず、
（幼い亜弥「本の並べ方はこうじゃない」）
と、文句を言われたり、
一人で映画館に行くのがいやで、いつもりかを付き合わすくせに、
たまにりかに誘われると、付き合わなかったり、
という、一方的に私がりかを食い物にして利益を貪るという関係なんですな」
雪野「（えへへって、りかちゃんはそれでいいのか？）」
亜弥
「でも、ときどき思う。
こういう人間性の私にも何故か文才だけはあり、
作文を書いては数々のコンクールを総なめにして超高飛車ってた。そんなとき、
りか「すごいね、亜弥！いっぱい賞状とかもらえてすごいよ！
私ね、亜弥と友達でいられてすごい自慢だよ」
げっ！こいつ心から祝ってやがる。あれだけ私にひどい扱いをされてなぜ心から祝える？
こいつ聖女か？私がもし逆の立場だったら絶対に祝えない。めちゃジェラシーに燃える。
くそ私はそういうやつ。そういうやつなんだぁ～！
りか「どうしたの？」
や、やめろ！
りか「え？なに？」
私はあんたに祝われるような人間ではない。
りか「はあ？」
あんた祝うたび私の俗悪さが浮き彫りにされる、
自分がサイテーやろうだって思い知らされるんだ～！
」
雪野「（そうか、亜弥ちゃんが悟空でりかちゃんが三蔵法師なのだな）」
雪野「なるほど」
りか「だけどね、亜弥はほんとに文章の才能があって、ジュニア小説の新人賞に入選して本に書いてるんだよ」
雪野「え～！小説って本の？本屋さんに売ってるあの本の？しょ、小説家！？」
りか「そう！」
雪野「プ、プロ？本物の小説家！こんな身近に本物が」
亜弥「別に。たまに短編とか乗せてもらってるだけだし。プロっていっても名前だけだよ。
このくらいの人いっぱいいる」
雪野「いや、でもインパクトあるよ。高校生で」
りか「そうよー亜弥は才能あるもん。きっと成功する。亜弥は私の自慢なんだから」
亜弥「だからそうやって心から励ますのはやめて～」ああーっ
椿「夏休みだから書き溜めとかすんだろ？」
亜弥「うん、長い話書いてみる」
雪野「おお」
亜弥「それに、私だけ特別なことしてる訳じゃない。椿はバレー部入部早々レギュラー取ったアタッカーだし、
りかは昔から家庭科得意で信じられないような細かい綺麗なものつくるじゃない。
5年後、10年後は分からないよ。みんなだって才能あっためてるじゃん」
雪野「…。
いいなあ、みんな自分のやりたいこととか持ってるんだよね。
私そういうのちっとも考えたことなかったよ。
すごいなあ。私なんか勉強しか出来ないよ」
椿＆亜弥「いいじゃねえか、あれだけ勉強出来れば」
つばさ「もぐもぐもぐもぐもぐもぐ」←このひとはなんのとりえもない
雪野「わあっ！」
椿「おお、なんだつばさまだ帰りたくないのか？」
雪野「なに？もうちょっと遊んでく？」
つばさ「（うんうん）」
椿「うわあー甘いゆきのん！ゆきのんすっかりつばさに気に入られちまったね。
けど、つばさってそうやって抱きついたが最後、
とことん食らいつくよ。はっきり言ってすんげー大変だよ」
亜弥「ああー私達はそいつのワガママに付き合わされるのは面倒なので、もう帰る」
椿「とりあえずほどほどにね」
りか「また電話する」
真秀「分かったわよ。付き合えばいいんでしょう」
りか「つばさ、すっかりゆきのんに懐いちゃったね」
亜弥「めずらしいね、あの人見知りの激しい子が」
椿「あいつも今色々あって大変だからな。
ゆきのんと仲良くなって少しは吹っ切れると良いんだけど」
亜弥「お父さん再婚するかも知れないんだって？」
椿「そう。あいつファザコンだからさ、相当複雑らしいよ。
その上、入院して一学期ほとんど学校には来れないわその間ラブラブ有馬には彼女出来るわ」
亜弥「つ、ついてねえ。厄除けのご祈祷でも受けろって感じだよな」
りか「ねえ、つばささっき何でゆきのんと残りたがったのかしら？」
椿「さあ、そりゃあんまり家にいたくないからじゃないの？」
亜弥「気まずいだろうからね」
りか「でも後で家にはちゃんと帰るよね？へ、変なこと考えたりしてないよね？」
椿＆亜弥＆りか「（…）
（ゆきのん…！！）」
みんなもっと色んな個性を持っているんだ。
雪野「だめだなあ。私って何にも知らないんだ。
私がなーんも考えないでガリ勉してたとき、みんなはもっと色んなものを見つけていたんだ。
そんなこと今まで気づきもしなかった。なんか置いてかれたような気分だよ」
真秀「めずらしい。弱気？」
雪野「だってさ、いかに今までの自分が貧困だったかってなんか思い知っちゃったんだもん」
真秀「あんたはこれからそれを探すんだ。
人をはかる物差しは勉強だけじゃないってことに気がついた。
それが一番大切なことだ。始めるのに遅いってことはないさ。
それにあんたは一人じゃない。私だって変わりたいと思う。
一から始めるなら二人一緒の方がいいんだろ」
雪野「うんうんうん！友情！」
雪野：友達がいる。
それだけで、心細さが消えていく。
私はもう独りじゃない。
友達がいるんだ。
つばさ「家を出るの」
雪野＆真秀「え？」
つばさ「私パパと二人暮らしなのよね。最近うちに女が来るのよね。
母親ぶって私に取り入ろうとするのよね。そういうのムカつくのよね。
パパはその女と結婚したいっていう。今まで再婚なんてこと一度も口に出さなかったのに。
これは本気らしいのよ」
雪野「いきなりヘビーな」
真秀「こんな喋るの初めて見た」
つばさ「パパはぼやーっとしたお坊ちゃんだからあの女に取り入れられちゃったのよっ。
けーっ、汚らわしいっ。私は認めちゃいないわよっ。
しかもその女には私と同い歳の男の連れ子がいるのよっ。
超デリカシーないっ。普通そういうことするーっ？
だから私は家を出るの。パパだって私がいなくなれば目が覚めるに違いないわっ。
これはあの女からパパを取り戻すための戦いなのよっ」
雪野「でも、家を出るってどこへ？」
つばさ「泊めて」
雪野「はあ…」
真秀「えええええー！そこまでは私も付き合えないわよ！いやよ、私帰るー！」
雪野「友情よ友情！」
真秀「いや、私は帰るのー！」
雪野：有馬くん、友情って素晴らしいけど、
ときどきちょっと、大変です。
これからのあらすじ！
よその家庭のごたごたに巻き込まれてしまったお姉ちゃん。
そして我が家に訪れる客人らが、次々と演じる修羅場の数々。
あぁ！ほのぼのコメディーはどこへやら？
次回、カレカノ『仕合わせの在処』
うぉっす！
私の幸せはどこ…？
我らのお姉ちゃん、仮面優等生宮沢雪野（高一）は、極度の見栄王である。
とにもかくにも人前で見栄を張ることが超生き甲斐で、
端から見ると眉目秀麗、才色兼備、世間様の前ではパーペキな優等生を演じきっていた。
ほんっとナルシスな女。
だが、お姉ちゃんの凡ミスでその仮面がついに剥がれてしまった。
彼女の正体を初めて知った幸運もしくは不幸とも言える稀有まれな人物、その名は有馬総一郎（高一）。
彼もまた超モノホンの優等生。成績優秀、スポーツ万能。敵を作らぬ人当たりの良い性格。
形式は違えども二面性を持った優等生として秘密を共有する関係となった。
その後、二人はクラス委員の相棒、仲のいい友人、友達以上恋人未満という段階を経て、晴れて彼氏彼女という関係までにたどり着く。
そしてお互いの人生に触発された二人は、自分達の本当の幸せのために生きていこう、と決心するのだった。
う～良かったね～、お姉ちゃん。
じゃけんど、世の中そんなにシンプルで甘きゃないけんのう。
そう、世間様は厳しいっす。
自らの野望、浅葉メリーランド計画遂行のため、お姉ちゃんにケチをつけ、
あわよくば別れさせ、フリーに戻った有馬くんを利用しようと画策するふしだらな変態美形、浅葉秀明の出現。
ラブパワーに身を任せ、二人して遊びほうけていたことに起因する期末試験の成績下落。
それにより発生するお姉ちゃんの一方的な阻隔感覚。
加えて二人の成績不振を阻止せんものとする学校教師による、二人の親までを巻き込んだ干渉と圧力。
お姉ちゃんの行動を独自に分析、その正体を見破った伊沢真秀の先導によるクラス女子全員による宮沢シカト事件。
中学時代から有馬に心を寄せていた芝姫つばさによる嫉妬バリッバリの大攻勢。
夏休みのクラブ活動のために引き起こされる有馬くんとのしばしの離別。
おまけに女子高生の肌をさす真夏の日差し！
などなど、次々と襲いかかる数々の試練にも耐え、逆に友達を作り、
有馬くんとのお付き合いも着実にステージアップ！させていくお姉ちゃん。
なかなかめげん女じゃのう。
とまあ、なんやかんやの末、ようやく迎えた高校初の夏休み。
お姉ちゃんは初めて出来た友達と遊びに出発！
お茶にカラオケ、ウィンドウショッピングとスタンダードなメニューを次々とこなしていく。
はあ、ついにお姉ちゃんにもまっとうな友達デビューの時が来たかと思いきや、
気が付くと、よそのお家のごたごたに巻き込まれていたのでした。
そして、その当事者、芝姫つばさのご意見は！？
どんな手を使ってもあの女からパパを取り戻すわ」
雪野「…ていう訳なんですけど、この子、うちに泊めていい？」
真秀「…」←結局付き合わされた。
もう！ったくあのサルは。良かったー。一応電話して。今から行くわ」
雪野「ありがとう」
月野＆花野「はーい！はいはーい！」
椿「どうも。そこのバカがお騒がせしまして。つばさ帰るよ！」
つばさ「いやだよっ。あんな家には帰らないもんっ。パパがあの女と別れるまで私は家に帰んないっ」
椿「人様ん家上がりこんで何たわけたことぬかしてんだよ！早く帰る支度しなさいよ、このクソザルッ！」
つばさ「うるさいわねっ。いやだって言ってるでしょっ。何しゃしゃり出てきてんのよっ。このエロやろうっ。
ふふん、だいたいあんたはもう既に用済みなのよ。これからはあんまり馴れ馴れしくしないでくださる？」
椿「…！」ごつ！
つばさ「…ヒッ。いったぁ～っ」
つばさ「いや、いやっ～」
椿「がたがた抜かして手間かけさすんじゃねえよ！帰るぞごらあ！」
つばさ「いやだぁっ～」
椿「もう早くしなさいよ！」
つばさ「いやだってばっ～」
椿「もーうイライラする！ふざけんな！このサル！チビ！早くしろよ！」
つばさ「帰んなさいよっ～」
花野「う、うわあ…」
月野「何も、言えん…」
雪野：状況は、今や膠着から悪化の一途。
都香「まあまあ、嫌がるものを無理に連れ帰らなくても」
洋之「一人二人増えるくらいどうってことないよな。夏休みなんだし。うちは別に構わないよ」
椿「うわーそんな甘いことを！これがこいつの手なんすよ！
自分が可愛いこと知ってるんだから甘い顔見せるととことん利用されますよ！」
つばさ「♪～うるさいわね。とっとと帰りなさいよっ。へ～んだっ、ペンペンペン」
真秀「（はあ～家に帰りたい…）」
椿「言っとくけど、あんたのパパにこのこと報告したからね。
会社終わったら真っ直ぐ来るって言ってたわよ」
つばさ「うえ～っ！」
椿「いつまでも駄々こねてんじゃないよ。自分のことは自分で解決しな」
椿「うあ～超ムカつく！あいつときどき逆さ吊りにしてムチでしばき倒したくなる！」イライライライラ
雪野「SM…私の知らない世界」
椿「まあ、あいつがああなるのも分かるけどね。つばさん家って結構複雑でさ、
つばさの母親はつばさを出産したとき亡くなったんだよ。
だから父親はとてもつばさのことを可愛がってたんだけど、
仕事忙しくて人に預けたりしなきゃやっていけなかったんだって。
そういう環境で育ったからさ、幼稚園で初めて会った時も、
誰にも懐かず隅でむっつりうずくまっているようなやつだった。
感情の基本的なとこが満たされてない。
それでも父親とは上手くやってたのに、
その父親がよその女と結婚するっていうんだ。
いやにもなるさ。
あいつはずーっと満たされるってことが無かったんだと思う。
私んとこは家族揃ってるんでそういうの想像するしかないんだけど、
みんなが当たり前に与えられるものを生まれつき与えられなかったやつっていうのは、
それをどうにかして自分で埋めていくしかないんだよな。
そういう戦いをしなきゃならなきゃいけないんだよな。
そういうのって何かきついよな」
雪野：有馬はその気持ちを知っていた。
だからつばさちゃんを妹と思ってたんだ。
その頃の有馬には誰かに恋をするゆとりなんて無かった。
過去は記憶の底に沈めて、完璧であることを維持するだけで彼の中は手一杯だったから。
誰も有馬の視野に入らない中でつばさちゃんだけが特別だった。
心のどこかで知っているから。
自分達は「同類」だって。
あの二人が並んだところは綺麗だけど、
とても綺麗だけど、
なんだかとても悲しい感じ。
今はこんなだけど、いつかさ、何もかも上手くいって、つばさが幸せになったらいいなって思う。
あいつが心から笑った顔ってそりゃ可愛いんだろうと思うんだよ」
雪野「うん」
椿「送ってくれてありがとう。
世話かけてごめんだけど、あのサル宜しくね」
雪野「うん」
（つばさ「何よっ。あんたなんか有馬のこと何にも解ってないくせにっ」）
雪野：有馬の中は、もっと混沌として深いんじゃないだろうか。
私はまだ、有馬のほんの一部しか知らないのかもしれない。
月野＆花野「ごっはん！ごっはん！」
都香「遠慮せずどんどん食べてくださいね」
ペロペロ「ワウワウ」
月野＆花野「夏だし、食べないと体持たないよ」
ペロペロ「ワウワウ」
雪野「まあ、大したもんないけど」
ペロペロ「ワウワウ」
真秀「あ、いえ、そんな気にしないでください…（そうもいかないか）」
ペロペロ「ワウワウ」
つばさ「もぐもぐ」
洋之「いやーあはは、あの、雪野が友達とお泊りなんてのは、初めてだからな。
ちょっと、あがっちゃうなお父さん」
雪野「なんでお父さんが照れてんのよ」
月野「いやだよー何考えてんだか」
花野「なんか、いやらしいー」
雪野＆月野＆花野「ねえー」
洋之「ガーン」
真秀「この親子は…」
ペロペロ「ワウワウ」
都香「いえーい！青の１！」
雪野「青８！」
月野「ブルー３！」
花野「ブルー２！」
真秀「青の０です」
洋之「あ、お母さんごめん！ドローフォー！」
都香「いきなしー？分かったわよー４枚取ればいいんでしょ４枚取れば」
雪野＆月野＆花野「ここにきて、夫婦関係最大の危機！」
雪野「じゃあグリーン５」
月野「ニヤニヤニヤニヤ、スキップ！」
花野「あー月姉ひどい！」
真秀「緑の１です」
洋之「ワイルドで黄色！」
都香「ナイスお父さん！黄色は任せて。お母さんいっぱいあるから」
雪野＆月野＆花野「早くも夫婦関係復興修復」
雪野「ではイエロー４！」
月野「スキップスキップらんらんらん♪」
花野「またー！？」
真秀「すいません、リバースです」
花野「やった！ごめんね、月姉、スキップ！」
月野「なにー！なんだとー！」
雪野「じゃあ黄色の２！」
都香「黄色の８！」
洋之「ドロー２！」
真秀「ウノです」
花野「なに！」
月野「阻止よ阻止」
雪野「宮沢家の威信にかけて何としても叩くのよ！あーだめー叩けなーい！」
都香「待って待ってどうしてお母さんだけこんなにー！？」
洋之「だいじょーぶ！お父さんもカードいっぱい持ってるから何でもあるんだ～。はーいリバース！」
家族達「やったー！さすがお父さーん！！」
普通の家族ってこうなのかな。
有馬もあの子のそういうとこに惹かれたんだろうか。
幸せそうな、辛いことなんて何一つ知らないような家族に。
駄目だ今は。
鬱陶しいとしか思えない。
この家族のそばに居て、こんなの辛くないのかな、有馬。
俊春「誠に申し訳ありません。夜分お邪魔いたします」
宮沢家＆真秀「美父！」
雪野：
はあ～さすがつばさちゃんの肉親だ。
お顔の作りが丁寧。
俊春「あの、なんと申し上げたらよいか。娘がご迷惑をお掛けしたようで」
都香「まあまあ、色々事情がおありのようですから。
上がってゆっくり話し合われてはいかがですか？」
俊春「は、はあ。では。あ！ああっ～」
都香＆一馬の母「芝姫さん！？」
俊春「すいません、すいません」
都香「大丈夫ですか？」
雪野：でもちょっと頼りない…。
こちらのお宅までお騒がせすることになってしまい、お恥ずかしい限りです」
洋之「わっかるなーその気持ち。パパを取られたくないっていう娘心。なあ～？」
花野「お父さんはうるさいのっ」
月野「余計な口を挟まないっ」
洋之「しょぼーん」
俊春「妻には娘を出産してすぐ先絶たれまして。以来二人でなんとかやってきた訳なんですが。
最近娘が、スケボーで石垣につっこみ、石につぶされたまま、
一晩発見されずに病院に担ぎこまれるという事故に遭いまして、
仕事を抱えながら子供と二人でやっていく今の生活に、
非常な不安を感じるようになった訳です。
そんな時、私を励ましてくれたのが病棟の看護婦をしていた彼女で、
聞けば彼女も夫と死別して子供と二人でやってるっていうじゃないですか。
なんか話があっちゃいまして。
それまでもテキパキ仕事してかっこいいな彼女とか思っていたんですが、
それから意識とかするようになっちゃいまして。
つばさが退院するとき、思い切って映画に誘ったんですけどね。
眠狂四郎シリーズやってたんですよ。
市川雷蔵いいなーとか言ったりして。
あと丹下左膳シリーズもまたいいんですよ。
特に余談なんですが、百万両の壺とか、
監督の持つヒーローに対するカウンターというかアクチュアルな世界観が良くてですね。
あとテレビだと大河もの、新選組、幕末ものも良いんですが、
やはり決めは、大江戸捜査網、そして江戸の牙でしょう。
この辺の嗜好性がまた彼女とピッタリ合って盛り上がってですね」
つばさ「だぁーっっっ。誰があんたに恋の始まりの物語をしろって言った～っっっ」
宮沢家＆真秀「確かに！」
みんなにとってそれが幸せなんじゃないかって。
なのに、どうして反発ばかりして、少しも考えようとしてくれないんだよ」
つばさ「だって私、新しい家族なんていらないもの。勝手に私の幸せ決めないでよ。
うちに他人が上がり込むのがイヤ。
勝手に台所をいじられるのがイヤ。
パパが他の女と笑ってるのがイヤ。
そんな人をお母さんだとか思えないっ。私は今までのままでいいっ」
一馬の母「つばさちゃん、私のこと嫌いなの？」
つばさ「…うん。
母親ぶって媚びちゃってさ、点数稼ごうってのが見え見えなのよ」
俊春「つばさ！」
一馬の母「いいの。つばさちゃんそんなことない。私には息子しかいないから、
女の子の世話焼けるのが嬉しいの。つばさちゃんが本当に娘だったらって思うのよ」
都香「確かになーあんな可愛い子のお母さんにならいっぺんなってみたいよなー」
洋之＆真秀「えー」
雪野＆月野＆花野「どういう意味？」
つばさ「はん、気持ち悪いこと言わないで。どうせ再婚狙いでしょ。
パパみたいにかっこよくて収入の良い男そういないもんね」
俊春「つばさ、いい加減にしないか！池田さんに謝りなさい」
つばさ「どうしてよっ。どうしてその女の肩ばっかり持つのよっ。
どうして私の言うこと少しも聞いてくれないのっ。
私はパパと二人だけでいたいのっ。ずっとずっと二人だけでいたいのっ。
なんで私一人ワガママみたいに責めるのよっ。
なんで私の気持ち少しも分かってくれないのっ！？」
つばさ「さわんじゃねえよババア」
俊春「…！」ぱん
宮沢家＆真秀「ひぃ～～～！！！！！」ほのぼのかぞく
つばさ「ぶった。今まで一度もパパにぶたれたことなかったのに…。
あああうあわああああああん」
雪野：ど、ど、ど修羅。
都香「あのーこういう状況ですし、お嬢さん今日はうちでお預かりしましょうか？」
俊春「え、あの、でも」
都香「こういう時はしばらくそっとしておげたほうがいいですよ」
俊春「はあ。
つばさ、パパは別にお前への愛情がなくなった訳じゃない。
つばさが事故に遭ったって知ったとき、パパは気が狂いそうだった。
ママも失って今度はお前にまで死なれたら生きていけないと思った。
そんな恐怖心を抱えて一人で耐えていくのは本当に辛かったよ。
パパは人間だ。完璧じゃない。支えてくれる人が欲しかった。これからを生きていくために。
何も今すぐ結婚するって訳じゃない。ただ、つばさも一緒に考えて欲しい。
みんなで一緒に考えれば、いつか今よりもっと幸せな場所が見つかるかも知れないから」
都香「いいえー大したお構いも出来ませんけど」
洋之「色々あるけど頑張れよ！」同世代意識
俊春「はあ」
月野「さようなら」おみおくり
花野「さようならー」おみおくり
俊春「さよなら」
月野＆花野「ばいばーい」
洋之「う～ん、お前たち、もし俺がお母さんと死に別れても、お父さんは絶対に再婚とかしないからなー」
都香「ちょっと、勝手に殺さないでよ」
月野＆花野「……あっ！そういえば冷蔵庫にスイカあったんだ！
お父さんの顔見たら思い出した！お父さん、ありがとう！食べよー食べよー！」
洋之「はぁ～スイカー大好き～」
都香「…」
花野「ｚｚｚｚｚｚｚｚｚ」悲しい夢体験中
真秀「ｚｚｚｚｚｚｚｚｚ」なんで私まで・・・
つばさ「ｚｚ・・・・・・
（俊春「つばさ、つばさは僕の宝物だよ。
世界で一番好きだよ。
誰よりも、誰よりも好きだよ」」）
つばさ「パパはああ言ってたけど、本当は私よりあの女が大切になったのよね」
雪野「…」
つばさ「私のこと育てるの重たくなったのかも知れない。
私から逃げたいのかも知れないわ」
雪野「そんなことないよ。ちゃんと分かってるんでしょう？
みんなつばさちゃんのこと大切に考えてるじゃない」
つばさ「男なんてみんなキライ。
優しくするくせに最後はいつも他の女の人を選んじゃうんだもん」
雪野：いつか誰かが現れて、つばさちゃんの心を満たしてくれたらいいのに。
メンバーB「おつかれー」
一馬「おつかれでした！」
メンバーC「一馬お前スジいいよ。臨時だけじゃもったいねえ。
出番やるからもっと歌いな」
一馬「え、いいんスか！？やった」
メンバーC「だあ、こいつ生意気。高校入ったばっかのくせに」
メンバーA＆B「面白くねえ。キスしたる」
一馬「うわあ、や、やめてくださいよーみんな汗臭いんだから！」
メンバーD「ああそういえばお前んとこのお袋さん再婚するかも知れないんだって？」
メンバーA＆B「えーそうなの？」
メンバーC「複雑だな」
一馬「あーでも俺は関係ないっすよ。
母さんが幸せになってくれるなら俺はそれでいいって感じで」
メンバーC「そうか」
メンバーA「親想いだなー」
メンバーB「えらいぞ、ずまっぴー」
メンバーA「キスしてやろうか」
一馬：
良い人達なんだけど、ちょっと野獣入ってるからな。
相手に俺と同い年の女の子がいるってのはさすがに言えないよな。
つばさ「ｚｚｚｚｚｚｚｚｚ」
俊春「…………」
みんなで考えれば 今よりもっと幸せな場所がみつかるかも知れないから
これからのあらすじ！
よその家庭のゴタゴタに対し、何もできないお姉ちゃん。
そして他者攻撃と自己逃避の末、自暴自棄に陥る芝姫つばさ。
果たして！池田一馬の登場は彼女に何をもたらすのか！？
次回、カレカノ『幸せの主観』
うぉっす！
私も彼氏ほしい…。
我らのお姉ちゃん、仮面優等生宮沢雪野は極度の見栄王である。
彼女を変えた有馬は、一人で不幸を抱え込もうとする努力の優等生である。
お互いの人生に触発された二人は、
自分達の本当の幸せのために生きていこうと決心するのだった。
う～良かったね、お姉ちゃん。
でも二人にはあれやこれやと困難が次々と待ち受けていた。
うん、けどまあなんやかんやと次々に解決。
めげえ女じゃからのう。
そしてついにようやく高校初の夏休みを迎える。
お姉ちゃんは初めて出来た友達と遊びに出発！
お茶にカラオケ、ウィンドウショッピングとスタンダードなメニューを次々とこなしていく。
ああ、ついにお姉ちゃんにもまっとうな友達デビューの時が来たかと思いきや、
気が付くと、よそのお家のごたごたに巻き込まれていたのでした！
可愛い可愛い。うちには良いモデルがいるから助かるよ。
つばさに着せたい服を考えればいいんだもんな」
つばさ「ねえこの服もらっていい？これ着てどこか出かけたい」
俊春「気に入った？じゃあ今夜これからドライブ行こうか？
横浜行って中華を食べる」
つばさ「うんっ」）
つばさ：
どうして、どうして急に再婚なんていうの？
洗濯も掃除も料理だってやってた。
私一人だって何だって出来た。
どうして急に、家族なんていうの？
私じゃ、パパの支えにならないの？
花野「おはよー」
都香「朝ごはんすぐだからねー」
真秀「あ、手伝います」
家族達「いっただきまーす！」
ペロペロ「むしゃむしゃ」
洋之「ほふほふ～しかしいいもんだねえ、こういうの。
普段と変わらぬ朝の食事も女の子が沢山いると空気が華やぐねー。
やっぱあれかなあ、お父さんもう２、３人子供作ろっかなー」
真秀「ブーッ」
花野「やだー今さら兄弟が増えるのなんかー」
月野「私お兄ちゃん欲しいな」
雪野「朝の食卓で家族計画的なこと口にするのやめてよね。それに娘が産まれるとは限らないよ。三人息子かも」
洋之「うっ！だったら野球チーム作るもんっ」
雪野「月野、雪野、花野とくるから名前は揃えないとね」
月野「陸、海、空とか！」
花野「正義、友情、勝利とか！」
都香「あ、お母さんは男の子の双子で光一くんと剛くんがいいです！」
洋之「男、女の双子で愛と誠！」
月野「はなとゆめ！」
花野「天と地と！」
雪野「老人と海！」
月野「ロミオとジュリエット！」
花野「月とすっぽん！」
都香「マンとヒヒ！」
真秀「やはりこの家は…」
雪野「ジャックと豆の木！」
月野「フィッとネス！」
花野「マッとうんどう！」
都香「コンと５５号！」
つばさ「…」
ペロペロ「ｚｚｚｚｚｚ」
雪野「さあて、勉強でもするかな」
真秀「じゃあ私もする。机は？」
雪野「ああ、ここいいよ。月野のとこ使って」
真秀「分かった」
つばさ「私帰るわ」
真秀「はっ！！」
つばさ「ワガママ言って悪かったわ。これ以上粘ったところでどうにかなるものでもないもんね」
雪野「そんな…ほんとにいいの？」
つばさ「うん、あの甘いパパが今度だけは折れなかった。
だから私はもう諦めるしかないのよ」
雪野＆真秀「…」
俊春「つばさ！」
つばさ「…ただいま」
俊春「良かった。帰ってきてくれて。
ごめん、パパもっとつばさのこと考えてやるべきだっ…」
つばさ「いいのっ。ちょっとワガママ言いたかっただけ。
もう平気だから。
これからはパパの好きなようにして」
俊春「ああ、ありがとう」
つばさ：もういいや。
期待しても叶わないなら、初めからもう何もいらない。
もうどうだっていい。
どうだっていいんだ。
何よ、再婚再婚っていうから、そっちのほうはもう上手くいってるんだと思った。
計画性ないなあ。大人なんだからしっかりしてよねっ」
俊春「だって、だって、こういうのはつばさに理解してもらってからだと思ったんだよ」
一馬の母「息子はそういうこと細かくないタチなのよ。
私が再婚したいって言ってもあんまり関心ないみたい」
つばさ「ふーん…」
つばさ「ちょっと、落ち着いてよね」
俊春「男として頼りがいのあるところを見せないとね。ち、父として～」
一馬の母「そんな、気にすることないのにー」
俊春「ああ、こぼした」
一馬の母「はい、これで拭いて」
つばさ「もう～頼りないなあ～」
一馬の母「あ」
つばさ「あ」
俊春「あ」
一馬「どうも遅くなりました」
パツキン
ドクロ
一馬「息子の一馬です」
俊春＆つばさ「（チーン）」
なかなか本格的だ。すごいねー」←ちょっとおびえ気味
一馬「はあ、でもまだかじってるくらいで、上手くはないです」
つばさ：はあ、どうして兄弟になるかも知れないって人間がロック野郎かなー。
私のついてなさも筋金入りね。
すべてを諦めたとはいえ、
こういう人間とどう接っしろちゅうのよ。
つばさ「あーむ。むしゃむしゃ」
つばさ：そんなのももうどうだっていいことだけどね。
一馬「（ニコッ）」
つばさ「…」
俊春「一馬くんは高校はどこに通ってるんだい？」
一馬「はい？」
つばさ：
なに今の？あっ、やばいっ。
もしかして私、一目惚れされたかも知れない。←老若男女問わずオールマイティにもてる人。
やだっ。どうしようっ。再婚ってなったら同じ家で暮らすのにっ。
変な目で見られたりとかしたらどうしようっ。←デリケートなお年頃
テレビとかにあるじゃない。両親が出かけたときに。
＝激白＝
高一の夏、義弟が私を！！
神奈川県在住OL 芝姫つばさ（仮名）の場合
しばらくお待ちくだい
とかなっちゃうのよ～っ！！
いや～～～～っっっっ！
ここまでついないかっ。私の人生って～～っ！！←悲観論者
あ、デザートだ。←食欲至上主義者
つばさ「ガーン」
一馬「なんだ。母さん、良い人見つけたじゃん。
俺、相手は母さんが決めることだからって構わないつもりだったけど、
良い人じゃん。俺はいいと思うよ」
俊春「そ、そうか。ありがとう。嬉しいよ」
一馬「それに可愛い妹も出来るし」
妹？
一馬「中一かー。可愛いなー。俺にこんな可愛い妹が出来るなんて嬉しいよ。
同い年の子だって聞いてたから正直戸惑ったけど、俺の聞き違いだったんだな。
良かった。これならすぐ結婚してもらいたいくらいだよ」
俊春「あの、一馬くん。つばさは中一じゃないよ」
一馬「え、じゃあ小学生ですか？しっかりしてるなー」
俊春「いや、こう見えてほんとに高一なんだ」
一馬の母「あんたより誕生日早いわよ。お姉さん、なのよ」
一馬「えっ！？…」
つばさ「でやあああああああああああっっっっ」
俊春「つばさが切れたー！！」
一馬「あ、ごめん、ごめんね！悪気があったわけじゃないんだよ」
一馬の母「同い年だって言ったじゃない」
俊春「高級ホテルで～っ！」
しばらくお待ち下さい
（俊春「ははは。いや～あれはまずいな。今度ばっかりは本当に僕再婚出来るか自信ないな～」）
（つばさ「でやあああああああああああっっっっ」）
つばさ：あったりまえだっつーの。
おわははは。お嬢ちゃん、可愛いねー。ねえねえねえ、お小遣いあげるからオジサンとあそぼ～」
つばさ「いやよ」
オジサン「いいじゃないか。いいじゃないか」
つばさ「しつこいオヤジねー」
一馬「あっ、ちょ、俺ここで帰ります」
メンバーC「一馬？」
オジサン「なあなあ、なあ3万。5万でどうかな～？」
つばさ「でやあああっっっ」
オジサン「うわあっ！」
つばさ「ぐるるるるるるる」
一馬「おっさん」
つばさ「！」
一馬「みっともない真似やめろよな。平気？」
つばさ「…」
通行人「おまわりさーん、こっちこっちー」
警官「女の子がかどわかされそうだっていうのはどこだー？
だめだよ！そんなことしちゃー！お、お前だなー！そこ動くなー！」
一馬「は？」
パツキン
首輪
オジサン「…」にげてる
警官「つかまえた！ちょっと来なさい」
一馬「えー？はー！？」
警官「暴れるんじゃない！」
一馬「えー！誤解ですよ！俺なんにも…」
警官「ああみんなそう言うんだ。詳しくは署で聞く」
一馬「あーもう！ちょっと！」
つばさ（グイッ）
警官達「…」
つばさ「別に。助けてもらったのは私のほうだし」
一馬「そんな可愛いと大変だな。おかしな奴多いもんね。最近。
良かった、また会えて。
この前すごい気まずい別れ方しちゃっただろう？謝りたいと思ってたんだ。
ずっと兄弟が欲しいと思ってたからかな。つい変な思い違いを」
つばさ「兄弟が欲しいの？」
一馬「うん、作ってくれって言って出来る訳でもないから、親には言ったことないけど。
なんでかな。構ったり構われたりする関係って憧れで」
つばさ：ひとりだったから。
一馬「そしたらすんごい小さい可愛い子がいるじゃない。
これはって思っちゃったんだよ。ほんと失礼しました。
まあ、そういうことで、俺が個人的に謝りたかっただけで、
別にうちの母さんをよろしくといかいう下心でって訳じゃないから。
縁があったらまたな」
つばさ「あ！
もっと話がしたいわ。話せないの？」
一馬「あ、じゃあ家くる？ここから電車ですぐなんだ」
何にする？」
つばさ「うーんとね、ハーゲンダッツ」
コンビニ店員「ご兄弟？可愛い妹さんね。またいらっしゃい」
つばさ「兄弟だって」
つばさ「…」
一馬「入っていいよ！狭いだろー？驚いた？」
つばさ「ううん」
一馬「うわ、やべーみそ汁出しっぱなしだった。うわあ、もう変なにおいするー。
ああ、ちょっと洗濯するから待っててね。今日俺が洗濯当番なんだ」ぬいでそのままほうりこむ
つばさ「（汗）」
つばさ：帰りたかった。
どこか。
胸をつく郷愁。
つばさ「それ、うまい？」
一馬「そっちは？」
つばさ「食べる？」
つばさ「だって、それは当たり前のことなのよ。
私達は同じ日々を過ごしてきたんだもん。
ドアを開けても誰もいない。その寂しさを知っている。
言葉にしなくても分かる。私達は同じだから」
一馬「そっか。じゃあ俺たちはもう兄弟みたいなものだな」
つばさ「うん、兄弟みたいなものだ」
つばさ：
初めてパパが言ってたことの意味が分かった。
解りあえる人がそばにいる。
そんな人が家で待っていてくれるなんて、なんて心が安らぐんだろう。
本当はパパさえいればそれでいいなんて嘘。
今分かったの。
本当は独りは寂しかった。
寂しかったよ、お父さん。
めずらしいじゃない。あんたが夕食作ってくれるなんて。いったい…」
一馬「おかえり」
つばさ「お邪魔してます」
一馬の母「つ、つばさちゃん！？」
一馬「街で偶然会ったんだよな」
つばさ「それで遊びにこさせてもらったんです」
一馬の母「や、やだーこんな汚い部屋に。掃除だって満足にしてないのに。
つばさちゃんは山の手のお嬢様なのよ！
あんたみたいなゴキブリ小僧がなにこんなとこ誘ってんのよ！ばかぁ！」
一馬「いってー」
一馬の母「あーあああああ服ぬぎっぱなしー！いやー！押入れ開けたまんまで！中丸見えじゃないの！
ゴミも出してないし！あんたの当番でしょ！」
一馬「母さんだろっ！」
一馬の母「あんたって子は！こないだから私に恥ばっかりかかせて！
わざと？わざとなの！？」
一馬「ちげえよ。いてえ。ギブギブ」
つばさ「もしかして、猫かぶってたの？」
一馬の母「え。あ、まあそういうことなんだけど、あ、誤解しないでね。
俊春さんの前では地のまんまのよ。私すごい女の子欲しかったのよ。
しかもつばさちゃん可愛いじゃない。憧れちゃって。ガッカリさせちゃったかしら」
つばさ「ううん、私の友達に似てる」
俊春「つばさがこちらにお邪魔してるというのは本当ですか？」
つばさ「あ、パパ」
一馬の母「俊春さん」
一馬「こんばんは」
俊春「…」←状況がのみこめない
一馬「今度はつばさん家遊びに行かせてよ。山の手のお宅っての見てみたい」
つばさ「うん、友達にも紹介したいしね。
パパみたいなぽやーんとした世間知らずには、あなたみたいな人、合うと思う。
パパを宜しくね」
一馬の母「え」
俊春「それって」
つばさ：さあ
幸せになってみようか
翌日二人は、めでたく入籍。
ほどなく四人は、一緒に暮らす。
メンバーC「おお一馬、お袋さん、再婚されたんだってな」
メンバーA＆B「ハッピーマリッジ！引越しの加勢に来たぜえ」
一馬「ええ、まずい、つばさ隠れろ」
つばさ「え？」
メンバーA「おおおおお」
メンバーB「ラブリー」
つばさ「うええ」
メンバーA「おおラブリー」
メンバーB「ラブリー」
メンバーA「ちゅうううう」
つばさ「ギャーっ」
一馬「なにやってんだよーコラー」
メンバーC「代わりに俺がーお兄さんが綺麗にしてあげるよーちゅううう」
つばさ「いやーっ」
俊春「あれは本当に姉弟愛なのかな？義理の姉弟って結婚出来るんだっけ？」
一馬の母「え？」
これからのあらすじ！
ご好評をいただいております本番組、彼氏彼女の事情もようやく遂に折り返し地点となりました。
なかなか長かったこの道のりを、この機を機会に振り返ってみたいと思います。
次回、カレカノ『これまでのお話』
みなさんに感謝を込めて、うぉっす！
これまでのお話！
我らがお姉ちゃん仮面優等生宮沢雪野の弱みを握った有馬くんが、
割とダークな策略ぶりを遺憾なく発揮し、いいように利用されるお姉ちゃん。
初めてのときめきも手伝って大ピンチに陥ったお姉ちゃんがついにブチ切れ、
一気に事態は収束。
とりあえず二人は友人関係に落ち着く、というお話でした。（マル）
これまでのお話。
突然有馬は、宮沢雪野に対し冷たく接し始める。
彼の理由なき冷遇に戸惑いを覚える雪野。
そして原因が特定できない彼女は、無視には無視と、短絡的行動に移る。
だが、その態度は功を奏し、有馬は、己の過去と心情を吐露。
雪野はそのすべてを受け入れ、再度告白されるのだった。
これまでのお話。
有馬の再告白に対し、返答し損ねてしまった雪野は、一大告白作戦を展開。
だが、ことごとく失敗に終わる。
その原因が、傷付きたくないという臆病さにあると気づいた彼女は、
勇気と共に、有馬に言葉ではなく、心を介し、
晴れて、彼氏彼女という関係に辿り着くのだった。
これまでのお話。
晴れて公認カップルとなった二人。
だが、超多忙を強い、二人を会えなくする体育祭の脅威や、
自らの野望、浅葉メリーランド計画遂行のため、
雪野にケチをつけ、有馬を利用しようと画策するふしだらな変態美形、
浅葉秀明の出現などが彼女の前途に立ちふさがるのだった。
これまでのお話。
初デートの失敗に触発され、ただひたすら逢瀬を繰り返す日々を送る二人。
だが、雷鳴とどろく中、日ごと高まる雪野を失う恐怖から、
有馬は突発的に彼女を抱きしめてしまう。
彼を受け止める雪野。
そして二人はついに唇を重ねる。
これまでのお話！
己の欲望に身を任せていたお姉ちゃんは期末試験の順位を落とす。
事態を重く見た学校側は急遽二名を呼び出し説得工作に入る。
だが彼女は意外な抵抗を示し断固拒絶。
しかし状況は、お父さんの一言をきっかけに打破されるのでした。（マル）
これまでのお話。
ある日、宮沢雪野は、誰もいない有馬邸へと赴き、
流されるままセカンドキスを体験。
そして、有馬の過去がまた一つ明らかにされる。
これからのあらすじ！
なんやかんやにもようやくケリがつき、少し落ち着きを取り戻したお姉ちゃん。
有馬くんとは文明の利器、電話を介しての繋がりしか保てない日々が続いていた。
そして久々の浅葉くんの登場が彼女の心に変化をもたらす。
次回、カレカノ『声の向こうに見えるもの』他１本。
うぉっす！
これまでのお話。
雪野の正体を単独で暴いた伊沢真秀の先導によるクラス女子全員参加の宮沢シカト事件が発生。
時を同じく、有馬に対して密かに恋心を抱いていた芝姫つばさによる嫌がらせも勃発。
今や彼女は、人生最大の危機を迎えようとしていた。
これまでのお話。
自業自得の膠着状態のあと、つばさによる嫌がらせにブチ切れたゆきのんはついに怒り心頭。
暴走し学校内を恐怖のどん底に陥れる。
その阿鼻叫喚の様は全ての事態をいきなり収拾。
彼女は初めての友達を手にするのだった。
これまでのお話。
一学期もようやく終わり、ゆきのんはしばし有馬くんとお別れ。
入れ替わりに私達と友達デビューを果たし、飲めや歌えの大騒ぎ。
結果、またも自分には勉強しか取り柄がないってゆきのんが落ち込むお話。
これまでのお話。
友達デビューの喜びもつかの間、
ゆきのんはつばさん家の再婚問題というヘビーなごたごたに巻き込まれてしまう。
他人に心開かないつばさ。
同じ幸せの形を求めるがゆえに、すれ違っていく家族の姿を目の当たりにしたゆきのんは、
つばさの幸せを願う事しか出来なかった。
これまでのお話。
その後、自暴自棄となった私は、おとなしく家に帰り、
相手の連れ子の一馬と対面。
その運のなさに驚愕する。
だがしかし、偶然の再会が私の心を氷解させていく、というハッピーなお話。
めでたしめでたし。
雪野「うん、でもつばさちゃん上手く行って良かったよ。
相手の男の子とすごい気が合うみたい」
総一郎『ふ～ん、そっか。そんな良い姉弟ができたのか』とられちゃったような気分らしい
雪野「毎日暑いね。合宿大変？今、長野だっけ？長野ってどう？」
総一郎『いいところだよ。暑いけど、風が気持ちいいし、朝晩は寒いくらい。
宮沢もいつか来るといいよ。綺麗だよ。川も木も』
雪野：慣れない電話から聞こえる有馬の落ち着いたよく通る声は、
なんだかちょっと色っぽい
秀明「お前こそ誰だ」
月野＆花野「あー！浅葉くんだー！わーい！」
洋之「月野！花野！ペロペロまで！？」
秀明「やあ二人共。しばらく見ないうちにまた可愛くなったね。妖精のようだよ」
月野＆花野「へへへへへ」
洋之「か、ははああ！貴様ー！俺の天使のような娘たちに！誰だてめえ！名を！名を名乗れ！」
秀明「あ、宮沢のお父さんだったんですか」わかいから見えなかった
洋之「バカヤロー！お父さんとか言うなー！」
都香「なにー？お父さん。朝っぱらから」
雪野「あ、あさぴんじゃん。ちゅーす」
秀明「ああ、奥様もお美しい。ご主人にお会いする前に、あなたにお会いしたかった」
洋之「おいー」
雪野「やだよーあんたが父親なんて」
洋之「むうーー雪野！なんだあの男は！」むっすー
雪野「え？」
洋之「いやらしいそうな男だ。なんであんなやつ家にあげるんだよ！」
雪野「しょうがないでしょ。せっかくプールに誘ってくれたのに、
お父さんが駄々こねて行かせてくれないんだもん」
洋之「バカあー！そんなの駄目に決まってーる！
あんな男とプールに行ったら、どうなるか考えただけで！い、いやあああああああ！！」
雪野「（別にどうもならんと思うが…なにを考えてるんだ）」
秀明「おニューの水着が見せられなくて残念だよ」
雪野「いや、そんなことは全くどうでもいいことなんだけどね」
月野「はい、浅葉くん。麦茶飲んで」
秀明「はいはい♪」
花野「これねー、面白いマンガなんだー読んで」
秀明「ん、どれどれ」
月野＆花野「浅葉くーん、浅葉くーん」チヤホヤ
雪野「月野、花野。妙に浅葉になついてない？その、有馬より好き？」姉としてフクザツ
月野＆花野「ん～」
月野「有馬くんはね、お兄さんって感じ」
花野「浅葉くんはね、えーっと」
月野「可愛いよね」
花野「ね」
月野＆花野「ふふふふふふ」
雪野「（どういうことかしら…分からないわ…）」
花野「ｚｚｚｚｚｚ」
ペロペロ「ｚｚｚｚｚｚｚ」
雪野「その顔、どうしたの？」
秀明「ああ、これ？これは、有馬。終業式の日、宮沢とプール行くっつってからかったじゃん」
雪野「うん」
秀明「あの後よー。二人っきりになったときカバンでガン！
怖かったー青あざになってたのさ」
雪野「おお」
秀明「ふふふ。男の嫉妬って怖いね。まあ、俺、嫉妬されんの好きだけどね。
人って魅力のあるものをこそ妬むものじゃない」
雪野「…。
でも、そんなこと言っても最愛の有馬ともしばらく会えなくてつまんないね。
うちなんかに来たのももう寂しくなったんでしょ」
秀明「・・・コクッ
最近食欲ないんだよな。それに毎晩有馬の夢を見るんだ」
雪野「（汗）。
まあ、あさぴん有馬にべったりだったもんね。しょうっちゅう泊まりに行ってたし。
あんなに外泊して家の人に何か言われない？」
秀明「いや別に。だって俺ひとり暮らしだもん」
雪野「そうなの！？」
秀明「あれ、言ってなかったっけ？」
雪野「言ってないよー！」
秀明「ああ。俺むちゃくちゃ親父とそり合わなかったからな。
あいつが転勤するとき俺だけこっちに残ったんだよ。
いい加減、あの家から離れたかったからね」
雪野「……」
秀明「あ、今まずいこと聞いちゃったかなとか思っただろう」
雪野「う、うん」
秀明「気にすることないよ。そういうことで俺傷ついたりとかしてないもん。
実の親子でも相性悪いっていうのはあるもんでさ。
俺昔からいい加減で、女好きだったから、真面目な親父をイライラさせるんだ。
俺は俺で、真面目なだけで人間味の欠片もない親父がバカみたいで大嫌いだった。
血が繋がってても嫌いなものは嫌いなんだ。
かえって血が繋がってる分、悲劇でさ、寄ると触ると喧嘩でさ。
母親は父親の言いなりで頼れない。
家がつまんないんだ。
だから俺はガリ勉して進学校に受かってここに残ることに決めた訳。
晴れ晴れしたね。
家族一緒が幸せっていえるのは恵まれた家の子供だけだよ。
家族といるのは苦痛でしかない。
逃げ出したほうが幸せになれるやつだっているんだ。
ま、その親の金で学校行ってて、逃げたも何もないけどな。
宮沢の家っていいな。俺、円満の家の子って好きだよ。のびのびしてて素直で。
有馬が宮沢が好きなのもそういう部分かも知れないな。
だから俺は、宮沢も有馬も好きだよ。
時々思うんだ。
有馬の真面目のところはどこか親父を思い出させる。
親父は駄目でも有馬は好きになれる。
有馬を好きになることで、俺はずいぶん救われたんじゃないかって、時々そう思うんだ」
親を捨てた少年。
どんなことを話してきたんだろう、二人で。
今まで、家族なんて上手くいってるのが、
当たり前だと思ってたけど。
月野＆花野「わーい」
花野「おじいちゃん家行くの久しぶりだねー」
月野「おじいちゃん相変わらずなんだろうね」
洋之「はははは。あのジジイがそう簡単に変わるものか」
都香「お父さんもね」
洋之「え」
月野＆花野「はははははは」
洋之「はは、ははははは」
あ、そういえば今日あさぴん来たよ。何ってこの前話してたプール」
総一郎『くぁｗせｄｒｆｔｇｙふじこｌｐ！！』
雪野「いや、行ってないって。お父さんが駄々こねて行かせなかった」
総一郎『・・・（汗）』
雪野「へっ。全く男って何考えてるのかしら？
やだー私、あさぴんに誘惑されるくらいなら、丸坊主になるほうがマシだわ。
そっちは？変わりない？」
総一郎『うん、こっちは変わりない』
雪野「む、無理とかしてない？疲れてない？」
総一郎『あっはは。何急に？そりゃこれだけ練習してると少しは疲れるけど』
雪野「う、うん。え、遠慮しないで何でも言ってね。話聞くくらいしか出来ないけど」
総一郎『どうしたの？急に』
雪野「う、うん。だって、有馬って我慢するの上手いんだもん。
言わないと、私何も気づけないんじゃないかって」
総一郎『ありがとう。平気だよ。無理をしてる訳じゃないから。
そうだなあ。でもいい加減、宮沢に会いたいよ』
雪野「う、うん！私も！」
総一郎『いてっ』
雪野「な、なに？どっかぶつけた？」
総一郎「ああ、平気。なんか最近成長期入ったみたいで、体のあちこちきしむんだよね」
雪野「へえ、今身長いくつ？」
総一郎『172かな？』
雪野「172！？な、か、ちっとも変わりなくないじゃん！言えっつーの！そういうことを！またあんたは！」
総一郎『す、すいません。でも終業式の頃から伸びてたよ』
雪野「へえ～でもかっこいい。早く見たいなー」
総一郎『カッコイイって…』
（椿「私んとこは、家族揃ってるんでそういうの想像するしかないんだけど、
みんなが当たり前に与えられるものを生まれつき与えられなかったやつっていうのは、
それをどうにかして自分で埋めていくしかないんだよな。
そういう戦いをしなきゃならないんだよな。
そういうのって何かきついよな」）
（つばさ「何よっ。あんたなんか有馬のこと何にも解ってないくせにっ」）
（雪野「誰も有馬の視野に入らない中でつばさちゃんだけが特別だった。
心のどこかで知っているから。
自分達は「同類」だって。
有馬の中は、もっと混沌として深いんじゃないだろうか。
私はまだ、有馬のほんの一部しか知らないのかもしれない」）
（秀明「有馬の真面目のところはどこか親父を思い出させる。
親父は駄目でも有馬は好きになれる。
有馬を好きになることで、俺はずいぶん救われたんじゃないかって、時々そう思うんだ」 ）
雪野：会わずにいるうちに有馬の色々な側面が見えてきて。
私は有馬をどこまで知っていて、どこまで知らないんだろう。
私は、彼をちゃんと理解してる？
こういう時にはっきり分かる。
私は、自分で思うほど本当は強くない。
有馬がいないとすごく不安で、弱くなる。
これからのあらすじ！
久しぶりにおじいちゃん家を訪ねる私達宮沢一家。
そこで垣間見るお父さんとお母さんの馴れ初め話。
あぁ、やっぱ誰にでも若い頃はあるのね～。
次回、カレカノ『永遠の点綴』
うぉっす！
洋之「おーい、雪野。そろそろ出かけるぞ…」
雪野「な、何よ」
洋之「好き」
雪野「ガンッ」
と言っても電車で少しだけど。
洋之「いや～しっかし、ほんと雪野はお母さん似だよなー。
ときどき昔のお母さんを見てるような気分になるよ」
雪野「子供の頃から知ってるんでしょう？」
洋之「そーう、よーく遊んだりしてたよ」
都香「お父さんいつもくだらない危険な遊びばかりしてね。
私何度も仲間にされて嫌な目に合わされたわ。あ、思い出しただけでも寒気が…」
洋之「ふん、俺も昔はヤンチャしたものだよ」
都香「ううっ…」
月野＆花野「成長してないんだなあ」
洋之「それが恋に変わったのが、お母さんが高一。今の雪野の歳なのだ。
だから最近、雪野を見ると何か妙な気持ちになっちゃうんだよなあ…」
雪野＆月野＆花野＆都香「」
小橋「ああ、ああ、来たかー。よく来たな。入って入って」
洋之「ちーっす！
なんで閉めんだよ！」
小橋「やかましい。お前はいらん。帰れ」
雪野：お父さんとお母さんは結婚を決めたのが早かった。
よって、お父さんはおじいちゃんにボコボコにされ、
今も二人は仲悪いのだった。
小橋「ふんっ！」
洋之「けっ！」
都香「ああ、また」
小橋「いやあ、三人ともしばらく見ない間にまた美人になりおって。
三人官女さんみたいだよ。」
雪野＆月野＆花野「えへ」
小橋「あんなうだつの上がらない父親の元でこんなにすくすくと。
なんて健気な孫たちじゃろう。わしゃ泣けてくるよ」
洋之「ちっ！相変わらずイヤミなじじいだぜ。
娘を取られたからっていつまでもぐじぐじと。諦めが悪いぜ。娘離れをしろっつーの」
月野＆花野「お父さんもね」
小橋「この安月給男が」
洋之「給料のことは言うなー！！」
おしまい
だまれこわっぱが
小橋「貴様のようなピーに大事な一人娘を嫁がせたわしの気持ちが分かるもんか！」
洋之「これだから昭和一桁生まれは困るんだよ。男の値打ちはピーじゃない。
この胸に溢れる愛。愛なのさ！」
小橋「愛？へっへっへー愛？ほれ、お習字にしてやるわ。愛ー」
洋之「く、く、く、くっそー！」
小橋「へへ、悔しいか？悔しいかね？愛の勇者くん。悔しかったらこの老いぼれを倒してみい」
洋之「くっそーぜってえ倒す！今日こそはこのジジイを黙らせるっ！」
都香「見て見てー昔のお母さんの写真」
月野＆花野「うわあ、雪姉ちゃんそっくりー」
都香「こうして見るとほんとそっくりね」
雪野「自分でも見分けつかないや」
洋之「なあ、可愛いだろう。お母さんは。今も可愛いけど」
小橋「雪野ちゃんはほんとに都香にそっくりだね。悪い男に捕まったりせんようにね」
雪野「付き合ってる人ならいるよ」
小橋「え！」
雪野「この人でーす」有馬の写真
小橋「ああ、なかなか爽やかな少年だ」
洋之「何その違いー」
都香「私夕飯の買い出しに行ってくるね」
洋之「じゃあ俺も行くよ」
小橋「行ってこい。そして娘の荷物を持って来い。下僕のように」
洋之「いちいちムカつく言い方するなー！」
雪野「王手っ」
小橋「ああ！」
洋之「マンションとか建っちゃってるもんなあ」
都香「懐かしいね」
洋之「うん。手、繋ぐ？」
都香「うん」
洋之：
日暮れ時。
広がる街の灯り。
どこからか流れてくる夕飯の匂い。
この時間の空気は寂しくて、でも不思議と心地いいんだ。
こんな時、よく子供の頃を思い出す。
亡くなった祖父のことを。よく登った木、友達…。
今ではもう手を触れることが出来なくなった遠い日のことを思い出すんだ。
洋之「おー！」
語り：
父・６歳。
本名、宮沢洋之。
そして、またの名を、プチデビル。
彼は、ただひたすらくだらないことばかりをしていた。
物を壊す。小学生と戦って勝つ。
セントバーナード犬を盗んで背中に乗る。（わりと悪意はない）
猫と相撲を取るなど。
そのプチデビルの名は町内に轟き、
大事なやつはやつから隠せと大人たちからも恐れられる存在であった。
奥さんとの出会いも…
洋之「バンッ！あ！」
母・４歳
洋之「お前ら遊んで欲しいのか？」
都香＆女の子A＆女の子B「うんうん」
洋之「よしよし。お前らにピッタリな役があるぞ。それはなあ…人質の役だー！」
都香＆女の子A＆女の子B「わー！あああーうわああーーん」
語り：
その出会いもまた、かなりくだらないものであった。
洋之「わかったよ。ほどくよ」
都香＆女の子A＆女の子B「おしっこー」
洋之「なに！？」
それからというもの、
自分的には小さい子を可愛がってるつもりだが、
まったくそうでないことを、奥さん達に施したりしたのだった。
子供達「もういいかーい？」
子供達「まーだだよ！」
子供達「もういいかーい？」
子供達「まーだだよ！」
子供達「もういいかーい？」
子供達「もういいよー！」
都香「あー！ひろちゃんだー」
男の子A「おい、いたか？」
男の子B「いねえぞー」
男の子A「どこだーひろちゃんは」
女の子A「どこいったんだろう」
男の子A「あっちのほう探してみよう」
女の子B「うんうん」
洋之「うん？」
都香「ひろちゃん家、お父さんとお母さんいないって本当？」
洋之「ああ、そうだよ」
都香「ふ～ん、あのね、家もお母さんいないんだ」
洋之「……」
都香「お揃いだね。うひひひひ」
洋之「お揃い？」
都香「またねー！」
洋之「じいちゃーん！ただいまー！」
洋之の祖父「おかえり。洋之」
洋之：
その頃はじいさんと二人暮らしで、
両親が残した多少の財産とじいさんの蓄えで細々とやっていたが、
寂しかったことは一度もなかった。
気づいたときにはもう二人だったし、
俺はこのじいさんが大好きだったから。
洋之の祖父「こら、そろそろ膝からおりろ。じいちゃんもう足痛いよ。
洋之は外じゃガキ大将なのに、うちじゃこんなに甘ったれで恥ずかしいね」
洋之「えへへ。いいの」
毎日は淡々と流れた
洋之：
そして、いつの頃からか、じいさんの膝で甘えることをしなくなった。
一緒の布団で寝ることももうない。
もう甘えられないと思い始めてしまったから。
洋之「うーん」
父・中学一年
都香＆女の子A「あ、ひろちゃんだー！」
母・小五
都香＆女の子A「あ、学生服着てるー！中学生だー！」
洋之「ふふん、かっこいい？」
都香＆女の子A「なんか変ー！はははははは」
洋之「はん！俺はもう今までとは違って、おめえらみたいなランドセルチビは相手にしないのさ」
都香「むっ！でもひろちゃんずいぶんゆっくりだね。
うちの隣のお姉さんは、毎日もっと早く学校に行くよ」
洋之「うお、しまったー！つい今までの習慣で、小学校の登校時間に家を出てしまったー！」
都香「ひろちゃん…」
洋之「だ、だ、だ、大遅刻！じゃあな、おめえら。俺がいなくても立派にやれよー！」しゅだーっ
語り：
実際このあと学校が別れてしまったため、
奥さんとほとんど会うことも無くなってしまった。
都香「行こっか」
父・中３
洋之「くわあー」
男子学生A「ひろ。よくそんなのんびりしてられるな」
男子学生B「今日は新入生が入ってくるっていうのにさ」
男子学生A「かわい子ちゃんが入ってるか是非チェックせねば」
男子学生B「昨日のクラス替えで女子は外れたからなー。一年生が最後の希望よ」
女子学生達「なにこいつらぶっころす！」
洋之「お前ら好きなー。俺そういうのいいよ」
男子学生A「なんだよ。盛り下がるなあ」
男子学生B「ひろって女に興味ないよな。結構女子に人気あんのに。付き合ったりせんの？」
洋之「俺、分かんないそういうの」
洋之「くわあー。
うわ、いってー。
やべ、女の子だ。だいじょう…ぶ…？」
都香「あれ？ひろちゃん」
洋之「は？」
語り：
はじめて可愛いと見とれた女の子が都香であった。
最近じいちゃん小さくなった気がするんだ。
洋之「行ってくるよ。じいちゃん」
洋之の祖父「ああ、行っておいで。洋之」
都香「あ、ひろちゃん。っと！宮沢先輩、こんにちは」
洋之「おおー。いい響きじゃねえか」
都香「いやああふあああああ」
洋之「先輩を敬うって気持ちを忘れずにな」
都香「はにゃしてほ」
洋之「じゃあな」
都香「…」
洋之「…」
女子学生A「都香の好きな人ってさ、あの三年の、宮沢さんって人？」
都香「え！？え、えーっと…うーんと…」
洋之「……！」
女子学生達「ああっ！」
都香「……」
都香「あ、ひろちゃん」
都香「でもひろちゃんが川北高校なんて意外だった。
チョロチョロしてるように見えてちゃんと勉強してたのね」
洋之「おう、俺は結構出来る男よ。ふふん、君に入れるかな。うちの高校に」
都香「楽勝だよ。今の成績なら」
洋之「うん。じゃあ他に行きたいとこなきゃ、うちの高校来いよ」
都香「うん、そういうことにする」
父・高３
洋之「ふわああー。そろそろ新入生が登校してくる時間だな」
男子学生A「なんだよ。入学式の係じゃなかったろ？」
男子学生B「可愛い子ちゃんでも探しに行くのか？」
男子学生A「それとも、麗しの背の君でもいるのか？」
洋之「ばーか」
母・高１
都香「よっ！」
洋之「早いな」
洋之「ああ、うち金ないし」
都香「ええ！？あんなお屋敷なのに？」
洋之「でかいのは家だけだもん。俺とじいさんしかいないし。
それに、やっと自分の力で稼げるんだ」
『次の停車駅は…』
洋之「じいさん、ただいま」
洋之の祖父「ああ、おかえり。洋之」
洋之：
いつの頃からか、じいさんの上に確実な老いを感じるようになった。
年寄りと暮らすのは何か切ない。
老いと共に、ただただどこまで優しくなっていくじいさんが切なくて、
いつの頃からか、強く想うようになった。
早く大人になりたいって。
守られるだけの子供じゃない。
自分の力でじいさんを支えられる大人になりたかった。
安心させて楽をさせてやりたい。
美味しいものを食べていい思いを沢山して欲しい。
今まで俺に注いでくれた愛をどうかして返したかった。
大人になれば、すべて叶う。
洋之「やっぱり病院行ったほうがいいんじゃないか？」
洋之の祖父「そんなに大げさにするほどのもんじゃないよ。
いいから学校に行っといで」
洋之「うん」
洋之の祖父「ああ、洋之はずいぶん大きくなったんだね。
この間まではまだほんの小さな子供だと思っていたのに。
もう立派な若者だ。おかしいね。今頃気づくなんて」
都香「あ、ひろちゃん！」
洋之「……」
洋之「じいさーん。食いもん作ったよ。じいさーん」
気が張ってて疲れたでしょう。何か食べる？」
洋之「いや、いい。色々ありがとな。あとは俺一人で平気だから。今日はもう帰りな」
都香「でもひろちゃん何も食べてない。そんなんじゃ体壊しちゃうよ」
洋之「ありがとう。でも本当に大丈夫だから。今日はもう帰って」
洋之「何やってんだお前。何やってんだお前」
都香「だって…！そばにいたかったんだもん」
洋之「アホ。どうして間に合わなかったんだろう。あんなに愛していたのに、何もできなかった。
いつも怖かった。いつかはじいさんと別れなきゃならないことが。
それなら何かを残してからにしたかった。なのに…苦しい。何も残せなかった。
してやりたかったことばかり。頭の中でずっと。もう何もできなくなってしまった！」
都香「でもひろちゃん。おじいさんはそんな風に思ってらっしゃらなかったかも知れないよ。
きっと、おじいさんの愛はもっと大きかったよ。
ひろちゃんがただこの世に生まれてきてくれただけで、充分満たされるくらいに。
きっと、愛はそれほど深いんだよ。
…私じゃ、おじいさんの代わりになれないかな」
洋之：
このあと、俺たちは都香の高校卒業を待って、すぐ結婚をする。
翌年から３年続けて可愛い女の子に恵まれ、生活は苦しいけれど幸せだった。
今ならじいさんの気持ちが分かる。
生まれてきてくれただけでいい。それだけで嬉しいから。
じいさんの思いは今、俺の中に流れ、子供達に受け継がれていく。
洋之・都香：
愛は広がっていくものだから。
洋之「しょうがないよ。俺じゃあの家維持出来なかったんだもん」
宮沢家・小橋「いっただきまーす！」
都香「お父さんも良い歳なんだから意地張ってないで一緒に暮らしましょうよ」
花野「そうだよー」
小橋「いやじゃ。子供に心配されるようになったらおしまいだね。
わしはわしで自由にやりたいんじゃ」
洋之「なんだよ。おしめくらいいつでも俺が取り替えてやるのによ」
小橋「やかましいわ！このチンピラが！」
都香「お父さん！」
小橋「ふん！」
都香「ったくもう、いつまで意地張ってるつもり？」
小橋「うるさい、まったく。わしを何だと思っとるんだ」
都香「お父さんご飯粒飛んだ」
小橋「うるさいな」
都香「やっぱり一人じゃ無理じゃない」
洋之：
愛は広がっていくものだから。
これからのあらすじ！
長くて短い夏休み。
待てど暮らせど未だ彼氏戻らずのお姉ちゃん。
友達とのおしゃべりや勉強に日々を費やせど、心の空白は埋まらなかった。
そして、待望の有馬総一郎が帰ってくる。
だが、しかし！
次回、カレカノ『彼の去来』
うぉっす！
８月に入り、有馬はインターハイに行ってしまった。
雪野「あれ？あ、有馬からの手紙だー！」
大抵の用は電話で済んでしまう昨今。
手紙というのは意外です。
雪野「何だろう、何だろう」ドキドキ
総一郎：
『長野の合宿でのお土産です
八月五日に帰ってきます』
雪野「（なんて簡潔な）」・・・
雪野：
でも、封筒を開けたとき、かすかに有馬の匂いがした。
なんかそれでもうどうにもならなくなってしまった。
雪野「……」
つばさ「ぺろ」
椿「有馬背伸びて雰囲気変わったちゅうか、かっこ良かったよ。
あの顔で背伸びたらデルモだよね、あの人」結局美形なら誰でも可？
雪野「（どよん）」
椿「おや、どうしたのだ？ゆきのん」
雪野「私もなんか部活やろうかな」
椿「どうしたの急に？ゆきのんならバレー部大歓迎だけど」
つばさ「あーんガブッむしゃむしゃ」
真秀「！？」
雪野「だって私何もしてないんだもん。有馬は部活やったり背伸びたりしてさ、
色々あるのに、私こうしてても何も変わりないんだもん」
椿「けっ、なんだい。色恋沙汰の愚痴かよ。金ももらえねーで付き合ってられっか。
帰っぞもう。私彼氏いないからそういうのわかりましぇーん」女一匹カレシいない歴16年の重み
雪野「分かったわよ悪かったわよ！言わないわよもう」
雪野「うん、でもそれはやって当然というか、勉強やるにしても宿題もうやっちゃったし」
椿＆亜弥「！！」
雪野「結構暇あるんだよね。見栄を張るためのトレーニングの時間が無くなって、暇になったからさ」
椿＆亜弥「ゆきの～ん。エヘヘへエヘヘへ。宿題写させて使わさい！」
雪野「一科目につき、1000円」
椿＆亜弥「汚っ！」
椿「ひどいわ。友情にお金を持ち込む気？」
亜弥「情けは人の為ならず。経済が世のすべてを支配してる訳じゃないぞ」
雪野「その件について私は開き直ったの。
私の頭脳は金になるわよ。このまま行けば将来医者も弁護士もなり放題。
いずれ年収2、3000万稼ぎ出す頭なのよ。
だから今から自分を安売りなんかしないのー」地獄の沙汰も金次第
椿「くっそーこれだから頭のいいやつは」
真秀「宮沢もすっかり猫かぶり抜けたよな。
前はいくらでもノート貸したりして、完璧みんなを騙し抜いてたもんだけど」
椿「ああ、じゃあね、演劇部は？」
雪野＆真秀「はあ？演劇部！？」
話つくれるやついるだろ。←亜弥
服作れるやついるだろ。←りか
綺麗どころ」
真秀「私？」
椿「そして演技の達人」
雪野「嬉しくないなあ…」
椿「ほらー出来るじゃない、演劇部がー。ケーッケケケケ」
雪野「何面白がってんのよ！じゃあ椿は何やんのよ！」
椿「えー私はバレー部だから関係なーい」
雪野「汚っ！なーいない。それは絶対ない。そもそもうちの学校演劇部なんてないじゃないよー！」
つばさ「うおおおおおおああああおお」
亜弥「おっ、うーん」
りか「なんか来た？」
雪野「ちょっと余計なこと考えないでよ！椿がからかってるだけなんだから！」きい～
椿「カーカッカッカ」
亜弥「さよなら」
つばさ「バッハハーイ」
椿「じゃあね、またね」
りか「ばいばーい」
雪野「…！」
（総一郎「しばらく会えないんと思うんだよ」）
（雪野「うん、インターハイ頑張ってね」）
雪野：
駄目だ。ほんの少し有馬と離れるだけだって思ってたけど、
どうして私は有馬がいないと途端に駄目になってしまうんだろう。
あと３日。
暗い…。
あと２日。
ああああー。
都香「雪ちゃーん。伊沢さんから電話よ」
雪野「ん？」
真秀『一昨日宿題全部終わったって言ってたでしょう。
いくつか引っかかってるとこ教えてもらいたいんだけど』
雪野「わーった」
雪野「な、なんか、変かしら？おほほほほほ」
真秀「異様なオーラを発している。
宮沢みたいな強靭な精神力の持ち主でも、有馬いないと寂しいんだ」
雪野「うっ！」図星
雪野「体育祭の時もそうだった。有馬がいないと急に駄目になる。
うすうす気づいてたんだけどね。
見栄とか意地とかを抜いちゃうと、私って気が小さいんだ。
あー自分がやだ。有馬はちゃんと自分のやることやってるってときに、
じめじめ何にも出来なくなっちゃう自分がー！いやー！」い～っ
真秀「人んちで騒がないで」
雪野「うーん、でも有馬ってちょっと好みが変だから。
あさぴんといい、（秀明「メリーちゃん」）←ありまのおともだち↓
つばさちゃんといい、（つばさ「余計なお世話だっつーの。だったら出番もっとよこせ」）」
（雪野「世の中金じゃー」）←ありまくんのシュミ。」
真秀「確かに」
雪野「よく分かんないけど、そういう受け身の女の子を有馬は好きにならないと思うのだ」
真秀「別にいいと思うよ。心のバランスが取れなくなるから、恋愛でしょ。
かっこつけて上手くやっているうちはまだ本当じゃない。
それはまだ相手より自分の心を大事にしてるってことだよ。
心のバランスが崩れるほどに人に会った。だから心を奪われるって言うの」
雪野「おっとなー。私は今初めてお姉さんと呼びたい人に出会った。おねいさーん」
真秀「からかうならもう言わない」
雪野「あ、うそっす。うそ。まほりんは今恋をしているのね。付き合ってるの？」
真秀「うん」
雪野「まほりんが好きになる人って想像つかない。どういう人？」
真秀「28歳歯科医師」
雪野「おー」
真秀「相手は完全な大人だからまるで歯がたたないんだ。
余裕がある。優しくて強いよ。好きっていうのもあるけど、憧れてもいる。
私はあの人から尊敬される人間になりたい」
雪野：
どっちかっていうと硬派でアニキ系のまほりんがはじめて柔らかい表情を見せる。
（月野＆花野「オッス！」真秀「アニキ！？」）
恋は不思議。
心には形も重さもない。大きさも深さもはかれない。
その正体を誰も見たことがないのに、確かに痛むんだよ。
あの人にだけ反応する。
明日になれば会える。
今日が一番長いだろうなー。
雪野「ペロペロー遊び行こうか。妹たちは部活だよ」
ペロペロ「ぺろぺろぺろぺろ」
雪野「ペロペロ。慰めてくれてるの？（泣）」
ペロペロ←特にイミはなかったらしい。
雪野「（汗）」
雪野：会いたい。そばにいたい。
離れてはまともに生活することも苦痛。
本当は私は…本当は私は…
自分で思ってた以上に有馬のことを好きなんじゃないか？
私が子供で、だからそのことを知らなかっただけで本当は。
本当はずっと前から。
雪野「はーい。
ペロペロー。ボディガードだ」
総一郎「こらこらこら。普通気づかないでいっちゃうかな」
雪野「…！」
総一郎「ただいま」
雪野「……げっ！あっ！先に！」
総一郎「舌が…」←ペロペロの
雪野「わあー有馬ー！」
総一郎「わー！宮沢ー！タックルー！？」
雪野：それにしても有馬。
しばらく会わないうちにまたえも言えぬ色気が。
雪野「フヒヒヒヒ」
総一郎「うん？」
雪野「帰り早くなったんだね」
総一郎「うん。本当は明日の新幹線でみんなと帰ってくるんだったんだけど、
打ち上げの幹事とかまたなんか色々責任任されそうだったから適当に理由付けて帰ってきてしまった」
雪野「へえ、めずらしい。有馬もそういうことするんだ」
総一郎「まあ、あのままじゃいつ宮沢に会えるか分からないから」
雪野「えへ。これからはずっと休み？一緒に遊べる？」
総一郎「うん。ちょっとは部活とかあるけど、もう丸一日つぶれるとかいうことはないよ」
雪野「ふーん♪」
総一郎「休み中どうしてた？電話でも聞いたけど」
雪野「宿題全部やった。あと友達と遊んでワイドショー見ておじいちゃん家行って」
総一郎「ふーむ」
雪野「でも有馬いなかったから淋しかったよ！」
総一郎「そ、そ、そ、そうか！う、うん、僕も！」
雪野「えへ」
総一郎「うん、関節動かすたび痛くて、試合前だからきつかったよ」
雪野「試合どうだったの？」
総一郎「あ、優勝した」
雪野「優勝？」
優勝
＜ゆうしょう＞
第一位で勝つこと。
また、その順位。
制覇。
「彼は大会で―した。」
雪野「えー！優勝って優勝って一等賞のこと？有馬は、有馬は、剣道の日本一になったの？」
総一郎「う、うん」
雪野「すっごーい！すっごーい！すっごーい！」
総一郎「み、宮沢？」
雪野「うわーすごいなー！かっこ良かっただろうなあー！
見たかったなー。すごい。偉かったね、有馬」
雪野：
一瞬
なんてキレイな
男だろうと思った
総一郎「やっぱり宮沢といる時が一番いいな」
雪野：
私の中に初めての感情が起こった。体全体に広がって、私を支配してしまう。
なぜ今まで彼といて平気だったんだろう。
こんなに想われていて、息も出来ない。
こんなことがあるんだろうか。
私は同じ人にもう一度恋をしてしまった。
雪野「押忍！」
総一郎「お昼食べてきた？」
雪野「ううん、朝だけ」
総一郎「上演時間までまだあるから何か軽く食べていこうか？
うーん開放感。もう完全に自由だと思うと幸せだ」
雪野「あは、はは」
雪野「インターハイで優勝するってどんな感じ？」
総一郎「え、うーん、まあそれなりに」
雪野「それだけ？自慢していいのよ」
総一郎「決勝はうちの主将とやったんだよ」
雪野「へえ、すごい。うちの剣道部って強いんだね」
総一郎「主将は去年決勝で敗れていて、今年こそはって頑張ってたのを見てるし、
僕は１年だし、どうしても主将に勝ってほしいって気持ちが生まれちゃうんだ」
＜回想中＞決勝戦前
主将「有馬、お前、俺に勝ってもらいたいって気があるだろ」
総一郎「（汗）」
主将「そんな甘い気持ちは捨てろ。俺はお前と一度全力で戦ってみたいと思っていたんだ。
もし少しでも手を抜くようなことがあれば、俺は力づくでお前の唇を奪っ…」
総一郎「全力でやります！」
主将「遮るなよ」
雪野「…それで先輩をぶちまかしたの？」
総一郎「いや、本気でやって負けてもなんか言いがかりつけたりされそうでつい、時々目つきがおかしいんだ！」
雪野「有馬には本当に殿方におモテで合宿とかで大丈夫なのかしら？お風呂とかでいつも…」
総一郎「言うな！それ以上は言うな！想像とかもするな！」
雪野：
有馬の声、髪、表情、話し方…まるで心地いい音楽の中にいるみたい。
し、しまった。
こんな肩出た服来てくるんじゃなかった。
有馬が私を見るだけで、動けなくなってしまう。
有馬が私のように子供だったとは思えない。
気持ちを押し付けることのない人だから、分からずにいたけど、
でも時々そういうことはあったもん。
今思うと、私があまりに幼稚なので合わせてくれたんだな。
感情表現犬だし。
有馬に伝えなきゃ。
前よりずっと好きになったの。
有馬のそばにいるだけでドキドキする。
恥ずかしい～！
いや、こういうことになると急に内気になるのは私の悪いくせだ。
大事な気持ちはちゃんと言わなきゃ。
きっとすごく喜んでくれるぞ。嬉しいなー。
私でも有馬を喜ばせることが出来るんだ。
でも、言ってしまったあと私達はどうなってしまうのだろう。←ちょっとそーぞうしてしまった。
総一郎「何か飲む？」
雪野「ううん」
総一郎「あ、ごめん」
雪野「いや、べ、別に」
雪野「特に金星での対決のところがもうスカーッとね！」
総一郎「これからどうしようか？行きたいとこある？」
雪野「え、い、いや、別に」
総一郎「今日元気ないね」
雪野「え」
総一郎「時々黙ってるし。どっか調子悪い？」
雪野「え、あ、いや、そういう訳ではなくて。
えーっと、あの、あの、あのね。
（さあ、勇気を出して言うのよ！宮沢雪野！）
（言え！言ってしまえ！）
いやー！今はちょっと。後で話す」
雪野：
まずい、絶対変と思われたよ。
好きっていうだけなのにな。
どうしてこう不器用だろう。
他のことなら何でも上手くやれるのに。
気まずい。
でも絶対有馬に言うんだ。
有馬の喜ぶ顔が見たい。
総一郎「なんで僕を避ける？」
雪野「避けてない」
総一郎「嘘だ。しゃべらないし、目を合わせないし。僕何かしたの？」
雪野「違う」
総一郎「昨日はあんなに喜んでくれたのになんで？」
雪野：
あまりにも有馬への気持ちで溢れていて触れるのも怖い。
雪野「あ、ご、ごめん、ごめん！私！」
雪野：
馬鹿！どうしていつも大事なことが言えないの！？
小心者！
卑怯者！
嘘つき！
見栄っ張り！
自分が大っ嫌いだ。
傷つけた。
有馬の心を傷つけた。
「覚えていてね 僕は宮沢さんが好きだから」
「気持ちは変わらなかったな 好きだったな ずっと」
「本当の両親は蒸発してしまったんだ ――― 僕を残して」
「親戚が集まったとき 面と向かって言われたよ」
“あんな親から生まれたものはろくなものにならない”）
雪野：
彼は何より、拒絶されるのが怖いのに。
だ、駄目だ。このまんまじゃ。
ちゃんと謝って分かってもらわなくちゃ。
雪野「あ…！」
総一郎「離さないから！避けられても嫌われても関係ない！
宮沢を振り向かせるまでにどれだけ待ったと思ってるの！もう待たない！
宮沢の気持ちなんか知らない！
僕は宮沢を手放す気なんて少しもないんだ！」
雪野「もういいよ。怖がらせてごめんね。
避けたんじゃないの。
有馬に触れなかったのは恥ずかしかったからだよ。
目を合わさなかったのは、どうしていいか分からなくなるから。
昨日久しぶりに有馬に会って、前よりもっと好きになったって気がついた。
前よりもっと有馬が好き。そばにいるだけでドキドキするよ」
総一郎「嬉しい」
やっと言えた。有馬に伝えられた。
有馬が受け止めてくれてすごく嬉しい。
ずっと付き合ってたのにはじめて両想いになるみたいだ。
総一郎「僕だって宮沢といるときはあがるよ」
雪野「そ、そ、そうなのか？そういう風には見えないが。こういう女相手になるか？普通」
総一郎「なるよ。それは。好きな人は特別だもん」
雪野「なんか私幼稚で、有馬も苦労ばっかりね」
総一郎「うん」
雪野「えっ」
総一郎「いや、別に大丈夫。宮沢がいれば毎日幸せだから」
雪野：
有馬のそばにいるのがとても気持ち良くて、いつまでも登りかけた月を見てた。
これからのあらすじ！
有馬君が帰ってきた！
やたらとはしゃぐお姉ちゃん。
だが当の彼氏は己の現実に対処し切れなくなってきていたのだ。
そして遂に、ある一線を越えてしまう時が！
次回、カレカノ『シン・カ』
うおっす！
ま、逃げじゃなきゃいいんだけどね。
総一郎「え」
雪野「全部やってあるから、見ていいよ」
総一郎「え、いいよ。悪いよ。そのくらい自分でやるよ」
雪野「いいからいいから。有馬インターハイで、ずっと勉強できなかったでしょ？
私がやっておけば、有馬その分時間ロスしないで自分の勉強できると思って。
頑張ったんだ。使ってよ」
総一郎：
色素の薄い髪。
知性的な眉。
その下の表情豊かな目。
細い首。
あったかく、やわらかい体。
いっそ抱いてしまいたい
有馬の伯母「おはよう」
有馬の伯父「おはよう」
有馬の伯母「いつものことだけど、有馬の家の人たちに会う日は気が滅入るわ」
有馬の伯父「相変わらずな人たちだからね。揃いも揃ってよくもまああれだけ意地悪くなれたもんだと思いますよ」
有馬の伯母「あなたは少しもそんなことありませんのに」
有馬の伯父「とにかく、我々が沈んでいても始まらない。
一番被害を受ける人がここにいますからね。私達がしっかりしなくては」
総一郎「ははっ、そんな心配いらないよ。もう子供じゃないんだし。
いちいち気にしたりしたりなんかしてないよ。
……」
総一郎：
僕の家は、江戸時代から続く医者の家系で、
都内の総合病院の院長である父を筆頭に、医師、製薬会社の役員を務める親族がずらりと並ぶ。
つまり、そういう家柄だ。
そして何より、この家柄を大事にする。
有馬の一族において、僕はただ一つの、汚点だったのだ。
有馬の伯母「詠子姉さんお久しぶり」
詠子「志津音さん、お久しぶり」
総一郎「詠子伯母さま。ご無沙汰しております」
詠子「…」
総一郎：
僕はこの一族の間で疎まれている。
それは僕の出生に関わりがある。
今の両親は僕の本当の両親ではない。
実の父親の一番上の兄にあたる、正しくは伯父夫婦だ。
詳しくは知らないが、実の父親はこの家に馴染まなかった。
ひどい不良で、何度も問題を起こし、最後は多額の借金と僕を残し、
家の金を持ち出して失踪してしまった。
厄介者の子供。幼い頃からそういう目で見られて来た。
従兄弟A「おいおい、ここは普段着でくるところじゃないぜ」
従兄弟B「馬鹿だな。あれは公立高校の制服だよ。そんなこと言っちゃ可哀想だろう」
従兄弟A「へえ、あれが。さすが。よくそんな安っぽい服着れんな」
従兄弟A＆B「あははっあははははっ」
従兄弟A「なんだよ、無視かよ。気取んじゃねえよ。厄介者のくせによ。お前は黙って俺たちに服従すんだよ」
従兄弟C「よせよ」
従兄弟A「けいちゃん」
従兄弟C「そいつは無視することくらいしか出来ないんだからさ。そのぐらいさせてあげなきゃ」
従兄弟A「ああ。あははっあははははっ」
従兄弟A＆B「あははははっははははははっ」
詠子「あの子、しばらく見ないうちに怜司に似てきたわ。顔見てゾッとした。
いやだわ、昔を思い出す。汚らわしい。
どうして怜司みたいな子がこの家に生まれたのかしら。
どれだけお父様に恥をかかせたか知れない。
あなたもよくあんな子を育てる気になったものだわ。
施設にでも預けてしまえば良かったのに。
あの子は大丈夫なんでしょうね？性質まで怜司のを受け継いでいないかよく観察しておくのよ。
甘やかして、自分にも有馬の家のものをもらう権利があるだなんて思わせないこと。
この家に置いてもらってる身だってことをいつも分からせておくのよ。
ふん、忌々しい。早く卒業してこの家を出ていってくれればいいのに」
有馬の伯父「姉さん、いい加減にしてください」
詠子「ん？」
有馬の伯父「子供相手にむごいことを。
総一郎にいったい何の罪があると言うんです。
この家の人間はただ怜司の子だというだけであんな子供を責めて。
私からすればあなた達のほうがよほど恥ずかしい。
あの子は頭も性格も良い。
自分が置かれている立場をよく分かっていますよ。
しなくていい努力ばかりして。
彼は県立でもトップの学校に主席で入学しましたよ。
あの子を見下すと言うのなら何を根拠に優越感を抱いているのか。
出来がいいとかの悪いとかの問題じゃない。
私はあの子が可愛い。彼は私と妻との子供です。
私達の子供を悪く言わないでいただきたい」
総一郎「……」
こんな日は、憎悪と、
そして自分の存在を黒いシミのように思うような気持ちとに苛まれる。
あいつらが大嫌いだ
ただいい家に生まれたというだけで
総一郎：
そして、消えてしまいたい。
それでも前向きにやってこられたのはただ今の両親が好きだったからだ。
（総一郎「……」）
（雪野「有馬も私に甘えていいからね」）
（雪野「一番取るより、有馬といるほうがずっと嬉しかったもん」）
（雪野「前よりもっと有馬が好き」）
（雪野「私が宿題やっておけば、有馬時間ロスしないで済むと思って。
頑張ったんだ。使ってよ」 ）
総一郎：
特別大切な人が、僕を特別大切に想ってくれる。
それだけでもう。
総一郎「はい」
雪野『あ、いたいた。良かった。私でーす』
雪野「やあ、今日は出かけるって聞いたから、いなかったらどうしようかと思ったけど、
いて良かった」
総一郎「どうしたの？急に」
雪野「レポートひとつ忘れてたの。今日椿に会った時に帰ってきたんだ」
総一郎「なんだ。言ってくれれば取りに行ったのに。ありがとう。
上がってく？もらいもののアイスあるけど」
雪野「やったー。ラッキー。食べる食べる。おじさんとおばさんは？」
総一郎「まだ帰ってないよ」
雪野「ふ、二人っきりですか？緊張しますなあ」どくどく
総一郎「別に何もしやしないよ」
雪野「ふーん、そうか」
（総一郎「なぜ寂しそうになるんだろう」）わかりません!!
雪野「んーおいしー！」
総一郎「宮沢」
雪野「ん？」
総一郎「キスしてもいい？」
雪野「キャー！なによー嘘ばっかしー。なんにもしないって言ったじゃーん」うれしそう
総一郎「ごめん、もうほんとに何もしないから。
でも僕はそのうち宮沢を抱くかもしれない。抱きたいんだ」
総一郎：
この唇も目も手もすべて、
君を感じるためのもの。
さあ、どこへ行こう。二人で。
（総一郎「僕は宮沢を抱くかもしれない。抱きたいんだ」）
雪野「つめたっ！うわっ、あ、有馬！」
総一郎「あはは。驚いた？」
雪野「ど、どうしたの？よくここがわかったね」
総一郎「宮沢ん家行ったらこの辺じゃないかって」
雪野「電話もなしにうちに来るなんてめずらしい」どきどき
総一郎「昨夜からまた秀明泊まりに来ててさ。ベタベタしてうるさいから逃げてきた」
雪野「あさぴんも嬉しいんだよ。久しぶりで」
総一郎「あー失敗した！急に変なこと言って宮沢を不安にさせた。昨日はどうかしてたんだ。
説得力ないけど、でもどうしても宮沢とそういうことがしたいっていう意味じゃないから。宮沢がいやなら絶対に何もしない。
…何？」
雪野「うん？あ、いや、どうして急にそんなこと言ったんだろうって思って。
今まであまりそういうの表に出さなかったから。でも、なんか今分かった。
なんていうのかな。もっと精神的なことなんだよね。有馬が言ってるのは」
雪野「あ！」
雪野：
不思議な感じ。
体はまだ触れていないのに、心は今、確かに触れている。
雪野：
それから私達は、残りの夏休みをいつも通りに楽しんだ。
雪野「うわーそんなにどうするの？借りるの？」
総一郎「うん、宮沢が宿題やってくれた分、時間に余裕が出来たからさ、
休み中に30冊は読みたいと思って。せっかくなので」
雪野「えーなにそれ！じゃあ私も私もやる！私は50冊！」
総一郎「なんでそう戦い好きなんだ」
雪野：
みんなで海へも。
秀明「うあはははー有馬有馬ー」
総一郎「…」
雪野「あはは、楽しいわねー」
椿「うわーあはははー」
りか「あーもーやだーうふふ」
雪野「あはは、ほら、ナマコーびろーん、あははは」
秀明「総一郎くーん、オイル塗って～」
総一郎「やだよ」
雪野「有馬ー！オイル塗ってぇ～」
総一郎「いやだ」バカばっかりだ
椿「あーあいつは」
りか「原稿書いてるよ。今は寝てると思うけど」
椿「あいつ今昼夜逆転してて、太陽見ると目眩するんだって。
いやだねー物書きは呪われた職業だよ。肌青白いんだぜ。夏なのに」
雪野：
そういえば、ここ椿とあさぴんいるんだ。
同じ女大好き人間同士、友情が芽生えるかしら。
雪野「！」
椿「（ぎゅっ）」
秀明「あっ」
雪野：
だめだ、女を独り占めしたいもの同士、縄張り意識が芽生えている。
あさぴんとプリプリ美少女つばさちゃんはどうだろう。
雪野「あ！」
秀明「（キラーン）」
総一郎「芝姫、これあげるから、あのエッチなお兄ちゃんに近づいたらいけないよ。分かった？」
つばさ「がぶっ」
秀明「えーん」
雪野：
兄がいたか。
総一郎「朝からずっと勉強だもんな」
雪野「うん」
雪野「お盆過ぎると夕方は涼しい風が吹くね」
総一郎「空も高くなったもんな」
雪野「夏ももう終わりかあ。へっくしゅん」
総一郎「平気？宮沢いつも着るものが薄すぎるんだよ。そんな…」
雪野「……」
総一郎「……」
総一郎「急ごう。早くしないと降られる」
雪野「うーやられた…あ、ありがとう…バス来ないね」
総一郎「……じゃあ、うちへ来る？
少し歩くけど、いけない距離じゃないから。
でも、今日うちは誰も帰ってこない。どうする？」
雪野「……嬉しいね」
総一郎「え？」
雪野「私達の間に今みたいな時があること。すごく素直にお互いを好きでいて、
信じ合っていて、迷いがなくて。
今くらい幸せなことって生きててそういくつもないから。だから忘れない。
どんなに時が経って、年を取ってしまっても、覚えてるのよ」
雪野「頭がおかしくなりそう…ん、あっ…！」
（幼い雪野「あ！」）
（幼い総一郎「……」）
雪野「むにゃ～」
総一郎「……「７時か。よかった、そんなに遅くない。
夜中だったらどうしようかと」
総一郎：
あったかい。
総一郎「（適当に作ったけど。旨くないと思うけど）」
雪野「（まあ！）いや～！新婚家庭みたい！」らぶっ
もう一人の総一郎「お前これで幸せになれるとでも思ってんの？お前の傷はそんなに浅かないだろう」
幼い総一郎「うわあああーん」
詠子「お前の顔見るだけでイライラするよ！
びくびくおどおどしやがって！可愛げのないガキ！
お前なんか産むんじゃなかった！なんだいその目は？
誰のせいでこんなに苦労してると思ってるんだよ！」
幼い総一郎「うわー！ああああーん！」
容赦ない暴力
あびせられる残酷な言葉で
心はズタズタ
苦しい事ばかり
生まれてこなければよかった
総一郎「よせよ！なんで思い出させるんだ！」
生まれテきたくなかった
もう一人の総一郎「幸せになろうなんて思うからだよ。
そういうところから心がほつれていくのさ。
お前は俺から逃げられない。俺はお前に含まれている。お前の裏の半分。
お前の足元の影。俺はお前なんだから」
総一郎「おえっ、うっ…はあはあ」
総一郎：
覚めない夢。
いつまでも終わらない悪夢。
これからのあらすじ！
遂に大願成就！一身同体を経験したお姉ちゃん。
だがそんな事とは関係なく、時の流れは夏の休みを終わらせる。
そして二学期が始まり謎の転校生現る！
次回、カレカノ『 14DAYS・1』
うおっす！
日本は戦後最大の経済的不況に喘いでいた。
度重なる連鎖式倒産。増加を続ける失業率。
目に余る青少年の凶悪犯罪など、
世紀末と呼称される言葉のイメージによって翻弄されるにふさわしい、
場所と時代になっていたのである。
時を同じく、神奈川県立北栄高校1年A組所属の仮面優等生宮沢雪野は、極度の見栄王であった。
彼女を変えた有馬は、一人で不幸を抱え込もうとする本物の優等生であった。
この二人は、すったもんだの末、二面性を持った優等生として秘密を共有する関係となり、
後に、クラス委員の相棒、仲のいい友人、友達以上恋人未満という段階を経て、
晴れて彼氏彼女という関係にまでたどり着く。
そしてお互いの人生に触発された二人は、自分達の本当の幸せのために生きていこう、と決心するのだった。
己の刹那な幸せを噛みしめる宮沢雪野。
だが、世間様は厳しかった。
自らの野望、浅葉メリーランド計画遂行のため、彼女にケチをつけ、
あわよくば別れさせ、フリーへと戻った有馬を利用しようと画策するふしだらな変態美形、浅葉秀明の出現。
ラブパワーに身を任せ、二人して遊びほうけていたことに起因する期末試験の成績下落。
それにより発生する彼女の一方的な阻隔感覚。
加えて二人の成績不振を阻止せんものとする学校教師による、二人の親まで巻き込んだ干渉と圧力。
宮沢雪野の行動を独自に分析、その正体を見破った伊沢真秀の先導によるクラス女子全員による宮沢シカト事件。
中学時代から有馬に心を寄せていた芝姫つばさによる嫉妬に満ち満ちた肉体的連続攻撃。
夏休みのクラブ活動のために引き起こされる有馬とのしばしの離別。
よその家庭の再婚問題。
などなど、次々と世間の荒波が大攻勢をかけていったのである。
だが彼女は襲いかかる数々の試練にも耐え、逆に友人を作り、
人生経験を着実にステージアップさせていくのであった。
一方その頃、己の現実に対処しきれなくなった有馬は、宮沢雪野への依存を顕にする。
その事実を受け入れ、雪野は彼に身を委ねる。
彼女はついに立ち上がった。
そして、今日もまた平穏無事な一日が始まろうとしていた。
だが、しかし！
家族達「行ってらっしゃーい！」
雪野：
二学期が始まりました。
それにしても、夏休みの間には色んなことがあった。
みんなとカラオケ行って、大騒ぎして、
つばさちゃんが家に泊まりにきて、大変なことになって、
あさぴんが遊びにきて、お父さんが大騒ぎして、
おじいちゃん家遊びに行って、お父さんが大騒ぎして、
みんなで喫茶店行って、大騒ぎして、
まほりん家行って、まほりんが歯医者と付き合ってて、
有馬が帰ってきて、チューして、
デートに行って、チューして、
有馬ん家行って、ちゅーして、
また有馬んち行って、チューして、
そのあと、そのあと、そのあと…///
8:15
通学路
雪野「あーりま！おっはよー」
総一郎「おはよう」
雪野「普通の時間に登校なんてめずらしい」
総一郎「今日は朝練がないんだ」
雪野「なんだ、言ってくれたら待ち合わせとかしたのに」
総一郎「宮沢…でも、昨夜電話したらいなかったよ」
雪野「ああ、家族の納涼カラオケ祭りに行っていた時だわ。
私も一時間だけ参加したのよ。時々父の歌声を聴きたくなるのよね」
総一郎「ふーむ。でもなんで一時間だけ？」
雪野「おーっとー！そりゃ今日が夏休み明け実力テストの日だからよ。
久々の首位奪還を狙うからだわ。ごめんなさい、私やっぱり1番のままでいたいの。
2番でも、3番でも、4番でも駄目なの。1番でなくちゃいけないのよ！
高校に入ってからというもの1番お預け状態が続いてほとんど禁断症状よ。
という訳でテストの前では私たちは雌雄を決する敵同士よ。気安く声を掛けないでくださいね。
でも、普段の二人は別よ。いつもはラブラブなの。ぶちゅっ。
いやー！もしかして私達ってすっごいラブラブ！恋人同士みたい！
人に見られちゃったりなんかりしちゃったらどうしよう！いやーー！！
さて。早く学校行って勉強よ。おっさきー！」
総一郎「自分から声掛けてきたのに…」
12:05
廊下
（テストは午前中で終了）
秀明「総一郎くん、みやっざわー。アロハ～」
雪野「いーーやーーーあ、あさぴーん」
総一郎「お、お前は」
秀明「イエーイ」
総一郎「まーた、チャラチャラチャラチャラして。なんだよ、その貴金属はよ」
雪野「いや、いや、いや、いやーいーーーやーーーーー。
優等生の私がこんな夏休み中命懸けで遊んでたような男と並ぶのはああああ！！
か、川島先生…が、学年主任の川島先生よ」
総一郎「知らないからな。絶対坊主にされて二学期早々また長ーいお休み食らうからな」
秀明「えー」
雪野「このおバカ」
川島主任「ほどほどにな…」
秀明「はーい」
総一郎「あのお年でこんな異星人の指導していかなきゃならないなんてな」
雪野「気の毒だわ。
あ、抜け毛」
総一郎「うん」
12:15
自習室
雪野「おーっす。弁当食べよ」
椿「うっす」
りか「久しぶり」
椿「なに？またダンナも一緒？ベタベタベタベタ暑苦しいなー。
目の前でいちゃついたりしないでよ。うざったいからー」
雪野「いちゃついたりしてないでしょ！」ホームルームのうちあわせするのよ！
総一郎「なに秀明昼パン？しょうがないな。僕の少しやるよ。栄養とかちゃんと考えろよ」
雪野＆椿「……」
秀明「あーんってやってよ」
総一郎「バカ。なに言ってんだよ」
秀明「ほらほら、あーん」
椿「う～ん、少年同士っていうのもなかなか悪くないわね」
雪野「ご飯が美味しく食べられるでしょう」
総一郎「文化祭のことを話し合うんだって」
雪野「がっ！また多忙な日々か。いつだっけ？文化祭」
総一郎「9月15日」
雪野「2週間で文化祭やれっつうのが無茶あるんだよな」
総一郎「運動部とかは夏休み中から準備してるらしいけどね」
雪野「この暑さじゃ勉強モードに入れないしって言うことでしょ」
椿「女子バレー部は女子柔道部とホストクラブやるよ。お姉ちゃん達とうっはうは！」
りか「手芸部はドールハウスを作ります」
雪野「いいねー楽しそうで」
椿「いいじゃん、あんたダンナいるし」この辺みんなフリー
総一郎「だからダンナって言うな佐倉！」
りか「有馬くんと色々見て回ったりしないの？」
雪野「そりゃ時間があればね。たぶんまた複数の委員会を掛け持ちとかさせられて、
みんなが楽しんでいる時、意識朦朧としながら汗まみれ埃まみれで駆けずり回ってると思うわ」
総一郎「僕、体育祭の終わりの頃の記憶ほとんど残ってないや」
椿＆りか「頭のいい人達は大変なんだね」
つばさ「うわっしゃーーー」
雪野「あ、いた」
椿「こんなだからね。お菓子でも与えておとなしくさせとかないと」
雪野「ケモノか…真秀さんは？」
真秀「私学校行事って興味ないから、家で寝る」帰宅部
雪野「ふーん。あさぴんは？」
秀明「別に。クラスで何かやんのするくらい。あとは狩猟かな？女の子の」
雪野「そ」
椿「なんだ？皆やる気ないなー。現代の若者は薄いのー」
雪野「そりゃ椿が濃ゆいんだよ。ホストクラブは楽しいでしょうよ」
椿「そうかー？」
雪野「あーあ、私も真秀さんみたく家で寝てたいなー。考えるだけで今からだるいわ」
雪野「亜弥ちゃん何してるの？」
りか「創作活動」
雪野「ふーーん…」
先生「悪いね。君だけ別室でテスト受けてもらって。
転校生を紹介するなら午後のホームルームのほうががいいだろうと思ってね。
三年振りにこの街に帰ってきた気分はどう？十波くん」
1:40
１年Ａ組
雪野「では、ホームルームをはじめまーす。先ほど生徒会から配布されたプリントを元に、
今月15日に行われる文化祭についての話し合いをします。ていうか、
私も有馬も忙しいので、自分達のことは、自分達で決めて、適当にやってください。以上」
クラスメイトA「ちょ！学級委員そんなんでいいんですか！」
クラスメイトB「クラスのこともっと真面目に考えてください」
雪野「うっさいわね！私はテスト以外のことなんか真面目に考えたかないのよ」
クラスメイトA「汚っ！」ブーブー
クラスメイトB「超汚れ級長！」ブーブー
雪野「何とでも言いなー。こんな何の得にもならんことするくらいなら、
家帰って耳ほじってたほうがマシよ」
クラスメイトB「無責任！」
クラスメイトC「ちゃんとやってください！」
クラスメイトA「みんなの文化祭です！」
クラスメイト達「リッコール！リッコール！リッコール！」
雪野「知ったこっちゃないって言ってるでしょうが」
クラスメイト達「うっそー！サイテー！信じらんなーい！」
全参加団体の中から利益プラス利用客数の総合一位が発表される。
ただし、実行委員によって強引な客引き行為があったとみなされた場合は除外。
一位の団体には教師側から
・焼き肉券
・秋遠足 好きな所へ行ける券
・東大合格卒業生の在校中の全ノートのコピー
から、ひとつの権利が与えられる」
男子生徒「焼肉！」
女子生徒「ディズニーランド！」
雪野「ノートのコピー！」
クラスメイトD「だから去年学校下見しに文化祭来たとき異様に盛り上がってたんだ」
クラスメイトB「運動部が夏休みから準備する訳だ」
クラスメイトE「一般の生徒には不利だよなー」
雪野「静粛に！話し合いましょう」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
クラスメイト達「さっきまで適当にって言ってた人がこれだよ」うわぁ・・・
雪野「はっ！この声は！」
クラスメイトE「うわ！真っ暗だ！」
クラウメイトB「何も見えない！」
？「話し合ったってA組に勝ちはないね」
雪野「なんですと！？」
秀明「総合一位はF組のものだからな」
雪野「あさぴん。なによあんた気色悪いわね。何しにきたのよ」
女子生徒達「キャー」でもわきあがる女子
雪野「やけに自信満々じゃない。F組は何をすることになったのよ」
秀明「うち？ふん、浅葉秀明ディナーショー」
雪野＆男子生徒達「はあー？浅葉秀明ディナーショー？」
女子生徒達「きゅう」もう行きたくなってる女子
秀明「フェロモン全開で待ってるぜ。アディオス。俺の可憐な子猫ちゃん達。はっはっはっは」
雪野「く、くうー！」
男子生徒達「くっそーどうすればいいんだ！悔しいが俺たちが10人束になっててもやつには勝てないんだ」
女子生徒達「ほんとにね」
雪野「有馬。有馬もやろうよ。大丈夫、勝てるって」
総一郎「いやだよ。何言ってるの」
女子生徒達「キャー有馬くんもー！？」
雪野「負けちゃってもいいの！？あなたクラス委員でしょ！？」
総一郎「いやだって、やらないよ」
雪野「クラスのこと考えなさいよ！さあ脱ぐのよーほらー！」
総一郎「宮沢、め、目が座ってるー！あーいやだー！」
女子生徒達「キャー！」
２：２０
1年B組前の廊下
女子生徒A「りかちゃん、りかちゃん」
りか「何？」
女子生徒A「さっきね、うちのクラスに、転校生来たんだ。かっこいいんだ。見てみて。
十波建史くんって言ってね、沖縄から来たんだって」
りか「十波建史？…」
建史「…」
女子生徒A「知ってるの？」
りか「え？ううん、違うみたい」
女子生徒A「へえ、でも十波くんって前ここに住んでたらしいよ」
りか「ふーん」
健史「…瀬名りか」
PM
2：23
１年Ｄ組
椿「えータケフミがこっちに？」
りか「違うって。私もそう思ったけど全然違う人だった。同姓同名ってあるんだね」
椿「なーんだ。あーなつかしいわ。タケフミ。沖縄でもいじめらてないといいけど」
亜弥＆りか「」し～ん
椿「何さ」
亜弥「十波が帰ってきたら一番まずいのってあんたじゃないの？」
椿「なんでよ」
亜弥「椿も最近はだいぶ落ち着いてきたけど、中学の時ひどかったもん。
十波のことパシリっていうか、下僕っていうか、召使いにしてたじゃん。自分用の。
恨んでたと思うよ。あんた絶対十波に復讐されるよ」
健史「会いたいな、佐倉椿」
２:４５
会議室
雪野「私は反対です！伝統ある北栄高校の文化祭でディナーショーなどという軽薄極まりない
出し物をしてよいものでしょうか？これは利益重視に走り、文化祭という本来の目的から逸脱しています」
男子校生「しかし、女子運動部のホストクラブも認められてることですし」
？「ふっははっはは」
雪野「あん？」
航平「A組はうちに利益があがると思っておいでのようだ。ふへへへへ。A組はよほどF組が怖いらしい」
雪野「誰よあんた」
航平「F組級長、深田航平。浅葉秀明ディナーショーの企画発起人。ま、プロデューサーってとこかな」
雪野「うわ、なんなのこいつ。ムッカつくわねー。特に顔がムカつくわ！」
航平「ふへっへふはは」
雪野「だいだい高校でディナーショーなんてやっていいと思ってるの！？今すぐやめなさい！」
航平「ふははははっはははは。諦めたまえ。しょせんA組に勝ち目はないのだよ。総合一位はF組のものだ。
A組なんてビリに決まってるんだよ。ビリに。ぎゃははははははははは」
総一郎「げっ！ビリだって！？そんなこと言っちゃいけない！それ言ったら宮沢…あ！」
雪野「うおおおおおらああああああああああああああああ！！
ウキー！！一番は私なのよおおおおおおおおおおお！！」
航平「だから一位はF組だっつううううううううのおおおおおおお」
雪野「…」
航平「…」
航平「うおおおおおおおおおおおお」
雪野「おらああああああああああ」
航平「おおおおぐへっ」
5:00
準備室
雪野「いやー、一位とか利益とか聞くとつい戦い好きの血がたぎるのよね」
総一郎「さっきまで文化祭興味ないって言ってたのに」
雪野「えへへ。でも悔しいけど良い企画だなって思っちゃうのよね。ディナーショー。
フェロモン男の色物エネルギーを余すところなくいかしたナイス抜擢。
F組深田のプロデュース力、政治力は侮れないわ。A組はやはり少々決め手に欠くのよね」
総一郎「一位とか取れなくても、A組はみんなで楽しめればいいよ」
雪野「かーっ！美しか！私そういうキレイな意見大嫌い。一番じゃなきゃやる意味ないわよ。ぺっ、ぺっ」
総一郎「ん？」
雪野「え、いや、誰もいないね」
総一郎「う、うん。体」
雪野「え？」
総一郎「なんともない？僕は男だからそういうのはあんまり」
雪野「ああ、それは大丈夫。心配いらないよ。それにね、なんていうか私嬉しかったし」
総一郎「嬉しい？」
雪野「有馬は私に触るとき、いつも優しい。大事に思われてるのわかるもん。
あ、私も有馬にそうしようとは思ってるんだよ。
何か蹴ったりぶったりばっかだけど、その気はある」
総一郎「うん」
雪野「なんかこうして二人で仕事してると学校始まったなーって思うね」
総一郎「うん」
雪野「また体育祭のときみたいになかなか会えないかな」
総一郎「さあ、それはあんまり考えたくないな」
君さえ
傍にいてくれれば
僕は
雪野「たっだいまー！」
家族達「いっただきまーす！」
家族達「ごちそうさまー！」
家族達「おやすみなさーい！」
翌 日
PM
１:１５
自習室
りか「終わり」
亜弥「やったー！できたー！」
りか「わーい、おつかれさまー」
亜弥「ばんざーい」
雪野「な、なんだ？」
りか「ばんざーい」
椿「昨日からお前なに書いてたんだ」
亜弥「うん？ちょっとした脚本をね。
椿が前にうちのグループは芝居向きの人材が揃ってるって言ってたじゃない。
なんか触発されちゃってさ、休み中ずっと考えてたんだ。
椿とりかは部活やってて無理でしょ。
でも帰宅部が三人、それぞれキャラがいいから考えやすかった。
これ人前でやったらいけると思うんだけどな。
あ、三人っていうのはゆきのんと真秀さんとつばさね。
これ、文化祭でやってみるのはどうだろう？」
雪野＆真秀「はあ？」
つばさ「あーもふ」
これからのあらすじ！
波乱と共に幕開けの新学期。
亜弥ちゃんの魔の手から逃げ回るお姉ちゃん。
だがそんな事とは関係なく、十波健史の意外な過去が明らかにされる。
果たして彼と椿の関係は？
次回、カレカノ『14DAYS・2』
うぉっす！
うちは金持ちだった。
生まれた時から病弱で、
ママとパパとじいとばあにどろどろに溺愛されて育った。
お菓子もおもちゃも好きなだけ与えられたが、友達はいなかった。
子供たち「やーいやーいぷよぷよタケフミー。
お前となんて遊んでやんないよーだ。あっはっはっは」
幼い健史「…」
健史：
小学３年生。
成人病も患っていた。
女子生徒B「やっぱり沖縄の人ってルックスいいのかな」
健史「いや、背はバスケやってるから」？
女子生徒B「沖縄でバスケット。なんかかっちょいい気がする」
健史「それに俺、沖縄の人じゃないよ」
女子生徒A「あ、そういえば。前にこの辺住んでたんだって？」
健史「中一までね。写真あるよ。見る？」
女子生徒達「みたいみたい」
女子生徒B「どれどれ？」
健史「これ」
女子生徒A「ぷっ、またまた。やだー」
女子生徒達「あはははは」あははははは
健史「あははは」
亜弥「はあ、ここまで付き合わされて、何するかと思えばね」
りか「でも椿、スポーツならとことん凝りまくるからね。
ほら、あの表情。午前中とは別人って感じしない？」
亜弥「まあなりふり構わず気に入らないやつに手出すよりはマシか」
椿「いいかい？目かっぽじってよーく見ときなさい。とおー」
りか「椿ね、今日絶対ダンクシュート決めるんだって」
亜弥「なんでバレー部員がダンクシュート決めようと思うかな」
りか「椿だもん。ああ、惜しい」
亜弥「私早く教室戻りたいな」
椿「ああ、今度こそ」
亜弥「やめときなよもう。けがしてもしらないからね」
健史「うん？」
椿「とりゃっ！」
健史「……」
いつからだろうか。
からかわれることにも慣れてしまった。
どうせ自分はダメなんだって受け入れてしまえば、
そんなに傷つくこともない。
小五の時だ
子供達「ははははは。ばーかばーか」
幼い健史「返してよー僕のスニーカー」
子供A「ばーか。おめえには似合わねえっつうの。ん？」
幼い椿「弱いもんいじめてんじゃねえよ！」シュパー
幼い健史「ありがとう、僕を助けてくれたんだ！あっ！」
幼い椿「てめえも泣かされてんじゃねえよお」←どっちもいらいらする
幼い健史「あ、あ、あ、あ」
椿「があー！」
子供達「わあ！」びくうっ！
健史：
柔道、空手、合気道、ボクシングに通じ、拳の餌食にされた男子は数知れず。
超凶暴で学校中の男を震え上がらせていた女、それが佐倉椿だった。
それ以来、なぜか僕は、佐倉に目を付けられてしまった。
幼い椿「アハ」
いつからだろうか。
からかわれることにも慣れてしまった。
どうせ自分はダメなんだって受け入れてしまえば、
そんなに傷つくこともない。
小五の時だ
子供達「ははははは。ばーかばーか」
幼い健史「返してよー僕のスニーカー」
子供A「ばーか。おめえには似合わねえっつうの。ん？」
幼い椿「弱いもんいじめてんじゃねえよ！」シュパー
幼い健史「ありがとう、僕を助けてくれたんだ！あっ！」
幼い椿「てめえも泣かされてんじゃねえよお」←どっちもいらいらする
幼い健史「あ、あ、あ、あ」
幼い椿「があー！」
子供達「わあ！」びくうっ！
健史：
柔道、空手、合気道、ボクシングに通じ、拳の餌食にされた男子は数知れず。
超凶暴で学校中の男を震え上がらせていた女、それが佐倉椿だった。
それ以来、なぜか僕は、佐倉に目を付けられてしまった。
幼い椿「アハ」
幼いタケフミ「ひっ、なに？」イヤな予感…
幼い椿「いいからちょっと来な」
幼い椿「これとこれと、これとこれと、これとこれと、おばちゃんこれ全部ね」
駄菓子屋のおばさん「はい、280円ね」
幼い椿「280円ね」ぽん
幼い健史「ええっ！」
幼い椿「んだよ」
幼い健史「わかったよ、え、カード使えない。じゃあこれで」
駄菓子屋のおばさん＆幼い椿「あ…っ」万券
幼い健史「今日だけは特別だけどね。もうこんなことしないでくれよ」予感的中
幼い椿「ちっうるせーな。じゃあ半分やるよ」
幼い健史「いらないよ。そんな合成着色料や保存料の入ったもの。
僕はママが銀座で買ってくるお菓子以外口にしないことにしてるんだ。うわ！」
こんなこともあった。
幼い椿「漕げ。はあ？自転車乗れねーの？だっせー」
幼い健史「うるさいな！パパの車があるんだよ！」
幼い椿「大丈夫だって。後ろで支えてるから」ふたり乗りはキケン！絶対、やめましょう
幼い健史「ほんとだよ」
幼い椿「ほんとほんと。ヒヒッ」
幼い健史「うわあああああああああーーー！！」
幼い椿「きゃはははははははは。いえーいきゃはははははは」
健史：
佐倉の僕に対するいびりはとどまるところを知らない。
健史：
宿題を押し付けられて、殴られたり、
幼い椿「なんだよ間違ってんじゃねえか。私はこんなミスしねえぞ」
幼い健史「こんなに言うこと聞いてるんだからさ、僕が困ってる時は助けてくれよ」
幼い椿「は？」
幼い健史「無料ではとは言わないよ。ほらこれ」←2000円
幼い椿「…いいけど」
子供達「ばーか、ニクフミー」
幼い健史「ふふん、僕には佐倉がついてるんだぞ。さあ佐倉こいつらをやっちゃえ」
子供達「げげ、佐倉」
幼い椿「あー悪い。これから見たいテレビ始まんだ。テレビのない時なー」
子供達＆幼い健史「・・・・」
幼い健史「わー！」ボコボコ
まさか僕を好きなんじゃないだろうね。やめてくれよ。
僕は君みたいな粗野な女の子はタイプじゃないんだ」
椿「（あー殴りてえ。お前一度なんで自分がいじめられるか考えたほうがいいって）」
健史：
疫病神に取り憑かれたような状態が、中一まで続いた。
幼い健史「くそー佐倉ーお前なんか」でもなにもできない
健史：
だから
転校することになった時は大喜びだった。
幼い健史「これで屈辱的な生活から開放だ。不本意な僕よ、さようならー」
まさか僕を好きなんじゃないだろうね。やめてくれよ。
僕は君みたいな粗野な女の子はタイプじゃないんだ」
幼い椿「（あー殴りてえ。お前一度なんで自分がいじめられるか考えたほうがいいって）」
健史：
疫病神に取り憑かれたような状態が、中一まで続いた。
幼い健史「くそー佐倉ーお前なんか」でもなにもできない
健史：
だから
転校することになった時は大喜びだった。
幼い健史「これで屈辱的な生活から開放だ。不本意な僕よ、さようならー」
―でも
最後にひとつだけ確かめたかった。
中一の健史「なんで佐倉は僕に構うんだ？」
中一の椿「ああ、小学校のとき担任に頼まれたんだよ。
面倒見てやってくれって。
私がバックにいればそんなにいじめられないし、
私一応いじめはしない主義だしね。ま、転校したらうまくやれよ。
じゃあ、元気でな」
頼まれただけ
なんとも思われていなかった
健史：
生まれてはじめて深くプライドが傷つくのが分かった。
相手にとって僕が何の意味もない存在だったということに。
考えたら当たり前じゃないか。こんな駄目な僕では。
短期間の転校だということは分かっていた。
変わってやる
健史：
今度会うときは、絶対に僕を意識しないではいられないように。
決してこのまま終わったりしない。
椿「まだまだ。ダンクを決めるまではね」
亜弥「しつこいようだけど、あんたバレー部でしょ」
椿「とりゃ！あれ…」
りか「あっ」
亜弥「ん？」
椿「え…あっ！」
健史「…！」
亜弥＆りか「おお！」
亜弥「すっげー」おーっ
りか「すっごーい」おーっ
健史「…」
椿「…」
りか「あの人だよ。十波健史って沖縄からきた。十波くんと同じ名前の」
椿「…。似てねーあはははははは、あはははは」
健史：
本人だよ、本人。
ったく。あのバカ女は変わっとらん。
まあいいさ。俺は変わった。背が伸び、体力がつき、
成人病も治した。痩せたし、もういいなりになってた頃の俺じゃない。
これからゆっくり思い知らせてやるさ。
つばさ「ぎゅっ」
りか「あー早い。もう成績発表出てる」
亜弥「あーゆきのんと有馬さすがだね。椿どうしたの？」
椿「さっきのダンク野郎もいる」
亜弥「ほんとだ。賢いんだね」
りか「おー」
健史「ふーん。まあまあかな。ふん、お前何位だった？」
椿「トップに入るほど勉強できねえよ」
健史「ふーーん」
椿「くぅー！亜弥、りか行くよ」
亜弥＆りか「お、おう」
健史：
あそこでいきなりぶん殴らなくだったけでも成長したかな。
椿「なんなんだっつーのもう」
つばさ「じーっ」
健史：
芝姫は分かったか。
なぜなら、あいつは野生動物だから。
雪野「あ、有馬、成績出てるよー」
健史： え？
雪野「いっちばんいっちばん、早く早くー」
総一郎「うんうん」
健史： あ、有馬くん！
佐倉がこの高校ってのは調べたけど、有馬くんは私立の有名校かと思ってた。
高校一緒！？有馬くんは中学の時、同じクラスだった。
彼は僕の憧れだった。
雪野「ねえ、これ、三番に見えない？」
総一郎「ええ？」
雪野「三番に見えるよ！そんな！有馬が一番に見える！ずるい！」
総一郎「はあ？」
雪野「不公平だよ。同じ努力をしても有馬のほうが上なんだもん。
所詮“み”やざわじゃさー」
総一郎「もういいじゃないか。どうだって」
雪野「む！」ぎゅっ
総一郎「あ、足！宮沢ー」
健史「ひ、ひえー」
総一郎「まったくもう」
雪野「あーあ。あとはあれか。有馬と結婚してあ行になるしかないなー」
総一郎「///」
雪野「あれ？どうしたの？」
総一郎「あ、いやー」
雪野「あーあ、あと一点取れば、単独一位になれたのになー。
ケアレスミスしちゃったのよ。完璧のぺきを壁って書いちゃったの」
総一郎「宮沢頭いいのにどうしてそんな…」
健史：
彼女なのかな。
有馬くんは、もう入学当初から他の子たちとは違っていた。
漂う育ちの良さ。
公平で穏やかな性格。リーダーシップ。
彼の周りだけ特別な空気が流れているみたい。
有馬くんのいるクラスでは、いじめが発生しないのが僕には良かった。
乱暴者の佐倉だって、
中一の健史「うわ」
中一の椿「おい、ジュース買ってこい」どか
中一の総一郎「コン！」
中一の椿「いたっ」
中一の総一郎「僕のクラスの子に乱暴しないでよ」
中一の椿「有馬。ちぇ、分かりましたよ。じゃあねー」
健史：
有馬くんには手をあげないんだ。
中一の健史「すごい、有馬くんってかっこいいや」
中一の総一郎「え？」
中一の健史「ほんとにすごいよーかっこいい。
ありがとう、有馬くん」
健史：
あ、あれが、三年後の有馬くん。
A組クラスメイトA「ナイシュー！有馬！」
健史：
あーやっぱかっこいい。
綺麗だな。
B組クラスメイトA「何男見て赤くなってんだよ」体育A・B組合同
B組クラスメイトB「おい、行くぞ十波」
健史「おう」
B組クラスメイト達「おお、すっげー十波」おー
B組クラスメイトC「はじめて見たよ生ダンク」
総一郎「十波？あー君がB組に転校してきた十波くん」
健史「あ、あ、有馬くん」
総一郎「前この辺りに住んでたことない？同じ名前の人知ってんだけど」
健史「あーそ、それ、俺」
総一郎「そっか、やっぱり。なんかずいぶん変わっちゃって。
人違いだったらどうしようかと思った」
健史「あはは。うん、俺変わったんだ」
総一郎「また会えて嬉しいよ。おかえり」
健史：
あんな僕を覚えていてくれた。
佐倉を見返すためだけにこの街に帰ってきた俺を迎えてくれる人がいた。
なんか、やたら嬉しかった。
雪野「有馬その子だれー？！」
健史「うーん…」
総一郎「十波くん、前中学が一緒だったんだ。久しぶりだから。
十波も一緒に弁当していいかな」
雪野「うん、ならいいよ」
秀明「やだ、僕以外の男の子と仲良くしないで」
総一郎「あー暑苦しい。お前は。
えっと、同じクラスで一緒にクラス委員をしている宮沢さん」
雪野「どうもー」
総一郎「で、こっちが浅葉。でも、名前すぐ忘れちゃっていいから」
秀明「うそ！」
総一郎「それで、宮沢と僕は付き合ってる」
雪野「えへへ」
健史：
人のことだけど、有馬くん意外な趣味してるよな。
あ、でも黙ってると可愛いか。
雪野「うん。はーい、有馬。あーんして」
総一郎「なーに言ってんの。やだよ。いらないよ」
雪野「さ、あーん」
総一郎「いやだよ」
秀明「フフフフフフフフ…」ガシッ
総一郎「わ！な、なんだ秀明。馬鹿、離せ」
雪野「はーい、あーん。エヘ」
総一郎「やだ…ごく」
雪野「ふうー人の嫌がることは楽しいわね」
秀明「ハマるね」
健史：
馬鹿じゃねえの、お前ら…。
健史：佐倉！？
雪野「うん、有馬と水入らずってのもしたいしね。
…それに今ちょっとね」
総一郎「なに？」
雪野「亜弥ちゃんが脚本書いててね。
それを文化祭でやらないかって言うの。真秀さんとつばさちゃんで」
総一郎「へえ。やればいいのに。見たいな僕」
雪野「いやよ。からかって。人前で演技なんて出来ないわよ。
だから今逃げ回ってるの」
秀明「なになに？俺のディナーショーに演技で対抗しようってのか？」
雪野「うっさいわね！その話をするときの態度がムカつくのよ！」
健史：
有馬くんは
少し、変わったみたい。
ああ ほんとうに
ボクは三年ぶりに
ここへ帰ってきたんだ
これからのあらすじ！
文化祭準備の中、未だ亜弥ちゃんから逃げ回るお姉ちゃん。
だが、それとは関係なく十波健史の椿に対する復讐計画が明らかに！
そして！彼とお姉ちゃんとの間に芽生える奇天烈な友情の嵐！
次回、カレカノ『14DAYS・3』
うぉっす！
基本的に中高生って平和な日常送って大学生になっていくんだけど
その裏で突然ゾンビが街にあふれてサバイバルすることになった、とか島でクラスメイトと殺し合いすることになった、みたいな非日常の設定を夢想してたりするじゃん
スパイミッションのごとく、寄るの量販店に忍び込んで売り物かっさらう、とか神奈川統一に向けてリアル戦争ごっことか、バイクという戦闘マシンを操るエースパイロットの俺が先陣をきるぜ！とかwwwwwwwwww
もう厨二汁全開で楽しそうな人生送ってるじゃんwwwwwwwwww
お情け頂戴で
早朝にガス交換してるんよ、回収
早朝に新聞配達とガス回収の仕事
同情してほしくて
ガス回収、早朝の仕事
分かる？？
自らを泉南最強の輩(笑)で泉州連合の総長は俺様の舎弟だ！！(ﾄﾞﾔｧ♥
と豪語する元暴走族、現・輩(笑)の現在はパワハラ、モラハラ、セクハラと三拍子揃った前科持ちの暴力社員で
後から来たクセに偉そうに我が物顔で仕切り出してコイツが来た職場は
どんなホワイト企業も必ずブラック企業になる所謂『ブラック企業製造機』ｗｗｗｗｗ
ハルシオン中毒の他にもアル中、ポン中、ヘビースモーカーの身の程知らず！wwwwwwwww
な自称ゴンさん(笑)呼びの『広岡雅史』♥wwwwwwwwww
指先が甘くしびれる。
血液のように、体全体に広がって、幸福感がすべてを満たす。
確かめなくたって、あの人がそばにくれば分かる。
どこにいても、あの人の気配だけは必ず。
こんな特別な力を持っているのは私を魅了しているあの人だろうか。
あの人に恋をしている私だろうか。
雪野「えーっと、あなたは…十波くん！」
健史「ほう、早いな、あんた。なんか部活やってんの？」
雪野「んーいや。朝勉強がいまいち乗らないから学校でしようかと思って」
健史「へえ、それは野心的だな。そうだ、ちょっと頼みがあるんだけど」
雪野「ん、なに？」
健史「宮沢ってD組の佐倉たちと仲良いの？」
雪野「うん、仲良いよ」
健史「じゃあさ、やつらにもし俺が、前同じ中学にいた十波だったかって聞かれても知らないって言って欲しいんだ」
雪野「どうして？」
健史「まあちょっと、色々あってね」
雪野「ふーん、うふふ、意味深～何かしら。訳を訳を聞かせなさいよ♪」
健史「うるさいな！すぐそうやって知りたがるから！女は！」
雪野「教えなさいよー」ぎゃあぎゃあ
健史「離せー」
健史「あ、それからもうひとつ」
雪野「ん？」
健史「お前みたいな変な女、有馬くんにはちっとも似合わない！」
雪野「こらー！それが頼みごとをした人に浴びせる言葉ぁ？」
雪野「何さ、あんたサイテー！」
健史「おう！やってみろや」
雪野「もうだいたいあんたもね、似合わないのよー！有馬には」
健史「なんだよ。変な女は変な女じゃないかよ。変な女ーわっはっはっは」
雪野「変な女って言わないでよ！」
総一郎「……」
女子生徒A「あれ、さっきまでいたんだけどなあ」
亜弥「ああ。ああ、ありがとう。…逃げたか」
雪野「ふうー」
真秀「はあー」
雪野「はー参ったね。こう毎日くるんじゃおちおち教室にもいられないし」
真秀「なんで私まで…」
雪野「早く諦めてくれないっかなーはっ！？」野性的感アリ!!
真秀「で、なに？来たの？来るの？」
雪野「にげろー！」
真秀「はっ！いや、ちょっと待ってよ。待ってーてーっ」
亜弥「飲みかけのカップが二つ。外部の聞き込みの情報によるとさっきまでここにいたのは間違いない。
彼女ら二人のこれまでの逃走ルートを考えるに、彼女らが次に行くと思われる場所は…」
雪野＆真秀「うわあ！！」
亜弥「よっ。あら、奇遇ね。こんなところで」
雪野「い、いやだからね。絶対。舞台なんて無理よ、無理」
亜弥「いやだなー今日はそんなんじゃないよ。ただ単にゆきのん達と話がしたいだけさ」
雪野「ほんとに？」
亜弥「ほんと、ほんと、ほら、舞台の台本なんて持っていないでしょう」
ドサッ←舞台の台本
亜弥「あ」
雪野＆真秀「あ」
雪野＆真秀＆亜弥「あ」
雪野「いやったらいやー」
亜弥「待ってってー待ってよゆきのんー」
亜弥「ん？あれー？どこ行ったのかなー？
ねえ、宮沢さん達見なかった？」
真秀「あ、あ、あ、あっち行ったわよ」
亜弥「ありがとう」
雪野＆真秀「はあ」
亜弥「んな訳あるかー！」
雪野「やっぱだめか」
真秀「いけると思ったの？」
亜弥「待てー」
雪野「いやー！」
雪野「ここよ！」
真秀「うっそー？」
雪野「やり過ごしたかな」
真秀「今日は本当にしつこいな」
雪野「あー何とか諦めてくれないかな。あ、そうだ！私は文化祭実行委員が忙しいって言えば」
真秀「汚なっ！自分だけ？友情は？ねえ、友情は！？」
雪野「ごめんね、私を許して～」
亜弥「有馬くんは剣道部やってるじゃん。みーつけた」
雪野＆真秀「みーつかった…」
雪野＆真秀「うっ」
亜弥「今日こそ捕まえた。こそこそこそこそ逃げ回って。今日は話を聞いてもらう」
雪野＆真秀「聞くまでもなくやらないって」
亜弥「話ぐらい聞いてくれたっていいじゃん」
雪野＆真秀「うそだ！その目はなにが何でも私らを引きずりこもうとしてる目だ」
雪野「人前で演技するなんて私らのスタイルじゃないもん」
亜弥「スタイル？それはおかしいわね、ゆきのん」
雪野「え？」
亜弥「カミングアウトしたとはいえ、
長年超美麗優等生を演じてきた仮面少女のあなたが人前で演技ができない？
知ってるはずよ。自分以外の何者かになる瞬間。
人を酔わせる快感を…本当に忘れたの？あの賞賛の日々を忘れられるの？
こんな平凡な日々で。あなたは演技なしでは生きていけないのよ！」
雪野「ってうるせーい！誰がそんな言葉のマジックに騙されるかあ！いやだいやだ。やだだったらやだー」
亜弥「ちぇ」
雪野「ね、つばさちゃんだってお芝居なんてしないよねー」
つばさ「私は別に構わないよ」
雪野＆真秀「えー！！？？」
つばさ「あーむ、むしゃむしゃ」
雪野「買収されたか」
真秀「幼稚園児じゃあるまいし」
亜弥「やってよ～やろうよ～！一緒に甘い夢見ようよー！」
雪野「やだあ！そんなにやりたいなら自分でやれよお！」
亜弥「だって自分じゃ話のイメージじゃないんだも～ん！」ぎゃお！ぎゃお！
雪野「やだやだ、絶対やらないったらー！」ぎゃお！ぎゃお！
雪野＆亜弥「はあはあはあはあはあ」
亜弥「んー、やっぱだめか」
雪野＆真秀「だめだめ」だめだめっ!!
亜弥「自分でも急な話すぎるっていうのは分かってるんだけどね。
生でビジュアルで見たかったんだけどなーはあ…」
真秀「やっと」
雪野「諦めましたか」ホッ
りか「私も見たかったなーこれ。みんなすごくやったらハマるのに。
博士やアンドロイドの服作りたかったな」
雪野「博士？」
真秀「アンドロイド？」
亜弥「しょうがないよ。もったいないし、小説に直して担当さんに見てもらうよ。
どうせだから読む？」
真秀「うん」
雪野「やらなくてもいいんならみたーい。
どんな話書くのか興味あったんだ。学生作家なんてかっこいいね。今度載った本見せてよ」
亜弥「なのかなー。ずっと未来の地球なの。アンドロイドが大量生産されて、
私達と普通に暮らしてるの。食事も仕事も生活の管理もすべてやってくれるの。
でも少しも不思議なことじゃないよね。
アンドロイドは今のパソコンかセキュリティシステムの進化した姿なんだ」
雪野「へえ」
亜弥「登場人物は博士。地球で作られる全てのアンドロイドの核を作った天才科学者。
彼が初めてつくった旧型ロボット、アンティーク。
そして進化に進化を重ねた最新型アンドロイド、ネオモデル。
物語はネオモデルが博士の家を訪ねるところから始まるの。
博士は今は第一線を離れ、地球から遠い星で誰とも会わず、もうずっとアンティークと暮らしてるんだ」
雪野「どうして？」
亜弥「それは読んでのお楽しみ」
雪野「はあ、すごいね。よくそういうの考えられるね。
私勉強は出来るつもりだけど、そんなのちっとも思いつかないよ」
亜弥「それはね、ゆきのんみたいに勉強が出来ないからだよ。
勉強で良い職にありつけない人はね、取り柄を磨くしかないんだよ」
雪野「亜弥ちゃんあんなこと言ってたけど、やっぱすごいよね」
真秀「うん」
雪野「ネオモデルかっこいい。真秀さんピッタリ」
真秀「芝姫のアンティークも合ってるよな」
雪野「うんうん」
健史「バスケ部に入ったんだよ。ていうわけで、
これからよく顔合わせることになると思うんで、よろしく」
椿「ふんっ、なんだっつーのもう」いらいら
女子部員A「ねえ、椿！今の人誰？」
女子部員B「かっこいいー」
椿「え、B組に転校してきた十波とかってやつ」
女子部員B「ふーん、でも転校してきたばっかにしてはやけに親しげじゃん。知り合い？」
椿「え？あっ、ううん、いーや。あんなやつ会ったこともねえ」
女子部員A＆B「ん？」？
椿「……」
（幼い健史「よっちゃんイカ、カードで」←しかもゴールド）
（幼い健史「ははは、愛犬のクリスティーンだよ」）
（幼い健史「やあ！」）
（幼い健史「よせよ！よせよ！佐倉っ」）
健史「おいおいおい、何見つめてんだてめえ！俺に気があるんじゃねえだろうな」マジかぁ!?(笑)
椿「なっ！！とお！ふん、はあ」
健史「この！」
健史「おりゃ！」バスケットボール
椿「おりゃ！」バレーボール
女子部員A「なにやってんだあそこは」
女子部員B「ていうか、練習出来ないからやめなさいよ！」
健史「…」むっすー
椿「…」むっすー
健史「おい、てめえ隣歩いてんじゃねえよ。お前いると廊下が狭くなる」
椿「なんであんたに道譲らなきゃなんないんだよ。私もこっち行くんだよ」
健史「お前どけよ」いらいら
椿「つーかお前がどけ」いらいら
健史「あーあ、もっと可愛い女と並びてえな」
椿「私だって女の子と並びてえっつーの」
（幼い椿「でえーい）
（幼い健史「うわっ」）
（幼い椿「あはははは」）
健史「てやっ」
椿「……」
椿「な、なあ十波」
健史「なに？」
椿「ああ、いやあの…お前さ、お前もしかして…」
健史「なんだよ」
椿「（まさかな）いや、何でもない。じゃあな」
健史：
そうだ、意識しろ。意識しろ。
お前がどうしても敵わないものとして、
俺を無視出来なくなったとき、
裏切ってやるさ。
ねえ、どうして椿達に同じ中学だったこと、隠さなきゃなんないの？」知りた～い
総一郎「なにそれ」
雪野「今朝そう言われたんだー」
健史「うん、色々あって。有馬くんも佐倉達に俺があの十波だって言わないで欲しいんだ」
秀明「なぜ？」
健史「これ、誰だと思う？」フランスブルゴーニュ地方家族旅行の写真
秀明「どこのおぼっちゃまだ？」
雪野「うーん、どこかで見たような」
健史「おれ」
雪野＆秀明「え～！！」
総一郎「僕は知ってる」
秀明「で、でもさ」
雪野「いつもこんな写真持ってるのかしら」
健史「ふん、俺は昔とろくていじめられーの典型でね、特に佐倉には、ｍｙしもべとして屈辱的な扱いをうけていたんだよ。
パシリ、カバン持ち、机ふき、運転手、宿題係、食事係（佐倉の弁当と取り替えられる）、
CD取られる、ビデオをダビングさせられる、体脂肪をはかられる。あー色々あったなー！」
雪野「うわ、ひっでー。つーかやつならやりそう…」
健史「だろー！悪魔なんだよあいつは。転校するとき思ったんだよ。
今度帰ってくるときは別人になろうって。
まったく違う人間になってこようって！そして、佐倉に復讐してやろうって！」
雪野「うおおおお！エドモン！エドモン・ダンテスー！」巌窟王
総一郎「復讐はちょっと…って宮沢も落ち着いて」
学力アップ、ルックス革命、昔の俺を捨て去るために、血を吐くような努力をしてきたんだあ！」
秀明「誰かを彷彿とさせるよな」
雪野「素晴らしい…他人とは思えないわ。
あなたも二流の素材を努力で磨き上げて、一流にしている人間なのね」
健史「あんたもか」友情
雪野「分かったわ。その努力に免じて知らない振りをしとく」
健史「おっしゃー。見てろよ、佐倉。ははははははは」
雪野「二人の戦いも見たいし」
健史「俺なんか、毎朝5km走ってるもんね」
雪野「私だって10kmくらい平気だよ」
健史「俺もほんとは10kmくらい平気なんだけど」
雪野「私なんてね、この前隣町にも行ったんだよ」
健史「筋トレもやるしな」
秀明「！」
総一郎「……」
ま、私の場合、動機は見栄のためなんだけどね」
総一郎「そう…」
雪野「…他の人と仲良くしたの嫌だった？のけ者みたいにした？」
総一郎「別に」
雪野「うーん、あ、そうだ。こっち来て」
総一郎「え、あ、ど、どうしたの？」
雪野「いいからいいから。座って座って。よし」
総一郎「一体何する気なん…うわ、何？何？」
雪野「いいからじっとしてってば」
総一郎「！」
雪野「よしよし。ごめんね、有馬が一番大好きよ」
総一郎：
君は天才。
君がいなければどこへも行けないのは僕のほう。
総一郎「と、ところでさ、もういいよ。そろそろ」
雪野「え？もう少し。頭抱えるのって気持ちいい」ぎゅう～っ
総一郎「あ、もういいってば」///
離れられないのは
僕のほう
ときどき自分でも分からなくなる。
ひょっとしたら、ボクもアンドロイドなんじゃないのか？
あの事故のときに、誰かがボクを機械にしてしまって、
ボクだけが、自分をまだ人間だと思っているのかも知れない。
そう思って、何度も何度も自分の手を切ったよ。
絶対忠実なアンドロイドさえ疑う。
猜疑、不満、嫉妬、自己防衛、差別、優越感、自意識、傲慢。
ああ、
アンドロイドを作って
思い知ったのは、
アンドロイドより劣る
創造主の姿だ
お前たちを心から愛しているよ。そして憎くてならない。
』
雪野：
夢に見た。
綺麗な心と汚い心。
天才になる前の平凡な人生と、天才になってからの人生。
生々しさとクール。
いつも相対するものに引き裂かれ、苦悩する博士。
うーん…。
くそお、やったら面白そうとか思ってしまう。
これからのあらすじ！
遂に観念し、亜弥ちゃんのお芝居参加を決意するお姉ちゃん。
だがそんな事とは関係なく、十波健史の復讐は実にじわじわと進行していた。
そして深まる彼とお姉ちゃんとの奇妙な友情。
その時有馬は？
次回、カレカノ『14DAYS・4』
うぉっす！
基本的に中高生って平和な日常送って大学生になっていくんだけど
その裏で突然ゾンビが街にあふれてサバイバルすることになった、とか島でクラスメイトと殺し合いすることになった、みたいな非日常の設定を夢想してたりするじゃんｗ
スパイファミリーのごとく、寄るの量販店に忍び込んで売り物かっさらう、とか神奈川統一に向けてリアル戦争ごっことか、バイクという戦闘マシンを操るエースパイロットの俺が先陣をきるぜ！とかｗｗｗｗｗｗｗ
もう厨二汁全開で楽しそうな人生送ってるじゃんｗｗｗｗｗｗｗ
お情け頂戴で
早朝にガス交換してるんよ、回収
早朝に新聞配達とガス回収の仕事
同情してほしくて
ガス回収、早朝の仕事
分かる？？
自らを泉南最強の輩(笑)で泉州連合の総長は俺様の舎弟だ！！(ﾄﾞﾔｧ♥
と豪語する元暴走族、現・輩(笑)の現在はパワハラ、モラハラ、セクハラと三拍子揃った前科歴ありの暴力社員
だからトラックの運ちゃんやるしか仕事が無いｗ
後から来たクセに偉そうに我が物顔で仕切り出してコイツが来た職場は
どんな優良ホワイト企業も必ずブラック企業になる所謂『ブラック企業製造機』ｗｗｗｗｗ
ハルシオン中毒の他にもアル中、ポン中、ヘビースモーカーの身の程知らず！ｗｗｗｗｗｗｗ
な自称ゴンさん(笑)呼びの『広岡雅史』さんよお♥ｗｗｗｗｗｗｗ
真秀「！」ガーン
亜弥「本当か！？やってくれるのか？」
雪野「うん、考えたけど、なんか気になって迷うくらいならやろうかと」
亜弥「うんうん、すごい嬉しいよ」
雪野「いや～女優デビューっすよ」
亜弥＆りか「舞台化だあ！」
真秀「やだ！そんな学園マンガみたいなのは！」
雪野「真秀さん！」
真秀「いやあああああああぁあああああ」きゃあ～
真秀「…」
雪野「元々私たち三人から登場人物おこしてるから、自分の役は自分に合うんだ。
なんだかんだ言って亜弥ちゃんよく見てるよね。私たちのこと。
あれからずっと博士が頭の中にいて喋るんだよ。
これって自分の中で役が生き始めてるってことだよね。
すごいよね、そういうのって。
私、与えられた課題をこなすことは出来るけど、自分で何かを生み出すって出来なかったから、嬉しくて。
ね、真秀さんもやろうよ。真秀さんいてくれたら私も心強…」
真秀「や・ら・な・い…うっ！」
雪野「んだよ。私がやろうって言ったらやれや」
真秀「胃に…」
雪野「クラス動かして私無視したくせにさ」
真秀「う！」ずきっ！弱点
雪野「明るく振舞ってるけどね、ほんとはあれから私、人が怖いんだ。軽い人間不信」
真秀「汚っ！」
雪野「一度受けた心の傷って一生消えないものだよね」心の傷
真秀「うそをつけうそを！うー！チクショー！」
雪野「真秀さんもやるって！」
亜弥「おー」
真秀「ドナドナドーナドーナ…」←さからってもムダだと悟った
雪野「はい、どうやればいいんでしょう」
生徒役員B「知ってる？」
生徒役員A「いや、うち演劇部ってかなり前に消えたらしいし。
ていうより厳しいなー。演劇って舞台を長時間使うんでしょう？
模擬店とかならまだしも、
それじゃブラスバンド部や軽音部からブーイング出ちゃうよ。
うーん、やりたいって言っても物理的に出来ることと出来ないことがあるよ」
生徒役員C「ああ、いくら宮沢さんと言ったって」
生徒役員A「だいたいそれ全員初心者なんでしょ？大丈夫なの？」
雪野「」ぶっすー
亜弥「やっぱ急な話過ぎるのかな」
雪野「ムキー！いいや！任せて！
こういう交渉関係は私の専門分野だし何とかする！」
亜弥＆りか「おお頼もしい」おお
真秀「無理だって言われてるんだから諦めりゃいいのに。
ふん、私は何にもしないから。セリフしか言わないからね」
雪野「おーこわあ。ヤンキー真秀さんに逆戻りだよっ」
雪野「うん、でも私一人だけだと生徒会長とかに強いこと言いにくくて。
忙しいのに悪いんだけど、その辺協力してもらえないかな」
総一郎「宮沢の頼みなら何でも。その話ってPTA受けしそう？」
雪野「うん、テーマ的に」
総一郎「だったら先生を味方につけたほうがいいよ。
文化祭でやるのにふさわしいものだって力のある先生が推してくれれば一番効き目ある」
雪野「あ、そっか！さすが頼れる！有馬いるとすごい助かるわ」
総一郎「え？」
雪野「有馬も忙しい時言ってね。私、力貸すからね」
総一郎「うん」
雪野「なにー！F組はがっちりガード固めてて、なかなか手の内見せないのよ。
一体どんな魅惑のステージを…」
『
秀明「ふふふ、カモーンベイベー！オレ！」
雪野「ミッチー！？」
秀明「カモンベイベー」
雪野「えー！？宝塚！？」
秀明「アモーッレ！」
総一郎「な、なに！？ジュリー？」TOKIO
秀明「カサブランカッ！」
総一郎「キャラクター商品！」
雪野「ノート、下敷き、缶ペンケース、テレカ、携帯ストラップ、時計、ボールペン
ラミカード、ポスター、ハンカチ、マスコット、鍵付き日記帳、1/6フィギュア！」
総一郎「書き下ろし絵本と同人誌」
雪野「うわーそりゃ売れるわ」
総一郎「あさぴんオフィシャルガイド！」
雪野「あさぴんカレンダー！？」
総一郎「あさぴん詩画集！？」
雪野「あさぴん詩集！？」
』
雪野＆総一郎「おおおおお」ぞくぞくぞくぞく
部活？」
総一郎「いや、資料室」
健史「聞いたよ。有馬くん。インターハイで優勝したんだって？
やっぱり有馬くんはすごいな。今度練習見に行っていい？」
総一郎「見るほどのものじゃないよ」
健史「え」
機嫌
悪かったのかな
総一郎「…」
川島主任「ふーむ、沢田がこれを書いたのか。
私は数学が専門で文学には詳しくないが、驚いた。君にはこんな才能があったんだね」
亜弥「いやあ、思いつきをテキトーに立派そうに書いただけで、嘘っぱちっすよ」
雪野＆りか（ドスッ）
亜弥「うっ！」
雪野「沢田さんの訴えたいテーマをぶつけた渾身の作なんです！」
川島主任「これを文化祭でやりたいと言うんだね。いいと思うよ。
こういうものこそ文化祭にふさわしい。私からも推薦しておこう」
雪野「ありがとうございます。それで実際の舞台化に向けての手続きなんですが、
どうすれば良いのかよく分からないので、教えて頂きたいんです」
川島主任「顧問の先生についてもらうのが一番だろう。これだけ立派な内容だ。
臨時の部活扱いにできるだろう」
りか「そっか、じゃあ顧問になってくれる先生探さなきゃだね」
亜弥「でも誰に？」
雪野「やっぱ国語系の先生じゃない？」
りか「頼めそうな先生いたかな」
亜弥「いやあ、そこまで親しい先生は」
雪野「それに生徒会職員室での発言権は絶対あって欲しいわ」
川島主任「あ、えっふん。学生のころに演劇を少し」
雪野＆亜弥＆りか「え」
川島主任「私でもよければの話だが」
雪野＆亜弥＆りか「それです！」
なんせ学年主任！権力！権力を持っているわー！
ひひひひ。任せてー。これで予算をがんがんむしり取ってきてあげるわ！」
亜弥「私らはゆきのんがついていてくれることが頼もしいが…」
りか「川島先生ってずっと怖い人かと思ってた。話すと良い先生なんだね」
雪野「うん！」
『生徒の皆さんにお知らせです。
文化祭参加サークルの申し込み受付は本日午後3時をもって終了となります。
まだ済ませてないサークルはただちに生徒会室まで…』
雪野「はい、サークルの申し込み書をもってきました！
川島先生の推薦書もついてます。
メンバーは、
沢田亜弥、
芝姫つばさ、
伊沢真秀、
宮沢雪野、
演劇をやります！」
宮沢ちゃんと芝姫ちゃん、お芝居やるんだってね」
クラスメイトB「聞いたー」
クラスメイトC「どんなのやるんだろう？」
クラスメイト達「みたーい」
クラスメイトA「あ、宮沢さん」
クラスメイト達「絶対見に行くね！」
雪野「うん、でもクラスの方もちゃんとやるからねー」
クラスメイト達「キャー！」
クラスメイトB「真秀は男やるんだって？」
クラスメイトC「うんうん、男前っぽそう。はははははは」
真秀「（汗）」
クラスメイト達「キャー！」
クラスメイト達「キャーつばさちゃん可愛いー見るからねー！」
つばさ「わっしゃー！」
クラスメイト達「キャー！こわーい！でも可愛いー！」ギャァーッ！
月野「わーい、見に行こ見に行こ」
雪野「い、いや、見に来なくていいよ」
花野「意外。よくやる気になったね」
雪野「友達が小説家しててね、読んだら面白かったから」
洋之「えへ、えへへへ…」妄想中
都香「（汗）」
月野「へえ、なんて人？」
雪野「あ、本借りてきた。沢井綾希って言ってね。
あ、ペンネームなんだけど」
花野「沢井綾希！？はぁ…ぁ…」
雪野「ど、どしたの？花野」
月野「沢井綾希って花野がこないだボロ泣きしてた話書いてた人だ」
花野「そう。うそー？お姉ちゃんのお友達！？私絶対見に行く。ねー紹介してー。台本見せてー！」
雪野「あ、わかった、わかった」
洋之「お母さん、お母さん、明日秋葉原行こービデオカメラとか買わにゃ！」ジタバタジタバタ
雪野「（汗）」
都香「お父さん会社はどうするんですか？」
花野「あー綾希さま～あふん（泣）」
雪野「（はぁ～亜弥ちゃんってすごいんだな）」
雪野：
私も
がんばろーっと
雪野「そーよー」
健史「ちゃんと出来んのか？始まった瞬間セリフ忘れんじゃねえの？」
雪野「あ、暗示かけるようなこと言わないでよっ。平気だもん。
クラス委員とかで人前で喋るの慣れてるから」
健史「委員会とお芝居は全然別物だと思うがな。しっしっし」
雪野「意地悪。あ、私のことはどうだっていいのよ！
あんたこそ復讐はどうしたのよ。ちゃんとやってんの！？」
健史「お、切り替えしましたな。焦ってないからいいんだよ。じわじわと」
雪野「そうね、あっさりと復讐を遂げてしまうなんて美学がないわ。
時間をかけてゆっくりと。その過程がたまらないのよ」いや、私の友達なのだが・・・
健史「おうよ」
雪野「芸術的なまでに美しい復讐の構想を練る時間。
パズルをひとつひとつ埋めていくように、着実に相手を罠へと追い込んでいく手ごたえ。
それこそが、カタストロフを迎えた瞬間に得る快感をより確かなものへと高めるのよ」
健史「そう」
雪野「あー自分が恐ろしい。有馬に恋愛感情を抱くようになっていなければ、
きっと今頃有馬にそんな計略を巡らせていたに違いないわ」
健史「なに！？」なぜ
雪野「一見健全そうに見えて、内に秘めた粘着性の陰湿さ。
別に好きでも何でもないけどやはり私達は近い。理解出来るわ」
健史「おう。俺も好きでも何でもないが、あんたに親近感を感じているぜ」
総一郎「……」
お芝居ってどんな役割分担なんだろう。服はりかちゃんでしょ」
亜弥「大道具、小道具、音響、照明とか…」
雪野「そうだね。自分達で全部やろうっていうのは難しいね。そういう裏方さんもいるんだ」
亜弥「真秀さんとつばさは戦力になりそうにないしな」
真秀←私はやりたくてやってんじゃないの
つばさ←いかにも物をこわしそう
椿「それなら女バレで手の空いてるやつに声掛けてみるよ。人数いるし力あるぞ」
亜弥「ほんとか？」
雪野「サンキュー！頼りになるう！」
椿「いやいや」
りか「小道具はうちにあるの持ち寄ればいいよね」
亜弥「あとBGMどこで何かけるかこだわりたいんだよね」
雪野「楽しそうー」
秀明「美しい乙女達が揃って何のご相談？」
雪野＆椿＆亜弥＆りか「あさぴん！」
秀明「困ったことがあるなら言ってごらん。何でも僕が叶えてあげるから」
雪野「イヤー！近くでフェロモン出さないでよー！」
秀明「あはははは。宮沢はネンネちゃんだな（古語）」
雪野「あんたはディナーショーの準備でもしてれりゃあいいのよ」
秀明「そういうのクラスの人らがやってくれるから、俺暇なんだよ」
雪野「…（汗）」
秀明「おー芝居の準備。大道具とかもやるんだ。なーんだ、ならそれ俺やってやるよ」
雪野「えーあさぴんが？」不信
秀明「ひどーい。これでもずっと美術10よ」びじゅつだけは！
りか「あ、でも私浅葉くんのデッサン見たことあるよ。すごく繊細でうまいんだよ」
秀明「…」
りか「？」
秀明「ねー」
りか「えへへ…」
雪野「ならいいけどー」
秀明「さ、どうする？」
雪野「急に入ってきて仕切らないの！」
亜弥「なんだか、だんだん訳の分からない集団になってきてない？」
雪野「本当は女の子グループに混ざりたかっただけなんでしょ？」
秀明「もちろん」
全員「ははははは」
椿「そうなんだー」
総一郎「…………」
雪野「有馬！」
総一郎「はい、プリント。秀明は何やってるの？」
秀明「俺、俺～宮沢達のお手伝いやるんだ～」
総一郎「ふーん、いいな。僕もそういうの手伝ってみたい」
秀明「女の子のグループに混ざりたい～？」
総一郎「お前じゃないよ」
雪野「有馬は知恵貸してくれるだけで充分助けられてるよ」
総一郎「……」
秀明「ん？」
総一郎「……」
秀明「有馬」
総一郎「……」
秀明「……大丈夫か？」
これからのあらすじ！
着々と進むお芝居の準備の中、有馬君と悠々なラブラブを見せつけるお姉ちゃん。
だがその事とは関係なく、十波健史は遂に椿に嫌いと告白。
そして再びてんてこ舞いの日々が始まろうとしていた。
次回、カレカノ『14DAYS・5』
うぉっす！
雪野「やっぱお芝居やってみようかなって思って」
真秀「や・ら・な・い…うっ！」
雪野「なにー！」
秀明「ふははははは。カモンベイベー！」
雪野＆総一郎「おおおおお」ぞくぞくぞくぞく
健史「有馬くん！ 」
総一郎「見るほどのものじゃないよ」
雪野「なにせ学年主任！権力！権力を持っているわー！ 」
雪野「演劇をやります！」
家族達「えー！お姉ちゃんがお芝居ー！？」
雪野「友達が小説家しててね」
花野「うそー」
ペロペロ「ｚｚｚｚｚｚｚｚ」
総一郎「……」
亜弥←私も知らない
真秀←私はやりたくてやってんじゃないの
つばさ←いかにも物をこわしそー
雪野「…（汗）」
総一郎「……」
９月の第一週が終わろうとしています。
それぞれの出し物も決まり、会議やうちあわせも多くなります。
来週、来週が地獄よ…
みんな準備始めるからまた悪夢のような忙しさになるのよ。
雪野「（ああっ）」それに今回はお芝居もある
生徒役員「次の議題に移ります」
会議長引いちゃった。
[1年B組]
雪野：
あれ？いない。
亜弥「おーいゆきのーん」ろうかはしってんのみえた
雪野：
ん？
亜弥「困ったことになっちゃってさ。
どの教室もベニヤだのダンボールだの集め始めちゃって、使えそうな教室ないよ」
雪野「図書室とか理科室とかも？」
りか「だめだめ。全部回ったけど、どこももう抑えられちゃってる」
真秀「だから言ったでしょ。今から芝居やるなんて無理よ」
雪野「困ったなあ」
真秀「ああ、聞きなさいよ！」
りか「うん」
雪野「おや、川島先生が手招きしている」
川島主任「何？空き教室がない？なんだ、じゃあ生徒指導室を使いなさい。
どうせしばらく用はないから」←えらい先生しかカギ使えない。
雪野「権力！」
亜弥「うん、これでどう？」みんなで考えたー
雪野「どれどれ？ふーん、
・セリフの読み合わせ
・立ちげいこ
・通しげいこ
・衣装
・舞台装置
・大道具
・小道具
のイメージ決定。これ実際体育館で舞台の広さ測ってから大道具やらないと失敗するね。
ついでに
・照明
・音響
の設備も見ておこう。
・BGM
・効果音
照明の細部決定。あ、これはセリフ合わせながら考えていける。
後回し。明日休みってのが厳しいなー。
今日中にアウトライン決めて、明日午後から買い出しに行こう。いいよね？」
亜弥＆りか＆真秀「は、はい…！」
亜弥「やっぱゆきのんは一人で十人分働く」
りか「時間無駄なんか出来ないもんね」
真秀「だから言ってるでしょう！だいたい一週間でなにが…」
雪野「舞台装置考えた？」
真秀「うっ…」
秀明＆亜弥「やってまーす！」
雪野「それから、当然役者がセリフ入ってなきゃ始まんないんで、
月曜までに完璧に暗記してくること」
真秀「えー！」
雪野「へっ、私はできるわよ。なによ、そんなこともできないのー？」
真秀「やれるわよー！」むき～
雪野「ふっ」
亜弥＆りか「うまい！」
秀明「俺たち考えましたぁ！」
雪野「おもしろーい。こんななんだー。わーイメージ膨らむねー。
あ、そうだ。巨大モニターはどうすんの？話の要になるものだけど、難しいよこれ」
亜弥「それは平気。兄貴が映像系の仕事してて、
話見せたら面白がってやってくれるって」トシのはなれたニーチャンが
雪野＆秀明＆真秀「（汗）」
亜弥「え？何？」
雪野「貴様－！！」
亜弥「痛っ」
雪野「言いだしっぺがなにやってんのよ！あ！？自分でぶち壊すんか！？
文化祭当日は仲良く自宅謹慎か！？やめろって言ったでしょー！！」
亜弥「あ、あれ？いつの間に」←煙草
川島主任「話は進んでるかな？さっき呼んだのはお菓子をあげようと思ったんだよ」ゆずもなか
雪野「きゃああああああああああああああ」
亜弥＆りか「お疲れ様でしたー」
雪野「ん？」
りか「どうしたの？ゆきのん」
雪野「格技場まだ明かりついてる。有馬いるかもしれないから、見ていくよ」
亜弥「（…ラブ野郎）」
雪野「あさぴんは？」
秀明「いや、その状況で俺いると総一郎くんすんごく怖い気するから。一人で行って」
亜弥「私らはファミレスでなんか食ってくか」
りか「さんせーい」
真秀「じゃあちょっとだけ」
亜弥＆りか「ゆきのんじゃあね」
真秀「お先に」
雪野「じゃあねー」
秀明「ああ、俺も一緒に行くよー」
私ってば、有馬が剣道やってるとこ見たことないのよね。
なんかドキドキしちゃう。
インターハイ優勝者の彼の部活待ち？
リリカル！？リリカルっすー！
雪野「…///」
総一郎「めーん！どーう！」
雪野「ふんふんふん」←コーフン中
部員「今日はここまでーっ」
総一郎「はあはあはあ…ん？」
雪野「あ、見つかった」
総一郎「はは」
雪野「へへへへへへ」みやざわもわらっている。
総一郎「どうしたの？」
雪野「お芝居の打ち合わせしてて遅くなったから見てたの。
私、有馬剣道やってるとこ初めて見た！格好いい！もう興奮しました！
もっと早く見れば良かった。また見に来てもいい？」
雪野「ワン！」ぎゅっ
総一郎「あ、ああ…」
雪野「うん？うっ！くさーい！やだ有馬！防具くさーい！
汗臭いだけならまだしも！」
総一郎「えええ」
雪野「ちょ、離れてよ！触らないでちょうだい！信じらんない！
うえー近づかないで！私絶対剣道なんかやんなーい。
ん？いたっ！なによー彼女竹刀でつっつくー？普通？ひどーい」ツンツン
総一郎「今日は自転車なんだけど」
雪野「じゃあ私も乗ってくよ」
ホントは
二人乗りは
ダメなんだ
けどね
総一郎「頑張れ宮沢」
雪野「え？えええええーー！？」
雪野「初号機いきまーす！おりゃー！」
総一郎「おー！」
雪野「あ、足引きずってない？変な音が」
総一郎「してないしてない」
総一郎「え」
雪野「いつからやってるの？」
総一郎「７つかな」
雪野「ふーん、好きなんだ」
総一郎「うん。体動かすの気持ちいいし、格技場のあのピーンと張った空気が好き」
雪野「ふーん」
総一郎「宮沢‥」
雪野「ん？」
総一郎「ううん」
雪野「ふふっ」
部員B「部活終了！」
部員達「お疲れ様でしたー」
椿「あー疲れたー。ん？あ、悪い。十波さん。気付かなかった」
健史「いや、後ろにいた僕が悪いんだよ。佐倉さん」どか
椿「う」
部員達「こわーい、早く帰ろう」
部員C「お疲れ様でしたー」
部員D「ああ、きつかった」
健史「ん？」
椿「はあはあはあ」
健史「よう、まだ残って練習か？えらい熱心じゃん」
椿「かっ、またてめえか。
一年でレギュラー取るとみっともねえとこ見せられないからな。忙しいんだ。帰れ帰れ」
健史「暇だし見ーてこ」
椿「あ？帰れよ。あっちいけって。とりゃ」
健史「甘い！」
椿「ふふ」
健史「ふっ」
転校してきたばっかなのにさ、なんでそう私に絡む訳？」
健史「嫌いだから。俺、嫌いなんだ。お前みたいなやつ。理由なんかねえよ」
椿「……
嫌い嫌いは好きのうち」
健史「は？」
椿「嫌いは相手への執着。ラブにもっとも近い感情。まさかお前私に！？」
健史「は？な、なんの話だ？」
椿「しかもここは人気の絶えた体育館！なにか間違いが起こるにはうってつけの状況！」ぞく～
健史「ちょっと待て！なにを！」
椿「NO-N！悪いけどそういう気まったくないから他をあたって」では
健史「おい！妙な誤解すんなよ。お前嫌いって言ったんだよ」
椿「…」
健史「腕力で俺に敵うかよ。お前は何一つ勝てないんだよ」
椿「でえっ」
健史「くっ」
椿「ばーかばーか。喧嘩はここでするんだよー。私に勝とうなんて百年早いー。きゃははははは」
くそ。あんなんじゃ駄目だ。
あんな位じゃ少しも佐倉を傷つけられない。
昔からそうだ
飄々として、とらえどころがない。
糸のない凧みたいで何も縛られない。
今のことだって、ちょっと頭にくることがあったってくらいで、
すぐに忘れてしまうんだ。
どうせ俺のこともそうやって二年間ろくに思い出しもしなかった。
あの言葉がどれほど俺を傷つけたか。
（中一の椿「ああ、小学校のとき担任に頼まれたんだよ。
面倒見てやってくれって。
私がバックにいればそんなにいじめられないし、
私、一応いじめはしない主義だしね」）
この二年間、どんな思いをしてきたのかも。
（中一の椿「ま、転校したらうまくやれよ」 ）
そういうところが憎いんだよ。
俺の屈辱がまだ少しもお前を傷つけられない。
必ずいつか味あわせてやる。
俺と同じ痛みを。
りか「浅羽くんがまだよ」
雪野「つばさちゃん、おはよう。今日も可愛いー」
亜弥「お、今日はひっかかないぞ」
りか「機嫌がいいのね」
真秀「ブツブツブツブツ…」←セリフおぼえ中
雪野「今日はどうする？とりあえずお店行かない？」
亜弥「あ、じゃあ焼きたてパンのお店行きたい」
りか「そこのお店は胚芽パンにローストビーフがぎゅうぎゅうに」
雪野「いいっすねー」
男A「ねえねえ、君たち。うわあ可愛いね。全員こんなレベル高いってなかなかないよ。なあ？」
男B「その小さい子は妹さん？これからどっか行くの？もし良かったらさ」
真秀「うるさいな。用ないならあっち行って」
男達「び、美人に叱られた」ぞくう
雪野＆亜弥＆りか「（兄貴！！）」
秀明「はいはい。ごめんなさいね」
雪野「あっ！？」
秀明「この子たちは全員僕に用があるの」
男達「うわ、変な格好な男だー！」
秀明「はははは、危機一髪だったね。子猫ちゃん」
雪野「なにあんた！ダダイストみたいな格好して」
亜弥「というか、今日一日こんな姿の人間と一緒に歩くの？」ぞー
あと昨夜、吹奏楽部の部長さんに電話してね」
真秀「家帰ってまでやってんだ。大変だね」
雪野「どこも時間ないからね。で、上演時間の件だけど。ん？」
亜弥「もっとまともな服着なよー」
りか「もったいないよー」
秀明「…」
亜弥「こんなとか？」
りか「こんなのとか」
うーん、ナイスですねー。次これ行ってみよー」
秀明「…」
真秀「いきなり脱線してるんだけど、大丈夫なの？このメンバー」
雪野「ねえねえねえねえ、つばさちゃんこれ着てみて！これ！」
真秀「・・・・（汗）」
雪野「そう、台本結構な量じゃない？
実際やったら二時間くらいになるんじゃないかな。
でも二時間の枠なんて早々取れなくて。だったら二回に分けてはどうかと。
亜弥ちゃんに判断してもらわないと分かんないから、聞こうと思って。どう？」
亜弥「うーん、痛しかゆしってとこか。一気にやりたいけど、体力的にもキツそうだしね。
お客さんが見てくれるかが問題だ」
りか「どういう時間帯になりそう？」
雪野「やっぱ私達飛び入り参加の素人集団だから、良い時間は無理で…。
朝9時半とか夕方4時じゃ誰もこないっしょ？だからいっそ昼休み使っちゃって」
秀明「ほう」
雪野「で、最新情報。吹奏楽部、今年は体育館使わないんだって。
そこの部長さんとはクラス委員会と同じ班で、
部長業大変だから、よく仕事手伝ったり変わったりしてたんで、
話したら二つ返事で、枠譲ってくれるって言った」
りか「うわー政治家みたい」
亜弥「世の中コネやのう」
真秀「吹奏楽部はどこでやるの？」
雪野「屋上。夕日の中でタイタニックのテーマやるって」
亜弥「かっちょいい。聞きに行こう」
雪野「セリーヌは現代の歌姫だよ」
つばさ「私歌えるよ。一馬と覚えっこしたもん」
雪野「うっそー！？聞きたーい聞きたーい」
亜弥「おお、じゃあこの後はカラオケ大会と洒落込みますか？」
秀明「いいねー！俺ペニシリンのロマンス歌うぜー」
亜弥「あはははは、ハマりすぎー」
雪野＆つばさ「わー」
雪野「私は椎名林檎さんの歌舞伎町の女王！」
秀明「いいとこつくねー」
亜弥＆りか「私達はゆず！」
真秀「うううう…」すぐ脱線
つばさ「Kiroroじゃないの？」
真秀「ちょっと！時間ないんでしょ！？遊んでていいの！？
雪野＆秀明「え？」
真秀「は！…ってなんで！？なんで？なんで私が心配してんのよー！！」
雪野「別にいいじゃん」
亜弥「良かった～、真秀さんやる気で」
雪野：
結局、真秀さんは中山美穂を歌わされたのでした。
真秀「帰りたい…」
月野＆花野「お姉ちゃん」
花野「明日までにセリフ覚えるんでしょ？」
月野「さ、台本の読み合わせをするわよ」
花野「カマ～～～ン」
雪野「うう」汗
雪野「はあ…
すーっすーっ…ｚｚｚｚ」
雪野：
へとへとだけど、心地いい。
勉強でバテるのとは、全然違う。
有馬も部活のあとは、こうなのかな。
悠長に進行する文化祭の準備に多事多端な登場人物たち。
だが、そんな事とは関係なく、他人の眼を気にする宮沢雪野と有馬総一郎は、自分達の事を省みていた。
その時、二人は！？
『今までと違うお話』
同学年 女子
「宮沢さん？怒らすと怖いよねー」
「汚れ級長」
「自分さえ良けりゃっていうかー」
「あ、でもさ、最初のころって人当たり良かったよね」
「うん、面倒見良い人って感じだった」
「あれそうだっけ？」
「そうじゃん。あんた宿題見てもらったでしょ？」
「あ、そういえば」
「なんか遠い昔のことのようね」
同学年 男子
「一昨日かな。英語の抜き打ちテストで有馬に勝ったって、
廊下で踊り狂ってるのを見てから、ああ、あれが彼女の地なんだなってね」
「確かに人の10倍働く人っす。リポピー飲みながら死にそうな顔で、
あれこれ指示されると誰も逆らえなかったのをよく覚えてます」
学年主任
「え？ああ、はじめは絵に書いたような優等生でしたよ。
でも、人は見かけによらないものでね。
あれで案外歯ごたえがあったりするんです。
噛めば噛むほど味のでるスルメのような生徒とでも申しましょうか」
友人
椿・真秀・亜弥・りか・つばさ「（がやがやがやがや）」
親近者
月野「もぐもぐもぐ。家じゃダラーッとしてるよね」
花野「もぐもぐもぐ。そう、ダラーーッとね」
ペロペロ「ワウワウ」
総一郎「ん？どうしたの？」
雪野「今日さ、廊下歩いてたらさ、男子がさ、ボソって言ったのよ。すれ違いざま。
宮沢さんってさ、ああ見えて結構タフなんだぜ。
なによそんな男くさい言葉ー！女の子相手に使うんじゃないわよー！」
総一郎「き、気のせいなんじゃないの？」
雪野「いーや！確かに言った！私には聞こえたの！
なんで！どうして？容姿端麗、健康美人、歩く姿は錦鯉と言われたこの宮沢がよ！」
総一郎「なんだよそれ。うわ、汚！鼻水！」
雪野「面倒なことはぜーんぶ男子に任せて美味しいとこだけかっさらってれば良かったあの良き日々。
長年の習慣。いや持って生まれた快感原則はそうそう変わらないのね」
総一郎「まーたそんなこと言って。もう見栄張るのやめたんだろ」
雪野「有馬はどうせ他人事だと思ってるんだわ。
栄華を決めた見栄っ張り人生がいよいよ過去のものになろうとしてるのよ。
これが心震わせずにいられるわけがないじゃない！」
雪野「あんたに言われるとなんか腹立つわね！」
秀明「ずーずーずー」
総一郎「それ空だぞ」
秀明「所詮、君たちの愛も僕たちの友情には程遠いってことさ」
雪野「ふん、甘いのはあさぴんのほうね」
秀明「ふふふ、妬かない妬かない。あー！いつの間に！」
雪野「もはやあんたなんかに入り込む隙間なんて、私達の間には１ナノだってありはしないのよ！」
総一郎「み、宮沢！？」
秀明「な、なにそれ？どういうこと？」
雪野＆総一郎「ど、どういうことって」///
秀明「つまりその反応は…う、うそ…それにお前ら…ほんとにそうな訳！？」
雪野「う、うるさいわね。あんまり聞くんじゃないわよ」
秀明「な、え…ひどいよ！二人して僕に内緒でー！！」
総一郎「何言ってんだよ！待てよ秀明！」
女子生徒「やだ、有馬くんが浅羽くん泣かしてるよ」
総一郎「ち、違うよ。そんなんじゃ。あいつなんか誤解してるんだ」
雪野「ほっときゃいいのよ。あさぴんなんて」
ほっときゃいいって言ってるのに。
追いかけてくるんだから。私は知らないよ。
あーあ、有馬も最近あさぴんとの漫才が板についてきて困るわ。
案外私らのほうが奴の術中にハマってるんじゃないのかしら。
秀明「ほんと？ほんとに俺達、今まで通りにやっていけるのかな？」
総一郎「ああだから、別に何でもないって」
秀明「うう（泣）」
総一郎「大丈夫、やっていけるって」
秀明「ほんと？あ、あのさ。僕詩集作るんだけど、
有馬がいいと思ったのを選んで欲しいんだ。それ載せるから」
総一郎「いや、僕まだこれから委員会の仕事あるから。
（何やってんだ、僕…）」
分かってはいたつもりだったけど、
自分を思った通りに変えるっていうのは結構難しいものなのね。
もし、有馬と彼氏彼女の関係にならなかったら、
私はどうなっていたんだろう。
[シミュレーション中]
雪野：
もし有馬が、私の前に現れなかったとしたら？
そりゃまあ、私のことだから、要領よく元の
見栄っ張り人生を謳歌したのは間違いないことだけど。
20XX年
雪野「おーほっほっほっほっほ。わかってないわねー。
男なんて収入が第一。顔なんてその次よー！おっほっほ。
やっぱり世の中金なのよー。金、金ー！
花野「たくましいのね、お姉ちゃん」
月野「この人に旦那は必要ないわ」
雪野：
あ、危ないとこだったかも。←永遠の見栄王の姿を垣間見てしまった。
宮沢ー！あれ、どこに行ったんだ？」
椿「あ、有馬」
総一郎「宮沢知らないか？」
椿「帰ったんじゃないの？」
りか「浅葉くんならついさっきベソかきながら歩いてたよ」
亜弥「声掛けられなかったよな」
総一郎「い、いや、あいつはいいんだ。
今日は、文化祭の打ち合わせの約束してあったんだけど」
椿「つばさ、なんか知らない？あれ？」
猫「カーッ」
つばさ「くわー」
猫「ニャー！」
椿「ダメだ、ありゃ」
亜弥「あ、そうだ。ゆきのんなら自販機コーナーでジュース飲んでたよ。十波と」
総一郎「…」
りか「そういえば。うん、十波くんに聞いてみれば？」
総一郎「ありがと」
総一郎「…」
健史「…」
総一郎「…（僕は何をやってるんだ）
宮沢！
宮沢！
宮沢！」
結局私の変わったのって見栄張るのやめたってことだけで、
欲深なとこはちーっとも変化してないのね。
こういうのって変わったっていうのか？
インチキくさい気も。
あ～～～～～っ。やめやめ。
こういう悩み方したって深みにハマるだけなんだから。
有馬はどうなんだろう。
しょっちゅうこんなこと考えてるんだろうか。
幼い僕を残して。一族の恥だったんだろうね。
今の両親に引き取られたとき面と向かって言われたよ。
あんな親から生まれた子はろくな者にはならない。
だから僕は欠点のない人間にならなくてはいけなかった。絶対に。
そのうち一つの考えが浮かんできた。
もしかして今まで自分だと信じてきたものは、努力で作り上げただけの偽物だったんじゃなかったのか。
僕の中にはもう一人本物がいるんじゃないのか。
最低の人間だったらどうする！？」
雪野：
有馬に暗い感情を起こさせるのが何なのか。
何が彼をそこまで苦しめるのか。
その本当のところは、結局私は何も知っちゃいない。
雪野「え、あ、あれは？有馬！？」
総一郎「やだ！やだ！見たくない！」
幼い総一郎「うっ…うっ…」
雪野「なぜ？あれは有馬でしょう？泣いてるよ。そのままでいいの？
怖かったら、私がついていてあげるから。これは、有馬が自分で解決することだよ。
よくは分からない。けど、そういう気がする。私に出来るのは支えることくらい」
雪野＆総一郎「…」
総一郎「うっ。くっ。さあおいで」
幼い総一郎「うっ…うっ…」
総一郎「さあ」
幼い総一郎「うっ…」
総一郎「さあ！」
幼い総一郎「うあわあああんっ…」
総一郎「何やってんだよ！そんなんじゃ！」
幼い総一郎「うっ…うっ…」
雪野「有馬！有馬違うよ。有馬がして欲しかったのはそうじゃない」
本当は誰でも心の底で僕を拒絶している。僕に悪意を持っているという意識があった。
最初にそれを和らげてくれたのが、今の両親。
それでも僕にとって、人に嫌われるということは、それを想像するだけでも恐怖だった。
だから誰からも嫌われないように、誰からも蔑まれることのないようにしてきたんだ。
気づけば優等生と言われいた僕も元を正せば、
自分が傷つくのを恐れて、他人と深く関わるのを拒んだ。
その結果のことでしかなかった。
雪野「有馬」
総一郎「え？」
雪野「私思うんだけど、自分で自分のことどうこう言うのってあんまりあてにならないよ」
総一郎「そ、そう？」
雪野「今の自分がどうしてこうなったかなんて、きっとそんな簡単に言葉に出来ることじゃない。
気づいてないだけで、きっと自分が思ってる以上に、
色んなものから影響を受けて有馬は有馬になったんだよ。
考えることなんて、その時の気分で結構変わるもんだし。
真面目な有馬も、私、好きだし」
総一郎「///」
総一郎：
駄々をこねていても、いとも簡単にあやされてしまう。
宮沢にかかると、僕はまるで子供だ。
彼女がいないと僕は。
幼い総一郎「うっ…うっ…」
総一郎「！」
総一郎：
僕はまだ変わらなくちゃならない。
幼い総一郎「うっ…」
総一郎「宮沢」
雪野「え？」
絶対に近い自信を持って、自分のことしか考えてこなかった私だった。
とは言え、この変化も、今はたまらなく心地良い。
雪野「あ！有馬！？有馬は？
あ！有馬。
おーい！有馬！有馬！おーい！
あれ？」
雪野：
私達は、お互いを変えるために出会ったのだろうか。
だとしたら、変わったことで、私達は、二人でいる必然性を無くしてしまうのかも知れない。
それもいいか、とも思う。
同じようで、少しずつ違う。
新しい出会いや、別れを繰り返しながら、私達はこれからも、変わっていくのだろう。
花野「ちょっとうまくまとめすぎなんじゃない？」
雪野「あ、そうだ！
待てー！有馬！待てー！有馬ー！待て待てー！」
雪野：
一人で納得してる場合じゃない。
私達はまだ、具体的なことは何も分かっちゃいないんだ。
総一郎「？」
雪野「zzzzzzzzzzzz…」
雪野：
そして、約束しよう。
いつかそういうことがあっても、
二人で感じた色んな気持ちを、決して忘れないように。
YOU MAY DREAM 真っ白な恋は翼になる
天使のゆびきり 叶うように
目の前を過ぎる横顔 ときめきが踊り始める
話す声 耳を傾け またひとつあなたを知った
ほんの少し勇気出して その瞳を見つめたい
YOU MAY DREAM 真っ白な恋は翼になる
天使のゆびきり 叶うように
「天ノ巻」
突然ですが、我らのお姉ちゃん、神奈川県立北栄高校1年A組所属の仮面優等生宮沢雪野は、極度の見栄王である。
とにもかくにも人前で見栄を張ることが超生き甲斐で、
端から見ると眉目秀麗、才色兼備、世間様の前ではパーペキな優等生を演じきっていた。
ほんっとナルシスな女。
だが、お姉ちゃんの凡ミスでそのついにその仮面が剥がれてしまったのだ。
ああああーお姉ちゃん迂闊…！
そんな彼女の正体を初めて知った幸運もしくは不幸とも言える稀有まれな人物、
その名は有馬総一郎（お姉ちゃんの同級生）。
彼もまた超モノホンの優等生。成績優秀、スポーツ万能。誰とでも仲良く敵を作らぬ人当たりのいい性格。
おまけにお家は、江戸時代から続く医者の家系というブッチバリバリのサラブレッド。
しかしこいつがまたとんだくせ者。お姉ちゃんの弱みを握ったことをいいことに
自分の仕事を散々手伝わすという割とダークな策略家だったのだ。
ああああーお姉ちゃんピンチ！
じゃけんど、こともあろうにその敵に対して初めてのときめきまでも感じてしまい、更なるパニック、
しっちゃかめっちゃかな状況に陥るお姉ちゃん。
自分一人の勝手な思い込みでただひたすら空回りを続け、テンパった末、ついに切れるが！
なんやかんやとすったもんだの末、和解。
形式は違えども二面性を持った優等生として秘密を共有する関係となった。
その後、二人はクラス委員の相棒、仲のいい友人、友達以上恋人未満という段階を経て、
晴れて彼氏彼女という関係までにたどり着く。
そしてお互いの人生に触発された二人は、
自分達の本当の幸せのために生きていこうと決心するのだった。
う～良かったね～、お姉ちゃん。
そうなんやけど、世の中そねえシンプルで甘うないっちゃ。
そう、世間様は厳しいっす。
超多忙を強い、徹底的に二人を会えなくする学校行事、体育祭の脅威。
自らの野望、浅葉メリーランド計画遂行のため、お姉ちゃんにやたらとケチをつけ、
行動を妨害し、あわよくば別れさせ、
フリーに戻った有馬くんを利用しようと画策するふしだらな変態美形、浅葉秀明の出現。
待ちに待っていた初デートの失敗。
その反動による勉学そっちのけでの逢瀬とすれ違いの日々。
などなど、次々と襲いかかる数々の試練にも耐え、
着実に己の人生経験を豊かにしていったのでした。
あ～刹那の己の幸せを噛みしめるお姉ちゃん。
そして、誰もいない雨の放課後。
雷鳴轟く中、二人は遂に…。
いや～～～！！なにこれなにこれ！？いや～～～～～～～～！！！！！！！
あー恥ずかし。
「地ノ巻」
その年、7月。期末試験が無事終了。
結果、己の欲望に忠実に身を任せていた宮沢雪野は、強烈にその順位を落とす。
だが、同様の有馬総一郎は、わずかしかその位置を下げなかった。
彼の卑劣さを彼女は呪い、早くも二人の間に亀裂が走る。
時を同じく事態を重く見た学校側は、急遽二名を呼び出し、説得工作に入る。
だが、彼女は意外な抵抗を示し、断固拒絶する。つづく状況悪化。
しかし状態は、彼女の父親の一言をきっかけに、容易に打破されるのだった。
勢いに乗った彼女は、誰もいない有馬邸に赴き、流されるままセカンドキスを体験。
有馬は、自分に対する彼女の存在の重さに感謝を覚える。
一方その頃、宮沢雪野は人生最大の危機を迎えようとしていた。
彼女の行動を独自に分析、その正体を単独で暴いた伊沢真秀の先導による、
クラス女子全員参加の宮沢シカト事件が発生したのだ。
時を同じく、有馬に対し密かに恋心を抱いていた、芝姫つばさによる嫌がらせも勃発。
自業自得とはいえ、同時多発の突発的事態に対して、有馬の救いの手をはねのけ、
一人勇猛果敢に立ち向かう宮沢雪野。
しばしの膠着状態のうち、芝姫つばさによる嫌がらせにぶち切れた彼女は、ついに怒り心頭、
我を失い暴走し、学校内を恐怖のどん底に陥れる。
その阿鼻叫喚の様は、芝姫つばさを心身ともに追い詰め、うやむやのうちに事態は収集。
宮沢雪野は、はじめて友達と呼べる感覚をいきなり手にするのだった。
「人ノ巻」
椿「だって。鬱陶しいなあもう。亜弥、あんた文系なんだから、ちゃちゃっとやっといて」
亜弥「えー私だって嫌だよ。めんどくさい。りか、あとよろしく」
りか「えー！私が！？私じゃうまくまとめらんないわよ。えっとーあの、その、真秀さん、よろしく！」
真秀「えー！私だってそんな、ただの説明キャラなんていやよ！
あ、この子が適任なんじゃないの？最近滅多に喋んないんだから」
つばさ「有馬取られたー」
真秀「端的なご説明、ありがとうございます」
つばさ「ねえ、もっと喋っていい？」
椿＆亜弥「どうぞー」
つばさ「これから先、果たして芝姫つばさがケモノからヒトに戻してもらえるのはいつかっ？
果たして本当にその日がくるのかっ？それとももう私の役割はすでに終わってしまったのか。
一馬を友達に紹介するという話は一体どうなったのかっ！？
まあ、もうそれくらいよね。私に残された興味事としては。
もしかしてまともに喋れるのこれがシャレじゃなく、マジ最後かもしれないし。
ごめんね、ただの愚痴よね、これって」
椿＆亜弥「いえ、心から心中お察しするわ」
つばさ「じゃあ話戻して」
椿「まあ夏休みは色々あったわね」
亜弥「人並みにカラオケ、ウィンドウショッピング、叫んでダベリ」
つばさ「あと海行ったり」
真秀「他に何やったっけ？」
りか「ゆきのんは家族旅行に行ったみたいよ」
椿「いいなー温泉行きたいねー」
亜弥「ババくさい言い方するなー椿」
つばさ「まだ若いのに」
椿「いいじゃんさ。温泉を馬鹿にするやつは温泉に泣くよ」
真秀「25過ぎるとね、ありがたみが分かってくるのよ」
つばさ「そういうもんかね」
椿「そんなのただの自意識過剰なんじゃないの？」
亜弥「まったく、わかんないもんな。他人のそんなことまで。
自分自身だって、どれだけ知ってるか怪しいもんなのにさ」
椿「でも、ちょっと最近雰囲気変わったみたいだからな」
亜弥「やっぱこの夏、行くとこまで行ったのかな。あのお二人さん」
真秀「さあ。表層的には二人とも真面目そうだけど」
椿「え～男と女は分かんないんじゃないの？」
亜弥「そういうのってさ、勢いとタイミングじゃん」
椿「でも私ら別に我関せずだからね。やりたきゃやるだろうし」
りか「他人がとやかく言うことじゃないよね」
椿＆亜弥「そうそう」
真秀「このグループは…」
りか「それでまとめはどうするの？まとめは。そろそろ時間じゃないのかしら」
亜弥「なんか近況言っときゃ、それでいいんじゃないの？」
椿「やたらと長かった夏休みも終わり、ようやく２学期が始まった、でいいんじゃない？」
真秀「んな、適当な」
りか「じゃ、あとは謎の転校生、十波健史の登場」
亜弥「あと、文化祭でやる芝居の準備続けてるじゃん」
真秀「それもようやく軌道に乗ってきたところじゃない」
椿「こりゃまたやたらと長い二週間になりそうだね」
つばさ「でも私の出番短いっ！私の出番っ！私の出番っ！せめて、人間らしくっ！私の出番っ！」
椿＆亜弥「どうどうどう」
椿「でもまあ、いいのよこれで」
これからのあらすじ！
突発的事態に翻弄され、きりきり舞いのお姉ちゃん。
だがそんな事とは関係なく、私は正体不明の影につきまとわれていた。
これってストーカーって奴？
それとも春のお出ましか！？
次回、カレカノ『これまでと違うお話』
うぉっす！
度重なる連鎖式倒産。増加を続ける失業率。
目に余る青少年の凶悪犯罪など、
まさに世紀末と呼称される言葉のイメージによって翻弄されるにふさわしい、
時代と場所になっていたのである。
一方、神奈川県立北栄高校1年A組所属の、仮面優等生宮沢雪野は、極度の見栄王であった。
彼女を変えた有馬総一郎は、敵を作らず全ての不幸を一人で背負い込もうとするモノホンの優等生であった。
形式は違えども、お互い二面性を持った優等生として秘密を共有する関係となった二人は、
クラス委員の相棒、仲のいい友人、友達以上恋人未満という段階を経て、
晴れて彼氏彼女という関係にまでたどり着く。
そして自分達の本当の幸せのために生きていこうと決心するのだった。
だが、世間の荒波は二人に対し、過酷とも言える試練を次々と送り込んでいく。
頑張れ！宮沢雪野！
負けるな！有馬総一郎！
この世界は、君たちのためにあるのだ！
月野「なーにボーッとつっ立ってんのよ。遅刻しちゃうぞ」
花野「もう、月姉ちゃん！」
月野「ふふふっ」
花野：
私、宮沢花野。現在中学２年生。
今が多感なお年頃。
うちの家族は、私を入れて５人。
父に母に、姉が２人。
あ、それから我らがペロペロ。
正確には、５人と１匹。
父は子供。無邪気だ。大きな弟って雪野姉ちゃんが言うけど、その通りだと思う。
母は優しい。難しいことは言わないけれど、あたたかく優しい。
２人は私達、子供の目から見ても仲良し夫婦だ。
すぐ上の姉は月野。何考えてんのかぜんっぜん分からない。
すぐ突拍子のないことをする。
だから私は…
月野「おらーさっきからあんた何ぶつぶつ言ってんのよ！」
花野「月姉ちゃん、やめ…」
月野「あ、どうもー」
洋之＆都香「どうもー」
概して外面がいいのが我が家族だ。
一番上の姉は雪野。３人そろって雪月花。
四季折々の良い眺め。
たしかにうちの姉妹はいい線いってると思う。
中でも、雪姉ちゃんは、お母さんに似て綺麗だ。
雪野「あー私は帰る！もう帰るからねー！」
頭もよくて行動力もある。
だけど、ちょっと…いや、かなり～危ないところもある。
それが長女、雪野。
雪野「えっへん！」
私は中２。だけど本やお芝居を沢山見てる。人の観察眼も冷静なほうだと思う。
呑気そうだけど、ちゃんとしてる。それが私だ。
花野：
いざとなったら、私がしっかりしてればいればこの家は安心。
でもそれはちょっと偉そうだよね。
雪野「何が偉そうだって？」
花野「あ、いや、別に。お姉ちゃん足早いね。うん」
雪野「どうしたの？みんな。何盛り上がってんの？」
花野「宝くじ。お父さん会社の人からもらったんだって。
当たったらお正月にみんなでどっか行こうって。えへ」
雪野「ったく、うちはどうしてこう皮算用ばっかするんだろう。
まあ、典型的一般的庶民といったらそれまでだけど」
櫻ノ園
雪野「うーんまた大層なもん読んでるんだわね」
花野「うん、古いけど結構感動するよ」
雪野「感動もいいけど、読んで泣くのは起きてるときだけにしな。顔むくむよ」
花野「え、また私泣いてた？」
雪野「悲しい本ばっかりじゃなくて、愉快な本も読みなよね。貸してやろうか？」
花野：
私は子供。
子供だけど大人。
雪姉ちゃんや月姉ちゃんよりは大人だ。
物事をわきまえてるつもり。
主将だけど図々しい。
でも、呑気なのが私。
花野「ばっははーい」
部員達「バーイ」
百合香「いいねー文化祭は」
花野「準備はみんな燃えるんだよねー」
百合香「とかいいながら早々と帰っちまううちのクラブってなんて呑気なんでしょう」
花野「文芸部は燃えようがないよ」
百合香「まあね。毎年同じだもんね。朗読でもやれば違うんだろうけど」
花野「やだよーそんなの。誰も聞かないって」
百合香「そうかなー？案外いるかもよ」
花野「え、あ、月姉ちゃん」
百合香「こんにちは」
花野「月姉ちゃん、準備のほうはいいの？」
月野「ああーいいのいいの。
（月野「妹が病気で。お医者さんに連れていかなくちゃ」）
ということで、今日はお姉ちゃんと一緒に帰るんだぞ」
花野「私はダシか？」
月野「うふふ。まあうちのクラスは迷路とバザーだから、
迷路なんてもんは前日にだーっとあたふたして作ったほうが、
ぐちゃぐちゃの迷路らしい迷路になるって」
花野「誰が言ったのそんなこと？」
月野「お父さん」
花野「ははは。言いそう言いそう。どうしたの？」
月野「何？」
百合香「何か私達を見てる人、いたような…」
月野「ふーん。ストーカーかな？」
花野「いきなりそれかい」
百合香「じゃあ私ここで失礼します。さよなら」
花野「ばっははーい」
月野「気をつけてね」
同じ道筋帰り道自意識過剰ってやつ。
うちらの勘違いだったらいつの間にかいなくなってるはずだよ、きっと」
花野「お、お、お姉ちゃん」
月野「勘違い違い…みたいね…」
花野：
静かなる対決は、どれくらい続いたのだろう？
ほんの4、5分くらいのことだったのかも知れない。
しかし、我々の緊張の糸は、あまりにも細かった。
月野＆花野「ぎえええええええええええええええ！！！！
いやあああああああぁあああああ！！！」
花野「ね、ね、姉ちゃん」
花野：
ふって湧いた尾行騒ぎ。
大丈夫、私は大丈夫。
時間は夕方。大通りまで行けば人がいる。
ここは一発、死中に活を求めて。
月野「待って、こにょこにょ」
花野「いー！！」
月野「しーっ行くわよ。チャー！」
花野「シュー！」
月野＆花野「メーン！」
月野＆花野「あ、はははふふふふふ、ぎゃあああ！！ごめんなさーい！！」
恵「…
うふ」
花野「お姉ちゃんの馬鹿！恥かいちゃったじゃん！」
月野「でもやっぱし勘違いだったみたいね。あはははは」
花野：
だがしかし、これはこれから怒る怖い事件の、序章にしか過ぎなかったのだ。
おゝとりゲン「うわーいwwwwwwwwwwww」ダン「」
https://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/rsfx/1663530370/
┌""´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀"ヽ､
ｌﾞ.／￣￣￣~丁ﾞ○ﾞ○ﾞ丁~￣￣￣＼.ﾞｌ
| | 普 通 |.＿＿＿ | 高速神戸 | |
| | ￣￣￣￣||￣￣￣||￣￣￣￣ | | ／￣￣￣￣￣
| | || || | | ／ また虚カスが
| | || || ∧＿∧ | | | 糞スレ立てたんか
| | || || （ ´∀｀） | |＜
| ｌ,＿＿＿＿_,||＿＿＿|ｌ,＿＿＿＿_,ｌ | ＼ グモれ！
|.＿＿＿＿＿_|＿＿＿|＿＿＿＿＿_.| ＼＿＿＿＿＿
| 5512 .| | |
| ＿ .| |. .＿ |
| . └┘ |＿＿＿| └┘ . |
|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_,l
| ┌─┬ l×l]l ┬─┐ |
| |_＿_三三三三＿__| □ |
l＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿.l
―／／――――＼＼―
―／／――――――＼＼―
ヽ(´Д`;）ノ
（＿＿＿） ←>>1
｜ ｜
◎￣￣◎
洋之「お、今日も早いな」
都香「お芝居、お芝居」
洋之「雪野ならそのままで役者なんだから、練習する必要ないだろうが」
都香「そりゃ、お父さん」
洋之「あ、青春か？」
都香「そうよ～」
花野：
あの日を境に、私の戦いが始まった。
月野「おかわりー」
花野「う、ううん…」
花野：
月姉ちゃんは気づいていない。
先日のあの事件は、あー勘違いだ、と納得したようだ。
しかし、私には見える。
私につきまとう暗い影が。
花野「ああ、おお」
月野「見えてないじゃん」
百合香「おはよう。どうしたの？」
花野「わ、私の後ろに立つんじゃなーい」
百合香「誰が？」
月野「本の読みすぎなんだよ花野は。じゃ、私先に行くよ。
辛気臭いの移っちゃったら、一限の英語萎えちゃうもんね」
花野「あっ」
百合香「悩み事？」
花野「うん、ちょいと影な気分」
百合香「異邦人？」
花野「あ」
恵「…」
花野「あ！」
百合香「そういえばあの子最近よく見るよね。確かD組の…」
一体、私につきまとう影の正体って。
知らないうちに犯罪に巻き込まれてるってこともあるし。
そういえば、お父さんの宝くじ。
きっと、それを目当てに、私を誘拐…！？
いやまさか、まだ当たってもいないのに。
あ、でも…。
花野「…」
カラス「カーカーカー」
花野「…！」
花野「ただいまー。誰もいないの？お母さーん？お姉ちゃーん？
…！は、い…宮沢です。もしもし、もしもしお母さん？もしも…
は！？月姉ちゃんお帰り」
月野「ただいま」
花野「なんでそっち行くわけ？信じらんない」
月野「まーだそんなこと言ってるの？気のせいだってば」
花野「でも、今日だって」
雪野「なによ、モテモテじゃん」
花野「お姉ちゃん！」
雪野「お、来るか？」
花野「トイレだよ」
花野「ったく、ちっとも頼りにならんな。うちの姉どもは」
恵「…」
花野「なんで？…！！」
月野「ごゆっくりじゃん」
花野「…月姉ちゃん」
都香「よくあるのよね、そういうの。憧れっていうのかな。
男の子に対してまだいやだなって思ってる頃は、女の子って、女の先輩とか先生にね」
洋之「ふーん、でもなんか美しいね。青春の一ページってやつかな、お母さん」
都香「うん」
月野「ま、頑張ってよね花野」
花野「薄情姉妹！」
雪野「私は今それどころじゃないもの。恋に芝居に勉強に。てんてこ舞いなの。わかるでしょ？」
月野「私も迷路にバザー」
花野「あたふたのぐちゃぐちゃっていってたくせに～」
月野「今がそのあたふたの頃なのよ」
都香「花野はいつも難しい本読んでるんだから、自分で解決なさい」
洋之「うんうんうん、青春だねー」
花野：
姉二人は薄情。
父は相手が男じゃないと知って余裕の構えだ。
味方はいない。
恋は一人で戦う、のか…。
な、何その気になってるのよ。私は。
月野「例の子じゃない？声かけてみたら？」
花野「いやだよー」
月野「じゃあ、私が」
花野「あ…あ。
あ、あっ！」
恵「気をつけなきゃね」
花野：
私に付きまとってる黒い影って、D組のあの子だったんじゃ。
すると、今朝の人影は…。
月野「花野、こっち！」
花野「月姉ちゃん」
花野「はあはあはあ、私何やってんだろ」
恵「それよりここから早く離れないと。まだ動ける？」
花野「う、うん。ねえ、一体なにがどうなってるの？
なんとか言いなさいよ！待ってよ！」
花野＆恵「あ」
恵「大丈夫？」
花野「プ、プリン」
恵「あ、あ！ごめんなさい。今は言えないの。でも、私を信じて」
花野「信じる…」
洋之「許さーん！」
花野「い、いーやー」
洋之「絶対に許さんぞー！」
花野「お父さん」
洋之「やっぱり許さん。うちのお姫様と結婚しようなどとは、たとえ女でも許さんぞ！」
花野「何言ってるのよお父さん。別に私達そんな、結婚なん、て…」
花野：
え、私達、結婚って。
だからその気になるなよー。
月野「……」
洋之「なんだいこりゃ」
都香「りんどうよ。綺麗よねー」
雪野「お、えっーと。“あなたをずっと見ています”」
花野「…」
花野：
要するに、私は戸惑いまくっている。
街の声＜知らない女の子から好きって言われたらどうしますか？＞
椿「嬉しいね」
秀明「全然OKよ」
総一郎「ごめん。そういうのわかんないや」
花野：
人から好かれるってなんか複雑。
語るべき言葉がない。
雪野「ま、耳年増のあんたも、良い機会ということよ」
花野：
実感できると理解力が増す、というのは、
暗記法の肝だったような気がしたが、
こんな実感は正直、したくない。
花野「あの子？」
百合香「そう、あの子」
（恵「放課後、裏庭！絶対逃げないように！」）
花野「そこまで言うならこれいらないじゃん」
“Dear 宮沢花野へ
今日の放課後
裏庭まで来るように。”
百合香「気持ちの問題じゃない？ほら、果たし状だし」
花野「トホホホホ」
月野「あははははは」
花野「ねえ、一緒に来てよ、後見人。立会人でも良いからさ」
月野「何それ？」
花野「ねえ、こりゃマジだよ。こわいよー」
月野「屁理屈ばっかのあんたにもついに訪れたピンチという訳か」
花野「どうしよう、どうしよう、ねえ、いきなりその泣きつかれちゃったりしたら、あの、その…」
（恵「ひどい、無視するなんてひどい！」）
（花野「いや、そういうんじゃなくて、その」）
月野「あははははははは」
（恵「死なせて！結ばれないならいっそ」）
月野「あははははははははあはははいひひひひひ」
花野「月姉ちゃん笑いすぎ…」
百合香「え？」
花野「当たって砕ける」
百合香「砕けちゃうんだ」
花野「どうなるもんでもないもん。私は今の自分の気持ちを言うだけ」
百合香「ついてこうか？」
花野「いい。砕けるだけだもん。こっそり覗いたりしちゃダメだぞ」
百合香「しないよー」
花野「（汗）」
―放課後
月野「おお、待ってる待ってる」
百合香「……」
月野「へへ。なんか変な展開になっちゃったね、百合香ちゃん。
こうなっちゃうとさすがに深刻だね、あの子」
百合香「あ」
大好きだから あんな風にしか 伝えられなかったよ
花野：言わなきゃ、言わなきゃ…。
38度の瞳 少しうるんだ夜空を見てる
遠い日のせつないことが 胸をしめつけた
花野「私のこと好き、なの？」
恵「私に惚れ、てる？」
月野「え？」
花野「惚れてるって追っかけといて惚れてるってどういうこと？」
恵「追っかけてない。あなたよ、あなた。いつもあなた私のこと見てたでしょう」
花野「いたから見たのよ。だってあなたでしょう？私をいつもつけ回してたの」
恵「うん？」
花野「学校でも、帰り道でも、あ、家の前でも見上げてた」
恵「うちあの辺だもん。しょうがないでしょう。
家に帰るときには必ずあそこ通らないといけないんだから」
花野「なんで私を見るの？」
恵「あなたが見るからよ。あなたこそ」
花野「あなたが見るから…！え？」
花野＆恵「あ、あははははあははははは」
月野「はあ？」
がんばらなきゃ なのに今日に限って
こぼれおちる記憶の砂が 止められない
花野「自意識過剰」
恵「うん、過剰過剰」
花野「いつも自分を見てる女の子」
恵「そう思ってた」
花野「こいつ私に惚れてるなーっと」
恵「思った思った」
花野「そのうちこっちも顔赤くしちゃったりして」
恵「目が合ったら顔そむけちゃたりして」
花野「悩んじゃったりして」
恵「責任取んなきゃって思ったりして」
花野＆恵「あははははは」
風邪ひいた夜は 思い出す 昔 いじめたあの子
会えなくなってわかるものって こんなに苦しいね
月野「なに、解決？」
百合香「良かった。花野、ごめん」
花野「うん、恵ちゃんも悩んでたらしいよ」
雪野「恵ちゃんっていうんだ」
花野「そう、耳年増の恵ちゃん」
雪野「へえ、似たもの同士だ。こりゃいいね。あはははは」
花野「うん、恋人にはならなかったけど、友達になったよ」
雪野「あれ？じゃああのりんどうは？」
花野「月姉ちゃん」
雪野「月野？」
花野「そうなの、ぜーんぶ月姉ちゃんの悪巧みだったの」
月野「悪巧みとな」
窓を開けたら 次の季節の匂い 舞い込んできて
オルゴール かすかにひとつ 胸に響かせた
花野「月姉ったら、百合香に頼んで私のことつけさせてたんだって。ひっどいでしょ」
月野「だって、花野ったらいつも私は冷静で何でもわかってて、何があってもへっちゃら、
みたいな顔してるんだもん。ついついからかいたくなっちゃうのよね」
雪野「あー！それは言えてる！」
花野「うーん、雪姉までー！でね、最初は単に私を驚かすつもりだけだったのが、
恵ちゃんの出現で路線変更ってことで、りんどう置いたんだって」
月野「そのほうが面白いもーん」
雪野「月野もあんまり花野をいじめちゃ…だめ…あははははははは」
雪野＆月野「あはははははははは」
小さな手紙を ずっと大事にしてたね
いつかそっと 心のエッジがぼやける頃には
戻れないくらい 大人だった
花野「えー！なんで！？なんで！？」
月野「え、じゃあこの前のりんどうって私にだったの？
てっきり花野をひっかけるためだとばっかり」
百合香「私お姉さんにあげたんです」
月野「え、あ、でもなんで私に」
百合香「私、前から花野のお姉さん良いなって思ってて」
花野：
そうか、そうだったんだ！
じゃなかったら百合香が私を騙す手伝いなんかする訳ないもんね。
風邪ひいた夜は 思い出す 昔 いじめたあの子
大好きだから あんな風にしか 伝えられなかったよ
百合香「お姉さん、私のお姉さんになってください」
月野「いや、あの」
花野「月姉ちゃん」
月野「花野、助け…て…」
花野「自分で解決、しましょうね！」
泣き顔も 笑顔も あの日のまま
どこへも行けなくて
夜明けを待ちわびる
これからのあらすじ！
うかつにも有馬くんの異常に、もう一つ気づかないお姉ちゃん。
だがそんな事とは関係なく、十波健史は自分の気持ちにようやく気づく。
そして人々はわけもわからずテンパっていく！
次回、カレカノ『14DAYS・6』
ラスト～～！
うぉ～～～～～～っす！
相次ぐ連鎖式倒産。増加を続ける失業率。
目に余る青少年の凶悪犯罪など、
まさに世紀末と呼称される言葉のイメージによって翻弄されるにふさわしい、
場所と時代になっていたのである。
時を同じく、神奈川県立北栄高校1年A組所属の、仮面優等生宮沢雪野は、極度の見栄王であった。
彼女を変えた有馬総一郎は、敵を作らず全ての不幸を一人で背負い込もうとするモノホンの優等生だったのである。
形式は違えども、お互い二面性を持った優等生として秘密を共有する関係となった二人は、
クラス委員の相棒、仲のいい友人、友達以上恋人未満という段階を経て、
ついに、彼氏彼女という関係にまでたどり着く。
そして、自分達の本当の幸せのために生きていこうと、決心するのだった。
この二人に対し世間は、過酷とも言える試練を次々と送り込んでいったのである。
突発的な魔の手を払い除け、度重なる逆境にも耐え抜いた宮沢雪野は、
今や、夏休みを後にし、一路秋の大文化祭を謳歌しようとしていた！
だが、しかーし！
語り：彼は現れた。
雪野「おっ あさぴんじゃーん」
語り：そして合流。
秀明「おおっ 宮沢も放送・受付かぁ」
女子生徒達「キャッ 浅葉くーん」
語り：そして会話。
雪野「おう よろしくねー」
語り：彼も現れた。
健史「あれ 二人もここなんだ」
雪野「十波くん」
語り：さらに合流。
健史「よかったー オレ転校してきたばっかで 知り合いいねーし 学校わかんねーし」
語り：そして会話。
雪野「じゃ私といなよ ついでに色々教えてあげる」
語り：続く会話。
健史「なんかコキ使われそー」
語り：続く会話。
雪野「…当然じゃない」
語り：だが、彼は沈黙。
秀明「……………」
語り：そして、凝視。
健史「（…この学校で一番大きな木だな）」
健史「痛ぇ」ゴチ
椿「あー 悪い悪い」
語り：と、彼女は詫びる。そして笑顔。
語り：遭遇。
語り：小癪。
語り：接近。
健史「……何やってんだ こんなとこで」
語り：会話。
椿「間食 こーいうとこで食べんのがカクベツでさー」
語り：馬鹿笑い。
健史「ゴリラ!!はははーゴリラじゃんっお前!!」
語り：呆れる彼女。
椿「…そーいうお前もゴリラみたいだぞ」
語り：再び小癪。
椿「ほらよ エサ」
語り：気だるさ。
椿「はぁ～あ」
語り：そして安らぎ。
椿「むにゃむにゃ」
語り：均衡の破壊。
椿「んあ？」
語り：耐久の破棄。
健史「おとついオレが言ったこと忘れたわけじゃないだろ」
語り：そして介入。
健史「何 余裕こいてんだよ」
語り：だが、彼女は何も動かない。
椿「ああ」
椿「嫌われたもんは仕方ないなあ ま 好きに嫌えば」
語り：動かない。
健史「ムカ！なんだよそれ…」
語り：動かない。
椿「それに私結構おまえ好きだし」
語り：沈黙。
語り：動揺。
健史「あア！？」
語り：そして、再主張。
健史「オレは お前を嫌いっていってんだよ！」
椿「変なの。嫌われたら嫌い返さなきゃならないのか？
考えたら私はお前といるの面白いと思ったんだもん。それでいいだろ」
奔放で
こいつの心はいつもどこか遠いところにいる
オレのどんな声も
感情も
届かない
決して 佐倉に 届かない
椿「なぜ？」
語り：彼は答える。
健史「知らない」
椿「私 キスなんか初めてした」
語り：彼も同意する。
健史「そういえばオレもだ」
語り：そして、疑問。
健史「（……？なんであんなことしたんだろう）」
語り：疑問。
語り：疑問。
委員「では、次に本部運営についての確認事項ですが…」
総一郎「……」
『第３場』
[準備室]
雪野「ふーありがとー」
語り：彼女は礼を言う。
雪野「今日はこれから参加サークルの企画書のチェックと整理よぉ～」
語り：そして労働。
雪野「議題を書き出したり 夜まで…夜までね…」
語り：そして苦しみ。
健史「た…大変そうだな 何か手伝おーか」いちおー学年一位だし…
語り：そして同情。
雪野「いや もってもらっただけでいいよ ありがとー」
語り：そして返答。
健史「何だせっかくの厚意を」
語り：そして会話。
健史「だってあんまり他の男の子と仲良くしたら有馬さびしがるもーん」
語り：そして惚気。
健史「何だそりゃ 思い上がんな!!」←ありまファン
雪野「おほほほほ。ホントだもーん♪」
ぜんぜんわかんねぇよ
有馬くんはなぜこんな女と…
もっと清純で可憐な愛らしい…
ぴったりな女の子と
いくらでも付き合えるだろうに…）」理解できん!!
語り：理解不能。
語り：理解不能。
語り：理解不能。
語り：理解不能。
健史「どうせおまえが何も知らない無垢なありまくんをずるいワナにかけて
篭絡したんだろう かけてきっとそーだ！」
語り：そして推断。
語り：そして言及。
雪野「ぶーっ！ハズレー。有馬のほーからアタックしてきたんですぅー」
健史「聞こえない～～うそだーっ!!!」
語り：驚愕、そして否定。
雪野「それより椿への復讐はどうなってるの？」
語り：そして、彼女は聞く。
健史「え………してるよ あきらめてねえよ」
雪野「ふーん」
雪野「でもなー 2年間かたときも忘れずに相手にこだわる気持ちってさー」
健史「？何だよ」
雪野「べっつにー」
語り：再び彼が現れた。
語り：再び会話。
秀明「あ これ 沢田サンにたのまれた」
語り：再び会話。
雪野「サンキュー」
語り：再び会話。
健史「あーあ オレもクラス手伝い行くか」
語り：再び会話。
雪野「フクシュウがんばってねー」
健史「っせえな」
語り：そして離別。
秀明「……」
語り：そして凝視。
語り：長い沈黙。
語り：長い沈黙。
語り：長い黙視。
語り：長い黙視。
語り：その先にあるもの。
語り：その果てに待つもの。
秀明「…おまえさ」
語り：沈黙の打破。
秀明「宮沢に近づきすぎだよ」
語り：膠着の打破。
秀明「有馬を追いつめる」
語り：閉塞の打破。
秀明「軽い気持ちで余計なことしないほうがいいよ」
語り：圧迫の打破。
秀明「お前の知ってる『有馬くん』はただの模造品だろ」
語り：真実の打破。
秀明「本当の有馬は気性が烈しい」
秀明「独占欲強いよ」
語り：そして巨像の打破。
秀明「宮沢はけっして自分を裏切ることはしないと分かってる」
秀明「でもリクツじゃないんだ」
語り：及び、虚構の打破。
秀明「有馬が掛け値なしに優しいのは 宮沢にだけだよ」
語り：そして幻想。
秀明「有馬がオレといることを許すのは」
語り：そして欺瞞。
秀明「オレがけっして宮沢にだけは手を出さないということを知っているからだ」
語り：そして同化。
健史「はあ～？考えすぎじゃねえの だいたいそんなごたいそうな女かよぉ」キライじゃないけど
語り：それも、真実。
健史「ちょっと頭よくてかわいいってくらいのどうってことない」
語り：それも、現実。
健史「ふつうの女じゃん」タイプでもないもん
語り：それも、形骸。
秀明「……わからないのか。子供（ガキ）だな」
語り：そして、許容。
健史「……（怒）」？
僕と君
君には僕で
僕には君でならない理由
怖いんだろ？
もう一人の総一郎「頭じゃ分かっても感情がどうにもならない。そうだろ？」
なぜだか
教えて
やろうか
もう一人の総一郎「お前は気付いてしまったんだ。
宮沢を抱いても
幸せになれない自分に。
触れ合ってしまったからこそ二人の距離がよくみえた。
二人はまるで別々の個人だと」
触れ合う歓びは一瞬
それはゴールなんかじゃない
以前はそんなこと考えもしなかったのに
痛切に
もう一人の総一郎「知ったんだろ。自分は宮沢無しではもうやっていかれないということと、
宮沢はもうお前無しでもやってゆけるということに」
総一郎「…！はあはあ」
もう一人の総一郎「可哀想に。幸せになれると思ったのに」
雪野「お」
語り：三度の出会い。
健史「仕事終わったのか」
語り：三度の会話。
雪野「うん やっと解放されたよーっ」
語り：三度の会話。
雪野「ねっ 有馬見なかった？」
語り：会話。
健史「いや 見てねえ」
語り：会話。
雪野「そっかーお芝居とかで会えない分 一緒に帰るとかしたいのになー」
語り：会話。
健史「で？ お芝居は？ 面白い？」
語り：会話。
雪野「うん みんなで 何かやるの 面白いよ！」
語り：会話。
秀明「（宮沢に近づくなよ）」
健史「なんだってーんだよなぁ!!そんな気を遣うような女かよー!!」
雪野「!?」
健史「じゃあな」
語り：そして離別。
雪野「またねー」
語り：そして離別。
健史「…！」
総一郎：
もしかして今まで自分だと信じてきたものは、
努力で作り上げただけの偽物だったんじゃないのか。
僕の中にはもう一人本物がいるんじゃないのか。
健史「あ 有馬くん」
語り：再度の出会い。
総一郎「…」
健史「あのっあのっ」
語り：そして彼を包む戸惑い、焦り。
健史「（完全にきらわれてる…）」
語り：不安。絶望。
雪野「おはよっ。ねー今ありまいなかった？」
健史「わあああ！オ…オレに近づくなああ」
雪野「？」
有馬くんは
ボクに優しく
してくれた
一番の友達
今なら分かるけど
当時のオレは
甘やかされた実に
イヤなガキで
嫌われても
仕方なかった
でも有馬くんは
そうしな
かった
さりげなく側に来てくれる
皆は有馬くんの周りに集まるから
僕はあのクラスでは
いじめられることはなかった
公平で
優しくて
そして恐ろしく
頭が良かった
ごめんよ
そんなに宮沢が大事だって
知らなかったんだ
…でも正直
びっくりした
有馬くんが
あんなに感情を
むき出しに
するなんて
恋愛って
そーいうもん
なのかな
あれ？
じゃ
有馬君の中には
元々そんな部分が
あったのかな？
なら、オレが
中学のとき見てあ
あの有馬くんは？
……見せかけ…
……だったの？
ばかな!!有馬くんは
そんな人じゃねーよ!!
いや
どっちかっていうと
あの頃は
ソボクに
信じてたけど
全員と平等に接するっていうのは
まるで全員同じようにしか見えていないみたい
あれ？
…なんか
オレ
開けてはいけない
箱を開けかけているような
…………
（秀明「お前の知ってる有馬くんはただの模造品だろ）
…………そう
でもあれが本当の
有馬君
総一郎「力持ちだね。持とうか？」
雪野「うん」
想う気持ちの
全ては宮沢に
反発や敵意は
宮沢と自分を妨げるモノ全てに
宮沢に関わるときだけ
有馬くんは感情を
抑えられなくなるんだ
はじめて
ボクは夢やアコガレではない
有馬くんを
知りたいと思った
今度こそ 本当に
ボクは君と
友達になりたい
有馬君
君の心は
何処に在るの
総一郎「いえいえ、これしまえばいいの？。み、宮沢」
雪野「いや何となく。この頃スキンシップが足りない気がして」のしっ
総一郎「それは僕の努力が足りないということでしょうか？お嬢様」
雪野「ううん、夏休みずっと一緒だったのに文化祭で急に忙しくなっちゃったから、
有馬といるの楽しいからやらなきゃいけないことうっとうしくなる。
これ終わったら思いっきりべったべたしようね」
総一郎「べったべた（汗）う、うん。でもちょっとやらしい気持ちになるかも知れないんだけど、たまに」
雪野「あ、あ、そうね（一線を超えたのに、この人のこのピュアさは…）」
総一郎「僕といたい？」
雪野「うん。
なんでかな。有馬ときどきまるで別の人みたいな目をするね」
総一郎「そうかな？変？怖い？」
雪野「ううん」
離さないで
総一郎：
日毎、歯車が狂っていく。暗闇のほうへ。
どうしてそんなこと言える？
君を独占したいなんて。自由な君が本当に好きなのに。
一方で全てから奪いたいと想う。
こんな気持ち 知られたくない
雪野「遅くなりましたー。お、やってますねー」
秀明「ちーっす」
りか「ゆきのんもお疲れ様ー」
真秀「なに？読み合わせすんの？セリフは全部入ってるよ」
つばさ「むしゃむしゃ」
雪野「ていうか亜弥ちゃんに聞きたいことあるんだけど。あれ来てない？」
りか「それなんだけど、ちょっと事情変わっちゃって」
雪野「なんかナーバスじゃない？」
りか「実は一学期に書いた話が雑誌で評判よくて亜弥、短期の連載をすることになったの」
雪野「え、すっごーい」
りか「でもすっかりプレッシャー感じちゃって。昨日からずっとああなの。あれで結構気小さいから」
亜弥「はあ………やめた！今日は日が悪いわ！」
雪野「えー！もう！？」
亜弥「昨日から何度も何度も書き直してるんけどね、50回くらい。ピタッとが来ないのよ！」
雪野「ピタッと？」
亜弥「何かがあるのよ。キャラクターと設定とエピソードとシャーペンと自分のテンションがピタッと噛み合う一瞬が。
それがくればスラスラかけるけど、来ないと来るまで足掻かなければならない。そういうもんが！」
雪野「イタコみたいなものかしら」
りか「みたいね。くよくよしないで書き進んじゃえばいいのに」
亜弥「私が楽しんで書いてないものを、誰が読んで楽しいと思うのよ！
ふっ、あんまり書けないとどんどん不安になってくんだ。もう私の書く力は尽きたのかなって」
雪野「いやだなあいやだなあ。書けないときの物書きって」
りか「いいのよ。ノリノリのときは調子づいていい気になるんだから。たまには苦しむほうが」←けっこう言う
雪野「ねえ、天気いいしお昼河原に食べに行こう。亜弥ちゃんも脳に酸素を入れるのよ」
りか「それいいねー」
つばさ「あーん、ばくっばくっ」
亜弥「そっか、あの二人を双子にするほうが膨らむかも知れない」
雪野「なんとかなりそうで良かったね」
真秀「うん」
雪野「なによーそれなら芝居やめれば？とかもう言わないの？」
真秀「え…べ、別に」
雪野「しっかし亜弥ちゃんも忙しいとなるとこりゃ大変だなー」
亜弥「え、私やるよ。もともと言いだしっぺは私だし」
雪野「うんうん」
雪野「うん？」
真秀「なんで急に芝居やる気になったの？はじめ嫌がってたのに」
雪野「ああ、はじめて勉強以外で面白いって思ったから。
ここのとこずっと何か他に夢中になれるものが欲しいと思ってたからね。
私には勉強と有馬しかないけど、有馬はちゃんと別に他の世界を持っていて、
インターハイ行ったりするんだもん。
悔しいというか、私は私の世界ってのを持ちたいじゃない」
真秀「負けず嫌い」
雪野「そうじゃないといけないと思う」
真秀「……」
雪野「それに有馬、私のこと好きなんだもん」
真秀「はあー？なにノロケてんのよ。ノロケてんのよ！」
雪野「ち、ちがう、そうじゃなくて。有馬は私より世界が深い。
何も知らない私を悩ませたり、苦しめたりするくらいなら自分で抱えこんじゃうんじゃないかな。そう思って。
だから、私は私の世界を作ろうと思ったの。有馬に甘えるのは好きだけど、
甘やかされて怠けてしまうのは絶対にいや」
真秀「（ふーん、だから有馬は数ある女の中で宮沢にだけ反応するんだ）」
雪野「あー笑ったわね。なによーいつも私ばっかり話してずるいー。真秀さんの話もしてよー」
真秀「いやだー」
雪野「いいじゃない。吐けー」
真秀「あ～やめてよ～あはははは」
亜弥「おーいそこそこのレズレズ。チャイム鳴ってるよー」
雪野＆真秀「うっ」
健史「（有馬くんを理解するにも）」
語り：思索。
健史「（そもそも恋愛感情ってもんがわかんねー）」
語り：思索。
健史「（佐倉!!）…と浅葉君」
秀明「はーい、元気？」
椿「視線外さないでよ」
秀明「ほのぼのカレカノメイトの中で俺らだけ相性悪いしな」
椿「まあ、キャラ被ってるからね」
秀明「ばかな！キャラかぶってなんかねーよ！お前、可愛い女の子しか好きじゃねえとか言うじゃねえか！
そういうのが許せないんだ！女性はすべて美しいんだよ！」
椿「うっさいなー私は綺麗なものが好きなだけ。
選別という残酷を含むから美は美なのだ。全て美しいというのは詭弁に他ならない」
秀明「違う！断じて違う！」
椿「ふふん、まあいいじゃないの。夏服も今月で見納めよ」
秀明「は！」
椿「ご覧なさい。世間の荒波に晒される前の乙女達の一瞬の輝きを」
秀明「ああ、美しい…」
語り：そして彼も見つめていた。
語り：見つめていた。
語り：見つめていた。
椿「じゃな」
語り：重複される離別。
椿「あれ十波」
語り：そして気づき。
語り：そして、形而上化の挑発。
健史「ってえな。なんだその怪力は てめーなんか女じゃねーよ」
椿「うるさっい バカって何だ!!」
健史「バーカ」
語り：再び形而上化での挑発。
健史「（くそっ 何だ このムカつきは）」
語り：そして、不明の行動。
語り：曖昧な感覚。
語り：あやふやな感情。
健史「（こいつもさー
昔は男なんかと ヘラヘラ 笑うよーなやつ じゃなかったのに←人間が丸くなっただけ）」
キ…キ キスッ
キスとかしといて…
椿「（なんかうしろからやーなオーラが）」
なぜオレは
あんなこと
したんだろう
うそっ
語り：突然の疑問。
語り：憶測。
オキナワで女の子に「つき合って」っていわれても
語り：欺瞞。
ぜんぜん乗れなかったし！
語り：当惑。
語り：検証。
じゃなきゃだれがあんな男 男したやつなんかに…
語り：心当たり。
語り：そして、焦燥。
え？
語り：再度の疑問。
佐倉って
あんなだったか？
前はもっと力づよい……
語り：記憶の錯綜。
語り：瞬間。
回路が一コ
つながってない
語り：永遠。
語り：優しさ。
何か
大事なことが一つ
抜けている
語り：残酷。
語り：希望。
語り：虚しさ。
えっ
語り：始まり。
なんでこんなに軽いんだ!?
語り：あまりに遅い始まり。
こいつの腕はこんなに細かったか!?
語り：迷いの始まり。
語り：苦しみの始まり。
オレの中に焼きついた佐倉のイメージは"圧倒的に自分より強いモノ"
語り：歓びの始まり。
だからいつまで経っても絶対的に強いのかと
語り：悲しみの始まり。
どーして今まで気付かなかったんだ
もともと体のつくりが違うんだ
鍛えればオレは佐倉をたやすく抜いてしまうんだ
語り：忘却の始まり。
健史「……」
椿「うわっ。お前、助けたり突き飛ばしたり」
健史「……」
椿「おい！」
むかし ボク達の間には
性別が無かった
語り：彼は気づいた。
だから 長いこと
この感情に名前をつける
ことができなかった
語り：彼は気づいた。
何故 佐倉に
なんとも思われて
いなかったことに
あんなに深く傷ついたか
何故 どうしても
ボクの存在を
佐倉にきざみつけたかったか
何故 佐倉が
他のヤツといると
不快なのか
語り：好きだからだよ。
行き場のなかった思いは
やっと出口を
見つけた
ボクはただ
君に知って欲しかっただけだ
ボクという人間が
ここにいるということを
語り：離別の果てに。
語り：忘却の果てに。
語り：切に願う未来に、幸多からんことを。
つづく
探し物はなんですか？
見つけにくいものですか？
かばんの中も机の中も
探したけれど見つからないのに
まだまだ探す気ですか？
それより僕と踊りませんか？
夢の中へ 夢の中へ
行ってみたいと思いませんか？
Woo woo woo Woo woo woo
Woo woo woo さあ
休むことも許されず
笑うことは止められて
はいつくばって はいつくばって
一体何を探しているのか
探すのをやめたとき
見つかることもよくある話で
踊りましょう 夢の中へ
行ってみたいと思いませんか？
Woo woo woo Woo woo woo
Woo woo woo さあ
完
閉じ込められて 出れない
Woo おしよせるナヤミやフアンの雨が降り注ぐ
Woo おしよせるナヤミやフアンの雨が降り注ぐ
胸の痛み 弱い自分 せめて想う 空しい気持ち
Ah カラッポのまま Ah カラッポのまま 生きていけるのならば さぞかし楽ねエ
Ah よごれて行く Ah よごれて行く ことができりゃあ ずっと前から楽ねエ
うそつきな自分にずっと
Woo わかってる 変わらなきゃ進めないことだって
Woo わかってる 変わらなきゃ進めないことだって
ふるえている この心を なげとばして ふみだすことも
Ah つめこまれた Ah つめこまれた 情けない想いは なかなか消えない
Ah 忘れさせて Ah 忘れさせて すべてなくせるなら かるくなれるじゃない
Ah カラッポのまま
孤独な 孤独な程 静けさが聞こえる
心と体が今 離れていきそうで
さけんで さけんで ほら 願いを叶えたくて
一人じゃ生きていけないと 人 傷つけ
泣きくずれても 笑い疲れてもね まだ終われない
とまらないで 枯れないで キレイな自分を捨てて
はかない煙のままじゃ 全ては消えゆくよ
言葉に 言葉に ずっと言えないことも
渇いた 渇いた この錆びてる声が
少しの 少しの こと感じてる
体を洗い流しても 消えない跡
こみあげてくる空しさばかりが 今 もがいて
つぶさないで 消さないで あなたが目覚めた夢を
この世で生きてることを 悔やまず 羽ばたけよ
はかない煙のままじゃ 全ては消えゆくよ
とまらないで 枯れないで 身を切り 明日をつくれ
しみついた涙忘れ 声をあげてほえろ
昔の僕が 消えてしまったようだ
すべてすててハジケル そんなコワレルことのある
気持ちいい瞬間 カンジルままに今 出してくれ
YEH YEH みだれろ YEH YEH ぬぎだせ
YEH YEH けちらず あげちゃえよ
YEH YEH バカゲた YEH YEH キレかた
YEH YEH ふるえろ 体中
カラをやぶって 生まれかわったように
台風のうずの中 はだかになってアバレてる
そんなさらけ出してる 自分のままで さあ 立ちむかえ
YEH YEH 追い出せ YEH YEH 弱音を
YEH YEH つぶせば 始まりだ
YEH YEH 求めろ YEH YEH かみつけ
YEH YEH つかめよ 夢だけを
YEH YEH 本音を いっちゃえよ
YEH YEH 生みだせ YEH YEH その手で
YEH YEH すべてを 変えちゃえよ
YEH YEH みだれろ YEH YEH ぬぎだせ
YEH YEH けちらず あげちゃえよ
YEH YEH バカゲた YEH YEH キレかた
YEH YEH ふるえろ 体中
HEY Shout どなりちらしてくれ
Oh たまりたまったモヤモヤをけしちまえよ
かくしもったかたまり 火がふきだしちゃうよ
くいしばった その口 ほどいていえよ はらん中すべて
おどり狂え 今すぐ もだえ狂え 今から
その身をさらけだして 叫び狂え おもうままに
HEY Mind 感じつづけてくれ
Oh 見たこともない その自分 出しちまえよ
カミナリ落とすよに ときはなて おのれを
やりたいようにやりゃあいい ほどいてやれよ タマシイのままに
とべ こわせ つきぬけろ まっ白に すべてすてて
バラまけ こわいものにつっこめよ おもうままに
おどり狂え 今すぐ もだえ狂え 今から
その身をさらけだして 叫び狂え おもうままに
ぽっかりあいた すきまさえも アカく塗りつぶす
いろあせたこのココロ かえられた 気がつけば
同じニオイかぐように ひきよせられてる
なぜに 出会って かよいだす ハダでカンジて まわりだす
ふるえるほどに いとおしく この胸のイタミは ましてゆく もっと
手をのばしてみる いつも君へ とどかぬ場所へ
かみしめれば ふくらむよ すなおなままの風船よ
うそのない すきとおる 風にフカレユク
どうして出会ってしまうの むくわれないキモチのまま
おわりのない このくるしみだけ のこすなら すべて消してよ そっと
だきしめて ふれたいよ おもいのままに
どうして出会ってしまうの むくわれないキモチのまま
おわりのない このくるしみだけ のこすなら すべて消してよ
たわいない たわいない ことでも いつでも 笑いあえて 見つめてる
よりそい ならんでる 花のように ひかれあって 咲いてる
今 はなれず はなれず 抱き合ってる
互いの胸のこどうを聴くようにいつも
二人のキズナをぬい合わせている
離れることのないように フカく
くるしくて くるしくて しめつける おもいは ふりつづく雨に似てる
どんなにはなれていたとしても 忘れることないだろう
カタチのない想いがかさなりあい
互いの指がからまりあい あざやかに
ひとつになる喜び 教えるように
やさしく抱きよせ 心の底から
言葉より 言葉より 通じ合う気持ちが なにより大切なこと
約束などすることはないと 気がついている だから
ずっとよろこび かなしみ わけあってる
互いの出会いの意味を知るように そっと
きっと忘れない 忘れない いつまででも
この世界が終わりを告げるまでは
カタチのない想いがかさなりあい
互いの指がからまりあい あざやかに
ひとつになる喜び 教えるように
やさしく抱きよせ 心の底から
ふらふら歩けばつまずき 血がでてきちゃう
カワイイ女の子声かけて 好きにしてみたい
頭の中だけで ぐるぐるとかきたてられる
情けない ねえダメダメオレ？ こんなに ついてない？
うそでしょう ねえ やさしくして 愛がたりてない
だれかくれよ わけてくれよ！
ごまかし ごまかし 生きてます テキトウこいてます
声かけて おねがいウズウズと 出番を待って
めぐんでよ あなたのそのしずく ちょっとだけでいい
イヤイヤ ねえ いじめちゃいや 広げてみないで
痛々しい あわれな目で こっちを見ないで
何かがちがう ずれてる ぼく？
うそでしょう ねえ やさしくして ねえ ねえ たりてない
さみしい ねえ 食べてもいい？ たまりたまってる
いらない？ ねえこんなオレ？
もらってください ほしいんだろ？ なめまわしてよ
立ち上がるほど 傷つき 疲れてるね
終わらない道を 走り続けてみている
終わりたくはない 僕はまだ眠りたくはないからね
太陽が昇るたび きっと いくらでも 立ちむかうだろう
誰かが疲れたとして けど僕は終われないから
つかみたいもの つかめるまでは 止まらない走って
笑えるほどに もがくことさえ 悔やまず あばれつづける
陽がくれて月が泣いても 僕はただ前を向くだろう
目をこらし先を見るだろう 闇の中をキリさくため
首をフルこと そう楽じゃないよね
おのれをつらぬくことが どれだけつらいかを
自分の心は誰よりも よく知ってる 自分だから
みな生まれてくるときも 死ぬときも１人だけれど
同じこの血を流してる 誰もが同じ色をして
かぞえきれない想いを胸に きざみつけたけど
あきらめられない自分を おしとおしたい だからもとめて
今日もまた 身をけずるだろう さがしものみつかるまでは
目をこらし先を見るだろう この血が さわぎだすかぎり
誰かが疲れたとして けど僕は終われないから
けど僕は終われないから…
ツマラナイ オモイエガキ のみこまれてゆく 海の底へと
風のない 空気がない 息のできない海にいるみたい
もがくほど しずんでく うらはらの心はあせりだした
ユラリ ユラリ あずけて 体
ユラレ ユラレ 流され そっと
波よ 波よ 波にまかせ 波にまかせ
波にまかせて 僕を
ネコロンデ ミワタセバ 広がるヒカリ 悪くはないから
ユラリ ユラリ うかんで 眠れ
ユラレ ユラレ 進んでゆく
波よ 波よ 波が呼ぶ 波が呼ぶ
波が呼んでる 僕を
真実という名の 嘘を装う人たちばかり
この胸の色だけは かえたくはないから
生きること急いでも 自分を捨てられない
僕らのすむこの世界はきっと変わってゆける
自分の心の言葉で花を咲かせてみよう
ミエナイ明日のために
下を向く人たち 生きてる呼吸が聞こえない
何も感じない こぼれてる体の意識さえ
嬉しさも悲しみも わからない そんなままじゃ
ふみつけてた この世界をあたためなおしたい
壊れた様に 叫んでみれば無くしたものよみがえる
きっとみつかりだすよ
生きること急いでも 自分を捨てられない
誰も本当の 世界はまだ何も知らないけど
魂からの自分の声 信じ突き進んでいこう
ミエナイ明日の僕へ ミエナイ明日の君へ
ゴロゴロ寝てるヒマもなきゃ 人をウダウダ言ってられない
雨が降っても 必ず晴れる事を 信じる気持ち 忘れないで
素直になって 心のまま
輝く光よ 立ちのぼる希望を胸に
華やかな風よ しみついた涙を捨てて
笑顔を武器にして
自分を守る事など ここらで少しお休み
出し惜しみなんて しないで 心のまま
体で感じ 表わさなきゃ 宝の持ちぐされに なるよ
輝く光よ わきあがる勇気を胸に
華やかな風よ 錆び付いた言葉を捨てて
笑顔を武器にして
胸の痛みも せつない思いも 全て受け止めて 強くなる
輝く光よ 立ちのぼる希望を胸に
華やかな風よ しみついた涙を捨てて
笑顔を武器にして
￣￣ヽ、 _ノ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
｀'ｰ '´
○
Ｏ
,,.. -─……─- ..、
. ´ ｀丶､
／ ＼
, ' ヽ
,.' :.
/ ',
, _,...._ i
. ′ ,. '"´ ｀''‐､ ,. -‐‐-､ l
i ｀ '´ |
ｒ┴、 _,. --､ , -‐ ､ j
,' ,ﾆ､i ｒ‐.ｒ≠―――､┐,―-､ｒ――‐.､┼i┐
i !廴i ￣| =ﾆ二ｴユ= ﾚ'⌒ i仁二ｴﾕ>{ .厂
l ｒ┤ |｀''‐ ..,_,. -'" | l｀'‐ .__,. ' i |
', !_ｊ ! ! i! !/
', ､_ ｀ー――‐一'〟 !｀ー――i′
ヽ_) ,. 'ﾞ 〉 !
ﾍ ' .-､ r' ,′
', .'
ﾄ、 ＿＿＿,.....,＿ /
l ＼ ´￣ __,,...............､_ ｀ .′
| ', ｀'､ /i
| ', ｀' ､ ./ .l
＿| ', ｀' - .. ／i |__
厂 ｒi ', ::::::｀' ‐ -- ‐ '´::/ ﾄ､｀'､
/ /i ＼ ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
. / /:.:. ./:,' i | 、 ヽ ＜ 歯を食いしばんなよ……
. / :.:.:.:.:/:.:i | |:. ヽ. .:.:.:::..、 :. ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
/ i:.:.::/:.:.::! .i :| : .:.!､ : ＼..:.:.::::ゝ :.:.. . そうなっちまった以上
. ,' ::.:/:.:.:.:.| {:.i:.. . : . { ヽ＼ ＼::.::::i .:::. あんたらは平凡な一般市民じゃないわ…
i ∨'ヘ、| ヾヽ:.:.ヽ:.ヽ ＼:>'⌒ヽ{ .::::i . もうそんな境界線、とっくに越えちまってるのよ……
| i ,ィ≦示ト='' ヽ__ヾ=≦示ミﾄ､ | :. .:.:::} もう普通じゃないわ
| |〃ir'ろ::::} iｒ'ろ::::}ヾ｜ :. .:.:::| あんたらは悲惨なロリヲタ…キチガイの類…
| | ゞ二ノ ゞ二ノ | :.: .:.::::| 人々から見放され、ただ女キャラに萌えるだけのクズ…
!:. | ´´￣´ ´￣｀｀ | .:.: :.:.::::} そんな痛い人間が、
く|:. } i ﾉ! :.:.:.:::::::,'. 孤独にへこたれてどうする…？
i::.:.. : : .|i､ ､ , /､!:. .:.:.::::::/ . 現から背を向けてどうする…？
乂::.:.:.. :.:.. . ::i ﾄ､ ｰ､､ ―一'' , ' |:. .:.:.:.:.ノ!＼ ふんぞりかえれ… あんたの痛さは、弱点でもあるが
. / ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:| i ＼ ｀ニﾆ ´ ／ ﾉ::. .:.:.:／ | ヽ 同時に強力な武器でもあったんだよ
{ ＼iヽ、:.ト {. |.| .､ .イ| ./:.:.:.:.:.／ } } あんたのその人をなめきった態度、
| | ヽ! |､ |.| ｀ ｰ ´ |.| 厶ｲ:.イ / ,' あたしは嫌いじゃなかった…
/ /i ＼ ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
. / /:.:. ./:,' i | 、 ヽ ＜ 歯を食いしばんなよ……
. / :.:.:.:.:/:.:i | |:. ヽ. .:.:.:::..、 :. ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
/ i:.:.::/:.:.::! .i :| : .:.!､ : ＼..:.:.::::ゝ :.:.. . そうなっちまった以上
. ,' ::.:/:.:.:.:.| {:.i:.. . : . { ヽ＼ ＼::.::::i .:::. あんたらは平凡な一般市民じゃないわ…
i ∨'ヘ、| ヾヽ:.:.ヽ:.ヽ ＼:>'⌒ヽ{ .::::i . もうそんな境界線、とっくに越えちまってるのよ……
| i ,ィ≦示ト='' ヽ__ヾ=≦示ミﾄ､ | :. .:.:::} もう普通じゃないわ
| |〃ir'ろ::::} iｒ'ろ::::}ヾ｜ :. .:.:::| あんたらは悲惨なロリヲタ…キチガイの類…
| | ゞ二ノ ゞ二ノ | :.: .:.::::| 人々から見放され、ただ女キャラに萌えるだけのクズ…
!:. | ´´￣´ ´￣｀｀ | .:.: :.:.::::} そんな痛い人間が、
く|:. } i ﾉ! :.:.:.:::::::,'. 孤独にへこたれてどうする…？
i::.:.. : : .|i､ ､ , /､!:. .:.:.::::::/ . 現から背を向けてどうする…？
乂::.:.:.. :.:.. . ::i ﾄ､ ｰ､､ ―一'' , ' |:. .:.:.:.:.ノ!＼ ふんぞりかえれ… あんたの痛さは、弱点でもあるが
. / ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:| i ＼ ｀ニﾆ ´ ／ ﾉ::. .:.:.:／ | ヽ 同時に強力な武器でもあったんだよ
{ ＼iヽ、:.ト {. |.| .､ .イ| ./:.:.:.:.:.／ } } あんたのその人をなめきった態度、
| | ヽ! |､ |.| ｀ ｰ ´ |.| 厶ｲ:.イ / ,' あたしは嫌いじゃなかった…
・ツアー前日に「元バンドメンバーと結婚＆妊娠」のニュースが流れる。
・バスが発車してすぐ添乗員から飯田の結婚も報告され、ヲタは終始沈黙。
・向かう場所はキッコーマン発祥の地である千葉県野田市（キッコーマン工場だらけ）
・メインはバーベキュー用のソーセージと肉（肉は一人一枚。ソーセージは１人一本)
・8人テーブルに1.5リットルの烏龍茶一本（キッコーマン製）
・デザートはバナナ切り落とし（約7名のテーブルに付き3本分のバナナ切り落としが皿に盛られて用意された)。
（ヲタがバナナ一人一切れ(一本の半分)を２切れ食べてしまい係員に「人として失格」と叱られショボンとしてた）
・ビールは別売（一杯500円）
・お楽しみ企画は寂びれた遊園地に在りそうなジャンボ迷路。食後に行われた。
（食・飲酒後の急激な運動で方向感覚を失い迷路中で嘔吐するヲタが多数居た）。
（ヲタの人数が多すぎたため入り口から出口までヲタの行列が出来てしまい迷路の意味をなさなかった）
・時間が推していた為に、約半数のヲタをジャンボ迷路に放置したまま迷路出口で次のイベント開始。
・飯田とヲタで笹の葉サラサラを合唱
・ヲタ、飯田のトーク中に号泣（原因は不明）
・最後にバスが飯田の周りをぐるっと一周りをぐるっと一周回って帰路につく
http://file.aruite5.blog.shinobi.jp/untitled.JPG
https://livedoor.blogimg.jp/nanjkuma/imgs/d/5/d53eae63.jpg
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
ニュース
- 【MLB】打撃不振…？ 大谷翔平、打ってるのに何故か叩かれる 軽く打って170キロ超え高速ヒットがヤバすぎると話題に 「アンチ涙目w」 [冬月記者★]
- 慶應義塾長が国立大の学費増額を提言「年55万→150万に」 文科省の会合で [少考さん★]
- 埼玉の在日クルド人に差別や攻撃 県外からも電話「SNSで見た」 [少考さん★]
- 【サッカー】U-23日本代表、UAE代表に完封勝ちで2連勝！日韓戦を前に決勝トーナメント進出を決める [久太郎★]
- 【理研】日本人の祖先は「縄文系」「関西系」「東北系」の３系統か、ゲノム分析で従来の説「縄文と弥生」に疑問 ★2 [樽悶★]
- ロシア出身YouTuber、経済的困窮で「国ガチャ失敗」？嘆く日本人を一喝「給料13万？自分のせいやん」日本を「大当たり」とする理由は [muffin★]
- AFC U23アジアカップ カタール2024★8
- AFC U23アジアカップ カタール2024★9
- AFC U23アジアカップ カタール2024★10
- 【フジテレビ】2024 FORMULA 1【NEXT】Lap269
- 【酒】日本vsUAE【U23アジアカップ】
- とらせん祝勝会 ★2
- 牛って急ぐ気ないだろ
- 【悲報】円安株安とかいう最悪な状況が起きてしまうｗｗｗｗ [882935634]
- 嫌儲、ガチで過疎る・・・一番勢いあるスレが勢い4000という緊急事態 [389296376]
- 5ch(旧2ch)で、のん(旧能年玲奈)が好きって書き込んで、X(旧Twitter)にポスト(旧ツイート)したら
- 運転中にVIPで以外にやることってなんかある？
- ドバイやばいの？