死海文書によると使徒の数が書かれているらしい、とあるが……これは少し難しい問題になる。
というか、二つの説に繋がる。

なぜなら第一使徒アダムが生み出せる使徒の数は「決まっていない」可能性がある。

劇中、アダムは南極で発掘された時点で3〜16までの使徒を既に生み出していた。そして遺伝子ダイブ実験で17番目の使徒(※1)を産み落とした。
つまりまだまだアダムは使徒を産み出せる状態にあった。
さらにセカンドインパクト前、アダムが存在していた白き月のガフの部屋(※2)において熱滅却処理が行われている。

これらはすべて人間が行ったものである。つまり人間が処理をしなければアダムはまだまだぽんぽこ使徒を産んでいた可能性がある。
そうなると死海文書にこの使徒の数が記されているのは矛盾してしまうのだ(人間が関与しなければ使徒の数はもっと増えていたかもしれず、黒き月が落ちていなければアダムや使徒も活動していたかもしれず、やはり数も増えていたかもしれない)


※1…ただし※2に行われた作業によって魂は存在しない器のみの状態となった。
※2…魂の帰る場所、あるいは生まれ出る場所


というわけで前述したように、預言書ではなく第一始祖民族が書いた運用書として考察していくと、この問題を解決する二つの説に分かれる。

一つは「最初から3〜17個しかアダムは産めず、またガフの部屋の魂もそれしか在庫はなかった」という説。
もう一つは「運用書をベースにゼーレの『シナリオ』として書き加えた物」であるという説。

ゼーレのシナリオ通りに、という台詞でおなじみのシナリオ=死海文書と混ぜたものではないかというお話である。
これに関しては正直どちらもなんとも言えない。

実は死海文書に関しては他にも説はあるがそれに関してはまた後日語りたい。
一応書いておくと『地球に降り立った第一始祖民族が二つの月が落ちた地球のヤバさに気付いて書いた後の生命体への行動指南書』というもの。
槍もその際に死海にあえて置いて行った可能性がある。

そしてこれなら「死海文書に3〜16までの使徒が存在する記述があり」「『ゼーレの』死海文書に記載されている使徒は残り一つ」という台詞とも矛盾しない。