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なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart27
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0001名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/06(月) 17:24:33.06ID:???
・ここは、なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのか?
 または、なぜエヴァは楽しまれてるのか?について、その理由を述べたり、議論したり、追究したり、語ったりするスレです。
 思ったこと、思うことを書いてみましょう!

・雑談は基本OKだけど程々に。
 
・節度ある態度で楽しく!

・ここはアンチスレではないので、エヴァや他のアニメを叩きたい人は各アンチスレへ行きましょう。

前スレ&テンプレは>>2-18
0002名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/06(月) 17:43:18.30ID:???
【前スレ】
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのか?
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1395267076/
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのか?part2
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1398577388/
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのか?part3
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1399613247/
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのか?part4
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1400609307/
なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのかpart5
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1401542909/
なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのかpart6
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1402825092/
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのか?(実質7)
http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/pachik/1404746073/
なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのかpart7(実質8)
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1404807399/
なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのかpart9
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1407993162/
なぜエヴァを楽しめなくなった大人が増えたのかpart10
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/eva/1409049263/
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのかpart11
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1434414737/
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのかpart12
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1437825310/
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのかpart13
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1443203678/
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのかpart14
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1450181702/
0003名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/06(月) 17:45:29.63ID:???
なぜ最近の大人はエヴァを楽しめなくなったのか 15
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1451567410/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart16
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1452698107/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart17
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1454432015/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart18
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1462085347/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart19
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1463277556/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのか4035(実質part20)
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1464923877/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart21
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1465379923/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのか4037
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1465903039/
【出張版】なぜエヴァは楽しまれ楽しまれなくなってしまったのかpart23
http://mint.2ch.net/test/read.cgi/mog2/1466942722/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart24
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1467450145/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart25
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1479255801/
なぜエヴァは楽しまれなくなってしまったのかpart26
https://mao.5ch.net/test/read.cgi/eva/1492427439/
0004名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/06(月) 17:49:15.24ID:???
【前スレ】
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part1
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1411790980/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part2
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1415365819/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part3
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1416489854/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part4
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1418299859/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part5
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1419138380/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part6
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1421760448/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part7
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1424692636/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part8
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1426075454/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part9
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1427931762/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart10
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1430223140/
0005名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/06(月) 17:49:33.28ID:???
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのか part11
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1432095479/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart12
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1432508052/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart13
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1439093564/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart14
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1471082148/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart15
http://mao.2ch.net/test/read.cgi/eva/1486907442/
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart16
https://mao.5ch.net/test/read.cgi/eva/1505724610/
0006名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/06(月) 18:04:25.37ID:???
銃を持って興奮した男が立っている。

ありす「玲音!」
麗華「何してるんだよ、あの子」
ありす「麗華、樹莉を」
麗華「ありす。ありす!」
銃を持った男「何見てんだよ!」
ありす「玲音、何してんの!逃げよう、早く!玲音!」

また血が流れるのを感じる玲音。

ありす「玲音!玲音たら」
銃を持った男「向こう行けよ!」
玲音「…」
銃を持った男「あ、あ、あ!何で俺にこんなことさせんだよ!あんたは一体何の権利があるのさ!
ただ仲間をクリアにしたかっただけなんだ!知らない!そんなこと関係ない!神よ、俺は関係ない!
関係ない!ワイヤードは絶対にリアルワールドを干渉してはならない!俺は関係ない!あんたは誰なんだ!」
ありす「れ、玲音」
銃を持った男「ああ、あ…俺は関係ない。俺は関係ない。関係ない。関係ない。俺は関係ない。俺は関係ない」
玲音「どこにいたって、人は繋がっているのよ」
銃を持った男「あ…」

涙を流し銃口を口に向け、自殺する男。
その血が玲音に飛ぶ。
立ち尽くし、それを茫然と見つめる玲音。
0011名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 14:26:11.11ID:???
刑事「君の両親は旅行にでも行ってるんか?教えてくれた番号にかけても誰も出ない」
玲音「嘘なんて、言ってない」
刑事「ああ、嘘とは思ってない。調べたからね。確かに君は、岩倉玲音で、その住所の電話番号だった」
玲音「…」
刑事「もう今夜は遅いから送らせるけどね。今度はちゃんと話をして欲しいもんだな。
そんな無口じゃ、いくら関係してないとしてもまずいだろ。ふう、やれやれ」
ありす「玲音、ごめんね。私たちのせいだね。大丈夫?玲音」
玲音「…」
ありす「大丈夫なの?玲音ったら」
玲音「あ…」
ありす「ん、何?玲音」
玲音「あ…り…す」
ありす「…」
ありすの母「ありす来なさい。帰りますよ」
ありす「玲音」
ありすの母「ありす!」
ありす「ごめんね。ごめん。ごめんなさい、玲音。明日、明日話そうね。ごめん!」
玲音「あ」
刑事「じゃ、君も帰るとするかい」
玲音「あ…りす」
0014名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 14:41:32.94ID:???
自分の部屋をゆっくり開ける。
遠くで光るパソコンが見える。
玲音「…あ」
クマのスリッパを履いて、そこに近づいていく。
パソコンの画面をのぞき込む。
暗がりに映るクマやウサギのぬいぐるみ。
気付くと寝ていた。
目が覚めると、再び一階に降りていく。
誰もいないリビングを確認する。
ノックをし、両親の部屋も誰もいないのを確認すると扉をそっと閉める。
0015名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 14:47:58.43ID:???
玲音「メッセージ…」
『レインあてのメッセージはありません』
玲音「…おやすみ、NAVI」
『おやすみなさい、レイン』
パソコンを見る玲音。
玲音「…」
暗がりで光るパソコン。
クマの着ぐるみを着て眠りにつく。
0016名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 14:50:36.36ID:???
玲音「…」
朝、目が覚めると一瞬自分の家の天井か分からなくなる。
そっとドアを開ける。
一階に降りると、そこにはいつもと同じ光景が広がっていた。
0017名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 14:54:15.59ID:???
美穂「寝坊して遅刻なんて、中学生にもなって恥ずかしくない?」
玲音「お母さん…昨日の、夜って」
美穂「え?何」
玲音「いい、やっぱり」
0018名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 15:01:57.41ID:???
通学路を歩いていると、黒い車を発見する。
思わず立ちすくむ玲音。
中で煙草の火がつくのが分かる。
玲音「あ…あ…」
怖くなって走り出して逃げてしまう。
0019名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 15:05:38.18ID:???
電車の中で声が聞こえる。
『玲音、玲音、玲音』
玲音「え…」
『俺だよ、玲音。分かるね?』
玲音「誰?」
『ひとりじゃない』
玲音「…」
0021名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 15:26:52.75ID:???
女性生徒A「えー、すごーい」
女性生徒B「その子、可愛かった?」
女性生徒C「そう、テレビじゃ顔見せてくんないし」
樹莉「うん、それは」
麗華「あんたひいひい言ってたくせに。顔見たの?」
樹莉「そうだけど」
女子生徒たち「あははははは」
ありす「ん?」
女子生徒たち「あはははははははは」
樹莉「でも、ちょっとは」
麗華「怖くて見れなかった?」
ありす「玲音」
樹莉「玲音、昨日怒られた?」
麗華「別に、私たちのせいじゃないよ」
ありす「ごめん、ちょっと」
麗華「あ、そう。ありすが一番犯人の近くにいたんじゃん」
玲音「…」
女子生徒たち「えー」
女性生徒A「で、で、血ドバー?」
ありす「ああ」
樹莉「話してあげなよ」
女性生徒A「ねえ、ありす」
玲音「…」
ありす「…」
0022名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 15:40:34.07ID:???
『という、ばかりではない。
周径には、ただのプロセッサーだと捉えると、全体が見えなくなってしまう…』
玲音「…」
『情報端末としてNAVIは小学生にまで普及するに至っているが…
ワイヤードでの活動限界は、マシンに依存しているのが現状だ。
周径は、いかなるNAVIの機能を劇的にあげることが出来る』
『私には、もうリアルワールドにはいる意味が無かったの』
玲音「あ…」
『私はリアルワールドにとって、いてもいなくてもどうでもいい存在だった。
それが分かったとき、私は肉体を無くすことに、なんの怖さも感じなくなったの」
玲音「うう…」
『玲音は誰?』
玲音「え」
『玲音は誰?』
『玲音は誰?』
『玲音は誰?』
0023名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 16:02:21.78ID:???
ありす「でも私たち変だよ。私たち、昨日人が死ぬのを間近に見たんだよ。
それなのに、まるで映画でも見たくらいの感覚でいる」
麗華「だって、昨日の夜確かに私たちあそこにいたけどさ、何かリアリティが無かったって気がする」
樹莉「私もそんな感じかな。ありす、そんな深刻に受け止めない方がいいと思う」
ありす「そうじゃなくて、深刻に受けとめられないから変だって。ね、玲音」
玲音「え?あ、何」
ありす「あれ?それってラブレターとか?」
麗華・樹莉「えー!うっそー」
玲音「ち、違うよ。多分」
麗華・樹莉「みーせてみーせて」
麗華「ケチケチしないで見せなさいよ」
ありす「そんな無理したら可哀想じゃない」
麗華「うーん、茶封筒ね」
樹莉「なんて書いてあるの?」
麗華「うーん」
樹莉「えー」
麗華「何これ」
玲音「…」
麗華「つまーんない」
樹莉「やっぱりね」
0025名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 16:27:21.39ID:???
『違うってば!私のボイスメールが覗かれてたのよ!信じらんない!』
『届いたレジュメにあった内容は、当該の情報が含まれておらず、
現在対応を検討しているところです。記者によりますと…』

『キスするのが好きなの。それだけで幸せになれる』

『こないだクラブでガキがアクセラとかで事件起こしたろ?
あれで闇に流してるやつらビビっちまったみたいでよ。全然ブツ入ってこねえんだって』

『プシューケーは台湾の工場で製造されてる模様です。
設計したと言われるのはナイツと呼ばれるグループだと知っていますか?
そもそもそのナイツが実在するものかもわかりません。ワイヤードから』

『気持ちいいよ。死ぬって』
玲音「…」
0026名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 16:33:12.98ID:???
『ほら、約束した』
『した』

『やーだー。部屋に誰かいるの。緑と赤のシワシワの服着て、子供みたいな小さい人が。
寝室から動けない。ドアのところに立って私をじっと見てる。助けてよー』 
玲音「…」

『あなたの秘密の恋人、あなたと一緒にいた写真を持ってるんです。
私は一夜にしないんです。どうです?勝手にやるよりもあなたの会社に…』

『玲音、どうしてこっち来ないの?』

プシューケーを見つめる玲音。
0027名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 16:42:14.50ID:???
『レインあてのメールが届いています』
玲音「NAVI」
康男「どうだい、玲音」
玲音「…っ」
康男「新しいNAVIには慣れたかい?どうかしたのかい?」
玲音「これ、知ってる?」
康男「知らないなあ」
玲音「お父さんなら」
康男「…」
玲音「お父さんなら、知ってるかなって」
康男「知らないと言っただろ」
玲音「…」
0030名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 16:54:32.28ID:???
再びサイベリアに行く玲音。
階段でキスをしている男女がいる。
男「なあ、いいだろ?」
女「…あ」
男「おい、好きなんだよ」
玲音は思い切ってドアを開けた。
0031名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 16:58:14.52ID:???
DJの男「レイン。最近どうしてたんだよ。あんまり顔見なかったからよ」
玲音「私…」
DJの男「あれ?今日はやけに少女趣味してんじゃん」
玲音「…」
DJの男「またレイヴやっから俺も頼むぜ」
玲音「…」
0032名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 17:27:44.60ID:???
タロウ「何お前かっこつけてんだよ」
マサユキ「お前こそ。ははははは」
ミューミュー「はははははは」
玲音「これ、知ってる?」
タロウ「あ。えー!それ、プシューケーじゃねえのか」
マサユキ・ミューミュー「え」
マサユキ「ま、まさか」
ミューミュー「うそー。私初めて見た」
マサユキ「ど、どこで買ったの?」
玲音「知ってるの?」
タロウ「何言ってるの?それ入れたら、こいつでも、ワイヤードでフルアクセス出来るだろうが」
玲音「これ、どうやって使うの?」
ミューミュー「だっさー。そんなのも知らないの?ふふふふふ」
マサユキ「ねえ、これって。これって」
タロウ「バカ、買えるかよお前が。NAVIは何?」
玲音「よく分かんないけど、TACHIBANAの。多分、一番新しいやつ」
タロウ・マサユキ「えーすげー」
タロウ「あのさ。それ、自分で内部にアクセスした?」
玲音「…」
マサユキ「ふーん、あんた中2?中3?」
玲音「2」
マサユキ「だったら情報機関習ってんだろ?NAVIのマザーボードの基本的なレイアウトは、教科書に載ってる。
こいつは、メインプロセッサーの裏側にコネクトするんだ。そこで本来の情報をインターセプトして、
勝手に動作する。作業自体は、プラモ作るよか簡単だよ。静電気にだけ気を付ければね」
玲音「そう、ありがとう」
0033名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 17:28:14.49ID:???
タロウ「待ってよ。情報はタダじゃないんだぜ。ワイヤードでもリアルワールドでも」
マサユキ「いくらもらう?いくらもらう?」
玲音「えっと…」
タロウ「あんたさ、レインでしょ」
玲音「え」
タロウ「俺、前に一回見てるんだ。ワイヤードでね」
玲音「私を、ワイヤードで?」
タロウ「そん時は、今と全然違ってた」
0034名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 17:45:31.02ID:???
タロウ「ワイヤードでは、リアルワールドと違う人格を装うっていうのは、まあ普通だけど、
ちょっと極端だね、あんた」
ミューミュー「うっそー」
タロウ「この前この店でバカな事件起こした時にもいたでしょ。何企んでんの?」
玲音「私、何をしてあげたらいいの?」
タロウ「一回、デートしてよ」
ミューミュー「バカ」
タロウ「へへ。でも今の人格じゃなくて、あの、イッちゃってるレインのほうでだよ」
玲音「…っ」
タロウ「じょ、冗談。またその気になったときにでも」
ミューミュー「何言ってんだよ!」
マサユキ「あのさ」
タロウ「いいんだよ。行くぞ」
ミューミュー「うん!何が。ふん!」
玲音「…」
0035名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 17:50:39.22ID:???
下校途中の美香が黒い車の前を通り過ぎる。
美香「あ、あの…家にご用ですか?どなたですか?あ…」
アジア系の外国人「あなたは、私たちと会っていない」
美香「な、何よ。警察呼ぶわよ」
金髪の外国人「なぜなら、私達は今、ここにいないから」
美香「や、やだ…な、何よ!」
0037名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/08(水) 17:56:26.87ID:???
美香「ふん。
あ…な、何してんのよ。玲音。
…何してんのよ、そんな恰好で」
玲音「うん、静電気がまずいんだって。服は、脱いじゃったほうがいいらしいんだ」
美香「バ、バッカじゃない」
玲音『あ、おかえり。お姉ちゃん』
0038名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/16(木) 18:28:52.62ID:fttqYaGc
シンゴジ以前のゴジラブームが何故衰退したかと言えば
初代ゴジラが怨霊的な荒ぶる神だったのに対して、回を
重ねる毎に幼児的退行を繰り返して行き神秘性を喪失し
て行った事が原因である。
0041名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/23(木) 20:41:20.44ID:???
暗がりに浮かぶクマやウサギのぬいぐるみたち。
パソコンを組み立てるため、玲音はパソコンの説明書を読んでいた。

康男「…」
玲音「…」
康男「…」
0043名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/23(木) 20:48:08.88ID:???
美穂「どうでした?」
康男「…」
美香「玲音、おかしいよ。まあ、今日に限ったことじゃないけど」
康男「いいや、おかしくはないんだ」
美香「ああん?何よそれ」
美穂「美香、お父さんに言葉遣いが悪いわよ」
出ていく美香。
美穂「そうなのね?」
康男「そうなんですよ」

康男の頭をなでる美穂。
美穂を抱き寄せる康男。
0044名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/23(木) 20:55:40.93ID:???
男「はあ、なあ、!、うわああああああ!
はあ、はあ、はあ、あああああ!あああああ!くそー!くそー!はあ、はあ、はあ、くそ、くそ」
少女「…」
男「うわあああ!!!あああ!!くそ!くそ!くそ!
はあ、はあ、はあ、はあ。なんなんだよ!なんだってんだよ!くそー!くそー!はっ…はあ、はあ、はあ、うはあ」
少女「ガッチャ」
男「うわああああああ!!!」
0045名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/23(木) 21:11:20.19ID:???
樹莉「次の時間ホームルームなんでしょ?ラッキー」
麗華「臨時の職員会議なんて、変だね」
ありす「やっぱり、あれほんとなのかな」
麗華「あれって?」
ありす「高等部の3年の先輩が自殺したって」
樹莉「じ、自殺…?」
ありす「うちの学校だけじゃなくて、こないだも団地の屋上から飛び降りたっていうし。ね、玲音」
玲音「え、あ」
ありす「…」
玲音「ごめん、なあに?」
ありす「…」
樹莉「玲音がそういうの聞いてる訳ないよね」
ありす「自殺のこと?」
麗華「知ってんの?あんたが?」
ありす「ほんと?」
玲音「ていうか。私も聞いただけ」
ありす「どこで?」
玲音「ワイヤード」
ありす「ああ、もう新しいNAVIに慣れたんだ。今度私にも見せてよ」
玲音「うん、いいよ。でもちょっと改造してるの」
樹莉「改造?玲音ってばそんなハッキーな趣味あったっけ?」
麗華「あのさ、最近ちょっと変わったね。あんた」
玲音「え、そう?」
樹莉「そうかな」
麗華「うん、なんかさ」
ありす「…」
0046名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/23(木) 21:25:08.03ID:???
ありす「で、ワイヤードじゃ、どんな噂になってるの?」
玲音「えっと。なんかゲームなんだって」
麗華「ゲーム?ネットワークゲームのこと?」
玲音「よく分かんない。私やってないから。でも、死んだ子たちってみんなそれにハマってたって」
樹莉「男子って好きだよね。そういうの」
ありす「ふーん、ゲーム。でもどうして」
玲音「私、う…」

クレープを急いで飲み込む玲音。

ありす「そんなに急に。ノドにつかえるよ」
玲音「だ、大丈夫。私、先に帰ってもいい?」
麗華「いちいち断んなくたっていいけどさ」
樹莉「何か用事?」
玲音「早く帰ってNAVIを組み上げたいの。まだ、ちゃんとしてないから」
樹莉「ふーん、友達よりマシンか」
玲音「え」
ありす「樹莉。よしなさいよ、そういう責め方」
樹莉「別に責めてないじゃん」
ありす「玲音、完成したら見せてね」
玲音「うん。じゃあ、ごめんね」
ありす「確かにあの子変わって来た。あ」

不意に犬のぬいぐるみをぶつけられるありす。

ありす「ああ、ごめんなさい。はい」
少女「ううん、私のほうが悪いの。お姉さん、ごめんね」
0047名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/23(木) 21:41:38.51ID:???
玲音「ログイン、れいん」
『Authorize』
玲音「メール…」
『Voice Mail』

『こんにちは、lain。君がくれた質問は僕一人じゃ解決できないので、僕の研究室の仲間に聞いてみた。
もし君が本当にプシューケ―プロセッサーを持っているのだったら、
多分、君の予想通り、発信はバリア部に設定すべきだ。
NAVIのマザーは大体、どこの製品でも規格が統一されているんだけど、多少の使用差はあるからね。
成功を祈ってるよ。じゃ、また何かあったら聞いてくれ』
玲音「…」
0048名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/23(木) 21:55:09.49ID:???
《クラブ サイベリア》

レイン「J.J.」
J.J.(DJの男)「ああ?」
レイン「ガキンチョたちがハマってたネットゲーム知ってる?」
J.J.「ああ、ファントマね。よしなって、あんたみたいな大人がやるもんじゃねえよ。
なあ、レイン。うっそ、マジ。俺も空耳聞くようになっちまったかよ。はあ」
0049名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/23(木) 22:08:35.23ID:???
少年「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ。
俺は、俺は、もうやめたんだ!関係ねえよ!」

ファントマの戦場に現れるれいん。

少年「うわっ、うわああ!!うう…うう…はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ」

NAVIを割る少年。
0050名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/23(木) 22:20:56.51ID:???
少年「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、ここはワイヤードじゃねえんだぞ!何で、何でこんな、はあ、はあ、はあ…」
れいん『待って。逃げないで』
少年「誰だよ!お前もPKかよ!助けてくれよ!」
れいん『私はそこまで行けない』
少年「何なんだよ!」

無数に現れる手形。

少年「あ、ああ!ふざけてんじゃねえよ!ああ…」

少女が現われる。

少年「くっ…う…うわあ…」
少女「ぐわあ!」
少年「ああ、ああ!ゲージファイブ!くたばれ!」
少女「ぐわあ!」
少年「くたばれ!くたばれ!くたばれ!くたばれ!」

少女が死んでも撃ち続ける少年。

少年「くたばれ!くたばれ!くたばれ!くたばれ!くたばれ!くたばれ!」

弾切れしたことに気付く少年。

少年「あ…あ…」
0052名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/23(木) 22:33:57.58ID:???
少年「僕、ただ怖かっただけで、ちっちゃい子だったなんて、そんなの。
僕、悪くないですよ。だって、全然知らなかったし。
ファントマは専用のクライアントアプリケーションなんで、
それを使ってワイヤードの中で戦うってゲームです。
僕はちょっと前に、非合法なサーバーから、そのアプリをダウンロードして遊んでました。
そのゲームは、僕らにはダンジョン型のアクションゲームっていうインターフェイスだったんですけど、
幼稚園で使ってるちっちゃい子用の鬼ごっこゲームと何故かリンクしてたみたいで」
0053名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/23(木) 22:51:10.11ID:???
『メールが届きました』
玲音「開いて」
『やあ、lain。君がファントマなんてものに興味があるなんて、知らなかったぜ。ふふふふふふ。
一応調べてみたけど、どうも解らん。
ああ、いや、ベースになったゲームは、ワイヤードでも珍しくもないタイプで、多分それを改造しただけだと思う』
玲音「…」
『問題はプログラム同士を複合させるという部分だ』
玲音「…」
『プロトコルに変な穴があるみたいなんだ。僕らの間では、これもナイツの仕業じゃないかって』
玲音「ナイツ…」
康男「玲音、ずいぶん慣れてきたようだね。ワイヤードとの付き合い」
玲音「うん」
康男「ひとつだけ忠告しておこう」
玲音「え」
康男「ワイヤードは、あくまでも情報を伝達し、コミュニケーションするための空間。
リアルワールドと混同してはいけない。忠告の意味、分かるかな?」
玲音「違うよ」
康男「え」
玲音「そんなに境界ってきちんとしてないみたいだよ。もうすぐ中に入れるんだよ。フルレンジ、フルモーションで、私をメタファライズさせて」
康男「そんなこといくら最新でも民生用のNAVIでは」
玲音「出来るよ。改造したから」
康男「プシューケープロセッサーか。しかし」
玲音「心配しないで。私は私だもの」
康男「そうかな」
玲音「…」
0056名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/11/23(木) 23:01:51.51ID:???
『玲音、どうして早くこっちに来ないの?』

その時赤いレーザービームが部屋の中に照らされていることに気付く玲音。

玲音「…あ」

外に黒い車が停まっている。

玲音「…」

赤いレーザービームは二つになった。
金髪の外国人と、アジア系の外国人がゴーグルのような機械をつけて立っている。

玲音「あっちへ行け。あっちへ行け!」
アジア系の外国人「うわ!」

その時、アジア系の外国人のゴーグルのような機械が割れた。
パソコンは再び動き出す。
黒い車は走り去った。
0059名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/01(金) 17:49:22.04ID:???
『人はもはや、進化のしない生き物ではないのか。
ガンの発生率が他の動物に比べて極めて少ない。
人類はもはや進化出来ないという学説がある。
もしそれが本当だとしたら、なんと愚劣な生き物に進化してしまったものだ。
自分達を動かしている力のことも知らず。
ただ欲望を満たすためだけに肉体を維持している。
つまらないとは思わないか?
人間なんてそんなものでしかない。
そんな惨めな人間で居続ける必要はないんだ。
抜け出すための出口は、人間はやっと生み出せたんだからね』
玲音「何のこと?」
『ネットワーク。ワイヤードのことさ、れいん』
玲音「あなたは、誰?」
『僕は、神様だよ』
0061名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/01(金) 17:58:32.60ID:???
《渋谷》

たむろする若者達を見る美香。

美香「あーあ…」

群衆の悲鳴が上がるその中を、赤い車がそこを突っ込んでいく。

美香「…」
0062名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/01(金) 18:06:49.41ID:???
玲音「お話して」
人形『…』
玲音「ねえ、ねえ」
人形『…』
玲音「お話、して」
人形『どんな話を聞きたいの?玲音ちゃん』
玲音「うーんと、うーん。私が知らないこと」
人形『あなたが知らないことは、存在しないことだわ。
存在しないお話なんて、私は出来ないの。解ってるでしょ?』
玲音「…」
人形『じゃあ、こういうのはどうかしら。
出来事と言うのは、まず最初に預言があるものよ。
出来事は、預言があって初めて現実化するの』
玲音「誰?誰が預言をするの?」
人形『…』
0063名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/01(金) 18:15:45.50ID:???
『東京各地で、VCZX道路交通配信情報システムが、間違ったデータを配信。
特に渋滞している交差点などで、信号機と乗用車やトラックの自動走行プログラムが干渉し合い、
暴走するなどの事故が多発しました。
東京渋谷では、死傷者が出るなどの被害が出ておりますが、
情報庁では、既にシステムは普及しており、今後こういう事故は起きないと話しています』
0065名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/01(金) 18:30:13.16ID:???
美香「あ…」

美香もまたローン会社のティッシュを受け取る。

美香「チッ」
タロウ「あの」
美香「え」
タロウ「あの、ナンパして、いいっすか?」
美香「はあ…」

無視して立ち去る美香がタロウにぶつかる。
その時タロウが飲んでいたコーラが、美香の制服にかかる。

タロウ「あ」
美香「ああ」
タロウ「やっべ。またね!」
美香「ちょ、ちょっと!むかつく。あーあ、もう。これじゃあシミになっちゃうよ。ん?あ…」

美香がふとティッシュを見ると、そこに赤い字で文字が書かれていた。
“冥府で溢れている死者共は行き場を失うだろう”

美香「な、何よこれ。縁起悪。はあ。チッ」
女A「何あれ」
女B「やーだー」
男B「おかしいんじゃねえの」

赤信号の交差点で何かつぶやきながら佇む玲音。

美香「あ、玲音。なんなの…あいつ。あ!」

美香がふと新宿アルタビジョンを見つめると玲音が映るのだった。
0066名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/01(金) 18:37:21.91ID:???
玲音「…」
置物『預言は実行されるんだ、玲音』
玲音「それじゃあ、預言じゃないじゃない」
置物『いや、預言なんだ。
歴史と言うのは、リニアに流れている時間軸上にて、
ただ点として通過されるものではないんだ。それらは全て線で繋がっている。
いや、繋げさせられてるといったほうがいいかも知れない』
玲音「誰に?誰に繋げさせられているっていうの?」
置物『…』
0068名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/01(金) 18:48:25.45ID:???
ありす「玲音」
麗華「あんた、何やったのよー」
樹莉「私知らなかった。玲音ってば結構やるね」
ありす「もうそんなハッキーなこと出来るようになってたんだ」
玲音「何のこと?」
麗華「まーたとぼけんの?」
玲音「私、ほんとに…」
ありす「玲音がやったんじゃないの?」
玲音「何を?」
0069名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/01(金) 18:51:35.73ID:???
『昨日の午後、通信ネットワークに起こった異変は、故意に引き起こされた可能性が高いとして、
情報庁情報管理局が捜査を始めました。ネットワークが…』
0070名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/01(金) 19:04:54.97ID:???
《ハンバーガーショップ》

店員「合計948円になります。ちょうどいただきます。ごゆっくりどうぞ」
ありす「あ、また入ってるよ」
麗華「また?」
樹莉「何?」
ありす「スパムよ。無差別メール。しつこいんだこれ」
麗華「預言を実行せよだっけ?」
樹莉「どっかの邪教集団の宣戦布告とか?」
ありす「ちょっとこないだ、ワイヤードで知り合ったギークな子と話してて聞いたんだけど、
これを流してるのってナイツかもって」
樹莉「ナイツ?何それ」
ありす「すごいハッカー達の集団みたいな」
麗華「でもさ、ハッカーってつるまないんじゃないの?普通」
ありす「だよね。でもナイツはだから、集団っていうのも違うのかも知れない。
ただワイヤードの中ではすごい力を持っていて、影で色々やっているっていう」
樹莉「じゃ、やっぱし秘密結社じゃない」
麗華「ったくこんなことやってて面白いのかな」
ありす「何となくだけど」
樹莉「え」
ありす「面白いからとか、お金のためとかじゃない気がする」
麗華・樹莉「うーん」
ありす「…」
0071名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/01(金) 19:17:18.77ID:???
玲音「…!」
美穂『ワイヤードはリアルワールドの上位階層と見るのが適当です。
即ち、肉体の現実など、ワイヤードに流れる情報のホログラムでしかありません』
玲音「ママ?」
美穂『そもそも、肉体。人間の脳の活動は、シナプスの電気伝達によって引き起こされている、
極めて物理的な現象に過ぎませんからね』
玲音「私は…」
美穂『肉体の存在理由は、そうやって自己の存在を確認するためにあるだけ』
玲音「あなたは、私の、本当のママ?ねえ」
0072名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/01(金) 19:25:42.07ID:???
美香が家族全体の様子を見ている。
米を頬張る美穂。
康男が茶のお替わりを美穂に頼んでいる。
スープをぐるぐるとかき回している玲音。

美香「玲音」
玲音「え」
美香「この前さ、渋谷にいなかった?いい、別に」

茶を飲む康男。
米を頬張る美穂。
牛乳を見つめる美香。

気がつくと美香は赤信号の横断歩道にしゃがみこんでいた。
表情が無くなる人たち。
0073名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/01(金) 19:33:31.57ID:???
《ハンバーガーショップ》

震えが止まらない美香。

店員「ありがとうございましたー」
美香「!」
女子生徒A「ねえあの子さー、結構イケてると思わない?」
美香「…」
女子生徒B「ねえねえ、この前彼とどうだったの?ねえ教えてよー。いいじゃん」

美香は手を震わしながらコーヒーのフタを開けようとするが、そのままコーヒーもこぼしてしまう。
そしてコーヒーの液体に預言を実行せよと浮かび上がった。

美香「あ…な、何よ、預言って!」

誰もいなくなる店内。

美香「ああ!」
0074名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/01(金) 19:44:00.22ID:???
お店のトイレに逃げ込む美香。

美香「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ。なんだっていうのよ。
いつもだったら、パパやママや…!…も、もう。どうして…」

ドアの開閉音が響く。

美香「だ、誰かいるの?ねえ、いるんでしょ」

トイレのドアを開いてみると、明るくなり扉が閉まった。
その扉にビッシリと預言を実行せよと書かれていた。
恐怖を抑えられない美香。
0075名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/01(金) 19:57:02.42ID:???
玲音「あなたは、本当の私のパパ?」
康男『ワイヤードに流れているのは、単に電気的な情報だけではないのかも知れない』
玲音「え?」
康男『ワイヤードが形成されたのは、電気や電話などの発達の起源とするなら、
その時点で、もう一つの世界が生まれたという気がしてならない』
玲音「あの」
康男『このリアルワールドに神という存在は概念でしか存在しない。
しかし、ワイヤードならゼウス的存在が、普遍し得るのではないか』
玲音「神様?」
康男『神と呼ぶのが適当かどうかはわからない。少なくとも、神話に登場する、
それと同様の支配的な力を有しているとは思う』
玲音「私、神様と話したことがあるかも知れない」
康男『ワイヤードのゼウスは、その支配力を事によったら既に、
このリアルワールドに及ぼしてる可能性だってある。そう、預言という形で』
玲音「預言?」
0076名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/01(金) 20:00:49.98ID:???
家に帰って来て泣き崩れる美香。
ふと見上げるとそこにもう一人の美香が立っていた。

玲音「どうしたの?」
美香「別に。何でもないよ」

ホログラムになって消えるもう一人の美香。

玲音「…」
0083名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/07(木) 17:58:21.25ID:???
れいん「ありがとう。でもそこのレジスタだったらとっくに検証してあるよ。
ふふふ、おかしい、それ。
そうだね、次世代プロトコルが早く決まればいいのにね。そうしたら、私だって…。
ねえ、あなたたち。どうして私にそんなに親切にしてくれるの?
そんなこと思ってない。ただちょっと不思議って言うか…私、友達って少ないから。
ありがとう、ナイツのみんな。ふふ。そうそう、ふふ」
0084名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/07(木) 18:04:09.44ID:???
朝、通学路の電信柱に目をやる。
すると玲音は、子供が空を仰いでいる姿を目撃する。
玲音も急いで空を見上げる。
視線を落とすとその子供はもういなかった。
0085名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/07(木) 18:17:02.90ID:???
麗華「ずいぶん勉強熱心だね」
玲音「え」
ありす「ねえ、玲音。最近また戻っちゃったみたい」
玲音「え」
樹莉「また私達と遊ぼうよ。ひとりぼっちばっかじゃ暗ーい人生になっちゃうぞ」
玲音「うん、でもひとりじゃないよ」
ありす「え、誰」
玲音「みんなが来てくれるの。あ…そうじゃなくて、私が行くのかな」
麗華「なーんだ、ワイヤードのこと?ネットパルなんて、所詮友情なんか生まれないもんよ」
ありす「変なとこで麗華って古いよね」
樹莉「古いよね」
ありす「ふふふ」
麗華「いいよ、別に古くたって。でもさ、玲音。どんなとこと付き合ってんの?」
玲音「ひ・み・つ」
樹莉「えー」
麗華「もったいぶって。言っちゃいなよ」
ありす「…」
0086名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/07(木) 18:22:36.37ID:???
ありす・麗華・樹莉「あははははは」
ありす「ほら、これなら似合う」
麗華「うそ。止めた方がいい」
樹莉「私こっちの方がいいと思う」
ありす「えー、絶対こっちだよ。ね、玲音」
0087名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/07(木) 18:25:35.84ID:???
樹莉「ねえねえ、こないだのお店行こうよ。今日はアイス30分食べ放題なんだって」
麗華「もう」
ありす「あははは、あははは」
樹莉「お腹空いたー」
玲音「…」
0088名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/07(木) 18:31:33.56ID:???
青信号が点滅し終わって赤信号で渡る4人。

麗華「あれ」
ありす「何?どうしたの?」

4人は空を仰いでいる子供を見つける。

玲音「あ」
樹莉「何あの子」
麗華「うん、なんだろうね」
樹莉「早く行こう行こう」
ありす「行くよ、玲音」
0089名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/07(木) 18:37:09.18ID:???
ハンバーガーショップから出てくる4人。
母親に連れられているであろう子供2人が空を仰いでいる。
玲音も空を見上げると、そこにれいんが現われた。

ありす「玲音、ど…あ、うそ」
男「何だよ、あれ」
女「やだー」
ありす「れ、玲音」

玲音は空を仰ぐ子供達を鋭く見つめるのだった。
そして、また空を見上げると、そこには何もなかった。
0090名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/07(木) 18:42:03.30ID:???
美穂「最近帰りが早いのね。代わりに玲音の帰りが、近頃遅いのよね。推薦、取れそうなの?」
美香「ぁ…」
美穂「帰ってきた」
美香「ぁ、ぁ…ぁ、ぁぁ、ぁ…」
0091名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/07(木) 18:47:32.55ID:???
『東京の空に異常現象が発生しました。この現象に恐怖する街の人々は、不安を募らせています。
これは何者かによる確実なイタズラなのか、単なる自然現象なのか。それとも人為的な…』
玲音「ハロー、NAVI」
『ハロー、lain』
玲音「コネクト、ワイヤード」
0092名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/07(木) 19:23:45.43ID:???
口「あんたか、れいんてのは。
大したもんだねえ、そこまでリアルワールドの姿をメタファライズして、このワイヤードに来れるとは」
れいん「チェシャ猫気取り」
口「シシシシ。気取るも何も。俺のユーザーレベルじゃ、これが精一杯なのさ。
耳だけの奴の方が多いんだ。それに比べりゃマシだろう?」
れいん「無駄口はいい。早く情報を」
口「シシシシ。れいんを助けた。それだけでここらローカルじゃ俺は英雄だ」
れいん「ノイズの多い奴。小学生に流行ってる遊び」
口「遊び?子供の遊びなんていくらだってある」
れいん「とろい奴」
口「あれを遊びだっていうのはあんたの直感か」
れいん「子供には何だって遊びになるのよ」
口「おお、あーリザルトを呼び寄せたのか。なーるほど、この人なら答えを知っているかもしれない」
れいん「子供殺しの、科学者」
口「シシシシ。さすがれいんだ。自分でサーチしちまった。
リアルワールドじゃ個室病棟で死を待つただの老いぼれ。シシシシ。
シシシシ。俺は手伝ったんだぜ。少しはね。シシシシ。シシシシ。キッズって聞いてみな」
れいん「ふん、もう分かってる。道案内にもならないチェシャ猫。ホジソン教授、あなたの番よ。教えてくれるわね」
0093名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/07(木) 19:30:06.13ID:???
ホジソン「随分生々しい姿だね、お嬢さん」
れいん「キッズって?」
ホジソン「ああ、何と優しい時間だろう。リアルワールドの肉体が朽ちるまで私はここでずっと心安らかに過ごしていたい」
れいん「何が起こっているか知っているでしょ?キッズって何?」
ホジソン「美しい時間…永遠のような静けさ」
れいん「ホジソン教授、十五年前の実験データを見せて」
ホジソン「私は子供達を危険に晒すつもりはなかったんだ」
れいん「十五年前のことじゃない。今、子供達の間で流行っている遊び。あれは教授の実験の再現じゃないの?」
ホジソン「誰かがゴミ捨て場を漁ったんだろうよ。私は全てのデータを消したつもりだったが…」
れいん「ケンジントン実験のこと、教えて」
0094名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/07(木) 19:36:45.46ID:???
ホジソン「サイ、超心理的な能力は、大抵の子供は極微弱ながらも持っているものだ。
超能力という大それたものじゃない。ちょっとした勘だとか、コインを曲げるといった程度の物理力」
れいん「この頭についてるのは何?」
ホジソン「アウターレセプターと私達は読んでいた。それをあれが受ける。
これがキッズだ。一つ一つは微弱でも、子供達のその力を、もし束ねることは出来れば…」
れいん「何を期待したの?」
ホジソン「予測のつかないことだよ。それが見たがったんだ、お嬢さん」
れいん「何をさせたの?」
ホジソン「仮説をただ証明することだけが科学ではない。私はそう考えていた」
玲音「そうじゃなくて!ふっ、で、子供達のことは考えなかったんだ」
ホジソン「そう、仰る通り。アウターレセプターが受容した微弱な脳の電磁波をコンヴァートする、
一種の脳の一部の機能だけを肥大させたのは、KIDシステム、キッズというものの正体さ」
れいん「子供達のサイが投合された時にどれほどのエネルギーが動いたのか」
もういや!もう、いい!」
0095名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/07(木) 19:49:11.99ID:???
ホジソン「私はキッズを二度と復元出来ないように粉砕したよ。
しかし、どうやらあの機械の設計図面がワイヤードのどこかに流れ、時間の檻の中に沈殿していたようだ」
れいん「それを、誰かが見つけたんだ」
ホジソン「しかも、アウターレセプターなど使わずして現象を引き起こせるようにアップデートまでしてね。
エミュレーションで、あそこまで広範囲に影響を及ぼせるとは実に優秀だと言わざるを得ない」
れいん「それしか思わないの?もう子供なんてどうなってもいいの?」
ホジソン「私が何を思ったところで、あの子たちがリアルワールドに帰ってくるわけではないからね。
ましてや、今の子供達の事となると」
れいん「勝手なもんね。で、今それを使っているのは?」
ホジソン「お嬢さん、私は喋り疲れてしまった。あなたに会えてよかった。
あなたがワイヤードで何をしたいのか、どういう存在になろうとしているのか知りませんが、あなたは強いですよ。とてつもなく強い。
もしもこのワイヤードに神がいるのだとしたら、あなたは祝福された子供です。
れいん「私は、私別に…」
ホジソン「キッズをエミュレートをしているいたずらものどもの強さと別種の強さはどこからくるのでしょうね?」
れいん「いたずらもの?あ!」
ホジソン「それじゃ、私は失礼させてください。少々くたびれました。肉体の残り火の時間がなくなりました。私の望みも叶った」
0097名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/07(木) 19:57:08.80ID:???
玲音「うるさい!
あんたたち、何なの?どうして私に色々教えようとしてたのよ?
私もあんたたちのおもちゃだったの?全部遊びなの?何がしたいの、子供を使って。
ただ面白いから?自分達に出来て面白ければ何でもやるんだ?
ふふ、だったらただのサルだ!ふふ、あははははは。どうして声がないの?誰も答えないの?…あ」

その時玲音は、赤い光線が部屋の中で光ってるのを見た。
窓の外を見ると、黒い車に金髪の外国人とアジア系の外国人が立っているのを発見した。

玲音「あいつら!そうか!」
0098名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/07(木) 20:04:36.51ID:???
玲音「あんたたち!あんたたちがナイツね?そうなんでしょう?ナイツなんでしょう?」
金髪の外国人「伏せなさい」
玲音「え?」

玲音の部屋が爆発する。

玲音「何なの!?」
アジア系の外国人「あなたの部屋の冷却システムだ」
玲音「え?」
金髪の外国人「冷却システムにパラサイトボムを送り込んだのでしょう」
玲音「他人事みたいじゃない」
金髪の外国人「私達じゃない」
玲音「じゃあ、誰よ?誰がやったのよ!」
金髪の外国人「ナイツです」
玲音「え…あ…」

黒い車は走り去ってしまう。
そしてパトカーのサイレンの音が鳴り響くのだった。
0101名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 14:26:32.90ID:???
玲音「ううん、違うよ。
私は見ているだけ。
だって、ワイヤードの中の私って…。
うん。私じゃなくなるんだもの。
うん、よく分からない。
え?誰が?」
0104名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 14:36:36.83ID:???
ねずみ『俺は知ってるんだ。
ワイヤードとリアルワールドはリニアに繋がってるんだって。へへ。
俺はどこにだって存在できるんだ。
肉体はどこにあったって、意識だけはどこへでも飛ばせられる』
0105名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 14:40:29.60ID:???
女「イモーターコンソーシアム夕食会のお時間です」
男「はい」
『メール』
男「あと三分。そしたら下で」
女「分かりました」
男「今度は何をして遊ぶんだい?」
0107名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 14:52:12.44ID:???
玲音「リアルワールドなんて、ちっともリアルじゃない」
ありす「玲音、大丈夫?」
玲音「え、何が?」
ありす「最近、玲音また戻ってる。
私達、玲音にもっと元気になってもらいたいと思って、あっちこっち連れてったりして…
ほんとにそう思ってたんだ。でも、もし玲音が嬉しくなかったんだったら、謝る」
玲音「そんなこと、ない。嬉しくないなんて、そんなこと…そんなことない!」
ありす「よかった」
玲音「ありす!」
ありす「うん?」
玲音「あの、ありがとう、心配してくれて」
ありす「友達、でしょ?じゃ」
0108名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 15:00:08.43ID:???
アナウンサー『本日午後、情報庁情報監視センターのファイヤーウオールが何ものかのクラッキングにより破壊され、
現在ワイヤードネットワークの情報が混乱しています。
このニュースは今この時間に流しているものですが、このニュースが届くのは明日、
もしくは昨日になる事もありますので、ご注意ください』
0109名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 15:11:39.86ID:???
『ナイツがやったらしい』
『ナイツってなに?』

NAVI『ナイツ。
ワイヤードで大きな影響力を持つと言われる算法騎士団。
構成するメンバーは一切不明。
単に情報を操作するばかりでなく、
非合法な情報機器の開発・流通も行っているとされる』

『れいんが狙われたって』
『れいんって誰?』

NAVI『れいん。それに関する情報は、0件です』
0110名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 15:13:05.19ID:???
『れいんなら最近見ないな』
『れいんって誰よ?』
『女の子さ』
『女の子?』
『強いんだ!』
『何が強いの?』
『メタファライズ、意思、パワー、目の光、存在』
『ね、聞いてもいいかい?』
『なんだい?』
『あんた、ひょっとしてナイツのメンバーじゃないの?』
0112名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 15:29:23.94ID:???
主婦「はーい」
運送屋の男性「宅配便でーす」
主婦「あ、判子な。ごめんなさい、お待たせしちゃって」
運送屋の男性「いや」
主婦「はい、判子。え、なに?」
運送屋の男性「あ、NAVIっすよ。新型でしょ?いいなぁ」
主婦「ふふ、内職して買っちゃった」
運送屋の男性「俺なんかこんなバイトしてても、全然買えないっすよ。はい」
主婦「頑張んなさいよ」
運送屋の男性「はぁ…そうっすよねー頑張んないと。
分かんないことあったら、聞いてください。俺、教えますから」
主婦「ふーん、教えてくれるの?」
運送屋の男性「ええ。自信、あるんっす」
主婦「そうやって暇そうな主婦を誘惑してるんだ」
運送屋の男性「いや、そんな、まあ、そうかな…」
男の子「ただいま」
主婦「じゃ、ご苦労様」
運送屋の男性「チッ」
0113名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 15:35:41.06ID:???
男の子「ママ、あとでキンヤ君内に遊びに行ってもいい?」
主婦「ゲームだったらネットでやればいいんじゃない?」
男の子「だからそのゲームの仕方を教わるの」
主婦「ワイヤードはリアルワールドと一緒なのよ」
0115名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 15:45:50.62ID:???
玲音「な、なに?」
アジア系の外国人「岩倉玲音さん、私達と一緒に来てくれませんか」
玲音「え?」
金髪の外国人「無理にとは言いません。これはお願いです」
アジア系の外国人「私達はあなたに肉体的な危害を加える意図はありません」
玲音「誰なの?」

金髪の外国人がゴーグルを外すと、玲音はひるむ。

金髪の外国人「私達と来ていただければ、お教えします」
0116名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 15:49:19.78ID:???
ねずみ『俺はこんな所にいたくないんだ。分かるだろ?俺はここまで出来るんだ。
見てくれよ!俺はリアルワールドとワイヤードの垣根を取っ払ってるんだ。
なぁ、お願いだ。資格は十分あると思うよ。俺も入れてくれよ、ナイツへ。
褒めてくれるだろう?俺が自分一人で突き止めたんだ。
これがあんたたち専用の極秘回線なんだ。なぁ、俺を仲間にしてくれよ!
だっ、誰だ?』

そこに微笑む玲音の姿が映る。
0117名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 15:57:17.29ID:???
《橘総合研究所 新橋事務所》

玲音「あ…」
男「ちょっと、こっちへ来て。
どうしても本社のファイヤーウオールに認証されない。
アプリ側でやれることはやったんだが。
やっぱり、こんな旧式じゃだめなのかね。ずっとこれでやってきたからね。
今更新型のNAVIに移行する気力が湧かない。
もうこの歳だし。
君のように若ければ…」
玲音「そこのジャンパ」
男「え?」
玲音「これとこのジャンパ、抜いてみてください」
男「すまないが、お願いできるかな」
玲音「え?」
0120名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 16:10:05.63ID:???
男「ほう」
ねずみ『れいんか?あんたナイツだったのか!?』
玲音「!」
ねずみ『そうなんだろ、れいん。知らなかった』
れいん『バーカ』
ねずみ『あぁ、待ってくれよ。
ね、ね、この間のガキ共を使った遊びは傑作だったね!
でも、でも僕ならもっと凄いこと思いつくよ。
だから頼むよ。僕も仲間に入れてよ、君達ナイツの…』
玲音「……」
0121名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 16:18:09.27ID:???
男「ワイヤードには、リアルワールドの政治的な国境はないと言った。
寝言をほざく無政府主義者、悪ふざけが革命だと思い込んでるばか者。
そんな手合いならいくらでもいる。
しかし、ナイツはどうもそういうのとは違うらしい」
玲音「ナイツ…」
男「君がどれだけ自覚的にやっていたのかは知らないが、
君自身のワイヤードでの存在は極めて不自然なものだった。
そしてどうやらナイツはそんな君に特別の関心を抱いたようだ」
玲音「あ、あの…な、なにを、言っているのか、私」
男「ナイツ。君は彼らと一時は直接対話をしていた」
玲音「で、でも、私、あの、なにが」
男「ともかく、奴らは君を何かに利用したがっているらしい。
我々にとってそれはどんな手段をとってでも阻止せねばならないのだ」
玲音「あなた、なに?誰?あなた達」
男「…」
金髪の外国人・アジア系の外国人「…」
0122名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 16:24:40.77ID:???
ねずみ『ああ、秘密は守るさ、勿論だとも。
君達はデウスを信仰しているんだよな。
僕も従うよ。
でも、本当なのかい?
ワイヤードに神様なんているのかい?
僕にはまだ信じられないけど…
でも、仲間に入ったらもっと知ることが出来る。
そしたら、信仰だって持てるよ。
え?き、君達かい?
来てくれたんだね!
僕を迎えに!』
0123名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 16:35:10.19ID:???
男「名前。本当の名前など知っても意味がない。私にも、彼らにも、名前がない。
教えてもらいたい。
岩倉玲音。君はワイヤードのれいんと同一人物なのか?」
玲音「…」
男「君は誰だ?」
玲音「私は…私は…」
男「君の両親は本当の両親か?」
玲音「え?」
男「君の姉は本当の姉か?」
玲音「な、何、言ってるの?当たり、前…」
男「父親の誕生日はいつだ?」
玲音「お、お父さんは…」
男「じゃあ、母親の誕生日は?両親はいつ結婚した?恋愛か?見合いか?」
玲音「そ、それ、だから、それは…えっと…」
男「なぜ知らない?聞いたこともないのか?誕生日は家族で祝ったことがないのか?
小さいころからか?どうなんだ?
君はいつ、どこで生まれた?」
玲音「う…そんな、いいじゃない…そんな…」
男「分からないのか、すべて」
0124名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 16:50:04.94ID:???
男「大丈夫かな。君は本当にまったく全てを」
れいん「ああ…うるさい奴。どうだっていいことばかり並べて、くだらない」
男「ほう!」
金髪の外国人「!」
アジア系の外国人「…っ」
男「ワイヤードのれいんなのか?」
れいん「だったら?」
男「デバイスがなくとも、ワイヤードとリアルワールドの境目がぐずぐずと崩れつつ事がある事を、君も知っているね」
れいん「だから?」
男「我々はそれを危険だと考えている」
れいん「面白いじゃん。ふん」
男「ふん」
れいん「どいて。何よ」
金髪の外国人「危険なのは、君自身だ」
男「カール!」
れいん「ふん」
男「ふん、彼女の言うとおりだ。面白いことが始まるのだよ。黙って見ていればいい」
0125名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/11(月) 16:53:02.97ID:???
主婦「ショウちゃん」
ショウ「なに、ママ?」
主婦「一緒にやろう!」
ショウ「お仕事終わったの?」
主婦「勿論!ママは優秀だもん!
さ、ショウちゃんをやっつけちゃうぞ!ほら、覚悟し!ほら! 」
0129名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/14(木) 02:46:06.00ID:???
タロウ「ええ?いるかどうかなんか誰にも分らないさ。ワイヤードに神様なんていようがいまいが、ユーザーには関係のないことだもの」
ん?ちょっと待って、れいん。あいつをやっちまってからだ」
れいん「何が面白いのさ。他のプレイヤーの殺してばっかり」
タロウ「何がどうして面白いかなんて誰にもわかりゃしないさ」
れいん「ふん」
0131名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/14(木) 03:16:39.68ID:???
『橘総研もの巨大企業が、非合法活動などするはずがない。しかし噂は聞いておるが』
れいん「噂?」
『ワイヤードで俺たちがこうやって情報をやり取り出来るのは、どうしてか知ってるか』
れいん「ふん、私をテストしてるって訳?IPのことを言ってるんだったら」
『はっはっは、すまん。そうだ。我々にとってプロトコルは、その存在を普段気にすることは無い。
しかし、今のプロトコル、6世代目のデータのスループットを筆頭に頭打ちになってきている』
れいん「第7の、プロトコル」
『そう、第7のプロトコル。それをインフラ化しようとしているのは企業だ。
プロトコルを支配することは、ワイヤードを実質的に経済面で支配できる、ということだからな。
それに対する妨害は必要らしい。で、その始末をしているのが』
れいん「橘総研」
『ふっふっふっふっふ』
0133名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/14(木) 14:35:21.74ID:???
一階に降りると、玲音の両親が虚ろに下を見ながらダイニングチェアに座っている。

玲音「あ…」

麦茶を注いで話しかける。

玲音「ママ、パパ、わ、私…この間、ね、ある人に聞かれたの。
お前は岩倉玲音か?お前の両親は本当の両親か?って。
おかしいでしょ?おかしい…よね?おかしなこと言うよね?ね?」

麦茶を飲み、そのコップを洗い物する。
もう一度両親の方へ視線を向ける。
すると、両親が睨みつけるように玲音を見ていた。
0135名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/14(木) 14:55:49.47ID:???
玲音「あ、ありす。おはよう」
ありす「…」
玲音「ど、どうしたの?」
麗華・樹莉「…」
ありす「私は、信じてないんだけど」
玲音「え。な、なに?」
ありす「玲音、違うよね?」
玲音「な、なに、が…?」
麗華「しらばっくれてんじゃないの!」
ありす「麗華、決めつけちゃ駄目」
樹莉「じゃあ、玲音。マジで違うの?」
玲音「あの、だから…何が?」
ありす「玲音、あなたワイヤードで…あ」
玲音「…」
ありす「うん、いいや。絶対玲音じゃないって」
玲音「…」
ありす「私、信じてる。ね?」
樹莉「ありす」
ありす「?」

樹莉が顎で視線を向けるように促す。
そこに校門から赤い車が入って来る。
その車内にいる一人の男性に、ありすは恍惚の表情を浮かべるのだった。
ありすは急いで校舎へと向かう。
おちょくるように麗華と樹莉も後をついていくのだった。

玲音「…」
0137名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/14(木) 15:36:01.06ID:???
顔のない声1『これは危ないみたいだぞ。出来れば避けて』
顔のない声2『だって信じられる?あんなに素敵なのにそんな趣味だなんて』
顔のない声3『プロトコル6には極めて重要なバグがあります。
この存在は、ワイヤードにとって甚大で』
顔のない声4『その子の部屋にはある赤と緑のしましまのセーターを着た子供みたいなやつが現われて』
顔のない声5『あのアイドルが高校生時代彼氏の車に乗ってて、人をひき逃げしてるって』
顔のない声6『それ本当なんでしょうね』
顔のない声7『私直接聞いたんだから』
顔のない声8『あのビルの屋上に立ってると』
顔のない声9『ナイツなんて本当はいない。あれはアメリカの学生のジョークみたいな…』
れいん「うるさい!何が面白いのよ!」
声『面白くないのかい?君は』
れいん「え、誰」
声『君は僕を探しているんだろ』
れいん「神様のご登場?」
声『神の定義は何かな。世界を創造し、いやあ違う。世界を司る万能の支配者。それは対極に過ぎない』
れいん「どこにいるのよ」
声『神の定義はその世界に普遍として存在するものとするなら、そうだ。僕はそう呼ばれても構わない。
僕はちょっとだけ世界の動きに干渉しているだけ』
れいん「誰なのよ!」
声『僕は君さ。君も気付いているだろう?もうひとりの君がこのワイヤードで以前からずっと存在している』
れいん「…」
声『君はそのホログラムに過ぎない。君はただの肉体』
れいん「そんなの信じろって方が…無理だよ。そんなの」
声『ふふふふ。しかし、リアルワールドの君と今の君、同じ人格だとは、君自身思えないだろ』
れいん「でも。私は、私」
0138名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/14(木) 15:42:27.53ID:???
気がつくと、教室のクラスメイトと先生が玲音をじっと見ている。
そこにメッセージが。
『玲音はのぞき屋』
誰が送ったか分からない。
0139名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/14(木) 15:50:47.02ID:???
急いで廊下に出る。
隣のクラス。
ロッカールーム。
調理場。
白い体操服。
みんなただ玲音を見つめるのだった。

玲音「ありす。ありす。どこ?どこにいるの?ありす」

ありすからのメッセージ
『うわさなんて気にしない!気にしない!』

玲音「ありす。ありすどこ…。ありす」

玲音「ありすどこ…。ありす」
れいん「……」
0140名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/14(木) 15:55:44.32ID:???
玲音「…私が何をしたの?ワイヤードで何を、私の知らない私が何をしてるの?…」

『うわさなんて気にしない!気にしない!』

そして、体育館が爆発し、火事になる。

Searching...
0141名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/14(木) 16:13:47.05ID:???
ありす「あっ…あっ…あっ…ああ……」
赤い車に乗っていた男「先生とこんなことしていていいのかな?」
ありす「…よく、ない…」
赤い車に乗っていた男「よくないのに、どうしてするの?」
ありす「したいから…。!」
れいん「ふふふ、ははは」

ありすの頬に汗がつたい、股間につけていた指を急いで戻す。

れいん「ねえ、知ってる?瑞城ありすが誰を好きかって。
誰のことを想っていやらしいことをしてるかって。ふふ」
ありす「やっぱり、あんたが言いふらしてたの!?噂は本当だったの!?」
れいん「ふふふふ、ははは」
ありす「玲音!私のことそうやってじっと見てたの!?私が秘密にしてることとか、
私が絶対に見られたくない時とか!私が」
れいん「はははは、はははは」
ありす「嘘だよね!?玲音!玲音!あんたって…」
0142名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/14(木) 16:19:54.90ID:???
涙が頬を伝い、眠れない玲音。
電線。
ビルの屋上。
サイベリアのミラーボール。
点滅する青信号。
ケーブル。
体が浮く。
周りがストンと消える。
0143名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/14(木) 16:47:12.42ID:???
れいん「ふはははは。はははははは」
玲音「誰よあんた。あんたは私じゃない。私はあんたみたいなことはしない」
れいん「私」
玲音「やめてよ。私が自分で嫌いな私を、どうして真似するの?」
れいん「ふはは。はははは」
玲音「あんたは」
れいん「私、自殺しちゃうんだ。ははははは。ははははは」
玲音「どうして、どうして温かいの!どうして、どうしてあんたの体温を感じなきゃいけないの?」
れいん「だって、私は玲音じゃない?」
玲音「違う!違うよ!」
れいん「はははははは。はははははは」
0144名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/14(木) 17:16:04.55ID:???
玲音「何よ、これは」
声『みんな君さ。君はワイヤードにずっと存在していた』
玲音「え」
声『君は僕と同じさ。ワイヤードに存在している。
だから、どんなとこでも誰のとこでも、常に君は側にいた。
他人が人に見られたくないことを見つめていた。
それを君は人に伝えただけ。それは正しい事さ。
だって、ワイヤードの情報はシェアされるべきだからね』
玲音「あんたが、言ってること…全部、嘘だよ」
声『どうして』
玲音「ありす達は見ていたの!私がいないときワイヤードで私を見たって言っていたもの。
私が私自身を認識している限り、私の自我は私の中にある!
こんな不出来なデュープを私自身だと思えって?ふざけんじゃないわよ!
私が、私がもしあんたの言う通りだとしたら!」
声『だとしたら何だい?玲音』
玲音「みんながれいんに見られたという記憶。情報の消去だって出来るはず」
声『そうだね。やってみたらいい。君はそれだけの力を持って生まれた』
玲音「…」

Deleting...
0146名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/14(木) 17:26:57.46ID:???
ありす「玲音!」
玲音「あ」
樹莉「玲音ってば!」
ありす・麗華・樹莉「はははははは」
玲音「(忘れてくれたの?)」
ありす「はははは、あはははは」
玲音「(ほんとに?)」
ありす・麗華・樹莉「玲音!」
玲音「(ほんとなんだね)ありす!な、な、何?」

その時、もうひとりの玲音が現われる。
0147名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/14(木) 17:42:28.53ID:???
もうひとりの玲音「ありすー」
ありす「ははははは」
もうひとりの玲音「ねえねえ、今日サイベリアに行きたいな。ねえ、行こう」
樹莉「賛成」
麗華「へえ、めずらしいじゃん」
ありす「いいよ。じゃあまた私ん家で着替えて行こう」
玲音「わーい」
ありす・麗華・樹莉「ははははは、あはははは」
もうひとりの玲音「ねえねえ、何着てこうかな」
玲音「やめて!私は私だよ!」
もうひとりの玲音・ありす・麗華・樹莉「ははははは、あはははは」
玲音「私はここだよ!」
樹莉「ほら、早くー」
麗華「待ってよ、もう」
もうひとりの玲音「そうだよ。玲音は玲音。私は私」
玲音「!」
もうひとりの玲音「ふふ」
玲音「あ」

そして、もうひとりの玲音が消えてしまう。
校舎から誰もいなくなる。
玲音自身も消えてしまう。
0149名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/14(木) 17:53:13.29ID:???
何の罪も無いはずなのに
何らかの罰を受けてる
自分で蒔いた種でもないのに 咲き乱れた花摘まされる

知らないことともいえないが
片棒かついだ覚えは無い
自由を高く買わされた気もするが
心まで安く売った覚えは無い

Hey Hey くたばって おさらばするまで
Hey Hey 誰の手にもかからない
遠い夜をうろついてる知らないだろう永遠のならず者達を…
0152名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/17(日) 21:12:45.40ID:???
『1947年7月4日、アメリカニューメキシコ州の砂漠に、奇妙な航空機が墜落した。
それがなんであったかは、いまだに証明されることのまま憶測が事実となり、噂が、歴史となっていった』
0153名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/17(日) 21:18:11.28ID:???
クマの着ぐるみを着てうつろな玲音。
不意に足音が聞こえる。

玲音「誰?」

そこにエイリアンのようなものを見た。
茫然とし、うずくまる。
0154名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/17(日) 21:49:25.67ID:???
『1984年、TVプロデューサーであったジェイム・シャンデラの自宅に、
匿名の人物から茶封筒に入った未現像のフィルムが届けられた。
そこに映されていたのが、いわゆるMJ-12文書と呼ばれるものである、
ロズウェル事件当時のCIA長官、ロスコー・ヒレンケッターを筆頭とする12人のメンバーが、
大統領直属の機関として、地球外生命体と密約を結んでいたというのが、その内容であった。
この文書に書かれたトルーマン大統領の署名は、他の文書からそっくりコピーされたものと認められている。
MJ-12のメンバーの一人として名指しされていたのが、MIT工学部部長であった、ヴァネヴァー・ブッシュである』
0156名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/17(日) 22:02:36.66ID:???
れいん「あったことを、無かったことにしてしまうなんて、どうやったらできるのよ」
耳「君の任務か」
目「そうかそうか」
れいん「私はあんたのことなんて知らない。なのにあんたは、私を知っている」
目「情報というのは常に双方向に流れるとは限らない。
君はこのワイヤードが生まれた時から、ずっとここにいる。ここでは君は自由な存在だ」
れいん「だから、それは私なんかじゃないんだって!」
耳「そうだな。では、我々はいつからここにいる」
れいん「…」
耳「確かにこの世界ができた最初の時からでは少なくともあるまい」
目「そんなことは関係ない!存在自体が記憶されていれば、それは既に記録なのだから」
手「それって乱暴じゃないかな。このれいんという子が一体いくつに見えるのよ。まだ子供じゃない」
れいん「私のことより今は!あ…くっ…」
0157名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/17(日) 22:07:34.65ID:???
『ヴァネヴァー・ブッシュが、1945年に発表したMEMEX、記憶の拡大構想は、
半透明スクリーンに、マイクロフィルム化された情報を映し出すシステムだった。
彼が構想したのは、情報の圧縮と、迅速なアクセス。
コンピュータが登場する以前に、ブッシュは原爆実験、マンハッタンプロジェクトの指揮をすると同時に、
現在のマルチメディアの基礎を生み出していたのだった』
0158名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/19(火) 17:19:49.18ID:???
《クラブ サイベリア》
J.J.「あ?(ピュゥ♪)」
玲音「…?」
J.J.「忘れもんだよ」
玲音「え」
J.J.「ほら、昨日あそこのフロアに忘れてったろ。いらねえんだったら捨てるけど」
玲音「私が忘れていったものなの?」
J.J.「そうだって言ってるじゃん」

茶封筒を渡される玲音。
中には基盤と、ナイツの刻印が刻まれていた。
0159名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/19(火) 17:26:25.92ID:???
『インディオの麻薬物質と、アイソレーションタンクによる感覚遮断実験によって人間の無意識を探ろうとした、、
ジョン・C・リリーは自らの実験中、宇宙的存在者とコミュニケーションネットワークを介して接続していると考えた。
彼を導く存在をリリーはECCO、地球暗号制御局と呼んだ。
後にリリーは、イルカとのコミュニケーションに転身する。
イルカは超音波により水中のかなり広範囲なネットワーキングを可能としている生物である』
0160名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/19(火) 17:34:31.17ID:???
マサユキ「ん?」
タロウ「何だよ。あ」
玲音「前に、約束したよね」
タロウ「はあ?何を?」
玲音「デートするって」
タロウ・ミューミュー「え?」
ミューミュー「な、何言ってんのよ。タロウ、ほんと?」
タロウ「したっけ?約束」
ミューミュー「ねえ、してないしてない」
タロウ「言ったとしても俺がデートしたかったのは、今のあんたじゃないんだよ。レイン」
ミューミュー「バカ、タロウ」
玲音「一緒なの。私は私。ひとりしかいない」
タロウ「…う」
タロウ・マサユキ・ミューミュー「え」
玲音「…」
0161名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/19(火) 17:45:30.78ID:???
《玲音の自宅》

タロウ「すっげー。よくこんなものつくったよな。
あんましスマートじゃないけどこのやり方なら、まだまだ拡張出来るもんな。何で冷却させてるの?」
玲音「タロウ君」
タロウ「これ、液体炭素?」
玲音「そこに座って」
タロウ「あ?ちっ」
玲音「これが、何だか知ってるでしょ」
タロウ「あ」
玲音「タロウ君だよね?」
レイン「ナイツなんだよね?」
タロウ「え。本当の、レインだ…」
レイン「ワイヤードの中に、私がもうひとりいるかどうか、それは私にはわからない。
でも、このリアルワールドに私がもう一人いるなんてことは、絶対に無い。
肉体を持つもう一人が姿を見せたのは、あのクラブだけ。
あそこにいた人の記憶だけを操作すればいいんだよね」
タロウ「俺、そんなこと…うわっ」
レイン「プレイ。トラック44」
タロウ「うわ…あ…」
0162名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/19(火) 17:51:38.25ID:???
一階で抱き合う康男と美穂。

康男「もうそろそろ、終わりですね。とうとう…」
美穂「だから、今のうち」

口づけを交わす康男と美穂。

美香「ぁ…で…ぁ…れ…い、ん…。
ぴーぴーぴー、了解。ぴーぴーぴー、ただいま交信中。ぴーぴー、がー。
ぴーぴー、がー。ぴーぴー…」
0163名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/19(火) 18:02:44.00ID:???
タロウ「ああ…う、ああ…」
レイン「ストップ」
タロウ「俺じゃないよ。でもJ.J.んとこに流されてくるデータに、そういうエフェクトがあるってのは知ってた」
レイン「このチップをインストールしたら私はどうなるところだったの?自殺?それとも正気を失うの?」
タロウ「知らないってば。俺みたいなガキが正規のナイツになれるわけないじゃん。俺はただの」
レイン「どうなっちゃうのかな」
タロウ「こ、これは不揮発性メモリーだよ。既にある記憶を上書きする」
レイン「どんな記憶?」
タロウ「し、知らない。はぁ…。ナイツはただのクラッカーじゃないんだぜ、レイン」

レインが玲音に戻っている。

タロウ「あ。はぁ…。あんたおかしいんだ、きっと。だからナイツが関心を持つ。
ナイツは、たった一つだけしかない真実を、事実とするために戦う行使者なんだ」
玲音「よくわからない。たった一つの真実って何?」
タロウ「だから俺は正規のナイツじゃないからさ。きちんと教えてもらってないんだ。
でもこれはマジだぜ。真実は真実だからこそ強いんだ。
真実だからこそ、それは正義なんだ。説得力あるだろ。そんな真実。欲しいと思わない?
俺、帰る。ミューミューがヤキモチ焼いてるからさ。あんたに」
玲音「タロウ君、ありがとう」
タロウ「あんたさ」
玲音「え」

玲音に口づけをするタロウ。

タロウ「デートだもんな。俺だって、男だからよ!」

何か口に入ってることに気付くことに玲音。
タロウは玲音にガムを口移ししていた。
0164名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/19(火) 18:07:45.88ID:???
『ヴァネヴァー・ブッシュ、そしてジョン・C・リリーという2人の異端の先駆者に学んだネルソンは、
軌道上に静止衛星の巨大な電子図書館を打ち上げ、電波と電話回線によって、
地球上のどこからでもどんな端末でもそれが利用できるデータベースを作る構想ザナドゥを発表する。
一切の文字文化が永遠になくなることが無いといわれる理想郷。
それがザナドゥである。
それをこの世界に具現しうる思想こそ、ハイパーテキストであり、
テッド・ネルソンはその考案者として歴史に名を残すだろう』
0165名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/19(火) 18:16:05.72ID:???
玲音「ハロー、NAVI。カチカチ、カチカチ。メモリーチェック。カチカチ、カチカチ、カチカチ」

玄関前。
誰かに背中を押される玲音。
玄関に康男、美穂、美香が立っている。
康男に連れられて二階へ登っていく玲音。
そこは普通の部屋かのように見えた。
すぐにパソコンだらけの部屋になる。
振り向くもうひとりの玲音。

もうひとりの玲音「それが、私?」
玲音「そう、これが私」
もうひとりの玲音「じゃあ、あの人たちは、誰?」
玲音「私はあなたなんだから、知らない」
もうひとりの玲音「嘘だよ、こんなの」

玲音「嘘だよ、全部。どうしてこんなことするの?」
0166名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/19(火) 18:21:11.15ID:???
『地球には地球自らが持つ固有の電磁波が存在する。
電磁層と地表との間で、ELF帯に8ヘルツの周波数で、常に共鳴が起こっている。
これをシューマン共鳴と呼ぶ。
この地球が常に放っている、いわば地球の脳波は、
人類にどれだけの影響を及ぼしているのか未だに分かってはいない。
地球の人口は、やがて脳内のニューロンと同じ数に達する。
ダグラス・ラシュコフは地球上の人間同士が、ネットワークで相互接続することにより、地球自身の意識をも覚醒されうると主張している。
確かににネットワークは、ニューロティックに進化を遂げており、人の脳内のシナプスに繋がれたそれと同じく、
地球そのものがニューラルネットワークと化しているといえる』
0168名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/19(火) 18:27:38.56ID:???
『橘総研の主任研究員だった英利政美は、地球を覆うニューラルネットワーク仮説をさらに進化させ、
地球上の人間は全て、デバイスすらも必要なく、
ワイヤレスネットワーク上に無意識化に配置されるという仮説を発表した。
さらに彼は、第7世代目のワイヤードプロドコルに、
シューマン共鳴ファクターを独断により暗号化し、書き加えていた。
事態を知った橘総研は英利を解雇。
その一週間後、英利政美は山の手線上で轢死体として発見された』
0173名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/26(火) 16:59:19.87ID:???
英利が玲音の心を読み取り話す。

英利「どうしてあなたなんかが神様なの。私分かんない」
玲音「…」
英利「あなたは。死んだんでしょ、ただの人間として。
そんな人が神様になんてなれるはずないじゃない」
0174名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/26(火) 17:01:16.13ID:???
今度は、玲音が英利の心を読み取り話す。

玲音「僕は肉体なんてものは不要だとわかったんだ。死というのは単に肉体を捨てただけのことさ」
英利「…!それは、千砂ちゃんのことよ」
0176名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/26(火) 17:08:42.76ID:???
玲音「それは、そうだな。僕はワイヤードを統べるプロトコルを進化させた」
英利「そうね、あなたはそうしたわ。でもプロトコルなんてただの取り決め」
玲音「そう、しかし僕がもっと高いフェイズで機能するコードを暗号化して書き込んでいた」
英利「それで?」
玲音「そのプロトコルには圧縮された情報が混入している」
英利「どんな情報かしら?」
玲音「人の記憶。この私、英利政美という男の思考、履歴、記録、情緒」
英利「それがどういうことを意味しているのかしら?」
玲音「ワイヤードのアノニマスな存在として永遠に生き続け、そこを情報によって支配しうる存在」
英利「そういう存在を何と言うと思う?」
玲音「神」
英利「神様なんていないわ」
玲音「そう、普遍の存在であって影響を及ぼすことができたとしても、崇める者がいなくては神足りえない」
英利「でもそれがいた。いえ、作ったのね」
玲音「ナイツ…」
0178名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/26(火) 17:26:39.31ID:???
学校に登校すると、ありすは玲音と目を合わせてくれなかった。
机と椅子がない。
玲音の席が無くなっている。
女性生徒A「起立!礼!」
先生「じゃあ、教科書をしまって」
先生がプリントを配りにくるが、玲音には手渡されない。
玲音「わ、私、私、リアルだよ。私、生きてるよ。私、ここにいるんだよ。
どうしてこんなことになっちゃったのかな。私が何かしちゃったのかな。
そういうことにならないようにって、いつも私気をつけてたのに。
変なこと言っちゃわないか、いつも気をつけてたのに。
そうなのかな、やっぱり。私が肉体を持ってちゃいけないのかな。…!」
ありす「そうよ玲音。あなたはリアルワールドには必要が無いんだよ」
玲音「…!」

クラスメイト達が無表情で色を失う。

玲音「…」
0179名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/26(火) 17:40:38.53ID:???
ひとり校門を出る玲音。
玲音「ただいま」
家に帰ると誰もいなかった。
荒れたリビング。
開けっ放しの冷蔵庫。
何もない両親のベッドルーム。
枯れた植物。
美香の声が聞こえる。
美香「ぴーぴーぴー、がー。ぴーぴーぴーぴー」
散らかった美香の部屋を片付けようとした時、康男が入って来る。
玲音「パパ?」
0180名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/26(火) 17:46:55.05ID:???
男「これでお別れです。玲音さん」
玲音「!」
男「もうご存知になったんでしょ。
私達の仕事は終わったんです。短い間でしたが、大したお世話もできずで。
あなたはこれからどうしようと自由です。
いや、最初からあなたは自由だったんだ。
お別れを言う許可は得ていないのですが、私はあなたが好きだった。
別に家族ごっこが楽しかった訳じゃない。
あなたという存在が私には羨ましかったのかもしれません。じゃあ」
玲音「待って!私をひとりにしないで!」
男「ひとり?ひとりじゃないですよ。あなたは」
玲音「え?」
男「ワイヤードにコネクトすれば誰もがあなたを迎えてくれる。そういう存在だったんです。あなたは」
玲音「…」
0181名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/27(水) 15:00:55.52ID:???
レイン「私はひとりじゃない」
声1「何がしたいの?玲音。ここはあなたの世界よ、玲音」
レイン「ナイツって誰なの?嘘の私をつくったのはそいつらなんでしょ」
声2「それはどうかな。いや、あるよ。統合算法騎士団の起源は、積分騎士団にまで遡ることが出来るらしい。
ワイヤードが出来る以前から、見えない人と人とのネットワーク、集合的無意識を彼らは利用してきたのだから」
声1「何がしたいの?玲音」
レイン「ナイツ。ナイツって誰なの?
声1「それが知りたいのね。玲音」
レイン「ワイヤードの神が神であるのは、それを崇めるものがいるから」
0182名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/27(水) 15:11:17.34ID:???
《クラブ サイベリア》

マサユキ「なあ、タロウよ。どっか別のところ行こうよ。ここつまんなくない?」
ミューミュー「そうだよ。ねえ、私んち来ない?マサユキあんたは来なくていい」
マサユキ「ああ?何だよそれよ」
ミューミュー「タロウはねえ、あんたみたいなガキは相手にしないんだって」
マサユキ「何だよ、それ。ミューミューだって十分子供じゃん」
ミューミュー「女の子はいいの。女の子は若いほうが良いに決まってんだから。ね、タロウ。
タロウ、どうしたの?ネットニューズが何か言ってるの?」
タロウ「リストだ」
ミューミュー「え、何のリスト?」
タロウ「ナイツのメンバーのリストが、どうしてネットニューズになって」
ミューミュー・マサユキ「ん?」
0183名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/27(水) 15:20:15.84ID:???
男「あっ、は、ああ!は、はい」
アジア系の外国人「声を出さないで下さい」
男「な、何だあんたら」
金髪の外国人「けじめをつけような」
男「な、なんの。うう」

金髪の外国人が男の首元に注射をする。

秘書「はっ!」

秘書が入ると、その男は息絶えていた。
0185名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/27(水) 15:30:01.22ID:???
ショウ「ママ、やられちゃったよ。ママってば。次ママの番だよ。
早くしないと僕が続けちゃうよ。ママ、いいの?ねえ、僕がやっつけちゃうよ」

主婦が口から血を流して、テーブルの上で息絶えている。
0186名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/27(水) 15:35:20.97ID:???
『本日、世界各国にて、連鎖自殺が続発しており、
各国の情報管理局、警察が、原因の究明に乗り出しています。
自殺したのは、いずれも、ネットワーク関連に従事している人達で、
消息筋によるとナイツと言う…』
0187名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/27(水) 15:58:16.18ID:???
アジア系の外国人「ふふふ」
金髪の外国人「…」
玲音「なんで、あんなこと…したの?」
金髪の外国人「これは私達のクライアントからの依頼です。あなたは、世界中のナイツを狩り出してくれた。
我々の仲間が現在、一斉に処理にまわっています」
玲音「そんな、こと…」
金髪の外国人「ワイヤードは特別な世界であってはならない。あくまでもリアルワールドを補強するサブシステムとして機能すべきフィールド」
玲音「だから、って」
アジア系の外国人「あんたもワイヤードの中じゃあってはならない存在なんだよ。でもあんたは無事じゃないか。ふふふはは。
どうやらあんたには神とやらのご加護というのがあるらしい。ふふふふふふ」
金髪の外国人「いずれ英利政美の残留思念プログラムもワイヤードからディスインペクトされます。
私達のクライアントはプロトコル7のコードを全面的に書き換える作業をしているところです」
玲音「…」
金髪の外国人「神など、必要無いのですよ」
アジア系の外国人「そう、ワイヤードでもリアルワールドでもね。ふふ」
金髪の外国人「私達はあなたが何なのかいまだに理解できていない。しかし、私はあなたが好きだ。
不思議な感情ですね、愛というのは」
アジア系の外国人「ふははははは」
玲音「…」
0188名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2017/12/27(水) 16:20:27.75ID:???
玲音「どうするの?」
英利「さてどうしようかな」
玲音「お祈りする人は、いなくなっちゃったよ」
英利「それじゃ、神じゃなくなっちゃうね。でも全員消えたわけじゃない。
1人でも信仰を持つものがいれば、僕は神でいられる」
玲音「誰?」
英利「いやだなあ、君のことさ、玲音。君が君でいられるのは、僕のおかげなんだ。
君はもともとワイヤードの中で生まれた存在なんだ。ワイヤードの中の伝説。ワイヤードの中のおとぎ話の主人公」
玲音「嘘…」
英利「リアルワールドの岩倉玲音は、そのホログラムに過ぎない。ホムンクルス。君の実態などもともとないんだよ」
玲音「嘘よ」
英利「嘘の家族、嘘の友達、そう、全部嘘だったんだ」
玲音「嘘だよ…嘘だよそんなの…」
英利「可哀想な玲音。もうひとりぼっち。でも僕がいる。愛しているこの僕がいる。
君をこの世界に送ってあげた僕を君は愛してくれるはずだ。
玲音「…」
英利「僕は、君の創造主なんだ。僕を愛して、ね、玲音」
玲音「もう一人の」
英利「え」
玲音「もう一人の私が」
英利「もう一人じゃない。本当の君さ」

玲音がレインに代わる。

レイン「どっちでもいいよ、そんなの」
英利「う…!」
0196名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/04(木) 14:40:08.35ID:???
英利「疲れたかい?」
玲音「疲れた」
英利「すごいんだね、やっぱり君は。君自身の脳にあのNAVIのエミュレータをロードするなんて。
そんなに一度に情報を浴びたら危ないよ。君の今のキャパシティではオーバーフローしてしまう」
玲音「私って機械?私を機械みたいに、言わないで」
英利「そんなつもりはなかった。これはあくまでもソフトウェアの問題さ。
玲音、君はソフトウェアなんだよ。ハードウェアなんかじゃない」
玲音「ソフト…」
英利「そう。実行プログラムなんだ。肉体を持ったね」
0197名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/04(木) 14:59:59.76ID:???
夜の住宅街を歩く玲音。

玲音「うるさい。うるさい!
千砂ちゃん?千砂ちゃん、前に一度だけ一緒に帰ったことあったよね」
千砂「…」
玲音「私、やっとわかったよ。千砂ちゃんが言ってたこと」
千砂「玲音…」

千砂が首を横に振る。

玲音「え」
サイベリアで自殺した男「死ぬことなんて簡単なんだよ、玲音。そうだろ?」
玲音「…」
千砂「死ぬって簡単なことじゃ、ないよ」
玲音「え」
サイベリアで自殺した男「簡単さ、玲音。君はもうそのための道具を持っている」
玲音「何を?え。あ…」
サイベリアで自殺した男「セーフティは外してある。トリガーは重いからね。
両手でしっかり持って親指でひくんだ。女の子の力じゃね。
なに?まだリアルワールドにいたいの?ズルいなぁ。君が僕をこっちに呼んだんだぜ」
玲音「私、そんなこと」
サイベリアで自殺した男「肉体なんて無意味なんだ」
玲音「違うよ」
千砂「玲音」
玲音「え、あ。何、これ…」
0198名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/04(木) 15:17:31.07ID:???
樹莉『だから明日の放課後、その顔合わせってことで会おうって思うの。
結構かっこいいんだよ。その男子って。
で、その、先生との噂もさ。ありすが誰か彼氏つくれば嘘だって分かると思うんだよね、私』
じゃあ明日、詳しく話すから。バイビー』
ありす「(嘘じゃないから…)ん?!」

ありすの部屋に人形が入って来る。

ありす「だ、誰?誰よ…!」

それは小さなレインだった。
0199名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/04(木) 15:26:43.50ID:???
ありす「玲音…!?なんで、なんでそんな…だ、だって…」
レイン「私じゃ、ないよ」
ありす「え」
レイン「ありすの秘密を私は覗き見なんてしていなかったし、
ありすの秘密をワイヤードで広めるなんてこと、してない」
ありす「玲音よ。それは玲音がしたこと。だって私見たもの」
レイン「それは私じゃないの。私は、一人じゃないみたい。違う私がやったこと」
ありす「何言ってるのよ…」
レイン「ありすだって、一人じゃないかもしれない」
ありす「え」
レイン「でも、いくら私が違うって言ってもありすはそう信じてるんだよね。
だから。私はそれを無かったことにする。それができるように私頑張ったんだよ」
ありす「どういう意味?」
レイン「デバイスなんてもういらないの。
私、もうワイヤードとリアルワールドの境目壊しちゃったみたいだから。
私、行きたいところにいけるようになったんだよ。だから私今ここにいる。
あったことだって、なかったことにできるはずなの」
ありす「玲音…」

震えと涙が止まらないありす。

ありす「こ…怖いよ…怖いよ…」
0200名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/04(木) 15:46:58.74ID:???
麗華「ありす」
樹莉「ありす。おはよう」
ありす「え。あ、おはよう」
麗華「何、ありす。落ち込んじゃって」
樹莉「あーそういう日?もしかして」
麗華「デリカシーないなあ」
樹莉「だってえ」
ありす「あ、樹莉。私、やっぱり今日気が進まないっていうか」
樹莉「え、今日って何?」
ありす「やだ、昨日親友メールくれたじゃん」
樹莉「嘘、昨日は」
麗華「なんかありす今日変だよ。ありす」
樹莉「ん?ああ、あの先生かっこいいよね」
麗華「うん。でもさ、3年の子と実は付き合ってるって噂だよ」
樹莉「えーマジ?不潔」
ありす「あの、ね、ねえ」
麗華・樹莉「ん?どうしたの?」
ありす「あ、あの先生と、私のこと」
麗華・樹莉「はあ?」
麗華「あの先生と何か関係あんの?」
樹莉「もしかして、あの先生好きとか?」
麗華「だめだめ。遅すぎ」
樹莉「そうだよ。彼女いるんだから」
麗華「ありすらしくないな」
樹莉「ほんと。変だよ、今日は」

何かの気配に気づくありす。
0201名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/04(木) 15:52:31.19ID:???
そこには玲音が立っていた。

樹莉「あ、玲音。おっはよー」
麗華「早く来なよー」
樹莉「早く早く。玲音」
麗華「玲音」
ありす「(玲音…あんた…)」

学校に誰もいなくなる。

ありす「あ(玲音…笑った…)」
0202名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/05(金) 18:49:34.52ID:???
玲音「なーんだ、そうだったんだ。世界なんてこんなに簡単なものだったの。
私全然知らなかった。私にとって世界はただ怖くって、ただ広くって、
でもわかっちゃったら、何だかとっても楽」
『だから言ったでしょう?』
0204名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/05(金) 19:02:48.68ID:???
樹莉「ははははは、やだー、玲音ったら」
麗華「よく言うよ、玲音」
ありす「玲音…」
樹莉・麗華「ははははは。ははははは」
玲音「ええ、でもさ、ほんとだよ。ふふ」
樹莉「そんなの聞いたことない」
麗華「またもったいぶっちゃってさ。玲音ったら」
ありす「どういうことなのよ、全く」
麗華「でさ、樹莉」
樹莉「何?」
玲音「…」
ありす「…っ。?」
『いやな きろくなんて かきかえれば いいの 玲音』
ありす「そんなの…そんなの…!」
麗華「全く」
樹莉「だってえ」
玲音「…」
ありす「…っ」
0205名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/05(金) 19:06:43.22ID:???
玲音「人は人の記憶の中でしか実体なんてない。
だから、色んな私がいたの。
私がいっぱいいたんじゃなくって、色んな人の中に私がいただけ」
0206名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/05(金) 19:10:48.49ID:???
《クラブ サイベリア》

タロウ「そうか。そうなのか」
ミューミュー「ねえ、タロウってば。誰とお話してるの?」
タロウ「あはは、あは、あはは」
マサユキ「ど、どうしたんだよ」
タロウ「俺さ、天使とキスしたんだぜ」
ミューミュー・マサユキ「?」
ミューミュー「タロウ」
0208名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/05(金) 19:21:05.34ID:???
ネットニューズのキャスター
『このプロトコル7の採用により、ワイヤードとリアルワールドは、
シームレスに情報をシェアする環境になるものと、期待が持たれています。
では、次のメッセージです。
玲音を好きになりましょう。
れいんを好きになりましょう。
レインを好きになりましょう。
lainを、
れレ玲laれレ…』
0209名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/05(金) 19:26:48.81ID:???
英利「人の肉体はその機能のすべてを言語化し、唯物論の用語によって余すところなく記述することができる。
肉体も機関に過ぎない。その物理的な制約が人の進化を留めているのだとしたら、
それは人という種の終わりをいもしない神によって決定付けられているようなものだ。
人の中に刻まれた情報は、その固体が意識を得て受けたものだけではない。
人という種が連綿と繋がり続け、情報をその中に蓄積してきたものだ。
それは。共有されねば何の意味もない、ただのデータでしかない。
人は進化できるんだよ。自分の力で。
そのためにはまず自分の本当の姿を知らなくてはいけない。
君は自分を何だと思う?
人と人とは元々繋がっていたのさ。僕がしたことはそれを元に戻しただけに過ぎない。
君がそれを引き起こしたんだ、玲音。だから、君は好きなことをしていいんだ」
0210名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/05(金) 19:43:44.64ID:???
金髪の外国人「(プハァ)」
アジア系の外国人「チッ、やめたんじゃなかったのかよ。どうしてこんなことになっちまったんだ。
俺達はちゃんと仕事したじゃねえか」
金髪の外国人「計算機マニアの秘密結社ごっこが邪魔だったのは、クライアントだけじゃ、なかったっていうことだ」
アジア系の外国人「どういう意味だ?」
金髪の外国人「クライアントは、英利政美と通じていた。(フゥ)いや、その意思は英利のものだったのかも知らん」
アジア系の外国人「やめてくれよ。英利なんて。死んだ男じゃねえか」
金髪の外国人「(フゥ)死んでないんだよ」
アジア系の外国人「え?…っ」
金髪の外国人「肉体の有無なんて、関係なかったのさ。本当は」
アジア系の外国人「お前…」
金髪の外国人「ふっ」
アジア系の外国人「?」
金髪の外国人「?」

そこに橘総研の男がやってくる。
0211名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/05(金) 19:54:28.49ID:???
男はアタッシュケースを置く。

アジア系の外国人「これまでの報酬って訳か。俺たちはハメられたんだな」
男「どう解釈しようが構わない」
金髪の外国人「逃亡しろと? どこへ」
男「ふん、そうだね。電線もなくて、衛星がカヴァーしてないエリア」
アジア系の外国人「この地球にそんなところあるはずねぇだろ!」
男「逃げるんだとしたら、そういうところを探すしかない」
金髪の外国人「「何が起こるんだ?デバイスなしでワイヤードとリアルワールドを繋いでどうするつもりなんだ?」
男「ふん、素敵なことが起こるんだ。楽しみじゃないか」
アジア系の外国人「う…な、何が!う、うわあ!」
金髪の外国人「どうした?」
アジア系の外国人「ひええ!!」
金髪の外国人「何を見てるんだ!おい!」

そこに玲音の姿が映る。
アジア系の外国人は死んでしまう。
金髪の外国人も玲音の姿を見つける。

金髪の外国人「う…う、うわあああああああ!!!!!」
0212名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/05(金) 20:19:42.60ID:???
玲音の家にやって来たありす。
荒れ放題の様子を見て動けなくなる。

ありす「れ、いん…。うっ、げほげほ」
美香「ぴーぴーぴー、がー」
ありす「うう…いや、もう!うう…」

恐る恐る先に進んでいく。
0213名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/05(金) 20:34:35.97ID:???
ありす「(これが、玲音の部屋?)」
玲音「うぅ…」
ありす「玲音?あ!れ、玲音!」
玲音「あ、り、す」
ありす「何を、したの?」
玲音「何も。ただ見てただけ」
ありす「何を?」
玲音「…」
ありす「…っ。私、私、自分がおかしくなったって思ってた。でも、やっぱり違うのよ。
玲音、どうして私だけ残したの?どうして、私だけ元の記憶を残してるの?
どうして私だけ辛いことをいつまでも思い出にしてなきゃいけないの?
そんなに、私のことが憎いの?玲音。こんな、こんなのって耐えられないよ…」
玲音「違うんだよ、ありす。私、ありすを悲しませたくなかったから」
ありす「嘘!こんなことして!」
玲音「ありすは、大丈夫だったじゃない」
ありす「え」
玲音「ありすは、私が繋げなくっても、私の友達になってくれた」
ありす「何のこと言ってるの?」
0214名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/05(金) 20:35:49.93ID:???
玲音「ありすだけは私の友達。繋がってなくても」
ありす「つ、繋げるってなんのこと?」
玲音「私とみんなと」
ありす「やめ…っ」
玲音「私、ありすが好き」
ありす「何を言ってるのか、分かってるの?玲音」
玲音「もともと人間は無意識で繋がってる存在なんだよ。それを繋げ直しただけ」
ありす「玲音が?」
玲音「ん?私は何もしないよ。あっちとこっち側とどっちが本物とかじゃなく、私はいたの。
私の存在自体が、ワイヤードとリアルワールドの領域を崩すプログラムだったの」
ありす「玲音がプログラム…?」
玲音「ありすだって、誰だって、みんなアプリケーションでしかないの。肉体なんていらないの、本当は」
ありす「…」

玲音の頬に手をあてるありす。
0215名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/07(日) 18:22:42.63ID:???
玲音「…っ」
ありす「違うよ」
玲音「え」
ありす「私、よくわかんないけど、玲音が言ってること、間違ってると思う。
こんなに冷たいけど、でも生きてるよ、玲音の体。私だって、ほら。
ね、ドキドキ」
玲音「ドキドキ」
玲音・ありす「ドキドキ。はは、はははは」
玲音「どうして?どうしてかな?」
ありす「怖いからだよ。怖いから、ドキドキしてる。」
玲音「だって、ありす笑ってる」
ありす「うん、そうだよね。でも怖いの。ずっと怖かったの。何でかな」
玲音「何でだろ」
英利「肉体を失うことが怖いのさ。感覚だって、脳の刺激でどうとだって得られる。
嫌な刺激なんか拒絶すればいい。楽しくて気持ちがいいことだけ選べばいいのさ」
玲音「そうなのかな?」
ありす「玲音、誰かと話してるの?」
英利「その子が好きだったら、どうして繋げてあげない」
玲音「わかんない」
ありす「玲音、誰と話してんのってば!玲音!」
英利「バグっているね、ふっ、いいよ。時間をかけてデバックしてあげるからね。さあ玲音、おいで」
ありす「ああ、きゃあ!」

白い手が見え、恐怖でありすは離れる。
0216名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/07(日) 18:34:39.04ID:???
玲音「分かんないの、あなたのこと、神様」
ありす「か、神様と話してんの?」
英利「分からないのは何だっていいんだよ。玲音」
玲音「あなたができたことはワイヤードからデバイスを解放すること。
電話とかテレビとかネットワークとか、そういうのがなくちゃ、あなたは何もできなかった」
英利「そうさ、それらは人間の進化に伴って生まれたものじゃないか。
最も進化した人間は、それにより高い機能を持たせる権利がある」
玲音「その権利、誰がくれたの?」
英利「う…!」
ありす「…っ」
玲音「地球の固有振動にシンクロさせるコードをプロトコル7に組み込むことで、集合的無意識を意識へと転移させるプログラム。
それ、本当にあなたが考え出したことなの?」
英利「何を言いたいのだ。まさか、まさか、本当に神がいるなどと!」
玲音「どっちにしろ、肉体を失ったあなたには、もうわからないこと」
英利「嘘だ。僕は、僕は万能なんだよ!僕が君をこのリアルワールドに肉体化させてあげたんだぞ。
ワイヤードに偏在していた君に自我を与え、それに!」
玲音「私がそうだとしたら、あなたは?」
英利「僕は、違う!僕は!」

玲音の部屋の物質を集めて、肉体を作ろうとする英利。
0217名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/07(日) 18:38:12.78ID:???
ありす「ひっ」
玲音「ワイヤードはリアルワールドの上位階層じゃない」
英利「どういう訳だ!」
玲音「あなたは、確かにワイヤードでは神様だった。じゃあ、ワイヤードができる前は?
あなたはワイヤードが今のようにできるまで待っていた、誰かさんの代理の神様」
英利「代理なんて嘘だー!」
ありす「きゃあああ!ああ!!」
玲音「ありす!あなたには、肉体なんて無意味なんでしょ?」
ありす「う、ああ、いやああー!ああ、ああ…」

玲音の力が勝り、英利は消える。
0218名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/08(月) 14:13:35.27ID:???
玲音「えっと、私またわかんなくなっちゃって。私がいるの、こっちなのか、そっち側なのか。
私、そっち側のどこにだっている。それは知ってるの。だって繋がってるんだもの。
でしょ?でも、私の、本当の私のいるところってどこ?
あ、本当の私なんて、いないんだっけ。私は私の存在を知っている人の中にだけいる。
けど、それだって今しゃべっている私は、私、だよね?この私って、私って、誰?」
0220名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/08(月) 14:30:19.00ID:???
玲音「ありす」
ありす「あ…あ…ああ…あ…あ…はっ、あああ!!うわあ!!いやああああ!!!!」
(パァン!)
玲音「…」
ありす「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、ひい、いやあ、ああ…」
玲音「私がありすのためにすることって、いつも間違えちゃうね。本当に私って」
ありす「あ…あ…ああ…ああ…」
玲音「ありす。ありす。ごめんね。ごめんね。ありす、ごめんね」
0222名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/08(月) 14:43:22.78ID:???
いつもの朝の食卓。
牛乳を一口飲む美香。

美香「ごちそうさま」
康男「おいおい、まだ残ってるじゃないか」

みそ汁を置きながら美穂は言う。

美穂「ダイエット中なんですって」
美香「言わなくていいよ、そんなこと」
康男「ふうん」

米を頬張る美穂。
納豆を置いて康男は言う。

康男「ああ、荷物来るかも知れない。着払いなんだ。来たら払っといてくれ」
美穂「また計算機のパーツ?」
康男「なあ」
美穂「はい?」

康男はもうひとつ空いた席を眺める。

康男「いや、何でもない」
0224名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/08(月) 14:53:32.53ID:???
愛することの意味さえ まだ 知らぬまま
誰でもない誰かと どこかで繋がろうとしている
あてどない夜に君は 送り続ける孤独のシグナル

樹莉「ありす」
ありす「え」
麗華「ありす、今夜遊びに行くでしょ」
樹莉「サイベリア、サイベリア」
ありす「ああ、そうだね。じゃあメールを送っとこう」
麗華「ええ」
樹莉「ありす、誰にメール送るつもりなの?」
ありす「え、あ…」

ありすはメールを送る相手を思い出せない。
0225名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/08(月) 15:20:05.87ID:???
樹莉「あー、まさかまた、あいつ?」
ありす「え、あいつって?」
樹莉「ほら、ほら」
ありす「千砂ちゃん?」
麗華「そう、四方田千砂」
樹莉「ありすが言うから、一度サイベリア連れて行ったのに、全然関係ないって感じだよあの子」
麗華「無駄だよ。誘うだけさ」
ありす「そっか」
麗華・樹莉「え」
ありす「何でもない。今変なこと思っただけ」
麗華「変なことって?」

傷つくことの意味など まだ 知らぬまま
誰でもない誰かと 何かで繋がろうとしてる
さまよう夜に君は 待ち続ける孤独のシグナル

ありす「記憶にないことは無かったことなんだって」
樹莉「記憶?」
ありす「記憶にない人は最初からいなかったって」
麗華・樹莉「…」
麗華「誰のこと、言ってんの?」
ありす「だから、誰でもないんだってば。じゃあ早くお勉強済ませちゃおう」
麗華・樹莉「ああ、ありす!」

Ah 何を求めて 君はそこに居るのだろうか
Ah 何を恐れて 君はそこに居るのだろうか
Ah どんな未来を君は引き受けるのだろうか
0226名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/08(月) 15:37:41.78ID:???
会いたい 愛する人に 会いたいのさ 愛すべき人に
会いたいのさ 人は誰でも 早く いつでも

タロウ・ミューミュー・マサユキ「ポン!」
マサユキ「あっちゃー、また俺かよ」
ミューミュー「ブー」
タロウ「勝負勝負」
ミューミュー「ほら早く」
マサユキ「待てよー」
ミューミュー「バカねー」
タロウ「あ、メールか?」
ミューミュー「なになに」

そこに一瞬玲音が映る。

タロウ・ミューミュー「!」
ミューミュー「誰よ、この女の子」
タロウ「いや、知らない」
マサユキ「なんだよー」

サイベリアで自殺した男も生きている。

男「おお、良いマシンじゃん」
タロウ「え」
男「俺のも結構いじったんだ」
男の妹「お兄ちゃん、早く」
男「?」
男の妹「早く、早く。お母さん待ってるよ」
男「分かってるって。じゃ」
ミューミュー「いこいこ」
マサユキ「待てよ。ジャンケンだろ、ジャンケン」
0227名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/08(月) 15:51:36.99ID:???
大切なものにいつか もしも気付いた時に
誰でもない自分に人は 出会えるのだろうか
まだ見ぬ明日に君は 打ち続ける孤独のシグナル

ミューミュー「タロウ置いてっちゃうよ」
マサユキ「もうずるいぞ。ジャンケン」
英利「やめてやる。やめてやる。あんな会社やめてやる。あんなことをこの僕にやらせるなんて。
僕のことを軽く見てる」
タロウ「まあ。いっか」
英利「やめてやる。やめてやる。ん?」

金髪の外国人とアジア系の外国人がヘルメットを被って電線工事をしている。

英利「ああ、やめてやる。ああ、やめてやるとも。今日こそ絶対にやめてやる」

会いたい 愛する人に 会いたいのさ 愛すべき人に
会いたいのさ 人は誰でも 早く いつでも きっと
0230名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/08(月) 16:40:58.94ID:???
誰もいなくなった街。

玲音「う…」
lain「どうして泣くの?誰の記憶からも自分を消してしまったから?でも、それはあなたが望んだことじゃない」
玲音「そう、だけど」
lain「誰も変な死に方なんてしていないし、誰も傷ついていないし、誰も憎んだりしない」
玲音「そう、だけど」
lain「ワイヤードから死んだ人の情報が紛れだすなんてことも、もう無いよ。
だからレインはもうどこにもいないでいいの。それが望んだことだったんじゃない?」
玲音「あの人みたいなこと、言うんだ」
lain「あの人?そんな人も最初からいないの。いても神様になれるなんて変なことは考えない」
玲音「もう私はどこにもいない。どこにもいないんだったら、私は誰?私は、どこにいるの?」
lain「自分で言ってたじゃない」
玲音「え」
lain「ワイヤードはリアルワールドの上位階層なんかじゃないって。あの人はそれを間違えていた」
玲音「あ」
lain「ネットワークは情報を伝えるフィールド。情報はそこに留まっていない。情報は常に流れて機能するもの」
玲音「そっか」
lain「人の記憶、個人のものとか、人の歴史の中のものとか、それだけじゃなくて」
0231名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/08(月) 16:47:10.49ID:???
lain「そう、共有されている無意識だって、そんなに膨大なメモリーを蓄積できるようなものを、人間が自分で作れると思う?」
玲音「ワイヤードは繋げているだけだったんだ。でも、じゃあどこと繋げてられていたの?」
lain「人がそれを知る必要があるのかな」
玲音「え」
lain「知らなくったって、ずっとこれまでやってこられたじゃない。人の世界はそれぞれ神様をつくってお祈りし、世界はこうだって思い込んで…」
玲音「いやな、言い方」
lain「いやでも、それが玲音。私なんだよ。そうだ、玲音は人なんかじゃなかったんだね。ははは。
玲音はどこにでも偏在しているもの。玲音はじっと見つめるもの。そうよ、玲音は神様なんだよ」
怜音「違う、違うよ!」
lain「神様になっちゃえば楽じゃない。人なんかよりずっと楽になれると思う。何もしなくっていいの。
ただいて、見てるだけ。誰も玲音を蔑んだりしない。誰も玲音を嫌ったりしない」
玲音「そんなの…」
lain「ねえ、玲音。もう一度さ。はじめからやりなおそうよ。せっかくリセットしたんだもの」
怜音「もういい!」
lain「じゃあ、あなたは何なのよ、玲音」
怜音「私は…私は…」
0232名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/08(月) 16:55:32.51ID:???
怜音「私はどこにいるの?」
康男「さあ、玲音」
玲音「お父さん?」

クマの着ぐるみの頭の部分をぬぐ玲音。

父親「玲音。もういいんだよ、そんなものを被らなくても」
玲音「あ。お父さん、知ってる?」
康男「なんだい?」
玲音「私、みんなが」
康男「好きだって?違うのかい?」

泣き出す玲音。

康男「玲音。今度美味しい紅茶を用意しよう。そうだ、マドレーヌも。きっとだ。美味しいよ」
0234名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/08(月) 17:21:37.49ID:???
先生「参ったなー」
成長したありす「でしょう。でも待って」
先生「ん?」
成長したありす「いい?さっきはあなたの言い分を聞いたんだから。とっても広い心でね。ベッドルームのカーテンは、私が選ぶもん」
先生「はいはい、何でも仰せの通り」
成長したありす「はい、とてもいい生徒です」
先生・成長したありす「ははははは、ははははは」
成長したありす「ん?」
先生「どうしたの?」
成長したありす「う、うん」
玲音「…」
成長したありす「…ごめん。ちょっと待ってて」
先生「ねえ、君」

歩道橋の上に立っている玲音を見つけ駆けのぼってくありす。
0235名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/08(月) 17:27:41.90ID:???
ありす「こんにちは」
玲音「こんにちは」
ありす「前に会ったっけ?会ったよね?あ、教育実習で行った学校の子?ああ、でも違うな。えっと」
玲音「はじめまして」
ありす「え?」
玲音「はじめまして、だよ?」
ありす「そう、じゃあはじめまして。私、ありすっていうの。思いっきりな名前でしょう?恥ずかしいんだけどね。あなたは?」
玲音「レイン」
ありす「れいん…うーん」
先生「知り合い?」
ありす「ううん、勘違いだって。レイン。じゃあさよなら。いつかまたどこかで会えるかもね。バイ」
先生「じゃあ、レイン」
玲音「そうだね、いつだって会えるよ」
0240名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/10(水) 14:38:32.27ID:???
ユキポン「あーお腹空いたー」
明美「ユキポーン」
ユキポン「(明美ちゃん!おかえりなさい!)」
明美「おえええええ」
ユキポン「(ゲロは良いですから、ボクに餌を)」
明美「またあの店長にしこたま飲まされてさ〜」
ユキポン「(へっ。ボクは一日飲まず食わずですよ)」
明美「あんた…おえええええ」
ユキポン「(だからゲロはいいですから餌を)」
明美「あんたはいいわねー。一日中ゴロゴロしてさー。ゴロゴロゴロニャーが僕の仕事ですってか!」
ユキポン「(あなたがボクを飼ったんでしょう)」
明美「決めた。今日からあんたに餌あげない」
ユキポン「え!ちょっと待ってくださいよ。ボクペットですよ」
明美「つべこべ言ってないで自分の食い扶持は自分で稼げー!」
(バシッ)
ユキポン「いてっ。ニャンですと!?」
0246名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/10(水) 14:56:16.31ID:???
ユキポン「よいしょ。はぁ、これはネコがやる仕事じゃないですよ。
くぅ。
はあ、く…」
工場の人C「じゃあ、お先」
工場の人D「おう、じゃあまた明日」
工場の人C「あいよ」
(バターン)
ユキポン「ぎゃあああああ」
0247名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/10(水) 15:02:25.20ID:???
(ピーポー、ピーポー、ピーポー、ピーポー、ピーポー、ピーポー、ピーポー、ピーポー、ピーポー、ピーポー、ピー)
工場の人E「ごめんなあ、ネコだから忘れててさ」
ユキポン「死んじゃうよー。死んじゃうよー。やばいよー。やばいよー。やばいですよー」
工場の人A「ま、お湯かけたら元に戻るんじゃねえか」
工場の人B「レトルトっすか!」
0250名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/12(金) 22:47:50.98ID:5pBFD/qp
エヴァは最近はレイのが好きかもネットで稼げる方法とか
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0254名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/24(水) 17:05:52.44ID:???
ユキポン「(明美ちゃん、今日は朝帰りかー)」
明美「ごめんねー。汚ったないとこで」
ユキポン「おかえり、明美ちゃん!」
明美「紹介するね。新しい彼氏。彼氏?」
ユキポン「…」
明美「彼氏でいっか、のアキラ君」
アキラ「どもー」
ユキポン「はじめまして。明美ちゃんに飼われてる…」
アキラ「ハックシュ!」
ユキポン「ユキポンです」
アキラ「ハックシュ!」
ユキポン「ユキポンです」
アキラ「ハックシュ!」
ユキポン「ユキポンです…」
明美「アキラ君、どうしたの!大丈夫?」
アキラ「ごめん、僕ネコアレルギーなのさ」
0255名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/24(水) 17:12:09.84ID:???
明美「ユキポン、おもんぱかって欲しいんだけど」
ユキポン「ちょっとボク小腹が空いたんですけど」
明美「今とーっても大事な時期なの。二人にとっていっちばん予断の許されない時期なの。おもんぱかれる?」
ユキポン「どういう意味なんですか、それは」
明美「だから、今から2、3日?自活よろしくー」
ユキポン「どういうことなんですか、ねえ。それは、ねえもう」
(バタン)
アキラ「大丈夫?」
明美「うん、大丈夫。ただの野良ネコー」
0256名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/24(水) 17:17:26.43ID:???
ユキポン「今日は何件くらい回るんですか?」
清掃の人A「今日は、12件!」
ユキポン「12件!」
清掃の人A「いやうち弱小だからさ、数こなしていかないと」
0257名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/24(水) 17:20:38.76ID:???
清掃の人A「ねえねえ、何で猫なのに働いてんの?」
ユキポン「おもんぱかって欲しいんですと」
清掃の人A「え?」
ユキポン「不潔な、飼い主ですよ」
0258名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/24(水) 17:24:51.08ID:???
ユキポン「いやー、ワックスかけると見違えますね」
清掃の人A「ああ。君、いっそ体にワックス塗ってさ」
ユキポン「嫌ですよ。先輩ワックス好きですねー」
0259名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/24(水) 17:31:46.41ID:???
ユキポン「よいしょ」
(グゥ〜)
アキラ「そうそうそう、それそれそれ」
ミッチョン「食べる?」
アキラ「ううん、ミッチョンが食べるの見たいの。あー、あー!」
ユキポン「…!」
アキラ「お肉になりたい」
ユキポン「く…こいつ」
アキラ「今日のディナーは君さ」
ミッチョン「いや〜、うれしー!」
0261名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/24(水) 17:41:23.12ID:???
ミッチョン「ちょっと、何よこれ」
アキラ「あ!」

"アキラへ
サヨナラ
あけみ"

ミッチョン「何よ!あけみって誰なのよ」
アキラ「いや、知らない知らない」
ミッチョン「もうー!」
アキラ「落ち着こうよ、ねえ」
ミッチョン「さいってー!」
(バシャンッ)
アキラ「ぶはっ」
ミッチョン「ああん…」
アキラ「ミッチョン、待って、ミッチョン。ミッチョン!あ!ミッチョン…」
0262名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/01/24(水) 17:44:44.23ID:???
明美「う…」
ユキポン「ただいまー」
明美「うう…」
ユキポン「大丈夫ですよ。大丈夫ですよ。汚れは全部落ちましたから。ね、またすぐ良い人見つかりますよ。もう、これ」
0266名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/02/01(木) 15:00:54.33ID:???
明美「ちょっとユキポン何ビシッとしてんのよー」
ユキポン「へへーん。今日からIT系の企業に働くことになりました」
明美「IT?」
ユキポン「これでもう体力系のバイトとはおさらばなのでーす」
明美「ITって何だっけ」
ユキポン「うちの飼い主はITも知らないんですか」
明美「だって私ケータイすら止められてるしぃ〜」
ユキポン「いいですか?IT。つまり、インフォ…」
(バタン)
ユキポン「想定内ですな」
0267名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/02/01(木) 15:13:52.40ID:???
IT会社の社長「えー、彼が、臨時アルバイトのユキポン君です」
ユキポン「お願いしまーす」
IT会社の社長「まあ納期前ということですね、データ入力の助っ人に来てもらいました」
IT会社の社員A「スペックひくそー(使えなさそー)」
IT会社の社員B「容量もスマートメディア?w(頭も悪いんじゃない?w)」
IT会社の社員A「フロッピーディスク?(かなりね)」
IT会社の社員A・B「ククククククククク(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)」
IT会社の社長「おい、何オフラインでチャットしてんの?(おい、何をひそひそしてんの?
)」
IT会社の社員B「マザーパーツはジャンクパーツだろう(社長もそろそろ潮時だろう)」
IT会社の社員A・B「ククククククククク(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)」
IT会社の社長「スパム!(黙れ!)」
0268名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/02/01(木) 15:17:51.81ID:???
IT会社の社長「えー、彼が、臨時アルバイトのユキポン君です」
ユキポン「お願いしまーす」
IT会社の社長「まあ納期前ということでね、あのー、データ入力の助っ人に来てもらいました」
IT会社の社員A「スペックひくそー(使えなさそー)」
IT会社の社員B「容量もスマートメディア?w(頭も悪いんじゃない?w)」
IT会社の社員A「フロッピーディスク?(かなりね)」
IT会社の社員A・B「ククククククククク(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)」
IT会社の社長「おい、何オフラインでチャットしてんの?」
IT会社の社員B「マザーボードはジャンクパーツだろう(社長もそろそろ潮時だろう)」
IT会社の社員A・B「ククククククククク(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)」
IT会社の社長「スパム!(黙れ!)」
0269名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/02/01(木) 15:26:20.71ID:???
IT会社の社長「よいしょ、このデータお願いしようかな。おい、中の人などいないぞ。中の人はいない。戻れ。ほら、戻れ。
じゃ、くれぐれもセキュリティーには注意するように」
ユキポン「はい」
IT会社の社長「最近だと、女の子のメールを騙ったウィルスなんてのももザラだからね。
何やってんの?君。ねえ、何…」
ユキポン「ええ、あの、条件反射でつい」
IT会社の社長「マウスだからね。マウスだからね。気を付けようね」
0272名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/02/01(木) 15:38:19.73ID:???
Virus感染

(明美「だって私ケータイすら止められてるしぃ〜」 )
(IT会社の社長「女の子のメールを騙ったウィルスなんてのもザラだからね」)
0273名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/02/01(木) 15:43:46.34ID:???
IT会社の社員B「これどうなってんの?」
IT会社の社員A「落ちてく。落ちてく」
IT会社の社員C「マクロウィルス?」
IT会社の社員D「システムクラッシュ?」
IT会社の社長「落ち着いて!落ち着きなさい!冷静に対処しなさい」
IT会社の社員C「メモリーは!?」
ユキポン「危ないねえ。うわ、あらー」
0274名無しが氏んでも代わりはいるもの垢版2018/02/01(木) 15:49:17.17ID:???
テレビ『大規模なシステムクラッシュを引き起こしました。調べによりますと、
あるコンピューターウィルスの手によって約50万件の個人情報が流出するというIT史上最悪の被害をもたらしました…』
明美「ITって何だっけ?」
ユキポン「いやー、想定外ですな」
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