資産のうち最も有用性が高いものは現金です。
なぜなら、世の中のほとんどのモノと交換が保証されているためです。
不動産の場合は、何かと交換したいと思えば、一旦現金化しなければなりません。
即時現金化できないこともありますので、評価額では現金と同等であっても、現金より劣る資産になります。

現金のほうが不動産よりも資産価値が高いのに、なぜ不動産を資産として持っておくかと言えば、リスク回避のためです。
もし、世の中の物価が2倍にあがってしまえば、現金と交換できるモノが半分の量になってしまいます。
同額の現金で半分のモノしか手に入らなくなれば、現金の価値が半分になったことと同じです。
資産の全てを現金で持っていれば、このリスクで大打撃を受けますので、多少資産価値が減ったとしても
一部を物価に連動しやすい不動産や証券に替えておくという方法をとります。

資産保護の考え方では、リスク回避のために資産を1つの分野に固めないことが王道です。
相続税対策や資産運用(=資産を消費して事業を始める)ことは、また別の方向から資産を見ているということになります。
別の方向から見れば、一つの方向からではベストな選択が、ワーストということもあります。
全部の方向からベストな選択はありえませんから、何を重視しているという方針が大事なことになります。