不動産業者の営業マンから狙われやすい職業の一つは医者だ。
「高収入なので税金が高いですよね? マンションをローンで買えば税金は
半分以下になりますよ」「自己資金はいりません」。こうしたトークに乗せられ
普段の勤務が忙しすぎてあれこれ考えるのが面倒になり、「プロに任せよう」と
判断してしまう。ところが、いざフタを開けてみたら節税どころではなく
たいへんな状況に陥ってしまっている場合がほとんどだ。ある病院に医師として
勤務するBさん夫妻は、2人で7戸の投資用マンションを所有していた。
Bさん夫婦はいずれも30代半ばで、物件は節税を主な目的と称してそれぞれ
独身の時と結婚後に購入した。厳密な収支計算をしてみると
Bさん自身が年間35万円、奥さまは同72万円の持ち出しつまり赤字になっていた。
奥さまが所有していた物件の中で、最も損をしていたのがある関西圏の物件。
購入時3200万円程度のファミリー向けの3LDKのマンションでありながら
投資用として販売されていた物件でJRの最寄り駅からは徒歩2分。
とはいえ、1時間に3本くらいしか列車が来ないローカル線であり、
入居状況は芳しくなかった。この物件だけで年間35万円の損が出ていた。