東急不動産の遠隔医療は抱き合わせ販売
東急不動産の遠隔医療サービス導入は抱き合わせ販売である。これは遠隔医療サービスの
普及を逆に阻害する。東急不動産は2017年4月から分譲マンション「ブランズシティ世田
谷中町」で遠隔医療相談サービス「小児科オンライン」を導入する。購入者はマンション
購入者向けサービス「BRANZサポート」の居住者専用サイト「BRANZ SUPPORT WEB」を通じ
て小児科オンラインに接続し、自宅から小児科医に相談できる。
医師への相談料は東急不動産が負担する(「LINEで医師に相談できる「小児科オンライ
ン」マンション業界で導入」アスキー2017年3月29日)。これはマンション販売価格にコ
ストが上乗せされていることを意味する。つまり、抱き合わせ販売である。購入者は小児
科オンラインを利用してもしなくても、小児科オンライン利用料相当のコストを上乗せさ
れたマンション販売価格で購入しなければならない。
http://www.hayariki.net/poli/torigoe4.html
遠隔医療自体は普及が歓迎できることである。3時間待ちの3分診療という無駄を避ける上
で有効である。また、立正佼成会附属佼成病院で医師が入院患者の死因が多剤耐性緑膿菌
の院内感染であると証言したような、病院で病気をもらうことを避ける上で有効である。
しかし、遠隔医療のメリットは距離の制約を取り去れることにある。消費者の選択肢が広
がったことにある。消費者が主体的に選択できることに意味がある。東急不動産のサービ
スを利用しない自由もあるが、コストはマンション価格に上乗せされる。