宅地開発業者、虚偽申請で生産緑地指定を解除

東証1部上場の不動産会社「東建コーポレーション」(本社・名古屋市中区)の社員が、
奈良県天理市内の生産緑地を宅地開発するため、「所有者が病気で農業を続けられない」
とする申請書を、偽造した診断書を添付して市に提出し、指定を解除させていたことがわかった。

同社の内部調査で不正が発覚した。生産緑地は都市部に農地を残すことを目的に市町村が指定し、
宅地開発や売買はできない。同社からの報告を受けた市は、公正証書原本不実記載容疑などで
県警に被害届を出した。

市などによると、同社天理支店の社員が昨年9月、同緑地に指定されている
田(約1000平方メートル)を所有する50歳代の男性の代理人となり、
「腰痛で農作業ができない」と指定解除を申請。その際、実在する病院の勤務医名で
「腰痛」と記された診断書を添付した。

市は今年1月、指定を解除したが、同社から「診断書は偽造だった」と報告があり、
市の調査の結果、医師の名が勝手に使われていたことが判明。7月に指定解除を取り消し、
8月末、県警に被害届を提出した。

所有者の男性によると、同社の営業マンが男性宅を訪れ、
「マンションを建てて土地を有効活用しませんか。生産緑地は解除できます」と持ちかけたという。

男性は手続きをすべて任せていたといい、「不正をしてまで解除したとは知らなかった」
と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101028-00000648-yom-soci