乗れない人の引き馬になんでサラ? なんでサラが重いと思うの? 
サラにも2、3割は鈍いのがいるが、原則として軽種の路上運行は怖いのよ。
北海道の馬車馬暴走死亡事故もサラだったでしょ。

遠野の米を峠越えで運ぶ駄賃取りなんかは道悪が重要な要素だが、現在ではあまり問題にならない。
草原の踏み分け道なら狭くても乗馬常歩で通れるが、日本の森林率考えると、軽自動車が通れない狭い道では低い枝が邪魔して乗馬でも通れない。引いて歩くことになる。
勾配はたしかに馬車が苦手とするところだが、ヨーロッパアルプス界隈のつづら折りの道に適した「フルロック(前輪が90度まで曲がる)」の馬車があり、
ハフリンガー等がその用途に使われていることから、決定的とは言えない。
常歩しか考えない、頑健な体格の駄馬で、積載重量は体重の40〜最大でも50パーセント。
馬車なら、地面や車輪にもよるが、おおまかに、平坦地では馬体重の250パーセントを引ける。
この数倍の差は大きい。同じ負担重量あたりの「装置」の重さの締める割合は、荷鞍より馬車のが大きくなるから「ペイロード」だともう少し近づくが、なかなか逆転はしない。
いざとなれば馭者が歩いて押すこともできるしね。あのウスラデカイ幌馬車(コネストガ)で山越えできているんだよ。
http://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org133598.jpg
このポニーが200kgぐらい。平坦なら大人4人+馬車の自重の300kg以上を引きうる。この馬に4人乗りは無理なのと比べてずっとお得でしょ。

馬に頸木っていつだよ? 牛なら今でも使うけど。
言いたいのは梶棒(一頭立てまたはタンデム用の両側)、あるいは長柄(横二頭の真ん中)のことでは?
首輪(ハモ、hame)から力革で引くほうが、尻がいから鞍経由で梶棒で押すよりも強い、のはその通りだが、低速のバックに支障はない。
そして、連結部分の「第5輪」は押しも引きも同じ力に耐える。
切り返しの難の理由は別に2つある。
一つは馬車を転覆させないようにサイドステップさせる難しさ。YouTubeにはバドのクライズデール8頭のサイドステップhttp://light.dotup.org/uploda/light.dotup.org133598.jpgもあるが、これは超絶技巧。馬の向きは前進しながら変えることになる。
二つめ、さらに前進しつつ馬車の向きも変え、逆曲がりにしてから後退しないと切り返しができないこと。
ようするに、「据え切り」ができないから、切り返しするのに前後にスペースが要る、ということ。トレーラーと同じ。
だから大きな建物には馬車回しがつきものだった。複数台を順繰りにうけいれるために。
けれど、一台なら、前にゆとりを残して切り返し始めればいいので、空間さえあるのなら慣れの問題だね。
狭い道に入ってみたら行き止まりで空間がない、というのは乗馬や一頭の引き馬よりかなりやっかいで避けたいと思うが、理由が少し見当違いだよ。

右折も少しやっかい。
道の左に沿って道路を横断したところで右に向きを変えて停止して、信号が変わるのを待たないといけないんだけれど、馬車って長いんで、一車線の道だと馬が後続車を塞き止めて、信号が変わるまで待たせることになっちゃう。
車と同じような右折が禁じられていることを説明しにいくわけにもいかないし。