平成30年11月16日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台
**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
口永良部島の新岳火口では、噴火が続いています。新岳火口から概ね2k
mの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警
戒してください。
**(本 文)**
1.火山活動の状況
新岳火口では、10月21日から噴火が断続的に発生しています。14日
以降の噴煙の高さは、最高で火口縁上1200mでした。
また、6日以降、夜間に高感度の監視カメラで火映を時々観測しています
。
火山性地震や火山性微動は、一連の噴火に伴って発生しています。これら
の震源は、新岳火口付近のごく浅い場所と推定されます。
火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は概ね多い状態で経過しています。
14日及び15日に実施した現地調査では、新岳火口周辺の熱異常域に特
段の変化は認められませんでした。
GNSS連続観測では、島内における長い基線において、2018年7月
頃に縮みの傾向から停滞へと変化し、現在は緩やかな伸びに変化したとみら
れます。
11月10日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と東京大学大学院
理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測による火山
ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速
報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
火山性地震 火山性微動 火山ガス
(二酸化硫黄)
11月10日 36回 6回 900トン
11日 9回 3回 -
12日 33回 25回 -
13日 23回 8回 500トン
14日 40回 14回 500トン
15日 53回 20回 400トン
16日15時まで 23回 8回 -
火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、天候不良や観測条件が悪いなど観測
値が得られなかった日は「-」としています。
口永良部島では、引き続き火山活動が高まった状態となっていますので、
新岳火口から概ね2kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性があります。
2.防災上の警戒事項等
新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。