キムタク『検察側の罪人』の安倍政権風刺がキレキレ! 山口敬之事件や安倍昭恵、日本会議を想起させる描写も|LITERA/リテラ
http://Lite-ra.com/2018/09/post-4230.html

『検察側の罪人』にはメインストーリー以外の部分で注目したい箇所がある。安倍政権に対する皮肉が随所に込められているのだ。

 たとえば、検察庁舎内で、キムタク演じる最上検事が捜査について上司と打ち合わせをしている場面。すぐそばで、若手女性検事が上司とある事件をめぐってやりあっているのだが、
「襲われたのに10日も経って警察に行くのはおかしい」「ショックですぐに警察にいけないことはある」「起訴させてください」などと性暴力事件の取り扱いをめぐって、紛糾している。
そのうち若手検事がこんなことを言い出すのだ。

「高島グループのブレーンだから、警察もひるんでいるんです!」

 高島グループというのは、次期首相と目される与党の大物議員・高島進が率いる政治グループ。ようするに、事件の容疑者が次期首相のブレーンだから、忖度しているという会話で、
山口敬之氏の性暴力事件をモチーフにしているとしか思えないのだ。そして、「次期首相の高島」というのは、「次期」ではあるが、安倍首相のことだろう。

 実際、「高島」が安倍首相をモデルになっていると思われる部分はほかにもいっぱい出てくる。
 たとえば、キムタク演じる最上の学生時代の同窓生・丹野和樹(平岳大)は高島の娘と結婚し、自身も衆議院議員として活動しているのだが、その妻は「世界極右会議」なる団体と急接近し、
極右的な思想に染まりつつある。
 これも、微妙に設定を変えているが、昭恵夫人や「日本会議」のパロディだろう。ちなみに、劇中、キムタクらはこの団体を「ネオナチ」と表現して批判している。


■「奴らは太平洋戦争を正当化しようとしている」のセリフも

 歴史修正主義批判も出てくる。実は最上の祖父はインパール作戦から奇跡的に生還した経歴をもっており、そのときの経験をもとにした反戦小説はベストセラーにもなったという設定。
そして、最上もまた、戦前の日本に戻そうとする高島グループに強い危機感を抱いていた
 そして、最上と丹野の間では、高島グループが牛耳る日本の現状についてこんな会話もかわされる。

「民主主義は壊されようとしている」
「検察の上層部も高島グループとつながっている。三権分立がなってない」
「日本の報道の自由度は、北朝鮮よりちょっとマシなくらい」
「奴らは太平洋戦争を正当化しようとしている」

 まさに、ど真ん中の安倍政権批判である。