自然災害大国の避難が「体育館生活」であることへの大きな違和感(大前 治) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56477

要約
■日本と同じく災害大国のイタリア ラクライラ地震
 国が公費で6万人の避難民の半数以上に避難先としてホテルを確保した。
 他半数にも避難用の豪華テント(6人用・10畳の広さ・エアコン・キッチン付き)を用意。
 プライバシーを守り健康的な避難生活を送れる。

■日本の避難所は国際基準と照らし合わせてみても劣悪な環境、物資等自治体任せ
 (宿泊施設ではなくエアコンも風呂も調理施設もない「体育館」がなぜかデフォルトの避難所になっている。
 一人あたりの面積が一畳しかない所もある、間仕切りすらなくプライバシーなし、ベッドや布団もないor不足)
 劣悪な避難所生活で多数の人が命を落としている現状。
 
■国際赤十字が提唱している、貧困地域や紛争地域にも適用される災害や紛争時の避難所についての最低基準(スフィア基準)を、
 日本の避難所は全く満たしていない
 [スフィア基準]
 ・世帯ごとに十分に覆いのある生活空間を確保する
 ・1人あたり3.5平方メートルの広さで、覆いのある空間を確保する
 ・最適な快適温度、換気と保護を提供する
 ・トイレは20人に1つ以上。男女別で使えること

■国で災害対策予算を確保して、迅速な避難者支援をできるよう資材の備蓄を進めるべきである。
 避難規模が大きい場合には、公費で宿泊施設(ホテル、旅館、青少年の家、ユースホステル等)への
 避難を指示できる予算措置と制度化を検討するべきである。

■国際赤十字・スフィア基準「人道憲章」
 *災害や紛争の避難者には尊厳ある生活を営む権利があり、援助を受ける権利がある。
 *避難者への支援については、第一にその国の国家に役割と責任がある。
    ↓
 なのに、2016年4月に日本政府がまとめた「避難所運営ガイドライン」では、スフィア基準には触れているのに、
 スフィア基準の中の避難民の権利や国家の責任についてはなぜか一切触れられていない
 内閣府が作成した避難所パンフレットでも、国民が権利を有するという視点はなく、
 むしろ国民は避難所でルールに従いなさいと言わんばかりの記載