火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第95号
平成29年11月28日14時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 口永良部島では、火山性地震が増加しています。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 火山性地震は、11月25日以後多い状態で経過しており、昨日(27日
)には65回、本日(28日)12時までは35回と増加しています。これ
らの火山性地震は新岳火口直下のごく浅い場所を震源としています。口永良
部島で地震回数が50回を超えたのは、噴火が発生した2015年5月29
日の293回以来です。
 火山性微動は観測されていません。

 11月24日からの火山性地震の発生状況は以下のとおりです。なお、地
震回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
  11月24日       9回
     25日      37回
     26日      20回
     27日      65回
     28日12時まで 35回

 東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町、及び気象
庁が27日に実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1日
あたり200トン(前回11月26日、100トン)と2014年8月の噴
火前よりもやや多い状態です。

 新岳火口では、本日(28日)白色の噴煙が最高で火口縁上700mまで
上がりました。

 傾斜計及びGNSS連続観測には、特段の変化は認められません。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけ
ての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、12月1日(金)16時頃に発表の
予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>