バレンタインデーの日、職場の同僚の好きな先生に手紙を添えて渡す気満々で
職場へ向かいました。好きな先生と自分の席は隣なので誰にも見られない
タイミングで彼が帰るまでに渡そうと、一日中そわそわしていました。
帰る間際、彼の前の席の女が彼にくだらない無駄話をし始め、渡すタイミングを
失いました。仕事も完了し、二人きりで帰れれば駐車場にたどり着くまでに
渡せるのに・・・と思いましたが、彼と彼の前の席の女が肩を並べて
歩き始めました。彼の前の席の女が「兄弟は何人?」「二人です。」
「そっかー、うちは三人兄弟で、一番下の弟と8歳離れてるんだ・・・」。
自分は二人の1m後方をとぼとぼと追いかけ、何とか渡すタイミングを
懸命に測りました。駐車場に着き、一番手前に駐車してあるのが彼の前の席の
女の車で、一番最初に「お疲れさまでした」と自分の車に乗り込んでいきました。
その次が彼の車です。彼が車に乗り込む瞬間、思い切って「○○先生、これ!」と
チョコが入ったカルディーの紙袋を突き出しました。「なんすか、これ・・・」
「本命チョコ」という言葉が喉元まで出かかっていましたが、「お土産」と
言ってしまいました。恥ずかしくてその場を逃げるように走り去り
自分の車に乗り込みエンジンをかけ今自宅に到着しました。
「僕の本命チョコです」と言わないと、思いは伝わらなかったでしょうか?