すっぱいぶどう

お腹を空かせたきつねが歩いていると、おいしそうなぶどうが枝から垂れているところに通りかかりました。

きつねはどうにかしてぶどうを取ろうと、爪先立ちしたり、飛び跳ねてみたものの、どうしても取ることができません。

しばらくして、じーっとぶどうを眺めていたきつねが言いました。

「ふん、あんなぶどうおいしくないや。まだ、すっぱくて、食べられやしない」

ぶどうを睨みつけると、そのままどこかへ行ってしまいました。

『イソップ童話』より