「おやじ日本」という団体がある。「家庭だけでなく地域のおやじになろう。
地域のおやじたちと手をつなごう。おやじ出番だ」と世の父親たちに呼びかけて
いる◆子供たちが非行に走るのを防ぎ、子供たちを犯罪の被害から守る。子供た
ちの健やかな成長に貢献することを目的としている。この「おやじ日本」の3回
目となる全国大会が、先週の日曜日、横浜市で開かれた。総務省や警察庁が後援
した◆「携帯電話に翻弄(ほんろう)されない子供に育てよう」というテーマで
意見交換が行われた。利便性がある一方で、人間関係を築く力が育たないという
指摘があった。小中学生には不要だと呼びかける運動を行っている事例も報告さ
れた◆「おやじ日本」として、83運動も推進している。子供の登校時の朝8時、
下校時の午後3時に合わせて外の用事をする。東京の品川で始まったと言われる
運動だ。こんな「子供を見守ることを生活の一部に」という活動も紹介された◆
メンバーをどう増やすか。どう学校やPTAと協力するか。各地の「おやじの会」
からは課題も出された。「子供や親が悪いと言っていては先に進まない」「古き
良き日本のおやじの復活を」といった発言もあった◆今日は「父の日」だが、元
気な「おやじ」たちが地域を変える。そんな期待を抱かせてくれる大会だった。

(2006年6月18日1時46分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060617ig15.htm