那覇署は30日、沖縄県南大東村の倉庫で、猫の大量のふん尿や死骸が放置された劣悪な環境で猫を飼育したとして、
動物愛護管理法違反(虐待)の疑いで住所不定、無職の50代の女を逮捕した。
調べに対し、「悪い環境だと思うが虐待ではない」と容疑を否認している。県警生活保安課によると、同法違反での逮捕は県内初という。
逮捕容疑は11月17日、同村の借家の倉庫で、猫の死骸やふん尿が堆積した不衛生な環境で38匹の猫を飼育していた疑い。
那覇署は30日、村職員や獣医師らと倉庫を家宅捜索し、数センチに堆積した猫のふん尿やゴキブリなどの大量の衛生害虫を確認。
7匹を保護し、動物センターの職員に引き渡した。猫の死骸は発見されなかったという。
同村は9月下旬、容疑者が猫の飼育環境の管理を怠っている疑いがあるとして、「飼い猫の適正飼育と管理に関する条例」に基づいて倉庫を立ち入り調査した。
その際、内部でふん尿の堆積や衛生害虫が確認されたため、調査に同行した獣医師が動物愛護管理法に基づき、那覇署に通報した。
動物愛護管理法違反で逮捕された容疑者が猫を飼っていた南大東村在所の倉庫付近では、
30日午後2時半過ぎから那覇署の捜査員や村職員らが捜索を始めた。倉庫内部はふん尿で汚れ、大量のゴキブリも確認。
防護服やゴーグルなどを着用して臨んだ村職員は「臭いに耐えられない」と漏らした。倉庫の捜索は約3時間かかり、飼育されていた猫のうち7匹が保護された。
午後3時40分過ぎ、捜査員や職員ら7人が容疑者立ち会いの下、倉庫の中に入った。ドアを開けると異臭が付近に漂った。
倉庫の中は電気が通っておらず真っ暗だったため、職員が投光器を搬入した。
「倉庫内の臭いはかなりきつい。耐えられない」。交代のため出てきた村職員の1人はマスク越しに顔をしかめた。
別の職員は「衛生管理が行き届いていない。大型動物でない限り、ふん尿はそんなにたまらないはずだ」と語った。
村や那覇署によると、容疑者は2011年ごろから倉庫で猫を飼い始めたという。村関係者は「当時から50匹ほどいたと思う」と話す。
村では13年ごろに猫が引っかいたりしてかかる「猫引っかき病」に村民が少なくとも3人感染。
一命を取り留めたものの本島に救急搬送された例もあった。村は再発防止を掲げ、条例を制定した。
村はその後も容疑者が飼う猫を村の事業で去勢し、マイクロチップも埋め込んだりした。
条例に基づいた適正な飼育を求めたが、改善が見られなかったので立ち入り調査や警察への通報に踏み切った。
捜索現場は村内で飲食店やホテルが並ぶ在所の中心部。心配そうに見守っていた70代女性は「最初は悪臭がすごかった。
倉庫前の道路を通っただけでノミの被害に遭った子もいた。猫を保護したい気持ちは分かるが、飼育環境が悪過ぎる。
周りの住民のことをもっと考えてほしかった」と語った。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5bfa493077b10ab508f07078ea9d443fac8c87eb
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