だが、長年美枝子さんにボランティアを依頼してきた団体の上層部は違った。
たとえ猫アレルギーがあっても、気をつければ飼えないことはないはずと主張し、「早くボランティアに復帰して」と責めたててくる。

「オス猫よりメス猫の方がアレルゲンが少ないんですって、メス猫ちゃんを預かってよ」
「部屋の掃除を小まめにして、衣服に付着した毛に気をつければいいんですって。あなたちゃんと掃除してなかったんじゃないの。
息子さんも、猫たちも、あなたのせいでひどい目に遭っているのよ。かわいそうに」
「抱っこさせたり、鼻や口を近づけ過ぎたりしなければ大丈夫。試しに一度だけ、預かってみて。それが責任ってもんじゃないの」
などと言いたい放題。
気をつければなんとかなるような軽度のアレルギーとアナフィラキシーショックでは、危険度のレベルがまるで違うのに、まったく理解してくれない。

実際、動物愛護団体に入っている人の中には、動物が好き過ぎて、人間のことを思いやれない人が時々いる。
美枝子さんも以前、所属する団体が、捨て犬や捨て猫をやめるよう訴える映画の上映会を主催した時、(この人たちはおかしい)と感じたことがあった。

上層部は、その日だけということで応援に来てくれた友人たちを顎で使い、命令し、会場整理やグッズ販売で映画を見る時間がまるでないにもかかわらず
映画のチケット代を徴収し、上映会終了後にも「ありがとう」の一言もなかった。
「日頃から活動にかかわっている自分たちの方が、たまに手伝うだけの人たちより偉い」という、信じがたい思い込みをしているようだった。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180817-00177592-diamond-soci&;p=1