熊本県御船町七滝の民家で寝たきり状態の松本真弓子さん(82)が顔に多数の切り傷を負って見つかり、県警が殺人未遂容疑で捜査していた事件で、松本さんは家族が餌付けをしていた野良猫に襲われた可能性があることが捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、松本さんの自宅敷地内にいた猫2匹のうち、足をけがした1匹の爪付近から血液反応が出たという。県警は、部屋に入り込んだ猫が爪で松本さんの顔を引っかいた疑いがあるとみており、松本さんのDNA型と一致するか鑑定している。

 署によると6日夕、松本さんが顔から血を流しているのを帰宅した家族が見つけた。傷は二十数カ所あったが、命に別条はなかった。松本さんは夫(85)と長女(63)の3人暮らしで、事件当時は1人だった。

 松本さんの傷の深さにはばらつきがあり、県警は刃物以外の傷の可能性が高いとみて捜査。室内に物色の跡はなく、不審な人物も見つかっていないという。

 熊本市の動物病院長の徳田竜之介獣医師は「今の時期は猫の発情期で攻撃性が高い。縄張り意識などから爪痕を残すことは十分考えられる」と話している。

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