■ペットショップやブリーダーの規制・販売禁止は野良猫問題の解決にはならない■

「ショップやブリーダーで安易に入手できるから簡単に捨てられ、野良猫が増える。だからショップやブリーダを
規制・販売禁止せよ」と言う人がいますが、それは疑問です。まずペットの入手先から。

【ペットフード業界調査】平成27年 全国犬猫飼育実態調査
http://www.petfood.or.jp/data/chart2016/3.pdf
※猫の入手先は中程少し下

拾った 40.7% ショップ&ブリーダー 16.6%z 里親探しサイト or 愛護団体から譲渡 16.4

東京都における犬及び猫の飼育実態調査の概要(平成23年度)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kankyo/aigo/horeishiryou/siryou.files/23tyousa_gaiyou.pdf
※入手先は11ページ

拾った&居ついた 48.9% ショップで購入 5.7% 行政機関 or 譲渡団体から譲り受け 5.7%

 野良猫を拾ったがトップでショップ・ブリーダーの倍以上です。ショップ・ブリーダー入手の猫は捨てられても元野良猫は捨てられない
とは言えません。逆にショップで10〜30万もする猫とタダ同然で入手した元野良猫では、後者の方が捨てられやすいのでは?
 またタダ同然で野良猫が入手できる事の方が、安易に猫を入手できる状態と言えるでしょう。

 次は保健所での引き取り。

【環境省】犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況(平成29年度)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html

『所有者不明の引き取り数』成熟個体 15,736 幼齢個体 45,827

 幼齢個体は成熟個体の2.9倍で離乳前です。ショップは法律で生後56日以内は販売できない上、離乳前の子猫の飼育は難しく、初心者も
対象にするショップで販売する事はまず無いと考えられます。
 またショップやブリーダーから入手できる猫は、基本的に純血種なのに対して里親募集サイトで公開されている猫の殆どが雑種です。
野良猫の大半がショップやブリーダー経由の捨て猫ならば、里親サイトで公開されている猫は純血種が大半でないと辻褄が合いません。
 そして江戸時代以前から日本には猫がいて放し飼いされており、今の野良猫はその末裔でもあります。

 これらを纏めると、野良猫たちのごく一部や祖先の一部にショップ&ブリーダー経由の猫がいても、野良猫の大半は繁殖したものです。
つまりショップやブリーダを規制・販売禁止するよりも、野良猫への餌やり等による繁殖を抑えないと効果は無いと言えます。

※野良犬に関しては『犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況』を見ても判る通り少ないので、まずは野良猫を対策すべきでしょう。