歯科技工士☆令和時代 第65期
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入学者数の激減
近年、歯科技工士学校への入学者数が著しく減少していることが問題となっている。
平成28年度の歯科技工士学校入学者数を例に挙げると、日本全国53校でわずか1,032名。
2019年は更に減っている
これは例年に続き過去最低の数字であったのだが、
恐ろしいことに平成29年度の全国入学者数は28年度を大きく下回る927名。
歯科技工士史上初となる、入学者数1,000人未満を記録した大問題となった。
日本最古の歯科技工士専門学校の一つである「愛歯歯科技工士専門学校」が新年度の入学者募集を停止したことからも、
いかに緊迫した現状かお分かりになるだろう。
25歳までに80%が離職していく!
加えて、歯科技工士の離職率問題も忘れてはならない。
新卒の歯科技工士が25歳になるまでの間、約80%が離職することが判明している。
これは日本歯科技工士会が実施した実態調査により判明したもので、
予想ではなく過去の統計から見た実数なのである。
つまり現状の離職率が続けば、ただでさえ人数の少ない新卒歯科技工士は、
5年後にたった2割しか残らない計算になるのだ。
29歳になるまでには4%しか残らない
恐怖の離職統計はこれにだけ留まらない。
実は前述の日本歯科技工士会の実態調査によると25歳から29歳までの間、
更に80%が離職している。
↓に続く 25歳の時点で既に20%しか残っていないため、そこから20%しか残らないとなると、
0.2×0.2=0.04となる。
つまり新卒の歯科技工士が29歳になる頃には、
たった4%しか技工業務に従事していないのである。
1県につき、新卒技工士はたった1名しかいなくなる?
よしんば1,000名が歯科技工士学校を卒業し、国家試験合格後、歯科技工士になったと仮定しよう。
上記の離職率を考慮すれば、25歳までに新卒歯科技工士は200名となり、
29歳までには全国で40名しか残らない計算になる。
次世代を担う若手歯科技工士は、47都道府県で1人いるか否かといったところであろう。
数多くの歯科技工士専門学校が廃校となった理由も納得できる。
↓に続く 現役技工士でさえ10年後には40%しか残らない
現在の稼働歯科技工士数は全国で33,000名と言われているものの、
その内約20,000名が既に50歳を超えている。
これは全体の割合にして60%以上であるため、10年後に50歳以上の技工士が定年を迎えた時、
全国からいきなり歯科技工士の数が40%に減少する可能性を示唆している。
この10年間で新卒者の30歳以上が500名程度増加するであろう点を加味しても、
わずか13,500人程度で全国民の補綴装置製作を支えなければならないのだ。
こうした歯科技工士の激減状態に対応するためにも、
CAD/CAMのような先進的デジタル技術を迅速に適用することは
極めて重要かつ喫緊の課題なのであるが現在の技工料ではペイできず
しかし、この歯科技工士数で日本全国1億2656万人(2018年3月現在)の患者をサポートするためには、
急進的なデジタル技術に頼ったとしてもかなりの危惧を抱く数字と言えよう。
それでもダンピングをする愚かな大手ラボ
大手ラボは本当に離職率に貢献し、新人の未来、技工士の未来を奪っている
異常者が業界に集まり残存すると業界は負のループから抜け出せなくなり若者が被害者となり後に崩壊する 減り続ける歯科技工士
年々歯科技工士さんは少なくなっているらしいです。私が以前勤めていた取引先の歯科技工所さんも大正時代から開校された有名な歯科技工専門学校でしたが、来年2019年3月をもって廃校になるようです。
なぜ歯科技工士さんは少なくなっているのでしょう?
歯科技工士学校の閉鎖と入学者減少
全国で多くの歯科技工学校が廃校になっています。現在日本全国で年度の卒業生が800人にも満たないようです。(2018年)
また新規に歯科技工士学生を募集しても出願する学生も減っているようです。
増え続ける歯科技工業界からの離職者
卒業後就職先の歯科技工所で就労することになりますが、詰め物や差し歯を作る作業は朝早く夜遅いのが日常です。低賃金、長時間労働が現代の社会とマッチせず多くの新卒者が1年以内でやめてしまいます。
また新卒者だけでなく卒後数年後に転職される方も多いようです。
診療報酬マイナス算定からより低価格なものを求める歯科医院
歯医者さんで治療を受け、差し歯や詰め物を作る時の診療代金はあらかじめ厚生労働省が決めた保険点数により請求されます。
つまり保険点数という上限の中で歯科医院の利益、材料代、金属代、歯科技工料金がまかなわれます。
年々診療点数はマイナス査定されており、また金属の高騰も相まって歯科技工料金を下げてほしい歯科医院が多いのが現状です。
より低価格な歯科技工を求められると歯科技工士さん達の経済面や労働面が二重苦になります。安い値段で長時間働かざるえません。 では歯科技工士さんが今の1/10まで減った場合を仮定して歯科治療で起こる問題をシュミレーションしてみましょう。何年後のことでしょうか?以外に近い未来かもしれませんよ。
口腔内スキャナーで作る差し歯、実は隙間だらけ
この時代、日本の歯科医院でも口腔内スキャナーの普及が多くなっています。しかし口腔内スキャナーに慣れていない歯科医師が多いでしょう。その結果差し歯のデザインに欠陥があり合わない詰め物が多くできます。
またミリングマシンに搭載される切削器具(ブロックを削り出して差し歯を作るドリル)はサイズに限度があり繊細な場所は届きません。
繊細な部分は歯科技工士さんの修正が必要になりますが、いない場合やはり問題が多く出てきます。
歯科技工は全て中国や海外へ委託、日本は一ヶ月待ち
歯科技工料金を少しでも低価格なものにするため海外への外部委託がメインになります。その結果技術にムラがあったり、再作製を余儀なくさせられます。
技術の高い日本の歯科技工所は人気があり作製期間にその分期間がかかります。 まとめ
未来の歯科治療で起こる問題はあくまで私の個人的な意見ですが、歯科技工士さんが少なくなることは確かです。そして何らかの影響が出てくるでしょう。
口腔内スキャナーが到来する時代でも歯科技工士さんの技術は必要です。
全ての症例で口腔内スキャナーが適用できることはないからです。
歯科治療は歯科医師と歯科技工士と患者さんが一つのゴールを目指して進むことが治療の合否を分けます。歯科医師にとって歯科技工士は必要不可欠な存在なのです。
歯科技工士さんに明るい未来が来ることを願います。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています