国試世紀0111.

この時代は有視界による近接戦闘が主役の時代であった。この時に有力者と呼ばれたのがhzmである。彼は鋼鉄の鎧に身を包み、グレートソードを両手に持って戦場を駆け抜けていた。また率いていた鋼鉄兵達の数も眼を見張るものがあった。

この時代にも「魔法」と呼ばれる存在は見つかっていたものの、火を起こしたり、ランプを点灯するくらいのもので、誰もが「生活必需品のひとつ」くらいに感じていた時代であった。

そこにKsrという1人の男が現れる。彼は軽装備でおよそ金属と呼べる武装はしてはいなかった。まだ名も知られておらず、小さな田舎町に住む普通の人間だった。

ある日、この鋼鉄兵団とその長であるhzmがその小さな田舎町を制圧しようと進軍を始めた。町は1時間もあれば落とされるであろうと誰もが予想し、降伏嘆願をする声ばかりが怒号となって響きわたっていた。

しかし。

魔法の力を最大限に発揮することに成功していたKsr魔道士はたった1人で鉄鋼兵団の前に立ちはだかった。そして「必修なんてクソだ。そんなものに時間をかける奴等はブタだ!」と、薄ら笑いを浮かべる兵団長の頭上に雷を落とした。

鉄で身を固めた兵団長はあっさりと膝から崩れ落ち、それを目の当たりにした兵団はその場から動けなくなった。

続けざまに空から多数の隕石が降ることになる。それらは鉄鋼兵団1個師団に壊滅的損害を与えることになる。Ksr魔道士が封印から解き放った古代魔法「必修メテオストライク」である。

この時、hzm兵団長とその軍団は敗走を続け、遂には要塞都市M.M.と軍事同盟を結ぶに至る。要塞都市M.M.はこの時、hzm兵団長が語る「魔道の力」を話半分で信じようとはしていなかった。

ただ、金になる力なら調査して、場合によっては田舎町ごと略奪してやろうくらいにしか考えてはいなかった。

この歴史的な戦争がかの有名な「サウスマウントトップの戦い」である。

そしてこの戦いが、後に国試世紀0112における要塞都市M.M.の陥落という大きな悲劇につながっていくのである。