しかし、この5人の女子を再び不合格とした東京医大の判断に対し、柴山文科相は会見で「文科省としては、大学の判断を尊重したい」と擁護。この発言に非難の声があがると、柴山文科相は8日、Twitterにこう投稿したのだ。

〈彼女たちは仮に公正な試験が実施されても合格できなかった方々で、その救済策はまず大学に検討いただくのが筋だと考えます〉

 大学が不正をおこなわなければこんなことは起こらず、しかも再び不合格になった5人の女子よりも得点が低い「正規合格」の在校生が存在するというのに、文科大臣自らが〈公正な試験が実施されても合格できなかった方々〉
と言い放ったのである。

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 さらに、このツイートに対し、南川麻由子弁護士が〈びっくり仰天。文科省トップがこの程度の認識。5人の方は東京医大が勝手に今回設けた「入学受け入れ人数上限」から漏れただけ。過去2年に合格しなかったはずの人たちではありません。大臣なら大臣らしく、
まず事実を正しく認識してから発言すべきでは〉とコメントを寄せると、柴山文科相はこう反論したのだ。

〈事実関係を把握すべきはあなたです。「勝手な枠」ではありません。下駄を履かせた最低点以上の人がみんな合格したら、既に入学した何人かを追い出すことになります。だから当初の枠で採点し直し、新たな最低点以下の既存合格者の分の定数は来年から
差し引くとしたのです〉

 合格最低点より高い者が不合格になる不条理が発生しているのは大学側の都合でしかなく、「勝手な枠」に違いない。なのに、それを認めずに、居丈高に「事実関係を把握すべきはあなた」などと不正した大学の都合に丸乗りした主張を繰り返す──。ようするに、
柴山文科相にはこの「女性差別」入試問題について、根本的な指導や調査が必要だという認識が、まったくないのだ。