数年前から、油絵科学生たちの質の低下に驚いています。

まずは、技術面です。
4年制大学や大学院まで行きながら、ポートフォリオの作品が5点にも満たない人がいるのには開いた口がふさがりません。
油絵科を専攻しながら、在学中に油絵を1枚も描いていない人・・・・・どうなっているのでしょう。
聞くと、1年に10日も学校に行っていないという人までいて、不景気にもかかわらず多額の授業料を負担している父兄に同情します。
会社に入って、その人は一体何をやろうとしているのでしょう。

アート制作を仕事にしている会社は、いずれも少人数の零細企業ばかりです。
近年の厳しい経営環境の中では、即戦力となる人材しか受入れることができないのが現状です。
いくら人手が足りなくても、戦力の見込みがなければ採用はできません。

4年制の美大生と2〜3年制の専門学校生と比較すると、専門学校の方が概して技術的には上です。
「資格を取るなら大学、技術を身に付けるなら専門学校」というのが、近年の傾向のようです。
そのため、美大を出てから専門学校に入り直す人も目立ちます。
何ともおかしな現象です。

最近は専門学校卒が一番戦力になり、大卒は劣る、大学院卒はもっと劣る、という順番です。