自宅で同居する父親の全身を何度も蹴って負傷させたとして、大阪府警曽根
崎署は26日、長男で私立大学2年の戎(えびす)裕一郎容疑者(20)=
大阪市北区中崎3=を傷害の疑いで逮捕したと発表した。父親は24日に死
亡。司法解剖の結果、死因は暴行で肺が損傷したことが疑われる外傷性気胸
だった。曽根崎署は容疑を傷害致死に切り替えて送検する方針。

逮捕容疑は23日午後2〜8時ごろ、自宅2階の和室で父忠裕さん(56)
の顔面、胸、腹、両手足などを何度も蹴り、負傷させたとしている。全身に
多数のあざがあった。「父親にばかにされてカッとなった。寝転んでいる後
ろから殴ったり、蹴ったりした」と認めているという。
 曽根崎署によると、忠裕さんは23日夜、別居する妻に「息子を怒らせて
しまって蹴られた」と電話で連絡。自宅近くに住む祖母が24日午前に様子
を見に行くと、忠裕さんは2階の廊下付近でぐったりして座り込んでいた。
救急搬送されたが、間もなく死亡が確認された。

 裕一郎容疑者が暴行を認めたため、曽根崎署は25日に逮捕した。同日夜
に司法解剖で暴行と死因との因果関係が判明したという。【大森治幸】