芸術におけるエロスの存在は自己表現の一つである。
萌え絵は、近代社会における情報伝達の一つである。

萌え絵は、性を消費させるための媒体であり、共通概念を保有するコ
ミュニティ(この場合はヲタク)へのメッセージとしても機能する。
これは、19世紀中葉にジュール・シェレがラ・シェレッテと呼ばれ
た架空の人物を創造し、それらに商品の宣伝をさせて大衆への訴求を
促した石版画での広告手法に類似する。

しかし、ラ・シェレッテはユニバーサリズム(普遍性)を追求した結果、
シェレが生み出したものであるが、萌え絵は、特定の概念を対象として
いるため、近代の自明性を否定したウィリアム・モリスのアーツアンド
クラフツ運動とも共通する。

萌え絵とは、性に秘める特異的概念を共有するヲタク達の妄想の具現化である。