夜勤明けで通勤ラッシュと逆方向に向かう電車の中で、サラリーマンのおじさん達をぼーっと眺める。
若い頃、彼らのことが大嫌いで大嫌いで、蔑んで見ていた。
全てが上手く行かず逼迫していた頃、憎みながら同時に安定した生活を嫉妬していた。
今では感謝の気持ちで一杯で、時折心の中で両手を合わせる。
彼らがいるから僕は一時期夢を追えたんだと。
この前、業界に詳しい友人から教えてもらったことがある。
美大・芸大を卒業した人達の追跡調査でした。
どこの大学がとかではなく、総合的な調査です。
卒業後10年、定職に就けなかった(就かなかった)者は9割以上。
女はプライドさえ捨てれば嫁に行けるからまだましで。男は悲惨。
そのうち大半がフリーター・NEET・引きこもり。
東京藝大を卒業し、乞食になった者もいた。
後にそれがかつての友人だと、風の噂で知り、その時は流石にショックを受けた。
行方不明の者も沢山いたが、その中には既に死んでいる奴もいるのだろうと思う。
一回りして皆と同じ所に帰ってきたような気持ちになった。
 
 
カッコつけようとか、怖がらせようと思ってこんな事を言ってるのではないです。
最近読んだブラックラグーンという漫画の中で、ぴったりの台詞がありました。
「同情が欲しくて言ってんなら、もっと色つけて話をするよ」
この通りです。
僕にとっては面白くもない、ただの現実です。
連投失礼しました。