2012年の秋、ある無名の同人誌作家から投稿があった。非常に面白かったので連絡を取ったら、その時点で数年の執筆歴があるらしく、それまでに描いた作品の総集編として450ページもある自費出版の短編集『オダギリックス!』を送ってきた。

 収録されていた作品はどれもアイデアが面白く、ネーム(ストーリー構成)の完成度は「プロでもなかなかこうはいくまい」と思えるもので、驚いた。これが小田桐圭介氏との出会いだった。