末期がん患者のターミナルケアにおけるペインコントロールにはオピオイド系は不可欠だけど、
みるみるうちに効き目が落ちるのが目に見えてわかるんだよ。
母親が左肺上野部腺がんで、診断から1年(診断名が確定した段階でステージV-b、縦隔転移あり)で
空に還っていった。亡くなる3ヶ月ぐらい前からオキシコンチンとオキノーム散を使ってきたが、
2ヶ月ほどで効き目が薄くなり、塩酸モルヒネ点滴に変えられた。
暫くは穏やかな日々をおくっていたが、2週間ほどで効き目が落ちて、
身体中の痛みに苦しみだし、母に向き合うことが辛くて仕方なかった。
テュロテップも併用したが痛みと薬の副作用による意識レベルの低下で、
以前のようなコミュニケーションがとれなくなってしまった。
母の容態がいよいよ危険になったとき、1人個室への移動を病院側から告げられ、
その日のうちに約1年間を過ごした相部屋を去ることになった。しかし意識混濁した母には分かりようがなかった。
病室移動のためベッドからストレッチャーに移す段になり、激烈な痛みからか母は悲鳴をあげ、
渇いた両目からは涙が流れていた。このときのことは一生忘れられないし、
忘れてはいけないとおもってる。せめて痛みからは解放してあげたくて、
主治医に頼んで極量のモルヒネの継続的な投与をお願いした。
そして、それから2日後の真夜中に母はすべての苦しみと痛みから解放された。
せめて痛みをうまくコントロールする知識が、あのときの自分にあればといまでも悔やんでいる。悔やんでも悔やみきれない。
長文すまんです。