●報告すれば工期に遅れ…鉄柱ズレで現場ミス隠し●

鉄柱がズレていた大阪市北区の21階建てビル 大手ゼネコン鹿島(東京)が建設した
JR大阪駅近くの21階建てビルで鉄柱のズレがあった問題で、
ミスに気づきながら工事を進めた現場の事務所長が社内調査に
「工事途中で報告すれば、工期に遅れが生じるので黙っていた」と話していたことがわかった。

ビルの所有会社側が一時的にテナント募集を取りやめる影響も出ており、
鹿島は「社員がミスを隠したことは弁解の余地はなく、ご迷惑をかけ申し訳ない。
社員の管理体制を見直していきたい」と謝罪した。

鹿島関西支店によると、ビルは2008年3月に着工。
地下1階から垂直方向に立てた鉄柱数十本のうちの1本が、測量ミスで3階までの間で
水平方向に約7センチのズレが生じた。所長は同年秋頃、ミスに気づいたが、
本社や設計事務所などに報告せず、上部の鉄柱を逆方向に傾けてバランスをとる補正工事を
行っただけで建設を続行したという。

(読売新聞 2010年12月16日15時34分)