小島一志先生名言集続き
「二つ目の優位は情報の差です。ディーゼルノイは『表』の世界、僕は『裏』の世界の住人であり、対戦相手に対して得られる情報に格段の差がありました。
僕は実際の試合やビデオテープでディーゼルノイの戦いのほぼ全ての情報を持ち、戦い方を含めたあらゆる特徴や癖を把握していましたが、ディーゼルノイに与えられてた情報は「対戦相手は日本の空手マスター」というものだけでした。
もしディーゼルノイが僕が唐手、荒木流、ボクシング、武徳会柔道、サンボ、裏と表のSABAKIを学び体系化した現代における御留流とも言える『青水流総裁』であると知っていたのなら、安易に首相撲を使う事に慎重になり、遠間からのミドルキックを多様する事でリーチに勝る彼が勝っていたかも知れません。
ですが彼にはその情報は無く、結果として試合開始から首相撲を使ってきた彼に僕がショートアッパーを入れ、その後に裏のSABAKIで頸椎を制してからの山嵐で地面に頭から落としての決着となりました。
つまりは試合の結果から見るほど僕とディーゼルノイとの間に実力の差はありませんでした。ただ経験と情報、この二つが決定打になったというだけの事です。
ですから僕は目を輝かせて「小島先生は『ムエタイ最強』ディーゼルノイに野試合で勝ったんですよね!」と質問してくるヤングに対して些か辟易しながらもこの事を説明しなくてはならないのです。」