例えば、空手の古伝の技の一つである夫婦手は両手を同時に使う技法の事を指すが、
これは武器術ならば当たり前の身体操作になる。
武器は、余程の筋力があるか、或いは小さい片手用の軽量の武器でない限りは普通は両手で扱う。
その中でも棒は、安価で比較的容易に手に入りやすいという部分で武器術としては、農民から士族まで広く愛好された。
その結果、当時の多くの空手家達が棒を同時に稽古するようになった。

ただ、武器に長じているからといって素手での打撃技や夫婦手が即できるようになる訳でもない。

武器術と徒手空拳の技は共通点はあるが、イコールにはならない。
現代の素手による格闘技の技は元々武器術の発展形であった徒手空拳の技のある部分での発展形と言える。