>>118

まず、武壇スレは55歳くらいのネット廃人のコテハンが常駐する偏った思想集団なので参考にしない方が良いという常識は横に置きます。

次に『月刊秘伝』は編集社員もデスクもライターも武術の専門家ではないので変な記事が普通に掲載される変な雑誌という常識も横に置きます。

本題の「居着く」「居着かない」の定義は物理学的な概念ではないです。

ですから、物体としてのボウリングの球や車の車輪を例に出すのは完全に詐術です。ミスディレクション。レトリック。

人間はボーリングの球のように移動しません。
ボーリングの球はツルツルの床をツルツルの球が少ない摩擦係数という特殊環境で特殊な回転運動をするのを制御するスポーツなので極端に特殊な運動です。
人間があんなふうに前進することはありません。
ツルツルのアイスバーンを車でスリップしている瞬間なら現象的には近似していますが、それは歩法ではありません、事故です。

「身体全体をひとつの拳にして相手を粉砕するというのが武壇八極拳の奥義」なのかどうかは結論のないテーゼですし、結局は個人の感想なので触れなくていい部分です。
ただ、仮に全身がひとつの塊になるとかひとつの運動に集約されてしまうということは現実にはありません。
打拳の瞬間でも心臓も呼吸も別次元で動き続け止まることはありません。
仮に全身がひとつの運動に集中するとしたら、その瞬間こそが隙であり弱点です。
仮死状態と言っても過言ではない。

要するにひとつの運動にとらわれてしまうのですから、ある意味「居着き」の一形態です。

居着かない、とは止まらない、とらわれない、流水のように自由に臨機応変に対応する運動全般を指す漠然とした概念です。
特定の身体操法のことではありません。