安里安恒は、琉球新報(大正3年1月17日)で発表した
「沖縄の武技」という記事において、「沖縄固有の武芸にして田舎の舞方なるものが、
いわゆる唐手の未だ発達せざる時代のそのままであらう」と述べている。
「舞方(メーカタ)」とは琉球舞踊の一種で、音曲に合わせて自由に踊る武術踊りで、
戦前まで沖縄各地にみられた。つまり、安里は琉球舞踊から手が生まれ、それが唐手へと発展した、
ないしは舞方の中に唐手発達以前の手の原初的姿が残されている、と説いている。