中村忠著 「人間空手」 の中で極真の連中の現実と虚構の混同した異常な状況が
冷静な目で記述されています。
極真の馬鹿ぶりは今も昔もまったく変わっていないようです。

「だが、マンガで極真会が有名になるに伴って、これは比喩でも皮肉でもなく言うのであるが、

  極 真 会 そ の も の が マ ン ガ 化 し て い っ た。

 もともと「実戦空手」「ケンカ空手」という考え方自体、現実的であるように見えて、
 非現実すれすれの発想を含んでいた。
 「ルールのない空手」が成り立つかどうか考えてみればすぐにわかるだろう。
 だが少なくとも、強さ弱さがはっきりしている現実の世界にいるかが限り、
 そこには秩序も礼節もあった。
 ところがいったんマンガというフィクションに描かれてみると、空手という世界の秩序の
 体系の根本となる「強さ」を計る尺度がすっかり現実離れしてしまうのである。
 非現実的な強さをもった「極真会」が一人歩きして、それがあたかも現実のように受け取られて
 入門者が引きも切らないという現象はここから起こっている。
 だが最も悪かったのは、極真会そのものが現実ではなく、何と梶原一騎が作り上げた

   フィクション の 中 に 生 き よ う と し た こ と だ。

 (中略)
 「強い極真会」  「その中にいる強い自分」・・・・その 幻 想 から本当の自分を
 引き剥がすことは、そう簡単になし得ることではなかった。」