iOSは設定を増やさない。Androidなら、キーボードのレイアウトをかなり自由に変更できるのだが、ハードウェアが固定されているiOSではそうなっていない。
一方で、新しいハードが出ても、最適化されていないアプリは「旧型の画面イメージをエミュレーションする」ような形で動作するので、とりあえず互換性問題は出づらい。
前出の「9.7インチ版でのキーボード」として出ているスクリーンショットは、この「最適化されていないアプリでの表示例」である。
要は、アプリによってソフトウェアキーボードのレイアウトが変わってしまうのだ。
これはiPhoneで画面サイズが変わった時にも見られるもので、iOSで互換性を維持するための必要悪のようなものである。

そもそも筆者にはどうにも、12.9インチのiPad ProのUIが「本当に最適なもの」とは思えない。
ホーム画面のアイコンの数やサイズはもう少し可変であるべきだし、ソフトウェアキーボードも好みによって使い分けができる方がいい。

その辺も含めた「使いやすいバランス」が、10.5インチ、ひいては11インチの方が良い、と判断しているポイントである。
11インチはディスプレイサイズがさらに大きくなり、使い勝手が良くなった。

正直、ボディサイズ的には12.9インチにも魅力はあった。Smart Keyboardがリニューアルされた結果、
「小さいiPad Proに大きなiPad Proのキーボードをつけて入力を改善する」という裏技も使えなくなっている。
キーの入力は12.9インチモデルの方がちょっと快適だ。

だが、前述のような理由があること、11インチでもそこまでタイプ感は悪くないこと、
そして、なんだかんだ言っても「軽い」ことから、11インチモデルを選ぶことのなったのだ。