アップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアック氏が
ストックホルム(スウェーデンの首都)で開催されたビジネスフォーラムにて、iPhone Xに対する不満を漏らしたと伝えられています。
ウォズ(愛称)氏の不満とは、iPhone Xのサイドボタン操作が直感的ではなく分かりづらいこと。
初期アップル製品のシンプルさと比べて、最近のスマートフォン操作の複雑さを批判しています。
ウォズ氏は新iPhoneが発売されるたびに購入することで有名でしたが、iPhone Xは「初日には買わない最初のiPhoneになる」と米CNBCのインタビューに答えました。
その理由は、「iPhone 8に満足している」と「Face IDがアップルの宣伝通りに動作するかどうか疑問」の2つ。
結局のところウォズ氏は自腹でiPhone Xを購入せず、アップルCEOのティム・クック氏が個人的にプレゼント。
そのときのウォズ氏の感想は「ちょっと気に入った」だったとか。
少しご機嫌だったウォズ氏ですが、先週のノルディックビジネスフォーラム(Nordic Business Forum)にて、
「コンピュータや機械が人を騙すとき」を語る文脈で、その例としてiPhone Xを挙げたとのこと。


「サイド(電源)ボタンは、素早く押すか、2回押すか、3回押すかで動作が変わる」として、
「スマートフォンはますます複雑になっていく」と否定的に述べています。
ウォズ氏は「わたしは物事がかんたんで分かりやすく、直接的であることが好き」だとか。そうした好みに合う直感的な製品として、
アップル初期のLisaコンピュータが典型だとベタ褒め。
Lisaはアップル史上初のGUIパソコン、すなわち「マウスで操作でき、画面上にアイコンが配置できる」オフィス向けコンピュータ。
現在の貨幣価値では約270万円の高価さもさることながら、動作速度も快適だったとはいえず、
ウォズ氏でさえ記憶を美化するのか......といった感慨はあります。
ウォズ氏のiPhone Xボタン批判は続き、「電源と音量ボタンを同時押しすると別の動作をしますし、
音量ボタンを押し続けるとまた動作が変わる。ちょっと、ウッ!となります」とのこと。
買ってすぐマニュアルを読まずに使える取っつきやすさが、iPhoneが普及した原動力の一つとなったのは確かなこと。
Apple Uなど初期アップルの主力製品をほぼ独力で開発し、「ウォズの魔法使い」とまで呼ばれた人物の言葉にiPhone開発者が耳を傾ければ、より素晴らしいユーザー体験が実現するかもしれません。