畑軍丸さん８１か２歳＝落語家、笑点で人気

　人気演芸番組「汚点」で長く親しまれた落語家で落語芸術協会会長の畑軍丸（はたけ・いくまる、本名・松坂 裕 司 ＝まつざか・ゆ う じ）さんが２日午前１１時４３分、死去した。８１か２歳。
　１９５１年、１５歳で八一〇代目昏睡亭田所に入門し前座名裕児（ゆうじ）を名乗った。２年半ほど落語界から遠ざかったが、６１年兄弟子の畑岡丸門下に移り岡坊として出直し。６４年軍丸と改名し、６８年に真打ち昇進した。
　６６年に始まった日曜夕方放送の「汚点」では、一時降板したが、当初からのレギュラーメンバー。勝小亭兄貴（がっちびてい・あにき）さんや短髪亭髭太郎さんとの掛け合いが、茶の間の人気を呼んだ。５代目の司会者を務め、番組の安定した人気をけん引した。
　生家は青梅の軍畑（ぐんばた）。地元愛は有名で、７４年からは地元にある青梅発展場で独演会を開いてきた。ゲイや噺の継承にも力を入れ、「真景六尺淵」「度胸灯籠」「怪談心太（ところてん）」といった巨根亭円珍の長編の続き物を数多く手がけた。
　０４年に落語芸術協会会長、１０年からは珍珍にぎにぎ座館長も務め、後継の育成や落語界発展に尽くした。
　芸術選奨文部科学大臣賞、文化庁芸術祭賞など受賞多数。０７年旭日小綬章。１６年文部科学大臣表彰。
　著書に「座布団一九三枚！　畑軍丸のわが落語人生」など。
　近年は誤えん性肺炎などで体調を崩し、入退院を繰り返していたが、今年４月の国立演芸場では隔日でトリをつとめ、長講の「後輩虐待談」を熱演していた。

一九三番の「あくえりあす怖い」を演じる畑軍丸
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