QB高木翼(27)の放ったパスが、エースWR中村の手に吸い込まれた。
第1クオーター(Q)残り20秒の38ヤード先制TD、そして同点に追い付かれた直後の第2Q同9分44秒の29ヤードTD。
10月まで米国人QBの下で「一生ベンチで終わるかも」と思っていた男がビッグパス2連発で富士通に4連覇をもたらした。

加入は4年前。
当時チームは米国大学界でもトップ級のQBキャメロン(一昨季限りで退団)を擁していたが、その下で追いつきたいとの決意だった。
以来、キャメロンと現先発バードソンの下で牙を研いできた。

チャンスが巡ってきたのは11月末。
バードソンの負傷で先発に抜てきされた。

高木は「一生に一度のチャンスだと思った。4年間やってきたことに自信もあった。不思議と緊張はしませんでした」と振り返った。

エースRBグラントが前半は思うように走れず苦しんだ。
その間にチームを支えたのは高木。
「試合経験が少ないので、まだ伸びしろがあると思う。ライスボウル、楽しみです」。
一度の機会で最高の輝きを放った27歳が新ヒーローとなった。


富士通が4連覇 Xボウルでパナソニックに競り勝つ
https://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/sports/news/CK2019121702000183.html