「以下は複数のチーム関係者から得た証言を整理したものだ。

「試合に出場したかったら、1プレー目で相手のQBを壊してこい」

日大・内田正人監督が反則をしたDLにそう指示したのは試合前日だった。『壊してこい』というのは、『負傷をさせろ』という意味だ。
当該選手は1年生の時から主力選手で、2年時の昨年も大活躍をしていたが、今年は試合出場機会こそ与えられていたものの干されており、精神的にはかなり追い込まれた状態だった。

そのDLに対し、内田監督は試合出場の条件として関学大のQBに負傷をさせることを指示し、コーチAは「何をしてもいいから壊してこい」と指示した。

さらに試合直前、監督から再度、当該DLに対し前日の同様の指示があった。その後、コーチAから「やらないというのはないからな」と念押しされた。

当日の先発メンバー表には当該メンバーの名前はなかった。
チームが動画サイトに上げているロッカールーム内のハドルで主将が当日の先発メンバーを発表する動画でも、当該選手の名前は確認できなかった。
つまり、当該選手は関学大QBを『壊す』ためだけに出場の機会を与えられていた。

「皆、俺がやらせていることは分かっている。(周囲から反則プレーについて)何か聞かれたら、監督の指示だと言え」

試合後、反則プレーについて内田監督は選手全員に対しそう促した。」