米プロフットボール、人気に陰りか コアファン急減
By Jared Diamond and Andrew Beaton
2018 年 2 月 5 日 07:04 JST 更新

 激動のシーズンを締めくくる米プロフットボール(NFL)の優勝決定戦スーパーボウル
が2月4日に開催される。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースが
実施した調査結果は、NFLにとって悪夢のようなものとなった。NFLのコアなファンは
急激に関心を失っており、米国の文化でNFLの支配的地位が危うくなっている可能性がある。

 調査によると、これまでNFLの成長を後押ししてきた若い男性のような重要な層
でさえ、ファンが以前ほどこのスポーツを注目していないことが分かった。
それと同時に、選手の安全やNFLの安全対策に関して懸念が拡大していることを受け、
親は子供の目をアメフトから逸らせたいと考えているようだ。

 こうした関心の低下はあらゆる年齢層、政治的志向で起きている。
つまり、アメフトが経験しているのは、単なる一時的な人気の落ち込みではなく、
長年にわたって築き上げてきたこのプロスポーツの将来を巡る根本的問題だ。

 4日夜のスーパーボウルではニューイングランド・ペイトリオッツと
フィラデルフィア・イーグルスが対戦する。
相次いだスター選手の負傷、オーナーによる公の場での口論、視聴率の急激な落ち込み
など、リーグにとってトラブル続きだったシーズンが終わりを迎える。
国歌斉唱の際の選手による抗議活動を巡ってはトランプ大統領と衝突し、
世論を二分する政治的問題の矢面にも立たされた。

 そうした問題のダメージは大きい。NFLに強い関心があると回答した成人は
2014年比で9%も減少した。しかし、リーグにとってそれ以上に心配なのは、
重要なファン層でNFL離れが大幅に進んでいることである。
NFLに強い関心があると回答した18-49歳の男性はわずか51%で、
4年前の75%から急減している。調査では回答者に関心を失った理由は聞いていない。
調査は900人の成人を対象に1月13〜17日に行われた。
誤差の範囲はプラスマイナス3.27%である。

 ニューヨーク州北部出身で29歳のティム・マジーさんは
「大学フットボールの選手を見ると、プロよりもずっと真剣にプレーしていて試合も面白い」
と話す。「昔と比べると、周囲の人がプロリーグの話をしているのを聞かなくなった」

 民主党員の世論調査員フレッド・ヤン氏と共に
今回の調査に協力した共和党員の世論調査員ミカ・ロバーツ氏は、NFLの観点からすると
「この年齢層のファンは絶対に減少してほしくなかったはずだ」と指摘する。

 「私がNFL関係者であれば、これに関してかなり動揺するだろう」と
ロバーツ氏は言う。「彼らこそがこのスポーツを観るファンのコアだ。
その数が減少したら、どの層が残っているというのか」

 NFLはWSJの調査に対し、コメントを差し控えた。

http://jp.wsj.com/articles/SB10498810886951743680904584022410154368596