「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。

--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 160) ---
Like her Roman counterpart, Diana, she was a goddess of the hunt, travelling through
brutal and mountainous woods with her pack of hounds.
彼女のローマの対応するものである「ディアナ」と同じように、彼女は、狩猟の女神で
あり、彼女の猟犬たちの群れと共に、粗野で山地の森たちを旅して回っていた。

Thus is childbirth linked with the most savage aspects of Nature.
このように、出産は「自然」の中で最も野蛮な様相たちと結び付けらる。

The Goddess, like the Path, can be vicious and unforgiving, her legend being filled
with qualities at once dark and vindictive.
「女神」は、「小径」のように、意地悪で寛大でないものとなることがあり、彼女の伝説
は、陰険でもあり執念深くもある品質たちにより満たされている。
--- ここまで ---

このあたりの「18:月」に関する考え方は、クロウリー氏の拡張理論とウォン氏の再拡張
理論によるものであり、ゴールデン・ドーンの標準理論ではないことにご注意ください。

もちろん、ゴールデン・ドーン版にも、同じようなニュアンスでの意味はあるのですが、
ミナちゃんに頭の上がらないマサース氏、いやいやフェミニストの多いゴールデン・ドーン
においては、こういう女性蔑視的な解釈は、そう簡単には許容されるものではありません。

まあ、「18:月」は、「ネツァク」と「マルクト」という、どちらも女性的な「セフィロト」
を繋いでいるため、確かに女性性は強くあるので、「アルテミス」や「ディアナ」の持つ
「大地母神」的な面はありますが、どちらかというと「ネツァク」の「ビーナス(金星)」
の愛や生殖に近い傾向もありますので、なかなかに難しいところです。

ワタシ的には、ヒステリックでルナティックな荒々しさよりは、冷厳ながらも陰ながら
見守ってくれる「夜の月の女神」であってほしいものだと思います。←個人的願望w