Cそんなリーチマイケルが真っ赤な顔で背を丸くしてたどたどしく話してくれたのが可笑しかったとか。
それでも真摯で真っ直ぐな人なんだなと 気に入って そこから付き合いが始まった。

あれからもうふた昔以上経過しているけど、
定期的に二人は喫茶店に行くし、必ず自家焙煎の豆を買ってきて、休日の朝は
自分で挽いて二人で仲良く飲んでいる。

子供とお菓子(ケーキ)持って訪ねると、赤鬼は満面の笑みで俺と嫁さんにコーヒーを淹れてくれる。

俺が結婚して間もなく実家を訪ね親父お袋たちとで晩飯。食後、ふと親父に来てみた
「親父ってお袋に『愛してる』て言った事ある?」と聞いた。それまで酔ってニコニコしていた
親父が固まってしまい、赤鬼の形相に、ヤバい事きいちゃったかな?と思ったら
親父が小さな声で「お風呂入ってくる。」というと立ち上がって風呂に行ってしまった。

やがてニコニコしながらお袋が茶の間に来ると、
「お父さんは二人になるとずっと愛してるって言ってくれているわよ、毎日言われる方は飽きるけど
俺にはイタリア人の血が混じっているからな。と今でもそうよ」