パオロ・マッソブリオのイタリア20州旨いもの案内


vol.16 トスカーナ州 ワイン
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ


モンタルチーノ村で
孤高の存在であり続ける80歳の巨匠


トスカーナの、いや、イタリアのシンボル的ワイン、レジェンダリーとも言うべき「ブルネッロ」を生み出す村、モンタルチーノを目指し、僕はこれまで幾度となく車のハンドルを握ってきた。
ワイン・テイスターにとって重要なこの町に辿り着く頃には、僕の顔つきも普段よりずっと厳しく引き締まってくる。
そこにブルネッロ・ディ・モンタルチーノの名に値するワインだと、確かに納得させてくれるクオリティを求めることが僕たち試飲者の務めだ。

ブドウの木がまだ深い眠りについている2月、販売開始を控え、リリースされるヴィンテージのワイン・テイスティングが行われる。
馴染みの造り手からニューフェイスの生産者まで、いわばモンタルチーノの全宇宙がここに集結するわけだが、ここからポンと外れた衛星のごとく、独りワインを造る男がいる。

彼のワイナリーの名はカーゼ・バッセ(Case Basse)。
そう、イタリア・ワインの巨匠ジャンフランコ・ソルデーラ(Gianfranco Soldera)。
今年1月29日に80歳を迎えた。

http://r-tsushin.com/journal/ilgolosario/toscana_brunello_di_montalcino_201706.html